人事100名が大集合!リファラル採用の始め方から成功事例までを聞いてきました

人事100名が大集合!リファラル採用の始め方から成功事例までを聞いてきました

そめひこ

そめひこ

みなさんこんにちは、人事部長のそめひこです。

採用競争が激化している昨今、人材を求める企業は求人広告を増やしたり、転職エージェントに依頼したり、さまざまな取り組みを行っていることと思います。しかし、競合他社も同じように採用に取り組む中で、本当に優秀な人材を採用することが難しくなっています。

そこでいま注目されているのが、社員紹介で採用する「リファラル採用」「スカウト採用」。LIG内でもリファラル採用は大きな成果を出しています。

一方で、継続してリファラル採用で結果を出すのは難しいというのも事実。
そこで今回、人事担当者100名が集結したリクルートキャリア主催の人事向けイベント『リファラル採用を科学する!リファラボゼミ#01』に参加し、他社はどのようにリファラル採用を実践しているのか勉強してきましたのでレポートいたします!

 
▼もくじ

第1部:リファラル、スカウトを成功させるための基本的枠組み

「採用が良くなると人と組織が幸せになる」『日本の人事部』 青田努氏

日本の人事_青田氏

日本の人事_青田さん のコピー 日本の人事部』 (株式会社アイ・キュー) 青田努
リクルートメディアコミュニケーションズ(現在のリクルートコミュニケーションズ)、アマゾン ジャパン、プライスウォーターハウスクーパースなど、採用活動に力を入れている企業で採用マネージャー・リーダーを8年ほど経験。2015年より株式会社アイ・キュー 次世代サービス共創Div.プロデューサーを務め現在に至る。早稲田大学大学院商学研究科(MBA)修了。組織学会、人材育成学会 会員。

グローバルメガベンチャー、コンサルティングファーム、リクルートグループなどで採用の知見を身につけてきた青田さん。
多種多様な採用活動経験を踏まえた上で、なぜいまリファラルリクルーティングやスカウトが注目されているのか、どのようなスタンスで行うべきなのかをお話いただきました。当日のハンドアウト資料をお借りしてレポートしていきます。

お金やブランドがなくても、「リファラル」と「スカウト」なら採用市場で闘える

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そもそも、企業が事業上の優位性を確立するには人材の優位性を確保することが不可欠です。その人材の優位性のためには採用活動が重要な鍵となりますが、育成など他の人事施策と異なり、採用には「マーケットにおける直接的な勝ち負け(ゼロサムゲーム的な要素)が存在する」といいます。

では、採用市場で採用力を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?

 
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青田さんは企業が採用市場でどう戦うかをハード・ソフト・活動の3つに分けた上で、「ソフト」と「活動」の2つの分野こそリファラルリクルーティングとスカウトが活かせる領域だと示唆します。
それはすなわち、採用ブランドや待遇面で優位に立ちづらい企業がハード面の強い企業と採用市場で闘う手段の一つが、リファラルリクルーティングやスカウトだということです。

リファラル採用のメリット・デメリット

まず、リファラルリクルーティングのメリットとして以下の4つを挙げます。

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一方でリファラルリクルーティングにはそれなりの困難さがつきまといます。

 
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こういった困難を乗り越えて、メリットの多いリファラル採用を増やすにはどうすればよいのか、施策分解するとこうなります。

 
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さらに具体的なアクション例として落とし込むと、以下のようなものが挙げられます。

  • 紹介制度を社内に周知徹底する
  • 定期的にリマインドする
  • 紹介インセンティブを強化する
  • 社員がスカウト活動をしやすくする(候補者との飲食費を支給するなど)
  • 社員が魅力を伝えやすいようにする(会社説明のための資料づくりなど)
  • 紹介する側の安心感を高める(紹介者には必ず会うなど)
  • 求人要件への社員の理解を深める

どれも重要なアクションとしつつも、そもそも「従業員が安心して知人におすすめできる会社かどうか」が一番重要な観点であり、地道に改善し続けなければいけないと言います。リファラルリクルーティングをやらなくても社員が自発的に優秀な知人を紹介してくれるのが一番の理想の形だということです。

