………………………………………。
こんにちは。ライターの紳さんです。
会社が嫌になったので、全てを忘れて土手に来ました。土手は広いので。
僕の隣にいるのは、労務問題に詳しい社会保険労務士の勝山竜矢(かつやま・たつや)先生です。
毎日、残業でクタクタ。僕は病みました。
定時に終わらないような業務量をおしつけてくる会社が100%悪いと思うんですが、これって労務問題にならないんですかね? 勝山先生に聞いてみましょう。
![]() |
人物紹介:勝山 竜矢(かつやま たつや) 社会保険労務士事務所リーガルネットワークスの代表。脱サラして社会保険労務士になった奇跡の社労士さん。 |
---|
勝山先生は何かと労務関連の話題になるとLIGに呼ばれる人です。

社員が旅をしながらブログを書くって出張になるの?社会保険労務士に聞いてみた。

「労基法?通用しませんよ」暴力団、風俗嬢の労務管理の実態に迫る!
残業問題を解決するために必要なこと

先生。残業のしすぎで辛いんですが、会社を訴えて2億円ぐらい貰えないでしょうか?

ハハハ。なかなか面白いことを言うねぇ。

いや、先生。これはジョークではなく同じようなことを思っている人は多いと思います! 2億円とまでは言わなくとも。

うん、確かに似たような相談を受けることは多いね。でも、訴える前に事実確認をしないといけない。

と、言いますと?

残業が続くということは、「明らかに過剰な業務負荷が掛かっている」か、「業務量は適切だが、効率的に仕事をこなせていないか」のどちらかになるよね。

まぁ、そうですね。

この手の問題って、「ちゃんと見る」ことで多くは解決に向かうんだよ。

見る? 見るとはどういうことですか?

勤怠管理をちゃんとしている会社なら、特定の人がいつも残業しているってことは分かるよね。その場合、会社はそれを放置しちゃいけないんだ。

ふむふむ?

残業が続くこと自体、本当は大きな問題。だけど、多くの会社はそれを放置しているんだよね。これが一番ダメ。

残業をしなくて済むように、まず労働者が1日をどうやって過ごしているのか「見る」ことが大切なんだよね。この人はなぜ残業することになったのか、何が原因で仕事が定時に終わらなかったのかを理解しないといけない。

なるほど。それはそうですね。

そのために、見る。
・
・
・

ん? もしかしてそれって、僕が働いている姿をずっと見られるってことですか?

そう。

誰に?

まぁ、上長だよね。チームリーダーとか課長とかマネージャー。

超、嫌なんですけど…

でも、やらないと解決しないよね。会社としっかりコミュニケーションを取ることが一番大切なことだから。

まぁ、確かに自分では判断が難しいですよね。「業務量は適切だけど、自分のパフォーマンスが悪いから終わらない」って思ったら会社に責任は無いのかなって思うし…

いや、労働者が効率良く働けていない場合は会社が指導して残業をなくさないといけない。それをしなかったら会社の責任だね。

そうなんですね? それじゃあ、やっぱり会社を訴えることは可能?

いきなり訴えるんじゃなくて、まずは「残業が続いてしまうんですが…」と会社に伝えるところからだよね。

なるほど。会社はその人の働き方を見て、「業務量が適正でない」のか「効率良く働けてない」のかを判断する。後者の場合は指導にあたる、ということですね。

そういうこと。世の中、労働者も会社もお互いにコミュニケーションが取れてなくていなくて、そういった問題を放置しちゃってるんだよね。それが積み重なって体調を崩したり、より大きな問題に発展している。いくらでも改善の余地があるのに。

とはいえ、ピッタリ張り付かれて働いている様子を監視されるのはキツイっす。

ちゃんと真面目に仕事をしているのなら、大丈夫だと思うんだけど…

ちなみに働いている現場を見てもらって、自分は精一杯効率良く働いているつもりなのに会社はそれを認めてくれない場合はどうでしょうか?

