第8回
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社労士・勝山が斬る!「扶養控除内でガッポガッポ稼ぎたいのに法律が邪魔をする問題」

勝山


社労士・勝山が斬る!「扶養控除内でガッポガッポ稼ぎたいのに法律が邪魔をする問題」

Make You Smile! 社会保険労務士の勝山です。

労働法とか労務関係の法律って難しいですよね。分からないことは僕に聞いて解決するのが一番です。

当連載「なるほど労務」では皆さんからいただいた質問に対し、社会保険労務士としての見解、アドバイスを加えてできるだけ分かりやすくお答えします。

 

今回いただいた質問はこちらです。

 

バイトでの収入について悩んでいます
はじめまして。現在大学3回生の学生です。

私は留年が決まっており、あと2年間大学生活を送らなければなりません。

単位はほぼ取り終わっているのでバイトに明け暮れたいのですが、
扶養に入っているため、年間103万までしか稼ぐことができないとよく聞きます。
それを超えると親の収入から引かれる税金が多くなると聞きました。

扶養に入ったままで、年収制限なしでバイトする方法はありませんか?

 

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あははは! 質問の内容が贅沢!

単位取れてるのになんで留年しちゃうんだろうね。 世の中って不思議だね。

キャンパスライフを送りながらバイトに明け暮れたいって… 羨ましくって、胸が締めつけられるよ。学生の本分は…、“勉学”じゃなかったっけ(笑) 社会人になったら「仕事をしつつ勉強もしたい」と思うことのほうが多いのに、社会人にならないとこの贅沢感はわからないかな!? (お説教くさくてすみません)

あと、この質問って本来は社労士じゃなくて税理士にするべきだと思うけど、せっかくお便りをくれたので、私のわかる範囲でお答えしますね。

 

「扶養控除」について整理しよう

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よく使われる「扶養内」「扶養外」という言葉ですが、これは主に「税金」と「社会保険」という2つの制度が関わってきます。

質問者さんが言う「年間103万までしか稼ぐことができない」というのは、主に税金の話なんです。

 

税制上の「扶養内」

税金の「扶養内」とは、所得税の「扶養控除」を受けられる範囲、という意味です。

扶養控除とは
「納税者(※1)にとって、扶養親族(※2)がいる場合に、所得控除の仕組みを通じて納税者の税負担を軽減する制度」を「扶養控除」という
※1 年末調整の対象者や確定申告の提出者など
※2 アルバイトやパートなどの給与所得者で、給与から65万円を差し引いた後の金額が38万円以下の場合の者

 

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所得税法上、質問者さんがご両親(納税者)の扶養親族となるためには、「給与の総収入金額-給与所得控除=38万円以下」という条件を満たす必要があります。

わかりやすく金額にすると、質問者さんの給与の総収入が103万円の場合、給与所得控除となる65万円を差し引くと38万円に収まりますよね。よく「103万の壁」と呼ばれます。

これが一つの大きなボーダーラインで、越えると質問者さんが扶養親族から外れるため、ご両親の所得税の扶養控除がなくなってしまうのです。

で、さらに質問者さんの年収が130万を超えた場合には自分自身でも所得税を支払う必要が生じます。

これらは法律で定められていますから、質問者さんの言う「扶養に入ったままで年収制限なしでバイトする方法」は、「無い」という回答になります。

 

社会保険制度の「扶養内」

せっかくなので、社会保険の扶養控除についても説明しますね。僕の専門領域はこっちなので。

「103万の壁」とよく一緒に耳にするのが、「130万の壁」というもので、こちらは社会保険のお話しです。

ここでいう社会保険というのは「狭義の意味での健康保険と国民年金」のことですが、社会保険に「被扶養者」として加入できる目安が「年収130万円未満」なんですね。

健康保険の被扶養者であれば、自身で保険料を納めずとも、親が支払っている保険の適用を受けられます。また、国民年金の第3号被保険者(これは扶養親族の場合なので、今回の質問者さんは該当しません)は、自身で保険料を納めずとも、保険料納付済み期間として将来の年金額に反映されます。

これを超えて扶養から外れた者は、自分が住んでる市区町村の国民年金と国民健康保険に加入し、国民年金第1号被保険者となります。つまり、自分で保険料を納める必要が発生するということ。フリーランスや自営業者と同じですね。

