こんにちは。LIGで人事をやっているあきとです。プライベートでは音楽レーベルを運営しながらDJをしております。
LIGに興味を持ってくれた方々に、すこしでもLIGのことを深く知っていただけるよう、いろいろな記事を書いたり、社員へのインタビューをしています。
今回の「ちょっとお時間いいですか?」では、マーケターのまこりーぬさんに話を聞きました。まこりーぬさんといえば、マーケターの大先輩に取材しました! シリーズで、大御所マーケターの皆さんにインタビュー取材に行く人としてすっかりお馴染みですね。
本業も副業も、そして自主的に行っている取材活動など、とても精力的に動いている彼女の原動力に迫りたいと思います。
「うまく使われている」状況をうまく使っている
あきと:あらためて、今日はよろしくお願いします! さっそくですが、まこりーぬさんはLIGでどんなことをやっている人か教えてください。
まこりーぬ:はい、LIGではクライアントワークとして広告運用代行をしつつ、インハウスマーケターとしてLIGの事業全般の問い合わせ獲得に奔走しています。実際にやっていることは広く浅く多岐に渡りまして、広告、SEO、SNS、セミナー、メルマガ、Web担すべて対応しています。
あきと:幅広いですよね。社内でなんか困ったことあったときに「まこりーぬなら絶対解決してくれるから相談しよう」と、ついついお願いしたくなる心強い存在ってイメージです。最近だと、Twitterでベイジの枌谷さんに「編集者」って紹介されていたり、マルチさを発揮していますよね。
まこりーぬ:ぜんぜん編集者という自覚はないんですが、枌谷さんにそう言われて、すこし編集という職能については意識するようになりましたね。編集者になることはないですが、自分にできることが増えて、結果的に伝えたいことを人に伝えられるようになることはいいことだな、とは思っています。
あきと:幅広い業務を担当していると、なかにはその状況に悩んでしまう方もいると思います。「なんでも頼まれる便利屋って、都合よく利用されてるだけじゃない?」と思ってしまうとか。そのあたりの自分の立ち位置についてはどう捉えているんですか?
まこりーぬ:そうですね。昔から本当になんでも屋っぽく動くことが多かったので、たまに「うまく使われているだけだよ、もっと自分のしたいことしなよ!」と言われたりはしますよ。でも私からしたら、うまく使われているっていう状況を私がうまく使ってやってるんだぜ、って感じですね(笑)。
あきと:なるほどね(笑)。素晴らしいスタンスですね。
まこりーぬ:もちろん、そこで成長がなくなったら便利屋はやめちゃうと思います。得るものがある限りは、どんな仕事でも断らずにやり続けられるんだろうなと。あとは停滞感や飽きを感じると環境や業務を変えたがる根本の性格もあると思います。現状維持はつまらないですから。
真面目な姉のあとを追う優等生タイプだった
▲編集部注:人事です。
あきと:得るものがある限りは、どんな仕事でもやり続けられる、といういまの仕事のスタンスは、前職から変わらないんですか?
まこりーぬ:前職は人材系の中小企業だったんですが、振り返るといま同じようにいろいろな経験をしましたね!
法人営業配属で、社会人1年目の秋には新規事業の運営に。最初は兼務でしたが、徐々に営業職からフェードアウトし、就活サイトの運営(雑務全般)を担当していました。
そのころも、「全社イベントの幹事を任されがちな若手の便利屋」ポジションだったと思います。社会人3年目頃から自社のマーケティング業務にも携わるようになったのですが、それがしっくりきたんですよね。「マーケティングという職種を自分の縦の軸にしたい」と発起して、社会人4年目の終わりにLIGへ転職しました。
あきと:どうして人材系の会社を選んだのですか?
まこりーぬ:新卒の就職活動自体はそこまでしっかりやっていなかったのですが、ご縁があって入社を決めました。大学3年生のいわゆる就活インターンシップあたりからが自分の人生の転機だったんですよ。
あきと:ほうほう。転機というと?
