地味で固いイメージの検証会社こそ、イノベーションの宝庫 | 株式会社ウェブレッジ

地味で固いイメージの検証会社こそ、イノベーションの宝庫 | 株式会社ウェブレッジ

まゆこ

まゆこ

“バグを憎んで人を憎まず”という言葉をご存知でしょうか。バグを生んだ“人”を憎むのではなく、“バグ”そのものを悪と捉えることで、その原因を究明し、再発防止に専念することを提示する、システムエンジニアの格言の1つです。

人の手が関わっている以上、バグとは縁を切ることはできないでしょう。そんな中、Webサービスに関する第三者品質検証・測定事業を中心に事業を展開する企業が、株式会社ウェブレッジです。

しかし、Web業界において認知度が低い“品質検証”という領域で、ウェブレッジはどのように事業を拡大していくのでしょうか。同社の取締役であり第2検証部の事業部長を務める尾舘氏と、新規事業戦略室でグループ長を務める渡辺氏にお話を伺いしました。

7d5afb91308299a4609bc485f812c8eb 人物紹介:尾舘 誠一朗氏
取締役・第2検証事業部の事業部長。1978年生まれ。株式会社ウェブレッジには2009年9月入社。品質検証部門のグループ長としてテストチームのマネージメント、品質コンサルタントとしてWeb制作会社様やコンテンツプロバイダ様などお客様先での品質向上/改善に向け施策提案を元に品質体制の構築や効率化の為のツール導入を行う。現在はお客様先常駐での品質向上を目的とした検証事業部の事業部長に就任。
1027a5b4eb0ee36cb17b913e3ff061f1 人物紹介:渡辺 誠一郎氏
新規事業戦略室・室長。デザイン事務所やコンテンツプロバイダー、Web・アプリ制作会社などを経て、株式会社ウェブレッジに新規事業担当として入社。これまでに、さまざまなプラットフォーム(Web、iOS、Android、Windows)で受託開発、自社サービス両方の開発・運営を経験。現在は、視線・表情解析を活用した“次世代型テストツール”『FACT4』などの新規事業を担当。

検証の会社なのにベンチャー、抜くとこは抜いて締めるとこは締める

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ウェブレッジの事業の中核となる“検証”。Webサイトやアプリの構成や動作、ユーザビリティをディベロッパーとユーザーの両視点から確認する重要な工程のサービスですが、そのイメージは“地味”、“固い”などになりがちです。どうして尾舘氏と渡辺氏はこの業界に飛び込んだのでしょうか。

尾舘
私、2000年からずっと品質管理の業界で仕事をしてきてるんですが、当時組み込みと呼ばれている業種の中でフィーチャーフォーンを中心としたモバイルをずっとやってきたんです。

モバイルの検証をしている過程で、Webがどんどん出てきて。Webっておもしろいなと思っていたところにウェブレッジという会社と出会い、入社したっていう流れです。

渡辺
前職では、受託開発、自社サービス両方の企画・開発・運営に携わってきたんですけど、検証工程をウェブレッジにお願いしていました。

機能・性能品質に関わるバグや不具合の検証だけではなく、ユーザビリティ(利用品質)の評価についても相談していて。当時、私が感じていた課題と同じ内容をウェブレッジが取り組んでいることを知って、ウェブレッジとだったら一緒にできそうだなということで「じゃあ、一緒にやりましょう」と。

叩き上げの尾舘氏と半年前にジョインしたばかりの渡辺氏。業界に対するお二人の感想からは、ベンチャーでありながら品質管理を担うウェブレッジという企業の特色が垣間見えます。

渡辺
いい意味のギャップがありました。検証というキーワードだと堅苦しいイメージがあったんですけど、堅苦しい社風ではなくて、風通しがよくて。もちろんスタッフ同士もそうですし、役員のような上層部との距離感もそれほど遠くないですし。

そこら辺は非常にベンチャーらしいというか、スタッフの意見が役員に届きやすい印象を受けました。

尾舘
正直な話をしちゃうと、固くなりました(笑)逆のこと言っちゃうんですけど。やっぱり、私が入社したときは10名かそこらの会社で、抜けてるところも多々ありつつ、いろんな意味でゆるかったんですけど、もう140名を超えているので。

ベンチャーらしさを残しつつ、“組織”といえる組み立てもできていますね。品質管理会社だからこそ、メールやドキュメント、資料など間違っちゃいけない。抜くところは抜いて、締めるところは締める、いい雰囲気になっています。

ゼロイチで測れないものを、客観的かつ公平に評価できる仕組みでイノベーションをもたらす

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検証という分野は業務が限定されており、あまり大きな技術革新が起きにくいイメージがあります。そんな業界にあって、ウェブレッジは次世代の検証を生み出そうとしていました。

