こんにちは、エディターのヒロアキです。
バイクの楽しみ方と聞くと「やっぱツーリングでしょ」という声が多いかと思いますが、普通自動二輪免許(中型免許とも)で乗れる排気量 400cc モデルが一番能力を発揮するのは、やっぱり街乗り。近年はこのストリート向けのバイクが多数輩出され、大いに人気を博しています。そんなストリートシーンに映える 400cc モデルを独断と偏見で選んでみました。さらに普通自動二輪免許についてのお話も合わせてご一読ください!
目次
ストリートに映える新旧400ccバイク5選
ヤマハ SR400
「ザ・ジャパニーズバイク」そう呼んで差し支えない、日本を代表するシングルエンジンマシン、ヤマハ SR400。デビューは 1978 年と、30 年以上も昔。そのシャープなシルエットとクラシカルな佇まいはコンピュータ制御された現行モデルにも受け継がれており、ヤマハを代表するベストセラーモデルとして人気を博しております。
そのシンプルなスタイルから、カスタムのベースモデルとしても重宝されている SR。専用のカスタムパーツの多さも魅力で、どんなスタイルにも応じてくれるマルチなところも人気のポイントです。” SR のカスタム”と言えばカフェレーサースタイルが一番ポピュラーですが、ビンテージオフローダーなダートトラッカースタイルや、アメリカのシティチョッパー フリスコスタイルなど、そのカスタムバリエーションは無限と言っていいほど。SR カスタム専門サイト「 The SR times 」にさまざまなカスタム SR が載っているので、いろんなスタイルを見たうえでイメージを固め、そのプランに合った SR を探す……というのがベストな買い方でしょうね。
かつて排気量 500cc の SR500 もラインナップされていたので、中古車を探す際は排気量チェックを忘れずに。
全長 x 全幅 x 全高 |
2,085mm x 750mm x 1,110mm |
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シート高 |
790mm |
車両重量 |
174kg |
エンジン |
空冷 4ストローク SOHC 2バルブ |
排気量 |
399cm³ |
燃料タンク容量 |
12L |
フロントタイヤサイズ |
90/100-18M/C 54S |
リアタイヤサイズ |
110/90-18M/C 61S |
メーカー希望小売価格(税抜) |
510,000円 |
ホンダ CB400SS
ホンダと言えば「 CB の系譜」。その CB モデルのバリエーションは無限に存在するのですが、なかでもこの CB400SS はここ最近では珍しいクラシックスタイルのシングルエンジンバイクで、ヤマハ SR400 の独壇場となっている 400cc シングル市場に殴り込みをかけたモデルでもあります。
古き良き時代のホンダのバイクを彷彿させる CB400SS 、その特徴は SR400 とは似て非なる独自スタイルです。まずホイールサイズですが、前後 18 インチの SR400 に対してこの CB400SS はフロント 19 / リア 18 インチとなっています。前後 18 インチというのは、イギリスのトライアンフといった英車系クラシックバイクの基本形で、フロント 19 / リア 18 はアメリカのハーレーダビッドソン・スポーツスター(1960〜70年代)に見られるサイズなのです。端的に言えば、イギリスとアメリカってぐらい違うわけです。
さらに車重は CB400SS の方が軽く、それでいてシート高は CB400SS が上。「跨ると高いけど、取り回しは軽い」という感じです。19 インチというフロントホイールの影響でしょう、どちらかというとアメリカンダートトラッカーをイメージしたスタイルだと言えますね CB400SS は。こう聞くと、似て非なる両者の明確な違いが浮き出てきたのではないでしょうか。
残念ながら現行ラインナップから姿を消しているため、手に入れるには中古車市場を探すほかありません。中古車情報サイトを見てみると結構程度のいい中古車が残っているようなので、SR とは違った雰囲気を求めたい人にはいい立ち位置のバイクと言えるかもしれません。
全長 x 全幅 x 全高 |
2,165mm x 780mm x 1,125mm |
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シート高 |
790mm |
車両重量 |
159kg |
エンジン |
空冷 4ストローク SOHC 4バルブ |
排気量 |
397cm³ |
燃料タンク容量 |
11L |
フロントタイヤサイズ |
100/90-19M/C 57S |
リアタイヤサイズ |
110/90-18M/C 61S |
メーカー希望小売価格(税抜) |
現在カタログ落ち / 中古車のみ |
カワサキ ゼファーχ(カイ)
カワサキの伝統「 Z 」の歴史を受け継ぐゼファーシリーズ。”ゼファー”とは英語で「西風」を意味し、兵庫県明石市に本拠を構えるカワサキ(川崎重工業)らしいネーミングだというところ。そんなゼファーモデル、1100cc / 750cc / 400cc の 3 タイプがラインナップされ、このゼファー χ(カイ)はその末弟。「中型免許で乗れるゼファー」として人気を博しました。