スカウト担当者が持つべき4つの資質

ソーシャルメディアやコンタクトツールの発達に伴い、昔よりも今はスカウトしやすい環境が整っています。そこでスカウトを活用するには、採用担当者を強化する必要があります。

青田さんが考えるスカウト担当者が持つべき資質はこちらです。

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大きく、Social Graph(つながり)、Skill(技術)、Safety(安心感)、Suki(好き)という4つの軸で説明されましたが、どれも磨くには時間がかかるため、誰がやるのか、誰にやってもらうのか、最適な人選が重要になります。

まとめ

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採用市場において、企業ブランドや待遇といったハード面の力関係を崩すことはとても難しいことです。すぐに逆転できるものではありません。
だからこそリファラル採用やスカウト採用を活用していくことで、勝機を得られるのだと言います。この新しい採用手法の本当の価値は、企業ブランドに掛け合わせて、個人ブランドで闘うことにあるからです。

また、リファラル採用もスカウト採用もすぐに結果が出ることもあれば出ないこともあります。むしろ効果が出るように改善を繰り返し、粘り強く取り組むことが大切だと繰り返しお話されました。
ご講演の最後には「採用が良くなると人と組織が幸せになる。そういったことを愚直に堂々と取り組むことができるのが、われわれ人事の仕事の醍醐味です」という、力強い言葉でご講演を締めくくられました。

第2部:リファラル採用のリアルな導入事例からみる理想と現実

第2部では、戦略的なリファラルリクルーティングで実績を残している企業の人事担当3名が登壇されました。

「リファラルは人事と現場の壁を取り払い、経営を変えていく」リクルートキャリア 西村創一朗氏

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RCA_西村さん のコピー 株式会社リクルートキャリア 西村創一朗
2011年リクルートキャリア(当時リクルートエージェント)に入社。新卒わずか2年目で日本を代表する大手インターネット企業を担当する。その後、2015年からコーポレートスピリット推進部採用グループ兼HRS部リクルーティングマーケティングGで人事を担当。MEET’Sなど独自のリファラル採用プログラムを開発。

リファラルリクルーティングを実施した背景

西村さんが人事を担当することになり、与えられた採用目標数がこれまでと同じような戦略では達成できない数だったそう。そこで目をつけられたのが、「転職潜在層」の存在でした。
優秀な人材がみんな転職活動しているわけではありません。転職願望が顕在化していなくても「今以上に良い職場があれば検討したい」とう潜在層にアプローチをかけることに。

また、リクルートには自社のことを好きな社員が多いのが特徴。この「自分の会社が好き」という気持ちを生かさない手はないと考え、リファラルリクルーティングを取り入れることにしました。

リファラルを実施するためにやったこと

  • 社員紹介採用を「MEET’S」と名付けてブランド化し、ロゴやノベルティを作成
  • メルマガの配信や「社内散歩」でリマインドし続ける
  • 全員全力面談!「人生を変える1時間にする」ことをゴールにした紹介者との濃密な面談
  • 中途新入社員向けにリファラル採用を体感するワークショップの実施

社員紹介は、一度喚起しても時間が経つにつれて忘れ去られていくもの。そこで、社員紹介採用を「MEET’S」と名付けてブランド化し、共通言語化させてスタートさせます。そしてロゴやノベルティを作ったり、リマインドメールを送り続けることで社内布教を心がけていたそうです。

また、紹介者への面談は「人生を変える1時間にする」ことをゴールに、採用有無にかかわらず濃密な面談にすることを心がけていたと語る西村さん。そうした結果、下半期の10月下旬から内定が出始めてきたとのことでした。

リファラルリクルーティング実施の結果

  • リファラル採用実績:上半期1名⇒下半期12名
  • 社員協力率:1%⇒9.4%

2015年上半期のリファラル採用は1名だったところ、下半期は12名となり、採用に占めるリファラルの割合は2%から10%へ躍進。その背景には、社員協力率が前年度の1%から9.4%に上がったことや、新入社員に関しては100%という協力率があったからです。

リファラルリクルーティングからの気づき

西村さんの気づきは、リファラルの価値は単なるコストカットでなく、採用活動に当事者意識を持ってもらうプロセスを通じて、自社のことをより深く知ったり、知人・友人に語ることで、自社に対するロイヤリティが育むことができることにあるということでした。

