「ゲームをたくさんプレイする人が偉い」ゲーム好きに支持される6億PVメディア | 株式会社GameWith

「ゲームをたくさんプレイする人が偉い」ゲーム好きに支持される6億PVメディア | 株式会社GameWith

小田直美

小田直美

(編集部注*2015年4月16日に公開された旧オフィスでのインタビュー記事を再編集したものです。)

『パズル&ドラゴンズ』『モンスターストライク』などの大人気スマホゲームをプレイするユーザーたちから絶大な支持を得ているゲーム情報メディア『GameWith』と、ゲームの情報や知識を投稿することで報酬を得られるクラウドソーシングサイト『GameWorks』を運営する株式会社GameWith

“ゲームをより楽しめる世界を創る”というビジョンを掲げ、2015年2月にはゲーム情報メディアでは異例の月間6億PVを達成しました。攻略情報にとどまることなく、ゲームが仕事になるような社会を実現するために、“ゲーム”に可能性を懸ける理由はどこにあるのでしょうか。今回は同社で代表取締役を務める今泉卓也氏と、社内のたった1人のエンジニアである田村航弥氏にお話をお伺いしました。

GameWith01poole-profile 人物紹介:今泉 卓也氏
1989年生まれ。慶應義塾大学卒業。大学在学中にソーシャルゲーム会社の立ち上げに参画し、取締役CTOに就任。自らもコードを書きながら開発を統括し、2本のゲームタイトルをリリース。2013年6月GameWithを創業し代表取締役に就任。
GameWith02poole-profile1 人物紹介:田村 航弥氏
1986年生まれ。2011年株式会社ミクシィ入社。iOSアプリ開発、社内スマホアプリ開発研修や開発体制の立ち上げ、新規事業立ち上げなどをおこなう。その間社内アプリ開発研修の内容を電子書籍化し出版を経験。2014年にGameWithにジョインし、サービスのインフラ、バックエンド、フロントエンド、クライアントアプリなど幅広い開発に従事。

泥臭くてもユーザーが本当に必要としてるメディアをやるべきだと気付いて、事業をイチから立て直した

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GameWithの前身となるソーシャルゲーム開発会社に、大学生のときからエンジニアとして関わっていた今泉氏。ブラウザゲームを主軸にヒットタイトルを2本手掛けたものの、スマートフォン向けの事業展開が難しくなり、創業から2年で会社を畳むことになります。

そして「ゲーム市場での起業をリベンジしたいという気持ちが強かった」と話す今泉氏は、2ヶ月後にGameWithを立ち上げ、ゲームユーザーが情報交換をするCGM型のQ&Aサイトを開始しました。

 

※CGM:インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディア。個人の情報発信をデータベース化、メディア化したWebサイトのこと。

引用元:e-Words|CGM

今泉
そもそもCGM型のビジネスモデルに至った理由は、コストの低さでした。攻略方法を記事にすると、結構お金がかかるじゃないですか。だから、Q&Aという形で自由に情報交換ができる場所だけ作って、実際にユーザーが来てくれて、そこで回答してくれるというモデルになれば、経営も回っていくなという考え方がありました。

モバゲーの中にあったコミュニティ機能と同じイメージでQ&Aサイトをリリースしたら、たった1ヶ月で100万PVまでいったんです。でも、僕らはメディアを運営したことがなかったので、100万PVという数字がサイトにどんな価値をもたらすのか、わからなかったんですが。

メディア運営のノウハウはなく、ゼロからスタートしたにも関わらず、順調に伸びつづけたサイトのPV数。勢いを止めないように資金を調達し、人を採用したGameWithですが、その成長は1000万PVで停滞してしまいました。

今泉
2014年2月ころに資金調達をしたんですが、コンテンツの種類を増やしても、PV数に大した変化は見られませんでした。試しに広告を掲載してみたこともありましたが「こんなに儲からないのか!」と現実を目の当りにして、震えました。

ばんばん採用したから、人はいっぱいいるし、資金も調達したばかりなのに、サービスの成長が滞るなんて。これは結構やばいなと思って、最初に考えていたCGM型のビジネスモデルをやめる決断をしました。

しかし、創業時のビジネスモデルを変えてしまうことに、今泉氏は不安を感じなかったのでしょうか。

今泉
ユーザーの視点に立ったときに、GameWithというのがあまり使えるサイトではないと感じたところがあって。Q&Aの情報は、ユーザーの投稿ベースなので情報が古かったり、主観的だったりすることがある。その中で、僕らがユーザーに提供できる価値は、その情報が正しいかどうかを判断できるような追加情報を担保してあげることだと気付いたんです。

ゲームの情報提供メディアとして、本当に求められているのは「このゲームのこういう情報が知りたい」とユーザーが思ったとき、その答えになるような情報を見つけられる場所があるかどうか。そのためには自社でちゃんと記事を書いて、変更があるたびにその記事を変えていくほうがいいですよね。

社員半数と3ヶ月の時間を費やして作ったサービスを「やっぱり、いらない」

ユーザーが本当に欲しい情報を探しやすくするため、GameWithは2ヶ月間というスピードでQ&A型のサイトから脱却します。それに合わせて、事業の急転換を求められたのがGameWorksでした。

Q&Aからメディアに変わると決まった当時、GameWorksの開発プロジェクトには、社員の半数が携わっているという現在進行形の状態だったのです。

今泉
ゲーム好きの一般ユーザーが、攻略法とかの知識に関する投稿をお金に換えられるような仕組みがあればいいな、という考えから事業化を決めたのがGameWorksでした。アイデアの着眼点がQ&Aサイトありきだったので、自社メディア化にピボットするのが決まった時点でGameWorksのピボットも必然だったんです。

そのとき、すでにサービスを開発して3ヶ月経っていました。社員の半数にあたるメンバーがプロジェクトに関わっていたのに「3ヶ月かけて作った機能は、いらなくなりました」とか勝手すぎますよね。なんていうか、これにかけた工数云々ではなく、社員のモチベーションが下がりまくって。関わっていた社員が辞めてしまうんじゃないか、というくらい社内が険悪な空気になりました。

そこで、「ユーザーが本当に欲しい情報はなにか」という視点に立ち返り、行き着いた結論はGameWorksに全く別の機能付け加えて、サービスを継続させることでした。

今泉
自社のライターが書いている記事の間違いを見つけてもらうことにしたんです。このゲームタイトルの攻略法には、こういう情報をもっと書いてほしいとか、ユーザーから指摘してもらう場にしようと。本当にやり込んでいるゲーマーさんなら「その属性で知りたい話はそこじゃねえんだよ」みたいに納得いかない部分が、記事に書かれてることもあり得るので。

ユーザーが本当に欲しいゲーム情報の提供を目指す僕らとしても、そういうコアなゲーマーさんの意見はとても貴重なんです。GameWorksは僕たち運営側とユーザーが双方向で、ゲームをもっと楽しむためのメディアを作る場所という、ちょうど良い落としどころを見つけることができました。

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「エンジニアに萌えるお姉さん」として年間3,000人が訪れるテック系イベントスペースを運営し、企業のファンづくりを務めた。2015年からフリーランス編集者。IT・Web系企業のPR・採用事情を取材している。

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