残業問題で会社を訴えることはできないの?社会保険労務士に正解を聞いてみた。

残業問題で会社を訴えることはできないの?社会保険労務士に正解を聞いてみた。

紳さん

紳さん

 

 

 

 

 

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こんにちは。ライターの紳さんです。

会社が嫌になったので、全てを忘れて土手に来ました。土手は広いので。

僕の隣にいるのは、労務問題に詳しい社会保険労務士の勝山竜矢(かつやま・たつや)先生です。

 

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毎日、残業でクタクタ。僕は病みました。

定時に終わらないような業務量をおしつけてくる会社が100%悪いと思うんですが、これって労務問題にならないんですかね? 勝山先生に聞いてみましょう。

katsuyamasan 人物紹介:勝山 竜矢(かつやま たつや)
社会保険労務士事務所リーガルネットワークスの代表。脱サラして社会保険労務士になった奇跡の社労士さん。

 

勝山先生は何かと労務関連の話題になるとLIGに呼ばれる人です。

 

 

残業問題を解決するために必要なこと

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shinsan
先生。残業のしすぎで辛いんですが、会社を訴えて2億円ぐらい貰えないでしょうか?
katsuyamasan
ハハハ。なかなか面白いことを言うねぇ。
shinsan
いや、先生。これはジョークではなく同じようなことを思っている人は多いと思います! 2億円とまでは言わなくとも。
katsuyamasan
うん、確かに似たような相談を受けることは多いね。でも、訴える前に事実確認をしないといけない。
shinsan
と、言いますと?
katsuyamasan
残業が続くということは、「明らかに過剰な業務負荷が掛かっている」か、「業務量は適切だが、効率的に仕事をこなせていないか」のどちらかになるよね。
shinsan
まぁ、そうですね。
katsuyamasan
この手の問題って、「ちゃんと見る」ことで多くは解決に向かうんだよ。
shinsan
見る? 見るとはどういうことですか?

 

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katsuyamasan
勤怠管理をちゃんとしている会社なら、特定の人がいつも残業しているってことは分かるよね。その場合、会社はそれを放置しちゃいけないんだ。
shinsan
ふむふむ?
katsuyamasan
残業が続くこと自体、本当は大きな問題。だけど、多くの会社はそれを放置しているんだよね。これが一番ダメ。
katsuyamasan
残業をしなくて済むように、まず労働者が1日をどうやって過ごしているのか「見る」ことが大切なんだよね。この人はなぜ残業することになったのか、何が原因で仕事が定時に終わらなかったのかを理解しないといけない。
shinsan
なるほど。それはそうですね。
katsuyamasan
そのために、見る。

 

 

shinsan
ん? もしかしてそれって、僕が働いている姿をずっと見られるってことですか?
katsuyamasan
そう。
shinsan
誰に?
katsuyamasan
まぁ、上長だよね。チームリーダーとか課長とかマネージャー。
shinsan
超、嫌なんですけど…
katsuyamasan
でも、やらないと解決しないよね。会社としっかりコミュニケーションを取ることが一番大切なことだから。

 
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shinsan
まぁ、確かに自分では判断が難しいですよね。「業務量は適切だけど、自分のパフォーマンスが悪いから終わらない」って思ったら会社に責任は無いのかなって思うし…
katsuyamasan
いや、労働者が効率良く働けていない場合は会社が指導して残業をなくさないといけない。それをしなかったら会社の責任だね。
shinsan
そうなんですね? それじゃあ、やっぱり会社を訴えることは可能?
katsuyamasan
いきなり訴えるんじゃなくて、まずは「残業が続いてしまうんですが…」と会社に伝えるところからだよね。
shinsan
なるほど。会社はその人の働き方を見て、「業務量が適正でない」のか「効率良く働けてない」のかを判断する。後者の場合は指導にあたる、ということですね。
katsuyamasan
そういうこと。世の中、労働者も会社もお互いにコミュニケーションが取れてなくていなくて、そういった問題を放置しちゃってるんだよね。それが積み重なって体調を崩したり、より大きな問題に発展している。いくらでも改善の余地があるのに。
shinsan
とはいえ、ピッタリ張り付かれて働いている様子を監視されるのはキツイっす。
katsuyamasan
ちゃんと真面目に仕事をしているのなら、大丈夫だと思うんだけど…
shinsan
ちなみに働いている現場を見てもらって、自分は精一杯効率良く働いているつもりなのに会社はそれを認めてくれない場合はどうでしょうか?
shinsan
明らかに業務量が適正ではないのに、会社から「お前が効率良く働いてないから残業になるんだ!」みたいなことを言われて業務量を減らしてもらえない場合は?