まこりーぬ:だいぶさかのぼって生い立ちの話になるんですけど、6つ上と5つ上に姉がいて、私は3姉妹の末っ子なんですね。姉たちもそうなんですが、基本的にド真面目で、国公立の進学校に通っていました。完全な努力型で定期考査は点が採れるけど実力テストはぼちぼちなタイプで、体育以外オール5でしたね(笑)。
ただ、両親は勉強しろと言うことが一度もないような完全な放任主義でした。就活が終わって、上京を伝えた半年後くらいに「え、まこちゃん東京行くの?」ってちょっと寂しげに言われたくらいに放任です(笑)。
あきと:ご両親が放任主義で、どうしてそんなに勉強を? ふつう勉強しろって言われなかったら勉強しないと思うんですけど(笑)。
まこりーぬ:まず姉たちが勉強していたって理由はありますね。姉たちは勉強以外もバランスよくできるんですが、自分の場合は体育が苦手だったので、なおさら勉強を頑張ろうってのはありました。あとは、小学校、中学校と成績はよかったので、勉強すれば結果が出るという成功体験があったからかもしれません。
あきと:なるほど。学生時代は、お姉さんたちのあとをついていく真面目な優等生だったんですね。いまの、LIGみたいなベンチャーを選んでなんでもチャレンジしていくような姿が想像できないな……。でもそこから就活インターンでの転機があったということでしょうか?
優秀な学生を前に「自分でもいけそうだな」と思った
まこりーぬ:ですです! ド真面目ゆえにしっかりインターンしなきゃ! と思ってインターンを始めたんですよね。
あきと:真面目さゆえにね(笑)。それはそれで筋が通っている。
まこりーぬ:インターンというか、厳密には学生団体がやっているビジコンに参加したんです。1週間カンヅメになるプログラムでした。大学1~2年生の学生たちが運営していたのですが、みんなすごい優秀というか、しっかりしていて。当時私は大学3年生だったので、「年下なのにすごいな!」って思ったんです。まずそこで東京ってすごいな、って感じ始めました。肝心のプログラムでは、流れでリーダーをやることになりまして。そこでも周りの学生がすごい意識高いというか、すごい人いっぱいいるなぁって感化されましたね。
あきと:すごい人ばかりで自信を失っちゃう、ということはなかったんですか?
まこりーぬ:それがあんまりなかったんですよね。感化はされたんですけど、なんか自分でもいけそうだなって思ったんですよね。この前同僚とも話していたんですが、自己肯定感があるというか、自分はちゃんとやればある程度なんでもできると思っている節はいまでもありますね。
そのビジコンを皮切りにいろいろな同世代や社会人に会って、魅了され、学生団体やNPO法人の活動なんかも積極的にやりましたね。その1年間でFacebookの友だちは1,000人くらい増えたと思います。で、それらの活動のなかで出会った会社が一社目の人材系の会社でした。
あきと:なるほどなるほど。就活まではお姉さんたちのあとをついていってたけど、真面目に就活に取り掛かったからこそ、上京して世界が広がって、感化されたっていうのが大きいんですね。早すぎるインターンだとか、就活のシステムの負の部分が問題にされることもありますけど、まこりーぬさんみたいにしっかり自分のものにして、行動が変わっていく人もいるわけですね。
まこりーぬ:私の場合は人との出会いも大きかったですね。前職の上司や先輩など、いまでも当時の方たちとの交流はあります。
あきと:出会いも含めまさに人生の転機だったんですね。
人にこうしてほしい、って思ったら負け。信じるけど期待はしない
あきと:さっき話してくれた仕事のスタンスについてもうすこし教えてください。仕事を断らないでキャパオーバーになったり、ストレスが溜まったりはしないのでしょうか?
