BiTT開発
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2018.11.28

【DONGURI×LIG】しっぽりとコンセプトワークについて語りました〜「居酒屋 藤田」第4回イベントレポート〜

藤田

「ユーザーにとって魅力のあるデザイン」

ユーザーにとって魅力のあるデザインについて、登壇者のみなさんに自由に解釈して語っていただきました。

TOMMY:そもそもユーザーがこれから制作するデザインの対象としてすでにいるのか、いないのかで変わってくると思うのですが、すでにいる場合は、そのユーザーはデザインの対象物のファンであるといえると思います。

そのファンが、制作したデザインに対し納得し、デザインの対象物に対してさらに熱狂したり、好きになったりするデザインがユーザーにとって魅力のあるデザインだと思います。

これからファンを創出していかなければいけない場合だとデザインの対象物が魅力的にみえることがユーザーにとって魅力のあるデザインだと思います。

吉野:機能として成立していて感情を揺れ動かすデザインがユーザーにとって魅力のあるデザインだと考えています。DONGURIのデザイナーはみんな「機能とエモさの両立」を意識してデザインを行っています。

「機能とエモさ」を紐解くと、機能とはユーザービリティーや扱いやすいUI・わかりやすい写真だったりするのですが、DONGURIではしっかりとユーザーリサーチをして、ターゲットに対して最適なものへとなるように心がけて設計を行っています。ただし機能は基板だと思うので、そこを担保するだけでは感情を動かすことはできません。なので「エモさ」がデザインには必要になってきます。

では「エモさ」の部分を出していくために何をするかというと、機能を担保した上でグリットをずらしたり、変わったUIやレイアウトをあえて取り入れてみることや、インパクトのあるビジュアルで訴求を行うことなのかなと。

遠藤:ユーザーにとって魅力のあるデザインは「機能とエモさの両立」が大切という部分は吉野と同じです。その上で大事なのは、ユーザーを詳しく知ることです。

ターゲットを深く理解することで、質問にあった「ユーザーにとって魅力のあるデザイン」に近づくと思います。なのでDONGURIではペルソナ設計やカスタマージャーニマップの作成などもデザイナーが担当する場合があります。また「エモさ」を表現する際にデザイナーのやってみたいことや表現したいことが表層的に出てくることが多いのですが、その際はそれらが目的から逸れたものになっていないかを、しっかりと客観的な視点で判断していくことが大切です。

ミナベ:まずはユーザーの定義がしっかりとされていること、そのサイトやサービスを使用するユーザーの生活スタイルをしっかりと知ることが大事だと考えています。

よくペルソナ設計などで「年収が◯◯円だ」とか勝手に妄想上のユーザー像を作ってしまうのですが、そういうのは意味がありません。年収が同じでも暮らしている場所が違えばふだん利用しているお店もまったく違ってきます。なので生活導線から考えた現実的に存在しそうな人物をペルソナとして設定して、そのサービスがその人に対しどのような位置づけになるのかというのを明確にした上で、その人の暮らしをより良くするためにはどうしたら良いかということを考えることが必要になってきます。

ここが「ユーザーにとって魅力のあるデザイン」をつくるための基礎です。この基礎の部分は最近のサービスはよくできていると感じます。なぜなら、極論を言ってしまうとサービスのUIなどは大手のプラットフォームに寄せてしまえば、ある程度の人たちにとっては使いやすいデザインになるからです。

しかし同じにすればどのデザインも似通ったものになって差別化ができなくなってしまうので、たとえばあえてUIを使いづらくするといった仕掛けも必要となってきます。そこに狙いや意図があればユーザーに引っかかりを与えることができるのです。

みなさんも毎日スケジュール通りの効率的な生活だけが幸せとは感じないと思います。突然飲み会の予定が入って、そこでたわいもない話をしたりする「あえて非効率」なことが、結果として人生に彩りを与えてきますよね? そのプラスαをもたらす「あえて非効率」なことを追求することが差別化する上で大事になってくるし、それを上手く設計に取り入れることが「ユーザーにとって魅力のあるデザイン」だと考えています。

「社内に自分以外のデザイナーがいないときの研鑽の仕方」

こちらの質問では「スキルアップのためにやっていること・やっていたこと」と「もし質問者の立場だったらどうするか」を伺いました。

スキルアップのためにやっていること

遠藤:最近自分がどういうふうに勉強しているかあまり意識していないので、難しい質問ですね。改めて考えるとやっていることはそんなに多くなくて、Webサイトを見たときに、そのサイトの良い点や悪い点や魅力について言語化するということと、案件に入る前にその案件に必要な技術や参考となるデザインのインプットを行うくらいだったりします。

