LIGの営業が考える「ヒアリング」のコツ②ヒアリング当日編

LIGの営業が考える「ヒアリング」のコツ②ヒアリング当日編

Ryotaro Hasegawa

Ryotaro Hasegawa

LIG アカウントプランナーの長谷川(どんちゃん)です。

前回に引き続き、ヒアリングのコツをお伝えします。前回はヒアリング前の事前準備編でしたが、今回は具体的なヒアリングの流れについてお話ししたいと思います。

▼前回の記事を読んでいない方は、ぜひこちらからご覧ください。

ヒアリングの流れ

1)最初はやはりご挨拶から

これは当たり前のことだと思いますが、まずはご挨拶。

コロナ情勢下のこともあり、オンラインでお話しする機会が通常です。名刺をお渡しすることもできないため、まずは自分の名前と会社内での役割をお伝えしています。

2)相談趣旨を確認する

LIGの場合、お問合い合わせの大半はWebフォームからいただきます。まずは送られたメッセージ本文から、お客様のお問い合わせ趣旨を確認します。

私の仕事の場合ですと、ご相談で多い内容はざっくり分けておよそこのようなものです。

  1. 新規Webサイトの立ち上げ(コーポレート、メディア、採用、LP、その他)
  2. 既存Webサイトのリニューアル(同上)
  3. デザイン制作のみのご相談
  4. 既存サイトのCVR改善
  5. 運用業務のリプレース

問い合わせフォームにてお客様からいただく文量は非常にまちまち。お問い合わせの粒度に、かなり差があります。二つ例を挙げましょう。固有名詞などはボカしますが、具体的な問い合わせ文はこんな具合です。

A.詳細な場合

▼背景から取り組みたいことまで網羅されており、初回から具体的な話に踏み込みやすいお問い合わせの例

B.大雑把な場合

▼さわりの部分しか問い合わせ内容になく、具体的なイメージが想像ができない例

どちらも等しくお客様なので、可能な限り丁寧な対応はさせていただくのですが、やはりありがたいのは前者のようなケースです。ただ、どのようなお問い合わせが来るかはもちろん受け手では選べません。だからこそ、このあとのヒアリングが重要になってきます。

具体的に各ケースでヒアリングしていく流れを説明しましょう。

3)お問い合わせ内容が詳細な場合

まずは打ち合わせの冒頭で、意図的にいただいたお問い合わせ文を声に出して読み上げるようにしています。文章が長い場合は、サマリーをお伝えして、自分の認識に誤りがないかを確認します。

この工程はとても大事です。お客様も多少なりとも不安を感じつつお問い合わせをされているはずなので、「お客様の相談したいことがちゃんと伝わっていますよ!」という事実を、会話や表情からフィードバックするようにしています。

こうすることによって、お客様は安心してお話ししやすくなりますし、もし自分の理解に誤りがあるような場合は、その場でお客様から訂正をいただくこともできるのです。お互いに貴重な時間を無駄にしないために、まずは自分が「今回のお問い合わせはこういう内容だと理解しています。認識齟齬はございませんでしょうか?」と確認することが大事だと思います。

4)お問い合わせ内容が大雑把な場合

この場合も、なるべく早く問い合わせ趣旨を理解するために、自分の方から問いかけるようにしています。まずは想像力を駆使して、「こういうお問い合わせと想像しましたが、あっていますでしょうか?」とお聞きするようにしています。

お客様に「お問い合わせ内容をあらためてお話しください!」と唐突に振っても、なにから話して良いか悩ませてしまうことも少なくないと感じています。このため、「振り」があった方が話しやすいと思い、こちらの理解が間違っていることも覚悟の上で、意図的にまずは「振る」ことをするようにしています。

3)とは異なり情報が断片的なため、自分の想像と違っていたケースも往々にして発生しますが、それは無理からぬこと。まずは具体的な問い合わせ内容がなんであるかを確認する本格的なヒアリングの前段階のヒアリングを実施していきます。

