母親に息子の悲しい現状を報告しよう

息子が物悲しい食生活を送っていることをお母さんにチクりました報告しました。
お母さんは悲しそうな顔をして、息子の愚痴を話してくれました。
- ぜんぜん実家に帰ってこない。
- LINEを既読スルーされている。
- Facebookでしか近況がわからない。
そめひこ、親は大事にしろよな!
女性関係の話もちょっと聞いたのですが、なんか引きました。

家の中も見せてもらいました。おもしろ半分で来たからには物色させてもらいます。

壁にセーラームーンのシールが……。好きだったんでしょうか。

本棚。意外と読書家です。

起業の本。起業していませんけどね。

なんかお金のことが書いてそうな本。あと少しで20代終わりますけどね。

恋愛と結婚について書いてそうな本。結婚してないですけどね。

いろんな写真も残されてました。野球部時代と顔、違いすぎ。

なぜかスケッチブックに「俺はできる」と書かれていました。

家の周りを散歩。自然がいっぱいの場所でした。

お母さんによると、そめひこはこの場所を「たそがれ」と名づけて、よく物思いに耽っていたそうです。
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可哀想なそめひこに、お母さんが弁当を作ってくれました。

美味しそう! 野菜がゼロなのは、そめひこが野菜嫌いだからです。

直筆の手紙も書いてくれました。

この弁当をそめひこに渡しますか。
悲しいそめひこに手料理を渡そう

戻ってきました。会社の会議室を使って、弁当の受け渡しをします。

何も知らずにそめひこがやってきました。

まずは事情説明。そめひこの家に侵入したことを報告。冷蔵庫の中身がヒドかったこと。そのせいで料理ができなかったこと。

そして、そこから実家に行ったことを話しだすと、「えっ……?」と表情が変わるそめひこ。

「そめひこのために手料理を作ってくれました」と、お母さんが作った弁当を取り出します。

驚きのあまり、笑い続けてました。

落ち着いてから、弁当を開封。

「これ、昔よく作ってもらっていた弁当」

照れ笑いしながら食べるそめひこ。

(普通に美味しかったです)

直筆の手紙があると伝えると、また笑い出しました。

せっかくなので読み上げます。

そめひこへ
京都は随分寒くなってきました。
歳をとったせいか、年々寒さがこたえてきます。
東京はどうですか?そめひこが東京に行った頃の事を、いまでも時々思い出します。
大好きだったLigの話を目を輝かせて、嬉しそうにしてくれていましたね。ある日、仕事終わりにスマホを見ると「3月2日から東京の人になります」とラインが入っていました。
私はそのスマホを胸に押しあてて、心からよかったと思ったものです東京に着いてすぐに電話をかけてきてくれましたね。
建設途中のスカイツリーの写真も送ってくれました。
心配しているかと思い、私を気遣って電話をくれた事もありましたね。あれから2年と9ヵ月、早いものですね、
ブログやFacebookでそめひこの姿を見ては、よし私も頑張ろうと励まされています。

照れながら聞いていました。

けっこう長文だったので、じっくり読むそめひこ。
これで渡さなきゃいけないものはすべて……ではありません。
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「じつはもう一つ渡すものがあって……」

「なに……?」

「京都までの往復のチケットの領収書です。払ってください」

「2万6000円……マジで? え……これ払ったら実家に帰れなくなるんだけど……」

「そんなことは関係ないです。手料理のデリバリー代です。払ってください」
まとめ

可哀想なそめひこ、手料理が食べられてよかったね。「今、現金がない」と言い逃れしたけれど、チケット代はマジで払ってください。
月いくらまでなら上司のお金を使っていい、という制度を国に作ってほしい。
— 菊池良 / Kikuchi Ryo (@kossetsu) 2015, 12月 26