デザイナーになる前やなりたての頃にやっていたのは、サイトの言語化と、同じフェーズの人たちと積極的に交流して意見交換することです。あとは知らないワードや技術を調べたり、実際に作ってみたりということでしょうか。

吉野:インプットとして日常的にやっているのはまとめサイトを見ることです。まとめサイトはムラマツさんのやっているmuuuuu.org(会場内に前回登壇してくれたムラマツさんがいらっしゃいました)によくお世話になっております(笑)

あとはビジュアルを考える際にPinterestでキーワード検索をしたりしています。そこでいいデザインを見つけたら部分的に参考にしたりアレンジして実案件に取り入れたりしています。デザインを見るときのポイントですが、Webサイトの場合はテキストのジャンプ率や上下や左右の余白感、写真のサイズ・構図・レタッチの雰囲気を重点的に見ています。

社内にデザイナーがいない場合の研鑽の仕方

遠藤:社内にデザイナーがいない場合は視線を社外に向けていくしかないと思います。

たとえばSNSなどで有名なデザイナやーイケてる人をフォローしてその人たちがどのような情報をキャッチしているのかを知ったり、社外のイベントに積極的に出て同じような課題を抱えてる人と意見交換をしたり。

極論ですが社内にデザイナーがいないのであれば転職するというのも手段のひとつだと思います。

吉野:デザインをはじめたばかりの頃は、何の実績もなくいきなりフリーランスになったこともあってアウトプットの良し悪しがまったくわからなかったので、イベントで知り合ったグラフィックデザイナーに自分が作ったデザインのレビューを受けていました。

社内にデザイナーが自分以外いなくても、誰かしらにアウトプットをレビューしてもらうことが技術の研鑽につながると思うので、遠藤も言ったとおり社外に目を向けることが大事になってくると思います。

TOMMY:僕も昔、同じような境遇だったのでこの質問は共感できる部分があります。

自分の知りたいことが、聞けないこともあったので、社外のイベントには積極的に参加するようにはしていました。

やはり同じような感覚の人とコミュニティーを形成することで、ひとりではなし得なかった努力ができるようになるし、なによりも楽しいと思うんですよね。ほかの回答者の方と被ってきますが社外に目を向け、意見を交換する場を増やすことが大事になってくると思います。

ちなみに今のインプットも飲み会に行っていろんなことを聞いています(笑)。そこは昔と変わらないです。意外とみんな優しいので恐れずにいろんなことを聞いてみるというのも大事かもしれませんね。

自分でできる部分は、自分で勉強して、自分だけで解決できない部分は人に聞くのが良い気がしています。

「デザイナーの可能性」

最後の質問はLIGからグットパッチに転職し、ご活躍されている長岡さんからの質問をチョイスしました。この質問に回答者のみなさんは「いじわるな質問だ」と笑っていましたが、面白そうな意見が聞けそうだったのであえて選んでみました。

「今後デザイナーはどうなっていくのか」と「自身のキャリアプラン」の二軸で回答いただきました。

吉野:一般的な流れとしてあるのは、デザイナーの職務範囲は幅と深さともに役割が広がっていっていると感じます。

たとえば「デザイン経営」という言葉もあるように経営チームにデザイン責任者が入り事業戦略構築の最上流からデザイナーが関与することもあります。また、グラフィックが得意なデザイナーと組んで、ファシリテーターとして顧客と認識のすり合わせを行う役割もあったりします。今後はデザインスキルと違うスキルを融合させて活躍していく人が増えていくんじゃないでしょうか。

また、デザイナーのスキルもビジネススキルと同様に今後一般化されていくと思うので、特定の分野で圧倒的なアウトプットを発揮できる1%の人を除いた大多数のデザイナーのうち、いろんな領域をまたいで業務を行なえる人が強くなってくるのではないでしょうか。

僕の場合でいうと、ファシリテーション能力を向上させ広い領域で業務を行なえるようになっていきたいです。あとクラフトマンシップを大切にした作家性のある作品づくりというのにも挑戦していきたいです。

TOMMY:個人的な話になってしまうけど、僕はデザイナーの最上位をプロダクトデザイナーだと思っていて、アートディレクターの最上位を映画とかゲームを作る人だと思っています。

ただ僕はそこには辿り着けないので、デザイナーとして生き残るためにはなるべく上流工程に携わっていけるようになることが大事かなと考えています。

コンセプトが決まっているデザインは、言い方が悪いかもしれませんが誰でもできると思うので、今後は代替が効きやすくなってしまう恐れがあるのかなと。なので今はディレクションをやるようにもなりました。

今後は、吉野さんも言ってたようにデザインプラスαのスキルを組み合わせてマーケティングや課題抽出や解決方法の提案やブランディングなどをできるようになっていきたいです。職人気質の人はひたすら技術を研鑽していけば良いと思いますが、そうでないのであれば上流工程もできるようになるというのが一般的には良いのではないでしょうか。

