社労士・勝山が斬る!「社用車の休日デート利用、横領罪が成立しちゃう問題」

社労士・勝山が斬る!「社用車の休日デート利用、横領罪が成立しちゃう問題」

勝山

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1富士、2鷹、3スマイル! 社会保険労務士の勝山です。

労働法とか労務関係の法律って難しいですよね。分からないことは僕に聞いて解決するのが一番です。

当連載「なるほど労務」では皆さんからいただいた質問に対し、社会保険労務士としての見解、アドバイスを加えてできるだけ分かりやすくお答えします。

 

今回いただいた質問はこちらです。

 

社用車の利用について会社と揉めています
勝山さん、こんにちは。

僕は会社の命令で、社用車に乗って日本一周の旅に出ています。

先日、旅の途中で出会った女性を社用車に乗せてドライブデートしました。

それはとても楽しかったのですが、そのことが会社にバレて「デート1回につきガソリン代2,000円を払え」と言われました。

これまで、ガソリン代はすべて経費精算していたのですが、社用車をデートに利用した際に消費したガソリンについては僕が横領していることになるらしいです。

本当に横領になるんですか? 僕は毎回、2,000円を払わないといけないのでしょうか?

 

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そんなもん、知らんがな〜!

質問者って多分、LIGのべべくんだよね?

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べべとは?
一度も出社をしたことがないLIGの社員。現在、社用車で日本一周中。

 

まぁ、社用車の私的利用については労務問題とも言えるか…

それでは質問の内容にお答えします。

 

法律的にはガソリン代以前の問題

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社用車とは、「仕事に利用するために会社組織が用意した車」。つまり会社のものです。

就業規則に「社用車の私用を認める」という一文がない限り(そんな就業規則を私は見たことありませんが。。。)、休日に無断で女性を乗せてドライブデートしたら「会社のものを無断で利用したこと」になります。

厳密に言えば、実はこの時点で刑法上、業務上横領罪が成立します。 

また、就業規則の服務規律等で、業務上使用する会社の備品等を私的な目的で利用することを禁止している場合は、懲戒の対象になるはずです。

業務上横領罪とは
業務上、自己の所有する他人の物を横領した場合に成立する罪のことを言い、10年以下の懲役が科される場合がある。労務問題としては、会社が従業員に貸与した携帯電話やPCなどを私的に利用した場合等の相談が多い。

もちろん、ガソリンを私的な目的で利用しているので、これも厳密に言えば業務上横領罪が成立しますね。まことに残念。

 

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…ところで、今回のケース、このように解釈するのはどうでしょうか?

会社側が「勤務時間外に社用車を私的に利用する場合は、2,000円のレンタル料を払えば許可するよ」って、言ってくれたようなものだと!

正直、悪い取引じゃないと思うね。 レンタカー代よりもずっと安いし。

 

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ちなみに、会社側が社用車の私的利用よりもガソリン代のことを純粋に横領だと言っているのだとしたら、逆に2,000円の根拠を示す必要があるでしょうね。(私的に利用して損害を被った部分を明確にして、損害賠償請求をすることもできるはず)

一番良いのはデート前にガソリンを満タンにして、その代金は経費にする。

そしてデート後に再度ガソリンを満タンにして、その代金を自分の財布から支払う。これで最低限、ガソリン代の問題はOK。

 

 

 

OKなんだけど…

 

 

 

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ぶっちゃけさぁ〜

社用車で日本一周している時点で、通常の生活に支障をきたしているよね。

会社の命令に従っているせいで家にも帰れないんだもん。というより、実質的には社用車が家みたいなもんだし。

休日のデート利用ぐらいはべべくんとルールを決めて、会社に損害が発生しないようにした上で、大目に見てあげて欲しいかな!?

 

「日本一周中の場合に限り、社用車の私的利用を認める。ただし、ガソリン代は自腹とする」

こんな感じの文で良いから、ぜひ一定の約束事を書面にして付け加えて欲しいね。

 

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今回の質問に対する回答ですが、結論だけを言えば

会社に無断で社用車を私的利用した時点で業務上横領罪になる。

厳密に言えば、だけどね。

 

さらにガソリン代も経費で落とせば、それも横領罪になります。気をつけてください。

ただし、「デートする度に毎回2,000円を支払うという」という会社側の指示については再考が必要です。前述した通り、使った分のガソリン代だけを支払うべき。

 

それから、会社には使用者責任があるので、もっと社用車を厳格に管理しないとダメですね。

そもそも社用車を社員が無断で私的利用するような環境をつくってしまっているのがよくない。規則として社用車の利用ルールをきちんと決めておくことが大切です。

もし、デート中に事故を起こしてしまった場合には会社側も責任を問われる可能性が高いですからね!

以上、参考になりましたか?

 

これからも労務に関する様々な問題、悩みについてお答えしていきます。

何か僕に質問してみたいという方は、気軽にメールしてください。(どうしても労務に関する質問が思いつかなかった場合は、労務に関係なくても大丈夫です)

社労士・勝山への質問はこちらまで

 

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社会保険労務士の勝山です。ひょんなことからLIGブログで記事を書かせていただくことになりました。皆さんからの質問(労務に関することでも、そうでないことでも)をお待ちしております。

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