第1回
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なるほど労務

社員が旅をしながらブログを書くって出張になるの?社会保険労務士に聞いてみた。

ケン


社員が旅をしながらブログを書くって出張になるの?社会保険労務士に聞いてみた。

こんにちはけんさんです

こんちには。エディターのケンです。

僕の同僚に4月に入社したばかりの野田クラクションベベー(通称:ベベ)という社員がいます。

 

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彼は、サンディエ号という車で日本中を旅しながらブログを書くことを仕事としています。

 

そこでふと疑問に思ったのですが…

コレって出張なんですかね?

サンディエ号は、オフィスって扱いになるんですかね?

そもそもサンディエ号は、自宅になるんですかね?

ベベの給与を各地の最低賃金にできないんですかね?

そもそも彼の働き方って会社にとってメリットあるんですかね?

というわけで、社会保険労務士さんに聞いてみた。

 

1_真面目なお顔

katsuyama_prof 人物紹介:勝山 竜矢(かつやま たつや)
社会保険労務士事務所リーガルネットワークスの代表。脱サラして社会保険労務士になった奇跡の社労士さん。

全国を旅しながらブログを書くって出張なの?

2_あどけない笑顔ですね

ー 同僚のベベがいま日本中を旅しています。コレって出張なんですか?

勝山:ベベさんの場合は、車で移動しながらLIGさんの広報的な業務をしているので、労務管理上「出張」もしくは「事業場外労働」として捉えるのが妥当だと思います。

現在、出張の定義がしっかりと定められていないのであれば、まず就業規則の本則や出張旅費規程等で ”何をもって出張なのか” という「出張」の定義をしておく必要があります。

 

ー 出張という扱いが妥当ですが、「出張」をしっかり定義した方が良いというわけですね。

勝山:そうですね。就業規則の本則や出張旅費規程で規定することで、会社として出張時のルール、たとえば労働時間や経費計上の方法などができあがり、画一的な運用ができるようになるので、ケースバイケースで迷う必要もなくなってきます。

 

ー となると、べべに「出張手当」を支払わないといけないんですか?

勝山いいえ。法律上、会社が出張手当を支払わなければいけないということはありません。業務のための出張でかかった費用(営業交通費や宿泊費など)は、実費精算されるのが基本だからです。

つまり、支出した領収書で経理処理するわけですね。これで、損金計上もできます。

ただし、出張時の経費処理は細くなることも多く、煩雑になりがちです。そこで税法上、あらかじめ役職ごとに事前に決めた金額を”日当”として支払うことで、都度経費の精算を要しないことを認めています。

 

ー よかった。出張手当は払わなくていいんですね。

勝山はい

 

ー ちなみに出張時のホテルは好きに選んでもいいんですか?

勝山:そういったルールが定められているかどうかが重要です。一般的には会社の役職ごとに宿泊できる施設のグレードを定め、その中からホテルを選択できるようにしている場合が多いです。

また、経費処理を簡便化するために出張旅費規程に日当や宿泊費の項目を設けて、しっかりと定義する必要があります。

 

ー じゃあ、べべは下っ端なので車中泊がお似合いですね。

勝山はい。

 

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サンディエ号は、オフィスの扱いになるの?

3_真剣とはこういうこと

ー サンディエ号は、オフィスになりますか?

勝山:サンディエ号をオフィスだと定義することは問題ないと思いますが、労働基準法上の事業所としての扱いは難しいと思います。

労働基準法や労働安全衛生法上の事業所は一定の場所での組織的な集まりという事になっていますので、移動する車が事業所として認められるかは最終的には労働基準監督署の判断かとは思います。

 

ー つまり、社労士では判断できないと。

勝山すみません。

 

ー べべは、法律上どこで働いている事になるんですか?

勝山:ベベさんの場合で言えば、まずは基本となる働く場所の概念が必要になります。法律上、会社は社員と契約する上で働く場所を明示しなければいけないことになっています。つまり、べべさんは業務上、雇用契約時にどこの事業所に配属になっているかになります。

 

ー 「働く場所がサンディエ号」という契約があれば、サンディエ号所属でもOKですか?

勝山:いいえ。サンディエ号を使って全国を旅して広報活動をして最終的には本社に戻ってくる、という事が業務だと考えれば、該当してくるのは「本社所属で出張扱い」でしょうね。

 

ー 本社に戻ってこない場合はどうなりますか? 定年まで旅を続けた場合とか。

勝山え。

 

ー じゃあ仕方がないので「出張」だとしたら、なにが問題になってくるでしょうか。

勝山:出張であれば、今度は労働時間が問題となります。労働時間をどのように算定するかということです。労働時間でいうと、会社の指揮命令下にあるかどうか、契約上での始業時間から終業時間までの労働時間の算定が明確にできるかが重要なポイントとなります。

 

ー 指揮命令下というと顔と顔を合わせられる環境でなければダメなんですか?

勝山:昔はそうだったんですが、今はインターネットや携帯電話が普及しているので、連絡がつく場所が指揮命令下という扱いになるケースが一般的ですね。

 

ー ちなみに、サンディエ号は自宅なので、在宅勤務という考え方もできますよね?

勝山:ちょっと無理があるかもしれませんが、おもしろい考え方ですね。もしかしたら、今後は「在宅勤務」に当てはまらなくもないと思います。いま、在宅勤務が増えてきていますので、自宅が移動式である(笑)、ということですね。

 

ー そうです。彼の自宅は移動式なんです。

勝山:なるほど。

 

ー ちなみに、サンディエ号は社宅になりますか?