遠藤:上流工程に向かっていくというのは僕もデザイナーの可能性を広げていくのに大事だと思います。要件に対してデザインを行うだけではなく、いろんな人と関わりを持ちながら働いていくことができるスキル形成が大事なのかなと思います。

たとえばお客様へのヒアリング能力やファシリテーションスキル、エンジニアと実装イメージなどを話し合うコミュニケーションスキルも重要になってきます。僕が以前エンジニアだったこともあるのですが、時代にあったスキルを学びつつ上流工程に守備範囲を広げていくというこの構図は、エンジニアにも当てはまると思います。

ミナベ:UXやデザインスプリントなど様々なキーワードが出てきて、SNSとかを見ると混乱する人もいるかと思うのですが、近年デザイナーの定義がだいぶ広がったように感じます。

では実際に「UXデザイナー」といわれる人が何をしているかというと、デザインスプリントのファシリテーションを行いながらUXのバリューが最大限になるようなチーミング(※)を行ったりしています。その人が実際に手を動かしているかというとそうではない場合もあります。

※チーミング・・・メンバーの成長を阻害しないような柔軟な組織にするために、職業的・文化的な境界を超えた協働体制をつくること

ミナベ:バズワードになった「デザイン思考」もデザイナーの思考プロセスに着目し、それを模倣し別の思考方法に変えたものです。従来の手を動かす「いわゆるデザイナー」に必要なスキルかというと必ずしもそうではなくて、どちらかというとロジカルシンキングを主戦場としてきたビジネスマンのスキルだと思います。

クラシカルなデザイナーの直感的な発想が理論を越えてくる場合もありますし、「デザインスプリント」を提唱しているGoogleの人も表現面では優秀なデザイナーの天才的な発想にはかなわないというようなことも言ってたりします。結局のところデザイナーの定義が広がっているので、同じデザイナーであってもさまざまなタイプの人がいるので、各々の主戦場で技術を磨いていくことが大事ですね。

また、デザイナーに求められる範囲が広がってきているので、デザイナーの可能性も今後どんどん広がっていくと思います。

海外の例でいうとデザイン最先端国といわれている北欧ではプロダクトデザインが発達しており、プロトタイプを作ってからそれをベースにどういうふうな改善をしたら良いプロダクトになるか? という議論をユーザーも交えて行ったりします。

国策としてデザイン戦略に力をいれてたりしていて、日本では考えられないですが国がデザイナーを雇って、公共の配布物のデザインをおこなったり、役所のインテリアやオフィスや地域の公共施設などをどういうふうな形にしていくべきかを地域住民を巻き込んで議論したりしています。議論の中心にいるのはデザイナーです。デザインに力を入れた施策を行うことによって国の幸福度があがったという事実もあります。

日本でもようやく国がデザインに投資しようという風潮が出てきており、スカンジナビア半島への視察を行ったりしています。「国策には逆らうな」という名言からするとデザイン業界やデザイナーは国が育てようとしているのでこれからどんどん伸びてくる思います。これが今後の5年10年で行われていくので、時代の流れを読み取りつつ、それまでにちょっとずつスキルや知識を伸ばして、業界が盛り上がったときの流れに乗れるようになっていくことが大事かと思います。

デザイナーの可能性は広がっていくし未来は明るいです。

今回も内容の濃い回答ばかりでしたね。参加者の方もとても熱心に聞き入っておりいつもの様子よりやや真面目な雰囲気でパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッション後には登壇者への質疑応答を行い、そこでもとてもためになる回答をいただくことができました。

第2部:デザイナー交流会

パネルディスカッションのあとは参加者の方とみんなで楽しくお酒を交えながら交流会を行いました。

参加者から大人気のミナベさん。

気づけば参加者の方々の手元に多くの開いた缶が!

僕も調子に乗って飲み過ぎてしまい、締めの挨拶でまったく上手いことが言えず中途半端な終わり方に。。。

そして本物の居酒屋へ……

もはやこのイベントのお約束。本当の居酒屋に場所を移し二次会が始まりました。

なんと30名を越す方々に参加していただき、交流する機会の少ない外部のデザイナーのみなさまと貴重なお話をたくさんすることができました。

終電を逃した際には「タクシー代を払ってでも意義のある話を聞けているな」と思ったのですが、その心配も杞憂に終わり気づけば始発の時間に!

結局記憶もおぼろげなので、プラマイゼロですね……。

でも、楽しかったので良しとしましょう!

ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

次回の「居酒屋 藤田」は、少し期間が空きますが年明けに行う予定です。

興味を持ってくださった方はぜひお気軽にご参加くださいませー

それではみなさままた〜

LIGでデザイナーとして働いてみたい方は
コチラからどうぞ!

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