明らかに業務量が適正ではないのに、会社から「お前が効率良く働いてないから残業になるんだ!」みたいなことを言われて業務量を減らしてもらえない場合は?

ええっ!? そんな会社、やばいよ。まいっちゃうね。

先生…

ちなみにLIGさんは、相談窓口とかってないの?

相談窓口ですか? 無い気がします。

勤怠環境に関する相談窓口は設置したほうが良いよ。万が一、労務問題が発生して裁判とかになった場合、相談窓口を設置しなかっただけで会社としてはかなり不利になるから。俗に言う「ホワイト」とか「ブラック」とかを判断する一つのボーダーラインにもなるね。

なるほど。今、この記事を読んでいる会社経営者には良い情報ですね。

会社の規模が50人を超えたら、衛生管理委員会であったり色々と必要なものが増えてくるタイミングになる。それぐらいの人数になると、労働者の勤怠状況とかも把握しきれなくなってくるから、是非とも相談窓口は設置して欲しいね。

先生、話を戻しますがやっぱり適切な業務量ってわかりづらいと思うんですよ。

どうして?

例えば、同じ部署で働くAさんとBさんの2人がいたとします。この2人にほぼ同量の作業を振ったとしましょう。

Aさんはちゃんと定時に仕事を全て終わらせて、なおかつクオリティに問題もなかった。逆にBさんはできなくて、残業することになった。Aさんがこなせた以上、会社としては業務量は適切だと判断しますよね。

ってことは、さっきの話だと「Bさんが残業しなくて済むように、上長が働き方の指導にあたる」っていうことになります。

まぁ、そうだね。

Aさんが天才だった場合、やばくないですか? 世の中の凡人、全員死にますよ?

ハハハ。やっぱりキミは面白いことを言うねぇ。

いや、そうでしょう。だって、もし従業員が2人しかいなかったらAさんが天才なのかBさんが愚鈍なのかはわからないじゃないですか。

仮に働いている姿を見てもらったとしても、Aさんと比較されたら「Bさんは非効率的に働いているので、指導します」って上長は判断しますよ。Aさんを基準に適切な業務量が設定されてしまって。

その場合、会社はAさんとかBさんを基準に業務量を決めたらダメだよね。働くペースは人によって違うのが当たり前だし、「この仕事量だったら何時間で終わるのが適正」っていう基準をつくっておかないと。

その基準をどうやってつくるのかも気になりますが、結果としてその基準がBさんには高すぎる場合もあり得ますよね?

だから、面接がめちゃくちゃ大切なんだよね。コストが掛かるので1回や2回の面接で済ませてしまう企業も多いけど、採用は本当にきっちり見極めてやらないと。

会社としては、Bさんが期待通りのパフォーマンスを発揮してくれるって信じて採用していますものね。

基準が高すぎてBさんが苦しむ結果になったのなら、採用をミスってるよね。まぁ、雇ったからには責任を持ってBさんに正当な対価が支払えるような働き方をしてもらうしかない。

例えば、Bさんの業務を転換してあげるとかも手だね。もしかしたらBさんには向いてない仕事をやらせてしまっているのかも。そういうのも含めて、残業をなくすために会社が動かないといけない。

まずはコミュケーションですね! 放置が一番いけない!

そういうこと。
※影送りをしています。

ちなみに、上長がAさんとBさんを比べて、「君は能力が低い」みたいなことを言ったらどうなりますか?

パワハラになる可能性はあるね。

上長が「俺だったらすぐにできるけど、なんでBさんはできないの?」みたいなことを言ったら?

パワハラになる可能性がある。

「仕事が終わらないのはBさんの能力が低いことが原因なので、残業代は払えない」って会社が言ってきたら?

それはパワハラを通り越して、完全に違法。残業代は払わないとダメ。

よかった。法律は労働者の味方なんだな…
※ちゃんと空に影を送ることができました。

ちなみに残業とは違いますが、休みの日に会社から電話が掛かってきて仕事を振られた場合はどうでしょうか?

