車検いらず!趣深い排気量250ccクラシックバイク5選

車検いらず!趣深い排気量250ccクラシックバイク5選

ヒロアキ

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カワサキ エストレヤ

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1992 年にデビューしたこのエストレヤ、幾度かのマイナーチェンジを繰り返しながら今なお生産されるベストセラーモデルなのです。よく「エストレア」と書かれている記事を見ますが、カワサキモータースジャパンの正式呼称は「エストレヤ」。その意味は「星」(スペイン語)です。

デビュー当時から変わらぬエンジン造形、容量 13 リットルという大柄なフューエルタンクにビンテージ感あふれるシート、フロント 18 / リア 17 インチ スポークホイール、往年の英国バイクに見られるキャブトンマフラーと、王道のクラシックスタイルを見事に再現したエストレヤ。2007 年、キャブレター仕様だったエンジンがフューエルインジェクション化(コンピュータ制御の意)され、スピードメーター単体だったところに兄貴分の W800 ( W650 )から受け継いでスピード & タコメーターの二連仕様になるなど、大きなフルモデルチェンジを敢行したものの、基本形を変えることなくラインナップを飾っているところに根強い人気を感じます。

かつては、ライダーシートとタンデムシートが分割 & 前後ドラムブレーキ仕様の「エストレヤカスタム」( 1995 〜 2006 年)と、ライダーとタンデムが一連となるダブルシート & 前後ディスクブレーキ仕様の「エストレヤ RS 」( 1996 〜 2006 年)の 2 タイプが揃えられ、カスタムのバリエーションを楽しませるきっかけを作ったバイクでもあります。このカテゴリーではダントツの人気を誇るヤマハ SR400 (排気量 400cc )に次ぐ売れっ子とも言われ、社外製カスタムパーツも数多く取り揃えられます。

そんなカスタムワールドの中心的モデルゆえ、中古市場にはカスタムされたタマがひしめいています。逆に言えば、どノーマル仕様を見つけるのはなかなかに難しくもあります。例えば「キャブレター仕様の後期モデル」「走行距離少ない」「ノーマル」なんて中古車だと、きっと価格はかなり高めに設定されているでしょう。それでもし安かったりすると、逆に「え? 事故車?」などと疑いの目を向けたくなるところ。こういったところで判断を迷う車両に出会ったときは、そのお店はもちろん、セカンドオピニオンとしてバイクに詳しい友人・知人に相談してみましょう。

 

全長 x 全幅 x 全高

2,075mm × 755mm × 1,055mm

シート高

735mm

車両重量

161kg

エンジン

空冷 4ストローク SOHC 2バルブ

排気量

249cm³

燃料タンク容量

13L

フロントタイヤサイズ

90 / 90 – 18M / C 51P

リアタイヤサイズ

110 / 90 – 17M / C 60P

ESTRELLA
メーカー希望小売価格(税抜)

494,000円

ESTRELLA Special Edition
メーカー希望小売価格(税抜)

508,000円

>> カワサキ エストレヤの詳細を見る

カワサキ 250TR

1970 – 1971 年に製造された同名モデルのスタイルを継承し、2002 年から 2013 年までラインナップされたストリートバイク。現代のカスタムシーンで高い人気を誇るスアチル「スクランブラー」そのもののフォルムを有し、今なお多くのファンを魅了しているモデルでもあります。

エンジンおよびフレームは前述のカワサキ・エストレヤと同じものながら、王道クラシックネイキッドの同モデルとは相反するストリートユースを見据えたバイク、250TR。「スクランブラー」とは、現代のオフロードバイクの源流となったダート(荒地)仕様のカスタムスタイルのことで、1960 年代アメリカにて「前後サスペンションのロング化」「マフラー位置のアップ化(荒地で擦らないよう)」「ブロックタイヤ」といったメニューを盛り込んだ遊び方が名称化したのです。

ストリートユースが主なロードバイクとして開発された 250TR ですが、前後のブロックタイヤに持ち上げられたフロントフェンダー、オフロードバイクに見られるハンドルバーなど、トレールバイクとしてのエッセンスをそこかしこに見受けます。そうしたディテールこそがこの 250TR というバイクを演出しており、1960 年代アメリカの薫り漂うモデルだからこそ、デニムにスニーカーといったラフなアメカジファッションとともにストリートライドを楽しめるのです。

ベタかもしれませんが、デニムに VANS のスニーカー、ネルシャツなんかを着て、ツバ付きのジェットヘルメット、ビンテージのレザーグローブなんかで 250TR に乗っていたら「カッコええやん!」って見ちゃうでしょうね。

エストレヤ同様、どんなカスタムでも受け入れてくれる懐の深さも魅力で、スクランブラー以外にも、カフェレーサーやチョッパー、フリスコスタイル(米サンフランシスコで流行ったストリートカスタム)なんかも似合っちゃいます。なので、こちらも中古市場ではカスタム仕様が多し。出自がまっとうでフルノーマルの中古車は高値設定ではありますが、とはいえ元値(ラインナップ時代の価格)がさほど高くなかったので、安心して乗れる価格帯は 30 〜 40 万円といったところ。40 万円超えだと、手垢がついていない未走行の新古車なので、懐に余裕がある人にはうってつけ。20 万円代後半だと、心配されるのは走行距離かカスタムメニュー。マフラーぐらいなら、換えることを前提で飲み込んでしまってもいいかと。

