「ゲームをたくさんプレイする人が偉い」ゲーム好きに支持される6億PVメディア | 株式会社GameWith

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小田直美

小田直美

課金は1万円まで会社が負担。ゲームをプレイする人のほうが偉い文化を創りたかった

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今泉
最初の記事を書きはじめたときは「あなたはこのゲームタイトル、あなたはそのゲームタイトルを担当してね」といった感じで、一斉に記事作成を進めました。でも、攻略方法を書くためには、そのゲームをどれだけやりこんでいるかが重要になってくる。記事のクオリティをあげるためにも、ゲームに詳しくなれる仕組みを設けるべきだと思ったんです。

それでやったのが“ゲームをたくさんプレイする人が偉い”という文化づくりです。ゲーム手当というものがあるんですが、これは業務時間外でゲームプレイに充てた時間が、翌月の時給に反映される制度です。100時間ゲームをプレイすると、時給が200円上がるといったふうにね。あとは、やっぱり課金が必要なゲームもありますから、1ヶ月1万円まで、会社が課金額を負担するようにもしました。

会社が課金やプレイ時間を仕事の一環として、きちんと評価してくれるなんて、ゲーム好きにとっては嬉しい仕組みです。実際、記事のクオリティにはどれくらいの影響があったのでしょうか。

田村
この仕組みを取り入れてからは、ライターたちが俄然、ゲームのプレイ時間や、やりこみ具合にコミットしてくれるようになりました。最初のころに比べたら、記事のクオリティはだいぶ変わっています。子どものころだったら、親に30分だけとかって縛り付けられてたゲーム時間が、仕事の評価として反映されますから。アルバイトで働く人に導入されたときは特に反応が良かったように思いました。ゲームの攻略ライターとして、完全なプロ意識をもっていますよ。

ゲームのレベルやプレイ時間を自己申告して、他のメンバーと比較して「もっとプレイしないと良い記事を書けない!」「自分は先月こんなにゲームをやりこみました!」と誇れたりするような環境を整えていきたい。ゲームのプレイ時間でなら、社長よりも偉いと言えちゃうような文化がいいです。

ゲームがコミュニケーションツールや仕事になれば、楽しみ方は無限大に広がっていく

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今泉
正直言って攻略情報を書くのって、特殊な才能やスキルはいらないじゃないですか。実際に社員から「これを書くのが僕の仕事になるんですか」と言われたこともありますし。でも、誰かが本気でそういう“当たり前のような情報提供”をやってくれることで、良くなる世界ってあるんじゃないかな。

例えるなら、家事と似ていると思います。洗濯とか食器洗いって面倒くさいですよね? 自分でやれないことはないんだけど、もし代わりにそれをやってくれる人がいたら、すごく助かるし嬉しいと思う。僕はそこに、このビジネスの価値があると思っています。

“ゲームをより楽しめる世界を創る”というビジョンをもつGameWithは、今後どのように成長していくのでしょうか。

今泉
ゲームって、コミュニケーションツールの1つでもあると思います。モンスターストライクをやっていて、同僚に「めっちゃいいカード当たってるね」って言われたら嬉しくなったりしますよね。ゲームの中で起こった感情を共有できる人がいたり、一緒にプレイできる人がいたりすると、ゲームの楽しさって変わってくるので。

ゲームをより楽しめる環境って、ただ攻略情報が見つかるにとどまらないはずなんです。極端に言えば、昔だったら夜中の3時までゲームやりこんでたら白い目で見られたかもしれない。だけど、僕らの会社みたいに、そもそもゲームをやりこむことが仕事になるっていう認知が広まっていけば、ゲームを楽しむ人たちを取り巻く環境ってもっと良くなっていくと思うんです。

ゲームを楽しむ人たちを取り巻く環境、そのものを変えていくことがGameWithの目指すビジョンに繋がると言う今泉氏。最後に、この世界観を実現していくために必要な人材について聞きました。

田村
今、僕らが作っていることには前例がありません。そういう前例のないことを模索しながら一緒に作っていきたいと思える人に来てほしいです。今まで会社として、ゲームのことを本気でやっている集団っていなかったし、そこにフルコミットするのは、かなりチャレンジングなことです。だから、エンジニアとしてもこの先さらに大きくなっていくサービスをしっかりと支えていけたらと思います。

ソーシャルゲームの開発からはじまり、Q&Aサイトから攻略情報メディアへの移行と、ゲーム知識で報酬を稼ぐクラウドソーシング事業への参入。いずれも、創業時に生み出したビジネスモデルの原型を、ほぼ残さない形でサービスのピボットを経験してきました。その中でも、たった1つ変わらなかったことは“ゲームを好きな人が、もっとゲームを楽しめる社会”というビジョンの実現です。

「Facebookの基本データみたいに、例えば去年の今ごろ、僕はパズル&ドラゴンズをやっていましたと、残していけるような場所が今はない。GameWithは、ゲーム好きを通じてコミュニケーションしたり、情報交換したり、ひいては仕事したりする“コミュニティ”のような存在になっていきたい」と、今泉氏は語ります。変化の多いゲーム業界で残っていくことができる人材とは、“ゲーム好きにとって良い社会”を目指す今泉氏のように、社会に提供したい自分の仕事の価値を考えられる人なのかもしれません。

▼オフィス移転後のインタビュー記事はこちら


furture_bnr

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「エンジニアに萌えるお姉さん」として年間3,000人が訪れるテック系イベントスペースを運営し、企業のファンづくりを務めた。2015年からフリーランス編集者。IT・Web系企業のPR・採用事情を取材している。

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