 

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katsuyamasan
ええっ!? そんな会社、やばいよ。まいっちゃうね。
shinsan
先生…
katsuyamasan
ちなみにLIGさんは、相談窓口とかってないの?
shinsan
相談窓口ですか? 無い気がします。
katsuyamasan
勤怠環境に関する相談窓口は設置したほうが良いよ。万が一、労務問題が発生して裁判とかになった場合、相談窓口を設置しなかっただけで会社としてはかなり不利になるから。俗に言う「ホワイト」とか「ブラック」とかを判断する一つのボーダーラインにもなるね。
shinsan
なるほど。今、この記事を読んでいる会社経営者には良い情報ですね。
katsuyamasan
会社の規模が50人を超えたら、衛生管理委員会であったり色々と必要なものが増えてくるタイミングになる。それぐらいの人数になると、労働者の勤怠状況とかも把握しきれなくなってくるから、是非とも相談窓口は設置して欲しいね。

 

 

 

 

 

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shinsan
先生、話を戻しますがやっぱり適切な業務量ってわかりづらいと思うんですよ。
katsuyamasan
どうして?
shinsan
例えば、同じ部署で働くAさんとBさんの2人がいたとします。この2人にほぼ同量の作業を振ったとしましょう。

 

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shinsan
Aさんはちゃんと定時に仕事を全て終わらせて、なおかつクオリティに問題もなかった。逆にBさんはできなくて、残業することになった。Aさんがこなせた以上、会社としては業務量は適切だと判断しますよね。
shinsan
ってことは、さっきの話だと「Bさんが残業しなくて済むように、上長が働き方の指導にあたる」っていうことになります。
katsuyamasan
まぁ、そうだね。

 

 

 
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shinsan
Aさんが天才だった場合、やばくないですか? 世の中の凡人、全員死にますよ?
katsuyamasan
ハハハ。やっぱりキミは面白いことを言うねぇ。
shinsan
いや、そうでしょう。だって、もし従業員が2人しかいなかったらAさんが天才なのかBさんが愚鈍なのかはわからないじゃないですか。
shinsan
仮に働いている姿を見てもらったとしても、Aさんと比較されたら「Bさんは非効率的に働いているので、指導します」って上長は判断しますよ。Aさんを基準に適切な業務量が設定されてしまって。
katsuyamasan
その場合、会社はAさんとかBさんを基準に業務量を決めたらダメだよね。働くペースは人によって違うのが当たり前だし、「この仕事量だったら何時間で終わるのが適正」っていう基準をつくっておかないと。
shinsan
その基準をどうやってつくるのかも気になりますが、結果としてその基準がBさんには高すぎる場合もあり得ますよね?
katsuyamasan
だから、面接がめちゃくちゃ大切なんだよね。コストが掛かるので1回や2回の面接で済ませてしまう企業も多いけど、採用は本当にきっちり見極めてやらないと。
shinsan
会社としては、Bさんが期待通りのパフォーマンスを発揮してくれるって信じて採用していますものね。
katsuyamasan
基準が高すぎてBさんが苦しむ結果になったのなら、採用をミスってるよね。まぁ、雇ったからには責任を持ってBさんに正当な対価が支払えるような働き方をしてもらうしかない。
katsuyamasan
例えば、Bさんの業務を転換してあげるとかも手だね。もしかしたらBさんには向いてない仕事をやらせてしまっているのかも。そういうのも含めて、残業をなくすために会社が動かないといけない。
shinsan
まずはコミュケーションですね! 放置が一番いけない!
katsuyamasan
そういうこと。

 

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※影送りをしています。

shinsan
ちなみに、上長がAさんとBさんを比べて、「君は能力が低い」みたいなことを言ったらどうなりますか?
katsuyamasan
パワハラになる可能性はあるね。
shinsan
上長が「俺だったらすぐにできるけど、なんでBさんはできないの?」みたいなことを言ったら?
katsuyamasan
パワハラになる可能性がある。
shinsan
「仕事が終わらないのはBさんの能力が低いことが原因なので、残業代は払えない」って会社が言ってきたら?
katsuyamasan
それはパワハラを通り越して、完全に違法。残業代は払わないとダメ。
shinsan
よかった。法律は労働者の味方なんだな…