渡辺
次の課題である新たなステージに向けて、新規事業として取り組んでいることは、“品質”というキーワードの軸はブラさないようにして、システムの不具合を検証するだけでなく、ユーザーの使い勝手や満足度など、サービス自体の品質を第三者視点で客観性が高く定量的に評価することです。

最近では、どの企業もWebサイトやアプリ、ブログなど、何かしらのサービスを活用しているし、提供していますよね。数年前は「とりあえず、つくっとけ」だったけれど、今は「システムは正常に動いて当たり前」。開発者目線の機能テストだけでは見落とされがちなユーザビリティ上の不具合を改善することが非常に重要視されていて。現在は、ユーザーの満足度を、客観的かつ定量的に評価するには「どのようにしたらいいんだろう」っていうのを追求しています。

それに、ユーザビリティ評価を実施する場合、アイトラッキングの機材を付けて視線とか、ヒートマップを使ってユーザーの動向を分析しようとすると導入コストが非常にかかるし、テストが終わるまで時間もかかる。そのため、安価でスピーディにユーザビリティ評価を実施できるように開発中です。

もう少し具体的に話すと、手元にあるスマートフォン、これを使えば導入コストかからないですよね。手元にあるスマートフォンのカメラで人の目の動きであったりとか顔の表情を分析して感情を数値化しようとしてます。

このような発想に至る経緯には、クリエイティブへの想い入れがあるそうです。

渡辺
サービスに対する、「使い勝手や満足度」とか、いわゆるゼロイチで評価できないものをどうやって評価するのかっていうのは、ずっとテーマだと私は思ってます。

「感情(こころ)を数値化することは、いいことなのか」っていう考えはあります。でも、大勢の人たちを表出するさまざまな感情データによって、今まで取得できなかった指標(潜在意識=無意識)を組合せてサービスを評価することができれば、クリエイターに対して、より適性な評価をしてあげられるんです。

いち個人で蓄積できるナレッジって、たかが知れている。どうすればナレッジを属人化させずに済むか

検証事業で定評のあるウェブレッジ。これまでたくさんのノウハウを蓄積してきた同社だからこそ、それをWebサイトやアプリケーション制作の現場に還元したいと言います。

渡辺
受託開発のさまざまなジャンル、さまざまなプラットフォームやアプリケーションの検証をやってきました。一番悩んでいたのは、自社サービスに関しても言えることなんですけど、特に受託については個人レベルではパターン化ができないので、不具合やバグのナレッジの蓄積や再利用をすることが難しいということ。

不具合が少ないときは、たまたま運がいいだけであって、どれだけ事前にリスクヘッジしても新技術が出てきたら、また不具合が出る可能性が高くなります。どうすればナレッジを属人化させずに済むのか考えると、やはり、不具合の原因となりえるナレッジをデータベース化する必要があると前々からずっと思っていて。

「世の中の不具合情報は、たぶん、どこのWebサイト・アプリ制作会社と比較しても弊社が最も多いと思います」と話を続ける渡辺氏。その根拠はどこにあるのでしょうか。

渡辺
自分でどれだけ経験しても、いち個人で蓄積できるナレッジ量ってたかが知れてるでしょう。一方で、検証会社っていうのは、さまざまなジャンル、プラットフォームのサービスをチェックしてるので、不具合発見から改善情報までのトレーサビリティの宝庫なわけです。

また尾舘氏は、常駐という業務形態ゆえの他社を巻き込んだナレッジの共有を目指していると言います。

尾舘
うちのチームはお客様先に常駐して、品質管理を行うっていう事業内容なんですね。ただし、お客様先で言われたことだけをするんじゃなくて、品質管理をやる。つまり、こちらから「こういうふうにしたほうがいいですよ」とか、お客様先に品質がよくなる提案をする意識をメンバーには持ってほしいっていうのが、テーマです。

もう1つは、お客様先の近くにいるというところで、素早くニーズをキャッチできる。お客様の想うニーズに貢献していくのと、やっぱり、今話題だったり勢いある企業様とかに常駐してるメンバーが何人もいて。

そのような企業様って、やっぱり新しいツールを使ったり、新しい手法を使ったりということに取り組んでいたりするので、現場メンバーが新しいツールや手法を覚え共有できたらなということを目標に掲げています。もちろん企業様にご理解いただいたうえで、守秘義務に違反しないようにですね。

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記事の編集しています、まゆこです。喋るのが得意ではありません。シャキン、シャキンという音を聞きたくて、週末に前髪をよく切ります。目上の方にドッキリをしかけるのが好きです。あと寿司も好きです。

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