業務時間外に仕事を振るのは、法律的にNGだよ。そもそも業務時間外には仕事が発生しないし、なんなら電話に出る義務もないね。

でも、有給休暇の日にクライアントから急に対応を求められる場合もありますよね?

そういう場合であっても、会社にあるリソースで対応するべきだね。

ただ、会社との信頼関係がきちんと成り立っている上で、5分〜10分程度の作業で解決するような範囲なら対応して欲しいとは思うね。それを期待して仕事を依頼することが、絶対にNGとは言いづらい。法律的にはNGだけど。

なるほど。会社との関係性とか、人情とかの話になりますね。
※勝山先生は影送りが初体験だったようで、大変驚かれていました。

先生、ちなみに遅刻した人の給料を減らすことってどう思いますか?

それは問題ないね。正しい減らし方をするなら。

正しい減らし方?

極端な例だけど、1分遅刻したら「1分間に発生する給料を計算して、それを減らす」とか。

なるほど。それをやっている会社は少ないと思います。

遅刻した理由が寝坊とかなら仕方ないと思いますが、突然の体調不良とか、やむを得ない場合はどうでしょうか?

それであっても、遅刻している時間は会社で作業をしていなかったわけだから。ノーワークノーペイで、給料は減らされても仕方ない。

まぁ、そうですよね… 実際、働いてないわけですし。

それじゃあ、遅刻した罰として遅刻した人の給料から1日分の25%をカットするというのは?

それは懲戒処分の範囲なので問題ないね。労基法第91条にも定められている通り、1回につき1日の50%までは減給の制裁を行うことはできる。

ただ、いきなり懲戒処分するというやり方はスムーズではないかな。遅刻した人に対して、ちゃんと指導した方が良い。遅刻した理由にもよるしね。

その上で、何度も指導しているのに寝坊などで繰り返し遅刻する人には懲戒処分もやむを得ないだろうね。

なるほど。体調不良に関してはどうやって指導を行うのでしょうか。頻繁に体調不良を起こして遅刻する人もいるわけですが…

注意はできるよね。プライベートな領域ではあるけど、明らかに毎日夜更かしをしていて体調を崩しているような人には注意するべき。それで体調を崩している可能性もあるからね。

なるほど。勝山先生、今回もためになる話、ありがとうございました!
まとめ
僕はこれまで残業について色々と悩んでいたのですが、先生がおっしゃる通り
「会社とちゃんとコミュニケーションを取れば、解決する」
という基本的なことを見落としていた気がします。相談窓口がなかったとしても、上長だったり社長だったり、相談すべき相手はいますからね!
多くの労務問題は、相談することで解決するはずです。
その上で、会社としては「頻繁に残業している人や遅刻している人の存在を見過ごさないこと、放置しないこと」が何よりも大切だと感じました。
そこでオススメなのが、勤怠管理ツールのAKASHIです!
(全国の会社経営者の皆さん、労務担当の皆さん、注目!)
AKASHIはソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が開発・運用しているクラウド勤怠管理ツールです。
【AKASHIの良いところ】
- PC、スマホ、タブレットで打刻から申請までできる
- 自宅や外出先で自分の勤怠状況が確認できる
- 10秒でトライアル可能。60日間無料お試しできる
- ベンチャー企業、店舗、卸売、学校や行政機関など、あらゆる業種に対応している
という感じなのですが、こういったクラウド勤怠管理ツールの最大の強みは
「概念的に時間や場所が離れていたとしても、毎日リアルタイムで労働者の勤怠状況を把握できる」
という点があります。
今なら60日間、お試しで使える無料トライアルを実施中なので、ただちに導入して1人でも多くの残業で苦しむ労働者を救ってください。

残業問題を放置したら、会社が悪! そうですよね?

うん。

労働者から訴えられる前に、AKASHIを導入しておいた方が良いですよね?

うん。