また、全社員に対してやみくもに人材紹介を依頼することが良いとも限りません。そこで西村さんは、eNPS(Employee Net Promoter Score)調査を実施し、「自社のことを友人に広めたいかどうか」を数値的に把握し、自社を積極的に勧めたいと思っている社員にのみ依頼するようにシフトされました。

多くの企業では、人事と現場が分断されているのが現状。しかし、リファラルリクルーティングは社員に動いてもらわないといけないので、必ず人事と現場の接点が生まれ、現場の社員の本音も見えてくるはずです。西村さんは最後に「これまでの人事と現場の壁を取り払い、経営を良くしていけるのがリファラルリクルーティングの真の価値だ」とお話されていました。

「スマートにはできないけれど草の根運動が実を結ぶ」ニジボックス 横山知可氏

横山さん

横山さん のコピー 株式会社ニジボックス 横山知可
新卒で現リクルートコミュニケーションズに入社し、人事、広報、HR制作を経験する。その後4年間の専業主婦期間を経て、ニジボックスに入社し社会復帰。現在は経営企画室採用広報グループのグループリーダーを務める。

リファラルリクルーティング実施の背景

ニジボックスさんは、2011年の設立当初から社員が社員を紹介する文化はあったそうですが、制度として確立されていませんでした。そこで紹介してくれた人には報奨金を払うという制度化を検討するものの、職安法40条と抵触することや、グループ全体として報奨金支払うような文化がないことなどさまざまな課題があったそうです。

そんな中、同社は2015年に中途採用を強化する方針へと転換、また同タイミングで “リファラル元年” と呼ばれはじめたことをキッカケに、リファラルリクルーティングをスタートさせました。

リファラルを実施するためにやったこと

  • 社員紹介プラットフォーム『GLOVER Refer』を導入
  • ツール導入キャンペーン
  • 草の根運動

リクルートキャリアが提供する社員紹介プラットフォーム『GLOVER Refer』を導入。その導入記念キャンペーンとして、経営会議や全社総会などで周知活動を開始されます。キーマンには個別面談を行い、その場で「GLOVERに連絡してくれませんか?」とお願いしていたそうです。そういった草の根運動でリファラル採用を広めていくことになります。

リファラルリクルーティング実施の結果

  • 応募17名、うち入社6名
  • 従業員140名中13名が協力

ニジボックスさんの2015年下半期のリファラル実績は、応募が17名、うち入社(予定含む)は6名でした。通常の年間応募者数は15名だそうですので、そのトレンドを上回る効果となっています。またニジボックスさんの社員約140名に対して、下半期でリファラルリクルーティングに参加してくれた社員は13名と、社員協力率は1割近い結果となっています。

リファラルリクルーティングからの気づき

  • リファラル採用は質と効率が良い
  • 草の根運動がなによりも大切

「リファラル採用はやはり質と効率が良い」と語る横山さん。ただし、リファラルリクルーティングはスマートに、またクールに実施することはできないともお話されていました。なによりも大切なのは草の根運動。一番理想的なのは1対1の面談で、少人数の説明会も効果があったそうです。

最初は「知り合いはみんな働いているし、仕事を探している人はいない」という反応で、いますぐ転職を考えていなくてもいい、潜在層でもいいんだということを伝え続けていくことで「じゃあ、一人くらいなら……」と動いてくれるようになったそうです。

「業績に左右されず、社員への投資と還元を優先する」モブキャスト 井上貴弥氏

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井上さん のコピー 株式会社モブキャスト 井上貴弥
2003年NTTデータにシステムエンジニアとして入社。2009年にサイバーエージェント移り、プロデューサーとマネジメントを経験する。現在は70億人をワクワクさせるというビジョンをもつモブキャストで人材マネジメントに従事。執行役員、人事本部長を務める。

リファラルリクルーティング実施の背景

2012年の上場直後、企業ブランドが確立する前の段階だったため、「会社のネームバリューだけでは採用マーケットに勝てない」という課題があったモブキャストさん。

一方でゲームの企業ということで、友人紹介経由でゲームを始めてくれたユーザーは、ゲームの定着率が高いということが知見としてありました。それは、ゲーム好きの友だちはゲーム好きが多いことに起因します。そこで、この仕組みを採用にも生かそうということで、リファラルリクルーティングを始めたそうです。