勝山:そうなると、今度は別の問題が出てきます。社宅の規程も用意しなければいけないかな…? 社宅がある場合はある一定の賃料を取っていないと、その社宅は現物給付になる可能性があるので賃金(=社会保険料の算定基礎)として換算されてしまうかもですね。もし、サンディエ号を社宅としたら、現物給付の換算金額の算定をどうするか調べないとですね…。

 

ー つまり、社労士では今すぐに判断できないと。

勝山すみません。

 

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移動している各地の最低賃金で働くことは可能?

5_獲物を狙ってる顔ですね

ー 例えば、滞在している地域の最低賃金を適用することはできるんですか?

勝山:最低賃金を適用するには、どこに所属しているか、ということが問題となります。本社付けであれば、本社がある東京の最低賃金が適用されます。

移動する先々の最低賃金を適用するのであれば、各地で働いた時間に対する最低賃金となりますので、管理のコストパフォーマンスの面でも合わなくなってきます。また賃金については、雇用契約時に契約条件に同意していなければなりません。ただ、そもそも移動しているので事業所としての扱いもないので、各地の最低賃金の適用をするのは難しいでしょうね。

 

ー でも、もし労働基準監督署がサンディエ号を事業所として認めて、なおかつ各地に滞在している期間を正確に算出するような管理方法を取ることができれば、べべの給料を各地の最低賃金に合わせて計算することもできるということですよね?管理コストの問題じゃないんです。なるべく彼の給料を安くしたい。なるべく低く抑えたい。そういう思いです。僕は。

勝山:そう思うのは自由ですが、そもそも業務自体に変更がないのに、移動した先々で最低賃金にする事自体、同一労働同一賃金(価値)の原則から考えても、やっぱりNGだと思います。

 

ー そこをなんとか・・・。

勝山:ダメです。

 

ー じゃあ、いいです。では、いまのべべの働き方は、労務管理の観点からリスクや問題はありますか。

勝山:まず、労働時間管理ですね。べべさんは旅をしながら一定の裁量を持ちつつも会社からの指示命令を一定程度受けて、業務をしている状況のようなので、しっかりと労働時間管理をおこなう必要があると思います。

それから、サンディエ号で移動していることが多いので事故に対するリスクヘッジはしておいたほうが良いかなと思います。交通事故もそうですが、LIGのブランドとしてべべさんが動いているので、交通違反などがあるとブランドイメージを壊すことに繋がります。

 

ー どうしても防げない交通事故に対しては、どうしたらいいんですか。

勝山:当たり前ですが、事故があったらすぐに報告ですね。会社には、従業員に対する安全配慮義務が定められていますので。

事故が起こった場合の対応方法の教育はもちろん必要ですし、事故が起こりやすいケースを想定した教育や、例えば深夜22時以降の運転はさせない、体調がすぐれない場合はすぐに休憩を入れるなどを事前に教育を徹底する必要がありますね。
要するに、リスクに対してどれだけ配慮をしていたかどうかが重要になります。

 

ー めっちゃ配慮します。

勝山:お願いします。

 

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彼を雇うことで、会社のメリットってあるの?

4_真面目な話で面白い時ってこういう顔になりますよね

ー 結論として、ベベは労務上どのような扱い、雇用形態が一番良いんですか?

勝山:サンディエ号が事業所と考えるのではなく、「連続して出張している」と考えるのが良いと思います。

そうしていくと、今度は移動に関する労働時間の問題が出てきますので、それは別の視点から労働時間を定めて管理していく必要があると思います。

 

ー べべが社員として働く上で、会社のメリットってあるんですか?

勝山:メリットというよりは、最終的には会社として、べべさんの業務をどうしていくかということになりますね。社員として雇った以上、労働時間をしっかりと管理し、LIGの社員として仕事を通じて成長させ会社に貢献できる社員を育てるということになります。

そのうえで、「事業場外労働時間制」の適用や「専門業務型裁量労働制」の適用が可能となるための業務や管理を模索することで、よりべべさんの業務裁量を生かした良いアウトプットができるようになると良いのではと思います。

 

ー 正社員じゃなくてもいいですよね?

勝山はい。いずれにしても、べべさん自身の裁量で仕事がこなせるようになれば、近い将来べべさん本人が独り立ちして、会社とアライアンスを結ぶという形で、会社もべべさんもお互い最良なパートナーとなれるんじゃないでしょうか。

べべさん次第ですが、さまざまな管理コストやリスクを考えると、今後の選択肢の一つとして業務委託がベストだと思います。

 

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それでも正社員として雇い続ける場合って?

ー 正社員で雇い続けるのであれば、勤怠管理が必要なんですよね?

勝山:そうですね。複雑なべべさんの勤怠をカンタンに管理するには勤怠管理ツール「AKASHI」をつかってみてはどうでしょう。

 

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>>カンタンな勤怠管理は、AKASHI!<<

 

ー べべはサンディエ号で生活しているのでオフィスにも出社できないし、ましてや全国を旅して回っているので勤怠を押すことはできないんですが。

勝山:そんなべべさんのために、スマホやタブレットをつかって打刻することができるんです。

 

ー ということは、もうべべの煩雑な勤怠管理で頭を悩ませる必要はないと。

勝山:はい。

 

ー なんか急に宣伝っぽくなりましたけど、大丈夫ですか。

勝山:労務上、問題ありません。

 

ー そうですか。

勝山:はい。

 

 

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>>カンタンな勤怠管理は、AKASHI!<<

 

ケン
この記事を書いた人
ケン

LAMP豊後大野 支配人

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