「労基法?通用しませんよ」暴力団、風俗嬢の労務管理の実態に迫る!

「労基法?通用しませんよ」暴力団、風俗嬢の労務管理の実態に迫る!

紳さん

紳さん

AKASHI-2

こんにちは。ライターの紳さんです。

最近、どこの企業でも残業とかセクハラとか労務問題が発生していますよね?

 

そこでふと気になったのですが、暴力団ってちゃんと勤怠管理(労務管理)しているんですかね?

 

暴力団も日本国で商売をしている以上、何かしら働いているわけであります。構成員は休みなしで出勤したり、サービス残業したりと、いろいろあるはずなんです。

どうやって勤怠管理をしているのか気になりませんか? 普通にタイムカード押してるのかな?

 

AKASHI-1

そこで今回、労務問題に詳しい社会保険労務士の勝山竜矢(かつやま・たつや)先生に話を聞いてみました。

katuyama1 人物紹介:勝山 竜矢(かつやま たつや)
社会保険労務士事務所リーガルネットワークスの代表。脱サラして社会保険労務士になった奇跡の社労士さん。

ちなみに先生はすごく強そうな名前ですが、暴力団とは一切関係がありません。以前、他の労務問題についていろいろとお話を伺ったことがあります。

 

 

今回も、目からウロコが落ちる話をたくさん聞かせてくださることでしょう!

 

暴力団の雇用体系、労務管理の実態とは?

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shinsan1
先生、今回もよろしくお願いします。
katuyama1
ハイ、よろしくお願いします。

 

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shinsan1
早速ですが先生、暴力団の方々はどうやって勤怠管理しているんでしょうか?
katuyama1
………え? 暴力団?

 

 

 

AKASHI-5

katuyama1
まいったな。なんでそんな話が聞きたいの?
shinsan1
へ?
shinsan1
いや、なんか特殊な雇用体系じゃないですか。どこからどこまでが仕事なのか分からないし、残業とかそういう問題をですね……

 

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katuyama1
う〜ん。まず大前提として話さないといけないんですけどね。
shinsan1
はい。

 

katuyama1
暴力団って、そもそも雇用体系とか無いんですよ。そもそも、労働者じゃない。
shinsan1
!!?

 

 

 

AKASHI-8

katuyama1
対象が「労働者」であれば僕のような社労士の専門領域ですが、暴力団関連の話になると専門外です。
shinsan1
そうなんですか……。暴力団と構成員って、雇用関係にないんだ……
katuyama1
そういうことです。暴力団に労基法は通用しません。
shinsan1
………。

 

AKASHI-9

katuyama1
暴力団は巷では「やくざ」って言い方をよくしますね。彼らは、「暴力団対策法(暴対法)」という法律によって定義されている集団です。大昔でいうと「●●一家」とか呼ばれていたような。これらの団体はそもそも法人格ではありませんので、会社じゃないんですよね。
shinsan1
じゃあ、暴力団とはサークル活動みたいなものなのでしょうか?
katuyama1
間違いではありませんが……、どちらかというと『家族』に近いと思います。
shinsan1
暴力団は家族
katuyama1
もちろん、本物の家族ではないですけどね。
shinsan1
じゃあ、働いてないけど、何かしらでお金を稼いでいる家族、という感じですか?
katuyama1
一般的にいう「労働」はしていないですね。「しのぎ」って聞いたことありますよね? 挨拶料、ショバ代、守料といったようないわゆる「みかじめ料」を一般の人に要求したり。そうやって稼いだお金が構成員から上の方へ上納金として渡される仕組みですね。普通の家族であれば親が子を養いますが、その逆となるわけです。
shinsan1
暴力団は子が稼ぐ

 

shinsan1
あの、そうやって得たお金は「所得」となるのでしょうか。帳簿とかにつけないのかな。
katuyama1
暴力団も所得税法上は、人格のない社団(任意団体:マンションの管理組合等と同義)として扱うと考えられますので、そこで得た収益は所得として取り扱われる可能性があるかもしれません。私の専門領域を大きく逸脱してしまうので、詳しくは、税務の専門家である税理士に確認してもらってください(苦笑)。
shinsan1
つまり、まとめると「暴力団構成員は雇用者ではない」「暴力団自体も法人格ではない」というわけですね。そもそも雇用関係にないのだから、労務問題も発生しない。
katuyama1
はい。暴力団では労務問題が起きません。
shinsan1
-終了-

 

 

 

 