今回ご紹介する 5 モデルのなかで唯一の 4 発( 4 気筒)エンジン。そのライディングパフォーマンスはどのモデルをも凌駕する領域にあります。400cc のネイキッドモデルだからと言って油断してはいけません、ホイールサイズはレーサーモデルに見られる前後 17 インチと、ガチで走り抜く気満々なバイクなのです。
残念ながら、このゼファーシリーズはすべてラインナップから姿を消してしまい、今は中古車で手に入れるのみ。しかも数年前から市場における価値がグッと高まってしまったことから、いずれの中古ゼファーも価格が高騰中という。お財布との相談が必要になりますが、一方で乗りやすいうえに伝統の Z スタイルを受け継いだモデルは現行ラインナップには存在しませんので、ツウな 400cc モデルを探し求める人にはうってつけと言えるでしょう。
ゼファー選びのポイントとして大きいのはカラーリング。なかでも元祖 Z をイメージした燃えるようなファイアレッドが一番人気ですが、当然ながら価格も高し。ただ、元祖 Z を強く意識するならゼファー 1100 かゼファー 750 をベースとする方がいいと思うので、ゼファー χ を購入する際はあえて割り切り、大型二輪免許取得まで気持ちをキープするのがいいんじゃないかな、とも。
全長 x 全幅 x 全高 |
2,085mm x 745mm x 1,100mm |
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シート高 |
775mm |
乾燥重量 |
186kg |
エンジン |
空冷 4ストローク DOHC 4バルブ |
排気量 |
399cm³ |
燃料タンク容量 |
14L |
フロントタイヤサイズ |
120/70ZR17 M/C 58W |
リアタイヤサイズ |
150/70ZR17 M/C 69W |
メーカー希望小売価格(税抜) |
現在カタログ落ち / 中古車のみ |
ドゥカティ スクランブラー Sixty2
イタリアのバイクメーカー「ドゥカティ」が2015年に世に送り出した新型モデル「スクランブラー」(排気量 800cc )の弟分で、外装はスクランブラーとほぼ同じままデチューンされたモデルです。
「スクランブラー」という呼称は、1960 年代のアメリカで流行ったネイキッドバイクのオフロードカスタムスタイルで、映画『栄光のライダー』(原題:On Any Sunday / 1972 年日本公開)に登場したハリウッドスター スティーブ・マックイーン自らが駆っていたバイクがまさにスクランブラーだったのです。かつてドゥカティもアメリカ市場向けに「スクランブラー」というバイクを製造・販売しており( 1962 〜 1974 年)、このスクランブラー Sixty2 はその系譜を受け継ぐモデルというわけです。
スクランブラーならびにスクランブラー Sixty2 の特徴は、その名から連想されるオフロードバイク……などではなく、軽快でスポーティなロードバイクなところ。ドゥカティのアイデンティティである「 L ツインエンジン」(「 L 」字に見える V ツインエンジン)を心臓に、フロント 18 / リア 17 インチというスポーツバイクのようなフットワークを兼ね備えたスポーツバイクでありながら、オフロードバイクのようなブロック型タイヤやラウンドヘッドライト、全体的に無駄のないシルエットと、雰囲気づくりにもこだわりを見せるところはさすがイタリアンバイクといったところ。
コンパクトでありながらパワフルな走りが魅力の兄貴分( 800cc スクランブラー)には敵いませんが、この 400cc スクランブラーは無理しすぎないパワーと性能でライディングプレジャーを掻き立ててくれるのです。こうしたクラシックスタイルへの回帰をはかったバイクが近年続出していますが、性能とスタイリングの両方をもっともバランスよく兼ね備えているのはこのドゥカティ スクランブラーじゃないでしょうか。今回の 5 モデルのなかで一番価格が高くありますが、その価格に見合ったパフォーマンスを味わわせてくれること請け合いのバイクです。
全長 x 全幅 x 全高 |
2,150mm x 860mm x 1,165mm |
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シート高 |
770mm |
車両重量 |
183kg |
エンジン |
L型2気筒 2バルブ デスモドロミック 空冷 |
排気量 |
399cm³ |
燃料タンク容量 |
14L |
フロントタイヤサイズ |
MT 60 RS 110/80 ZR18 |
リアタイヤサイズ |
MT 60 RS 180/55 ZR17 |
メーカー希望小売価格(税抜) |
899,000円 |
KTM 390 DUKE
オーストリアのバイクメーカー「KTM」(ケーティーエム)は、主にオフロード系バイクを手がけるメーカーとして広く知られています。海外メーカーとしては珍しい小排気量〜中排気量のモデルを充実させていることでも有名で、この 390 DUKE(デューク) もそんなラインナップを代表するモデルのひとつ。