この工程で、お客様の相談したいことを理解してから、より本格的なヒアリングへと突入していきます。

5)本格的にヒアリングをする

さて、いよいよ本質部分をヒアリングする段階まで来たとしましょう。いったい、なにをヒアリングできれば成功なのでしょうか。

私が思うヒアリングすべきことは……

  • なにを実現したいのか(どういう状態が望ましいと考えているのか)
  • なぜそれを実現したいのか(理由・背景)
  • それを実現するために必要だと考えていることはなにか(手段・アプローチ)
  • その手段にどれぐらいコストをかけても良いと考えているか(コスト)

だと考えています。

お客様が考えている課題認識と、課題解決のための道筋が論理的に正しいと思えるならば、それに沿った提案をすればお客様もご納得いただきやすいと思います。しかし、もし論理的に間違っている解決策をお客様側で検討をされている場合は、「実はこうした方が良いのではないかと思うのですが……」と指摘し、本当にお客様のアプローチが正しいのかを問う必要があります。

今回のブログのテーマは、「ヒアリング」にしているのですが、「ヒアリング」だけすれば、ヒアリングとして成功だとは実は私は思っていません。本当は「ヒアリング」した上でもう1つするべきことがあると思っています。

6)聞いただけで満足しては、ヒアリング機会としてはもったいない

お問い合わせをいただいたなかでお客様の課題をヒアリングできれば、ある程度目的を果たせているとは思います。ただ私の場合、もっと有意義なヒアリング機会にするために、可能な限り「こういう施策はどうか」「こういう方針はどうか」など、打ち手(プレ提案)として考えられることがあれば、それをお伝えするようにしています。

そうすると、たいていの場合、それらの提案に対してのお客様の反応は以下の3択になります。

  1. 良い
  2. 良くも悪くもない(=良くするために方向性にチューニングが必要)
  3. 悪い(=採用が難しい)

このリアクションを引き出した上で、今度は1か2をベースとして提案を検討するようにしています。

7)打ち手はできれば3案ぐらい考えたい

人は不思議なもので、「この1択しか絶対ありません!」と言われると、なんだか本当にそれで決めてしまっていいかを躊躇するものです。このため、お客様の方向性をなるべく正しく引き出すために、可能であれば、「考えられる方向性は3つありまして……」と、3択ぐらいの提示ができると良いでしょう。そうすることによって、お客様も選びやすくなる(=判断しやすくなる)と思います。

3つの選択肢がパッと出てくるかはそのときどきではありますが、可能であれば3つの選択肢を出せるように意識しています。

8)結論:ヒアリング時には打ち手を提案しよう!

さて、それでは本日のまとめに入りたいと思います。本日お話ししたことをまとめると、

  • ヒアリングは表面的にヒアリングして終わりではない
  • 相手の考えていることの論理的整合性をプロの目線で評価する
  • 打ち手を提案することにより、顧客が目指す方向性を互いにすり合せ・具体化・認識をする
  • 打ち手は1案ではなく、できれば3つなど複数案を提示する

これらのプロセスが行えていれば、企画・提案の詳細検討をするときに方向性を間違いにくくなります。たいていは自分だけでなく社内の他メンバーのリソースも巻き込むので、方向性がまったく違う提案をするのは、お客様にとっても社内にとっても不幸なので避けたいものです。

そうするために、ヒアリング時に打ち手・プレ提案を行うことが、大事ではないかと考えています。

さいごに

いかがでしたか。今回「ヒアリング」をテーマに、社内向けの勉強会でお話しした内容を記載しました。みなさまのご参考になりましたでしょうか。

ヒアリングを実務上必要としている方のご参考になればと思う一方で、Web制作をご検討されているお客様からの「実際にヒアリングを受けたい!」というご相談もぜひぜひお受けしたいと思っております。

もし弊社へのお問い合わせにご関心をお持ちいただけた方がいらっしゃいましたら、以下のリンク先のフォームよりご連絡ください。その際はぜひ「この記事を読んだ!」と一言添えていただけたら幸いです。

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それではアカウントプランナーのどんちゃんでした!

 

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Ryotaro Hasegawa
Ryotaro Hasegawa Design / Manager / Account Planner / 長谷川 亮太郎

1977年生まれ。東京理科大学を中退後、DTS、Jストリームで主に動画配信関連のプロジェクトを多数経験。2020年LIGにジョイン。コンテンツ配信、Webシステム開発、アプリ開発、システム運用などの経験を活かした提案営業を担当。

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