 

全長 x 全幅 x 全高

2,100mm x 840mm x 1,105mm

シート高

775mm

車両重量

146kg

エンジン

空冷 4ストローク SOHC 2バルブ

排気量

249cm³

燃料タンク容量

6.6L

フロントタイヤサイズ

90 / 90 – 19M / C 52P

リアタイヤサイズ

110 / 90 – 18M / C 61P

メーカー希望小売価格(税抜)

現在カタログ落ち / 中古車のみ

 

スズキ ST250 E type

2003 年から登場したスズキのネオクラシック ST250。現ラインナップにあるのは「 E Type 」という謎なワードが付与したモデルですが、これは元々あったスタンダードモデルをより豪奢にしたことの意味で、2008 年にこの一モデルに統合された際に名残として残ったもの。かつてネオクラシックブームに参戦すべく生み出されたボルティー( 1994 – 2004 年 / 250cc )の後継モデル ST250 は、単気筒エンジンを心臓に、スポークホイールに大きなヘッドライト & タンク、ビンテージ感あふれるレザーシート、シンプルなメガホンマフラーなどなど、カワサキ エストレヤに張り合うような英国風バイクスタイルを踏襲したスタイルが大きな魅力です。

現在新車としての販売価格が 449,000 円(税抜)と、エストレヤ( 508,000 円)と比べるとかなりリーズナブル。「じゃあ違いって何なの?」となると、ぶっちゃけるとブランド力となっちゃいますが、ライバル車であるエストレヤと見比べたときに目が行くのは、足つきとホイールサイズですね。

フロント 18 / リア 17 インチのエストレヤに対して、ST250 のホイールサイズは前後 18 インチ。小さな差のように見えますが、実はここが大きい。この前後 18 インチ、トライアンフや BSA といった昔の英国バイクの足回りでもあるのです。ここをリスペクトしているところに、スズキのこだわりようが垣間見えます。

17 インチというのは現代バイクにもっとも多いホイールサイズなので、タイヤは選びたい放題。一方 18 インチだとタイヤの選択肢は限られてきますが、わずか 1 インチ差ながら、真後ろから見たときのシルエットが決定的に違ってきます。クラシックバイクを選ぶのであれば、やはりシルエットにはこだわりたい。ハーレーやスーパースポーツに見られる極太タイヤとは対照的な、細くてスッと立つクラシカルな佇まいにぜひこだわっていただきたい。そういう意味で、最初から 18 インチホイールを備える ST250 という選択肢はかなりアリだと思うわけです。

中古車市場を見ると、価格帯はさほど高騰していないので結構狙い目モデルかも。30 万円オーバーなら安心車両、20 万円代の車両を狙うなら「走行距離」「転倒キズ(バーエンド、ステップエンド、マフラー etc)」「車検証の有無」などはチェックした方がいいでしょうね。転倒キズなどがあれば、むしろ安心しましょう。なぜならば、転倒キズもなく走行距離も短い車両の価格が安いというのは、見えないところに何かがあるということでもあるからです。もしそんな車両に出くわしたら……私なら手を出しませんね(笑)。

 

全長 x 全幅 x 全高

2,070mm x 750mm x 1,075mm

シート高

770mm

車両重量

146kg

エンジン

空冷 4サイクル SOHC 2バルブ

排気量

249cm³

燃料タンク容量

12L

フロントタイヤサイズ

90 / 90 – 18M / C 51S

リアタイヤサイズ

110 / 90 – 18M / C 61S

メーカー希望小売価格(税抜)

449,000円

>> スズキ ST250 E typeの詳細を見る

キャブレター仕様とインジェクション仕様、どっちがいい?

現代バイク 永遠の課題とも言われる、キャブレターとインジェクション、どちらが優れているのかという議論。私自身も「どちらがいいの?」と聞かれることが少なくありません。

結論ですが、どちらにもメリットとデメリットがあり、実際に乗るライダー自身が納得できるかできないか、を自分で決めるのみ だと思います。

昔ながらの鼓動がそのまま味わえるキャブレターモデルに対し、インジェクションは車体に内蔵されたコンピュータによって制御された正常進化モデル。「コンピュータ制御モデルには、キャブレターモデルほどの味わい深さがない」などと言われますが、まだバイクに対する知識や経験がない人だとその差は分からないほどの差異です。ならば、壊れにくい新型仕様の方が有り難いもの。

結局は好みの差でしかないので、人の意見で優劣など決めず、「味わい深さを求めるのか」「壊れにくい安心感を求めるのか」を自分で決めればいいのだと思います。

 

250ccから始めるバイクライフ

今回、自分の好きなクラシックスタイルの 250cc モデルに特化してラインナップしましたが、オーソドックスなスポーツバイク、オフロードバイク、さらにロード仕様になったオフスタイル「モタード」、ビッグスクーターなどなど、250cc バイクのスタイルは多岐にわたります。

日常に加速感を与えてくれる手頃なバイクとの日々は、きっとあなたに新鮮な風景を見せてくれるはずですよ!

 

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関西生まれのチャラフォーエディターです。 バイク関係や旅行関係などの媒体編集者として15年以上やってきました。 アメリカやヨーロッパ、アフリカ、アジア、中国などいろんな国に行きました。 愛車はハーレーダビッドソンとホンダ リトルカブ。 なんでもサッカーに例えて話そうとする悪癖あり。 後悔は少なめのMy Life。

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