まこりーぬ:あー、それがないんですよね。ちなみにプライベートではぜんぜんNOと言って断りますよ(笑)。まず、キャパオーバーになる前に、期限とか優先順位ははっきりさせるようにします。「期限はこのくらいになるのですが、大丈夫でしょうか」とか「これとこれだったら、どちらの方が優先順位高いでしょうか」とか。
自覚がないだけだと思うんですけど、ストレスもあまり溜まらないんですよね。ただ、マインドコントロールのようなものはあります。信じてはいるけど、期待はしない、「人にこうしてほしい」って思ったら負けだと思っています。
相手から良いアウトプットが出ないのは自分のオリエンテーションが悪いからだし、それを人のせいにしたとしても、結果は良くないので結局自分ももやもやしてしまう。でも「それって自分の気持ち次第だよね」と思うようになってからは、ストレスも溜まらなくなりましたね。
あきと:なんだか話を聞いていると、キャパオーバーにならず、ストレスも溜まらず、人に期待もせず……ってかなり達観している印象。たとえば人に期待しないって、なにがきっかけでできるようになったんでしょうか。
まこりーぬ:そうですね、一番大きいのは恋愛経験かもしれないです(笑)。
高校生くらいのころに、好きな人に振り向いてもらえないとか、逆に振り向かせたいとか、そういう相手を思い通りにしようと思うとしんどいということに気づいて。そこからは、期待するとつらいからやめようと思ったのはあるかもしれないですね。
あきと:なんとなんと恋愛経験を仕事に活かしていたとは。恋愛は恋愛、仕事は仕事って人が多いけどね。逆に言うと、仕事ではできるけど恋愛だとからっきしできないとか。
まこりーぬ:自分はあまり仕事モードとか、恋愛モードとか、「モード」というのがないのかもしれないです。つねに自分は自分ですね。どちらも期待するとつらいだけなので(笑)。
先輩方はみんなハードモードで生きていて、退路を断っている
あきと:さいごの質問ですが、先輩たちにインタビューする企画のなかで得たものはどんなことですか?
まこりーぬ:活動の目的であるマーケティングノウハウの獲得はさることながら、圧倒的にマーケティング界隈における人脈が広がりました。Twitterのフォローフォロワーが増えたなどもありますが、やはりインタビュー相手である大先輩方とのつながりは、かけがえのないものです。本当にありがとうございます(涙)。築いた人脈によってLIGとして個人としてお仕事をいただく機会が増えるという現金な面ももちろんあります。でもなによりいまの私にとって、人脈の広がりは視座が上がることだと思っています。
あきと:視座が上がる、か。どういうところで視座が上がっていると感じるんでしょうか?
まこりーぬ:私がインタビューさせていただいている方たちは、ハードモードで生きていて、みんな退路を断っているんですよね。自分で危機感を醸成できるというか。
あきと:ぬるま湯にはつからず、現状に甘えない、ということ?
まこりーぬ:そうですね。なので、私もその姿勢にすごく感化されていて、ますます実力をつけなきゃと思うようになりました。今はまず会社の売上にもっと貢献したいですね。それと、実はしばらくしたら「まこりーぬ」はやめようと思っています。
あきと:おお! ここにきてすごい意思表明!(笑) 「まこりーぬ」やめちゃうんですか。
まこりーぬ:そうですね。いままで積み上げてきた、いわゆるオンラインのブランディングみたいなのはいったん捨てたいと思っています。ありがたいことにたくさんの方に評価いただくことが増えてきたんですが、それってやっぱり自分を気持ちよくさせてしまうもので、甘んじちゃうなと。
先輩たちは実力あっての振る舞いですけど、自分は実力もないのにオンラインでヘラヘラしているのかっこわるいなって。いまのままだとかっこよさの基準が上がらないと思いました。だからLIGもいつかは辞めると思います。
あきと:そんなに堂々と宣言されるとなにも言えないけど……(笑)。まさにいまそういう思考になっている、というところが視座が上がったってことなんですね。理解しました。いろいろとお答えいただき、ありがとうございました!
まとめ
まずはいまいる環境、目の前の課題、周囲からの期待や役割をまっとうする。そこで得られるものは得る。それを繰り返していくことで成長し続けていく。結果的に、周囲に恵まれ、視座が上がっていくのは素晴らしいことだなと感じました。
嫌なこと、やりたくないことにはちゃんとNOを言うことももちろん大事です。でも、頼まれた仕事は本当に自分の成長にならないことなのか、逆に言えばやることで自分の成長にどうつながるのか、それを意味づけする力があれば、たいていの仕事は引き受けるべきものなのかもしれませんね。振られた仕事を、思考の浅い理由で断っていないか、そんなことを省みるきっかけになったインタビューでした!
以下、まこりーぬさんが自身の言葉で書いている取材シリーズのまとめ記事も参考にどうぞ。
わたしがマーケターの大先輩に取材にいく理由と、そこで得たものについて。
取材記事を10本一生懸命書いてみたら、割と自分の人生にたくさん変化があった話。