 

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税制と大きく違うのは、税金は1年間を締めるタイミングで(1月1日から12月31日までの1年間)で「超えていたかどうか」を確認しますが、社会保険に関しては130万を超える「見込み」になった段階で切り替える手続きが必要になるという点です。

つまり、未来的に年収が130万円を超えてくるような雇用契約になった時点で、アルバイト先が適用している厚生年金と健康保険に切り替わるんですね。

また、要件によってはアルバイト先の社会保険の適用を受けられない場合があり、居住地の役所に行って国民健康保険および国民年金第1号被保険者の手続きをし、自らが保険料を納めなければなりません。

 

なお、アルバイト先の社会保険が適用となった場合はアルバイト先(会社)が手続きをしてくれるので、自身でする必要はありません。自分で支払いをする代わりに、毎月、給料から保険料が引かれていくようになります。

この制度を知らずにバイトに明け暮れると、いきなり給料から謎のお金が引かれてガチギレするかも知れません。

これを機に色々と社会のことを勉強して欲しいですね。

※さらには、社会保険適用の要件は扶養の要件とはまた、別にあります。こちらの説明をすると長くなりそうなので、またの機会にしましょう。大企業と中小企業で現在は、要件も異なっていますしね。

 

「103万の壁」「130万の壁」以外の落とし穴

落とし穴というと大層ですが、質問者さんはご両親の収入から引かれるお金を気にしていますよね。

それでいくと、税金や保険料以外にも気にしなければいけないことがもう一つあります。それは、ご両親の勤める会社から「家族手当」「配偶者手当」が出ている場合。

もしご両親がこういった制度のある企業にお勤めの場合、家族手当を支給する要件として、扶養親族(質問者さん)の収入を「103万円以内」や「130万円以内」としている企業が多いので、その支給分がカットされてしまうということが考えられます。

そこも注意して欲しいですね。

 

まとめると・・・

質問者さんの給与収入(年間) 扶養親族から 所得税を
103万円 外れない 払わない
103万〜130万円以下 外れる(ご両親の税金増) 払わない(住民税は払う可能性あり)
130万円以上 外れる(ご両親の税金増) 払う

 

 

 

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んだけどさぁ〜

 

質問者さん、単位はほぼ取り終わってるんでしょ?

バイトに明け暮れたいくらい、自由な時間があるんでしょ?

それも2年間も?!

 

たしかに扶養を外れると、自分で税金や保険料を納める必要が出てきたり、ご両親の収入が今よりマイナスになってしまうケースはありますよ。

ただ、103万とか130万なんて、毎月10万ちょっとの稼ぎを出せば超えちゃうわけじゃない。

時間があり余ってるなら、扶養どうこうを気にしないでドンドン稼ぐのもありだと思うなぁ〜。

 

そもそも、年収制限なんて最初から無いのですよ。

好きなだけ稼げば良いんだよ。 その代わり扶養から外れるってだけだから。

僕も学生の頃はバイトに明け暮れたけど、早々に扶養は外れたよね。色々とやって親の扶養から軽く外れるぐらい稼いでいたからね。

しかも、その時に稼いだお金がどこにいったのか、全く覚えてないんだよ。

いや、そんな話は超どうでもいいんだけど。

 

話を戻すと、ご両親の収入のことを気にするなら、ガッポガッポ稼いで控除や手当でマイナスになった分を家に入れればいいのではないでしょうか。

すごい喜んでくれるか、

しっかり勉強しろ〜

って怒られるかのどちらかだと思うよ。

まぁ、時間の使い方は個人の自由ですから僕がとやかく言えたことじゃないですが……。

 

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それでは改めて、今回の質問に対する回答ですが、結論としては

「扶養に入ったままで年収制限なしでバイトする方法」は無い。

 

ということになります。

そして、「年間103万までしか稼ぐことができない」というルールもありません。

 

税金と社会保険の扶養の仕組みを把握した上で、扶養内でいる方が合っているのなら大人しく従う、その限りではないなら気にせず稼ぐ、ということでいかがでしょうか。

つまり、なぜ扶養に入ったままがいいのか? という大前提を考え直すことをオススメします。

以上、参考になりましたか?

 

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勝山
この記事を書いた人
勝山

社会保険労務士

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