こんにちは、Web 事業部のさささんです。
前回はフォルダ整理術の記事を書かせていただきました。
もうデータ探しに迷わない!Webディレクター向けフォルダ整理術、基本のキ
今回は続編として運用案件でのフォルダ整理術を紹介させていただきます。
Webディレクター向けフォルダ整理術[運用案件編]
Webサイトのワークフロー
まずは Web サイト制作やシステム開発のワークフローです。「運用」の位置付けを再確認しておきましょう。次に示すフローは、ウォーターフォール・モデルを採用した場合です。
- 要件定義
- 外部設計
- 内部設計
- 開発
- テスト
- 運用
「運用」は Web サイト制作やシステム開発が完了し、稼動状態になったフェーズに位置しています。
では、運用フェーズにはどのような業務が発生するか。
Webサイトの運用とは
Web サイト、Web サービス、業務システム等々の立ち上げには目的や理由があります。目的を達成するために運用業務が必要と考えます。運用業務において PDCA が重要といわれるようになっています。P( Plan )は「計画」、D( Do )は「実行」、C( Check )は「評価」、A( Act )は「改善」を指します。PDCA サイクルをまわして業務改善を進めます。
運用フェーズには運用業務と保守業務があります。運用業務として「コンテンツの作成、更新」「データの解析」「データのバックアップ」「マネタイズ」「システムの監視」等々。保守業務として「システム不具合の調査・改修」「新規システムの導入」「インフラ環境のリプレース」「ドメインの更新」「 SSL 証明書の更新」「アプリケーションのアップデート」等々があります。
運用フェーズの問題点
前述のとおり、運用フェーズは制作・開発時同様、多岐に渡る業務が存在します。多岐に渡る業務をおこなうため、運用担当者が変わるといくつかの問題が発生します。これまでの経験に基づき、問題例を挙げます。
- サーバーのアクセス情報が分からない
- サーバー構成が分からない
- デザインデータの所在が分からない
- 管理システムのログイン情報が分からない
- 管理システムの使用方法、操作方法が分からない
- ナレッジが蓄積されていない
- 外部ベンダーの連絡先が分からない
要は分からないことだらけ。引き継ぎがおこなわれても、すべての情報が引き継がれないことも多々あります。前任者が組織内にいるあいだは直接聞いて確認できますが、前任者が別の組織に移っている場合は確認に時間がかかります。前任者がすでに退職している場合は確認手段が途絶えてしまうこともあります。
では、これらの問題を未然に防ぐ方法とは。
情報を徹底的に管理する
前述した「分からないことだらけ」の問題を解決する方法として、引き継ぎを完璧におこなうことが必要ですが、完璧に引き継ぐというのもカンタンではありません。それは時間的な制約もあるからだと考えます。組織には「事情」が付きもので、引き継ぎをする時間も限られていることがあります。
ベストな引き継ぎ方法は、引き継ぎ元の担当者と引き継ぎ先の担当者が一定期間、行動をともにすることです。
しかしそのような動きを取れない状況もあるので、あらゆる情報を徹底的に管理することで可能な限り分からないことを減らす努力をする必要があります。
では、どのように情報を管理すればいいのか。
情報管理
前段が長くなりましたが、ここからが今回のテーマの本題です。まずは管理する情報を整理しましょう。
- 初期制作・開発フェーズに関する情報
- 運用フェーズに関する情報
初期制作・開発フェーズに関する情報は、前回の記事でご提案した「フォルダ整理実践」パートに記載のフォルダ階層を参考にしてみてください。
もうデータ探しに迷わない!Webディレクター向けフォルダ整理術、基本のキ
前述のとおり、運用フェーズには次のような業務があります。
- コンテンツの作成、更新
- データの解析
- データのバックアップ
- マネタイズ
- システムの監視
- システム不具合の調査・改修
- 新規システムの導入
- インフラ環境のリプレース
- ドメインの更新
- SSL 証明書の更新
- アプリケーションのアップデート
これらの業務をおこなうためには次のような情報が必要となります。
- 要件・仕様・対応内容
- 素材
- デザインデータ
- ソースコード
- テスト環境のサーバー情報
- 本番環境のサーバー情報
- 解析ツールのアカウント情報
- システム仕様
- サーバー構成図
- 契約ドメイン情報
- 契約 SSL 証明書情報
- 体制図・連絡先
これらの情報をどのように管理するか次のように整理してみました。
- 要件・仕様・対応内容
→ プロジェクト管理ツールのチケット( Issue )登録 - 素材
→ 共有フォルダで管理 - デザインデータ
→ 共有フォルダで管理 - ソースコード
→ リポジトリ管理( GitHub, Bitbucket 等) - テスト環境のサーバー情報
→ 特定の人物だけがアクセスできる場所で管理 - 本番環境のサーバー情報
→ 特定の人物だけがアクセスできる場所で管理 - 解析ツールのアカウント情報
→ 特定の人物だけがアクセスできる場所で管理 - システム仕様
→ 仕様書を共有フォルダで管理 - サーバー構成図
→ サーバー構成図を共有フォルダで管理 - 契約ドメイン情報
→ 共有フォルダで管理(漏えいしてはいけない情報は共有しない) - 契約SSL証明書情報
→ 共有フォルダで管理(漏えいしてはいけない情報は共有しない) - 体制図・連絡先
→ 共有フォルダもしくは Wiki で管理(個人の連絡先は共有しない)
このように整理することで、どの情報はどこで管理すべきかが見えてきます。
ID やパスワードの情報や個人情報は、共有フォルダで管理すべきではないことが分かると思います。個人に依存するのではなく会社で大切に情報を保管することが大事です。
守るべきこと
機密保持契約、個人情報保護法の観点から、情報の取り扱い方法には注意しましょう。契約内容や法律に従い、情報管理することを心掛けましょう。
まとめ
いかがでしたか。おそらく運用案件に携わっているかたは、それぞれ独自の管理方法があると思います。ベストな方法がありましたら、ぜひ教えていただきたいものです。今回は私なりの整理方法を紹介させていただきました。さらに上手に整理する方法を見出したときには、また紹介させていただきます!
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