リファラルを実施するためにやったこと

  • 動機付けのためのインセンティブ実施
  • 社員紹介プラットフォーム『GLOVER Refer』を導入
  • リファラル用のメルマガ作成
  • リクルーターチームを結成
  • 試験的に採用会食費のサポート

モブキャストさんでは、まず動機付けのためのインセンティブを設計します。しかし、インセンティブといっても「報酬を与える」のではありません。「還元する」という形でのインセンティブでした。
リファラル採用はコストカットを目的として行われることが多いのですが、モブキャストさんでは「コストシフト」という考え方で、採用を外部委託していたコストをさまざまな形で従業員に還元するイメージでリファラルリクルーティングを実施されたそう。

そして社員が採用にあたってどんな課題を感じているのかを吸い上げるため、ニジボックスさん同様『GLOVER』を導入。その他にもリファラル用のメルマガを作り、毎週リファラル採用の人数を伝えるといった社員とのコミュニケーションを大切にされています。

また、人を口説くのがうまい人もいれば下手な人もいます。各部署に会社の魅力をきちんと伝えられる人を育成するために、リクルートチームを結成。さらに、採用のための会食については、ランチ代として一人あたり1500円を支給するテストも実施しているそうです。

リファラルリクルーティング実施の結果

  • 全体採用67名中18名がリファラル採用
  • 求人媒体やエージェント経由が40%減

2015年の一年間では、全体採用の67名のうち、18名(26.9%)がリファラル採用という結果に。これにより、求人媒体やエージェント経由の採用が従来の100%から60%まで引き下げることができ、コストシフトが達成しています。
なお、2016年にはリファラル採用率を80%まで引き上げる計画とのこと。素晴らしい。

リファラルリクルーティングからの気づき

もともとコストシフトを考えた背景には、「社員への投資と還元」という考えがあったモブキャストさん。業績が横ばいのときにどうすれば社員への投資を増額できるのかと考えたとき、人事制度の改革によって達成できると考えられたそうです。採用形式を変えることは、このように事業に大きなインパクトを与えられるのですね。

よく「自分より優秀な社員は紹介しない」と言われることもありますが実感としてそんなことはない、と井上さんは語ります。リファラル採用した人材は、自分自身の成功体験があるので、さらに人を連れてきてくれることが多いそう。入社から3ヶ月が勝負ということで、この期間にアプローチを取るよう意識されていました。

まとめ

イベントでは人事の世界の最先端で活躍される方々のお話を伺うことができ、大変勉強になりました。

リファラルリクルーティングは簡単ではありません。しかし簡単ではないからこそ、価値があるものだと思っています。導入から成果を得るまでには長い道のりがありますが、一人でも多く良い人材を見つけ出し仲間にしていくことこそ、われわれ人事の役割であり、使命です。

地道にひたむきに、採用ということに向き合っていきたいと、あらためて感じさせられるイベントでした。

『GLOVER Refer(グラバーリファー)』のご紹介

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https://gloverhr.com/

今回のリファラルラボ#01を主催したリクルートキャリアが提供するリファラルリクルーティングツール『GLOVER Refer』。社員紹介採用に適正化されたワークフローテンプレートや社員協力状況の可視化により、社員紹介採用プログラムの初期導入および促進するための各種機能が提供されています。

LIGでもこの『GLOVER Refer』のβ版として提供されていた『REFCRU(リフクル)』を導入させていただき、たった1か月で3名もの優秀な人材を採用することができました。

 
西村さんは「リファラルリクルーティングこそが、日本をよくすると本気で信じている」とおっしゃっていました。ぼく自身も、この言葉にとても賛同しています。
ぜひ人事担当者のみなさんはツールをうまく活用して、リファラルリクルーティングを成功へと導いていってください。

>>GLOVER Referを見てみる<<

それではまた!

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そめひこと申します。京都で生まれ、京都で育ちました。母の名は直子、父の名前は明でございます。LIGに来る前は藍染師として生きていました。京都の四富会館二階にあるBAR「アイエン」が大好きです。

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