 

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※ちゃんと空に影を送ることができました。

shinsan
ちなみに残業とは違いますが、休みの日に会社から電話が掛かってきて仕事を振られた場合はどうでしょうか?
katsuyamasan
業務時間外に仕事を振るのは、法律的にNGだよ。そもそも業務時間外には仕事が発生しないし、なんなら電話に出る義務もないね。
shinsan
でも、有給休暇の日にクライアントから急に対応を求められる場合もありますよね?
katsuyamasan
そういう場合であっても、会社にあるリソースで対応するべきだね。
katsuyamasan
ただ、会社との信頼関係がきちんと成り立っている上で、5分〜10分程度の作業で解決するような範囲なら対応して欲しいとは思うね。それを期待して仕事を依頼することが、絶対にNGとは言いづらい。法律的にはNGだけど。
shinsan
なるほど。会社との関係性とか、人情とかの話になりますね。

 

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※勝山先生は影送りが初体験だったようで、大変驚かれていました。

shinsan
先生、ちなみに遅刻した人の給料を減らすことってどう思いますか?
katsuyamasan
それは問題ないね。正しい減らし方をするなら。
shinsan
正しい減らし方?
katsuyamasan
極端な例だけど、1分遅刻したら「1分間に発生する給料を計算して、それを減らす」とか。
shinsan
なるほど。それをやっている会社は少ないと思います。
shinsan
遅刻した理由が寝坊とかなら仕方ないと思いますが、突然の体調不良とか、やむを得ない場合はどうでしょうか?
katsuyamasan
それであっても、遅刻している時間は会社で作業をしていなかったわけだから。ノーワークノーペイで、給料は減らされても仕方ない。
shinsan
まぁ、そうですよね… 実際、働いてないわけですし。
shinsan
それじゃあ、遅刻した罰として遅刻した人の給料から1日分の25%をカットするというのは?
katsuyamasan
それは懲戒処分の範囲なので問題ないね。労基法第91条にも定められている通り、1回につき1日の50%までは減給の制裁を行うことはできる。
katsuyamasan
ただ、いきなり懲戒処分するというやり方はスムーズではないかな。遅刻した人に対して、ちゃんと指導した方が良い。遅刻した理由にもよるしね。
katsuyamasan
その上で、何度も指導しているのに寝坊などで繰り返し遅刻する人には懲戒処分もやむを得ないだろうね。
shinsan
なるほど。体調不良に関してはどうやって指導を行うのでしょうか。頻繁に体調不良を起こして遅刻する人もいるわけですが…
katsuyamasan
注意はできるよね。プライベートな領域ではあるけど、明らかに毎日夜更かしをしていて体調を崩しているような人には注意するべき。それで体調を崩している可能性もあるからね。
shinsan
なるほど。勝山先生、今回もためになる話、ありがとうございました!

 

まとめ

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僕はこれまで残業について色々と悩んでいたのですが、先生がおっしゃる通り

「会社とちゃんとコミュニケーションを取れば、解決する」

という基本的なことを見落としていた気がします。相談窓口がなかったとしても、上長だったり社長だったり、相談すべき相手はいますからね!

多くの労務問題は、相談することで解決するはずです。

 

その上で、会社としては「頻繁に残業している人や遅刻している人の存在を見過ごさないこと、放置しないこと」が何よりも大切だと感じました。

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shinsan
残業問題を放置したら、会社が悪! そうですよね?
katsuyamasan
うん。
shinsan
労働者から訴えられる前に、AKASHIを導入しておいた方が良いですよね?
katsuyamasan
うん。

カンタンな勤怠管理は、AKASHI!

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メディアクリエイターの紳さんです。 商品やサービスの宣伝、PRの為の効果的な企画、マーケティング手法を0ベースから考え、最良な予算の使い方をご提案するような人物に憧れています。 最近、Twitterを始めました。 クライアントに寄り添い、抱える悩みを自分ごとのように消化できるような、そんなクリエイターを目指しなさい、と母に言われて育ちました。

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