 

katuyama1
……あ、でも企業舎弟っていう言葉を聞いたことはありますか?
shinsan1
-再開-

 

shinsan1
あるあるあるある! 企業舎弟、めっちゃ聞いたことあります!
shinsan1
あれって暴力団ですよね? 暴力団の会社じゃないですか!
katuyama1
最近はフロント企業という言い方をする場合もありますね。暴力団の構成員や関係者(準構成員)が経営する企業、もしくは暴力団に積極的にお金を渡す企業のことで、これは法人格となります。
shinsan1
先生! そのフロント企業の中にいる暴力団構成員、これは労働者じゃないですか?
katuyama1
はい、お待ちかねの労基法の出番です。ですが、そもそもフロント企業も実質的には一般人が会社をやっているのと何ら変わりありません。
shinsan1
えー。
katuyama1
「どの会社にはどこの暴力団がバックにいる」とか「誰が構成員か」とか、ぶっちゃけわからないですよね。「●●企画」とか「●●興業」みたいな名前が付いているケースが多いイメージですが、これは偏見になっちゃいます。実際のところはわかりません。
katuyama1
ただ、法人化している以上は労基法に従っているはずです。むしろ、普通の企業よりもよっぽどしっかりしていると思いますよ。
shinsan1
え、そうなんですか?
katuyama1
上下関係が厳しく、内部の決まりがしっかりしていると思いますし、何より、暴対法以外の法律で茶々を入れられるのもイヤでしょうし……。
shinsan1
確かに……。

 

shinsan1
あ、先生。仮にフロント企業に勤める人が暴力団の抗争に巻き込まれて怪我をしたら、これは労災ですか?
katuyama1
なるわけありません(笑)。仮に負傷した人が「会社員」だったとしても、「抗争が仕事扱い」にはなりませんからね。そもそも労災は「仕事上で何か起きた場合」なので。
shinsan1
なるほど。暴力団は労務問題とは縁が無さそうだ。ある意味、ホワイトなんですね……。
katuyama1
ホワイトなのかな……。

 

 

 

AKASHI-10

shinsan1
先生。話は変わりますが、風俗嬢はどうでしょうか?
katuyama1
はい。雇用関係にありません。
shinsan1
即答

 

shinsan1
あの、どうして雇用関係にないのか、分かりやすく”ソープ”を例に教えてもらって良いですか?
katuyama1
ソープですか。……いわゆる「お風呂でサービスをしている子」と、「そのお店を運営している会社」は雇用関係にないですね。 分かりやすくいうと、「ソープは場所貸しサービス」ってことになります。
shinsan1
場所貸しサービス…?
katuyama1
入浴料なんて書いてあるところもありますが、要は場所を貸しているだけです。お客さんは浴室付きの個室を借りて、お風呂に入ろうとしたら入浴介助の手が必要となった。たまたま入浴介助に来てくれた子が女の子で、いろいろなことがあった挙句、自由恋愛が始まるという仕組みです。
shinsan1
設定に無理がありますね。
katuyama1
いわゆるソープ嬢は入浴介助を業務とする個人事業主となります。個人事業主は経営者なので労働時間の規制などありませんし、労基法が定める権利を得ることもできません。
shinsan1
個人事業主か。労務問題もなければ労務管理される必要もないのですね……。
katuyama1
そうですね。

 

AKASHI-11

shinsan1
もう、いっそのこと、労務がまったく関係ない話をしていいですか?
katuyama1
思い切りましたね。どうぞ。
shinsan1
日本では売春は禁止されてますが、どうしてソープやファッションヘルスは大丈夫なんですか?
katuyama1
風営法というのがありまして、それに従えば売春になりません。売春というのは、分かりやすく抜粋して解釈すると「対償を受け、または受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」を言います。
shinsan1
あ、同性ならいいんだ?
katuyama1
着眼点、そこでいいの? ……で、風営法の限りでは、ソープやファッションヘルスで行われていることは売春にあたらないんです。
shinsan1
なぜですか? なんで売春にあたらないんですか?
katuyama1
「対価を受けることを目的として、不特定の異性と性交すること」をしていないからです。
shinsan1
いや、むしろ、それしかしてないじゃないですか。何を言ってるんですか先生。
katuyama1
だって、ソープもファッションヘルスもセックス(性交)をしていないでしょ? ……これが法律です。
shinsan1
ちなみに、先生はソープに行ったことはありますか?
katuyama1
ノーコメントです。

 

 

まとめ

AKASHI-12

勝山さん、勉強になる話をいろいろとありがとうございました!

 

結論から言うと、

「暴力団や風俗嬢に関しては、そもそも雇用関係にない」

というわけで、特に労務問題がどうのこうのという話ではありませんでしたね。

 

インタビュー開始わずか10分くらいで大体の話の決着がついてしまったので、一時はどうなるかと思いましたが最終的には面白い話がたくさん聞けたので良かったです。

 

 

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メディアクリエイターの紳さんです。 商品やサービスの宣伝、PRの為の効果的な企画、マーケティング手法を0ベースから考え、最良な予算の使い方をご提案するような人物に憧れています。 最近、Twitterを始めました。 クライアントに寄り添い、抱える悩みを自分ごとのように消化できるような、そんなクリエイターを目指しなさい、と母に言われて育ちました。

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