「キスカデザイン」という直線的なビジュアルが特徴の DUKE シリーズ。特徴はデザインだけでなく、バイクとしての構造も独特なのです。前述したとおり、元々オフロードバイクを得意とするメーカーなので、基本的な構造は軽やかで取り回しやすいオフロードバイクならではのシステムが取り入れられています。パイプフレームに倒立フロントフォークと、「 400cc モデルをこんなに豪華にしちゃったの?」と小一時間問い詰めたくなる 390 DUKE。僕は未だ試乗する機会に恵まれておりませんが、スペック表を上から下まで見ただけで「絶対楽しいに決まってるやん」とニヤついてしまう一台です。
その性能を最大限に発揮する舞台は、やはりストリートでしょう。オフロードバイクにそのままロードタイヤを履かせた「モタード」というカテゴリーがあるのですが、この 390 DUKE はそのモタードをよりロードバイクに近づけたモデルで、街乗りでこそ生かされる仕様です。乗り手のスタイルも、ゴテゴテのバイク乗りというよりは、「フルフェイスはかぶっているけどファッションは普段着そのもの。シューズだってスニーカー」という感じが一番似合いそうです。ドゥカティ スクランブラーと近しい世界観を共有しつつも、異なるライフスタイルを見せつけてくるバイクですね。
ちなみにこの390 DUKE、来年(2017年)にはこんなマイナーチェンジを果たす模様。
仮面ライダー感がハンパないですね。
好みがが分かれそうなこのマイナーチェンジ、新しいスタイルが好きでも、一世代前なら中古車扱いでちょっと安くなる……ってメリットも捨て難いところ。ご検討の際は、お財布と相談のうえで。
全長 x 全幅 x 全高 |
2,029mm x 836mm x 1,267㎜ |
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シート高 |
800mm |
車両重量 |
139kg |
エンジン |
水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒 |
排気量 |
373.2cm³ |
燃料タンク容量 |
11L |
フロントタイヤサイズ |
110/70 ZR-17 |
リアタイヤサイズ |
150/60 ZR-17 |
メーカー希望小売価格(税抜) |
592,000円 |
普通自動二輪免許のお話
「小型自動二輪」「普通自動二輪」「大型自動二輪」を 3 種類に分かれるバイク用免許の一区分。その特徴と取得方法を簡単にご説明しましょう。
排気量400ccまでのバイクに乗れる
原付免許は 50cc まで、小型自動二輪は 125cc まで、普通自動二輪は 400cc まで、大型自動二輪は無制限という区分になっています。その普通自動二輪免許のなかにも「MT」(マニュアル)と「AT」(オートマチック)の 2 種類があり、「AT」はギアチェンジのないビッグスクーターなどのバイクのみが対象で、「MT」はギア付き・ギアなし(オートマ)のいずれにも乗ることができます。ここはクルマと同じ扱いですね。
運転免許の取得資格
「バイクの免許は 16 歳になってから」とはよく聞かれるかと思います。加えて、最低限の運動神経と学力も求められます。
年齢 |
16歳以上 |
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視力 |
両目で 0.7 以上 |
色彩識別 |
赤・青・黄色の3色が識別ができること |
聴力 |
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聴こえること |
運動能力 |
二輪車運転に支障を及ぼす身体障害がないこと |
その他 |
以下の条件に該当する方は、運転免許を取得することはできません。 1. 政令で定められた病気(自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある等)、中毒(アルコール・麻薬・覚せい剤)にかかっている方 |
普通自動二輪免許 取得までの流れ
実際に二輪免許を取得するとなると、「教習所に通う」か「試験所等で一発試験」のいずれかになります。その金額は場所によって異なりますが、教習所に通えば卒業検定に合格することで試験所での技能検定を免除されるという大きなメリットが。一発試験だとこの技能検定に挑まねばならないのですが、この難易度がかなり高い。腕に自信がある方は一発試験でもいいですが、「お金を払ってでも確実に免許を取りたい」という方は最寄りの教習所通いをオススメします。
知っておきたい!免許取得キャンペーン
バイクメーカーごとに展開している「二輪免許取得サポートキャンペーン」。各メーカーが指定するモデルを購入した免許不保持者(いまだ免許を持っていない人)に対して、一定金額のキャッシュバックをしようという有り難いキャンペーンで、これを見逃す手はありません。期間や車種(中古車が対象外になるなど)によって金額も変わってくるので、お目当てのバイクが見つかったら、まずその車両を扱っているバイク販売店やウェブで情報を集めてみましょう。
まとめ
ロングツーリングにも十分用いることはできますが、やはり排気量 400cc のバイクを存分に楽しむなら街乗りやワインディングでしょう。今回選んだ 5 モデルはあくまでストリートシーンに似合うことを前提に、独断と偏見で選んだものばかり。他にもさまざまなタイプのバイクがあるので、バイクショップや試乗会イベントなどでいろんなバイクに触れてみてくださいね。