社員が全員辞めても譲れなかった「誰と一緒に働くか」 | LIG

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LIGブログ編集部

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2年目の終わりに、みんないなくなっちゃったんです

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その後、メイン事業をWeb制作に据え、順調に成長を進める創業当初のLIG。しかし、落とし穴は見えないところにありました。

岩上
少しずつメンバーが加わっていって、大体10人くらいになったんですが、2年目の終わりくらいに、みんないなくなっちゃったんです。社員が自分ひとりだけになってしまって。やっぱり「“Life is Good”!楽しく生きよう!」だけだと、みんなの“楽しい”の基準が違うから。

当時は“人の気持ちが分からなかった”と岩上。価値観の差異が理解できず、仲間が離れてしまったそうです。ひとりになった岩上には、進行中のプロジェクトが残されます。ちなみに、その時の資本金はわずか7万円ほどでした。

岩上
7万円でできることなんて限られているんですよ。しかも仕掛品が仕掛かり中なので、もちろんお客さんからは「いつできるんですか、納期も過ぎてるんですけど」っていう電話がひたすらかかってくる。だから僕も「わかりますよ、ただ一番困っているのはたぶん僕だと思います」という心持ちでいたんですけど、お客さんは「そんなの知らん!」と怒りますよね。当然ですけど。

“底抜けにポジティブで、どんなときでも笑顔を絶やすことのない社長”LIGの社員から見る岩上はそんなイメージです。しかし、そんな岩上も、さすがにこれはキツかったと語ります。

岩上
あの頃はもう電話が鳴り止まなくて、社長さんとか担当者さんとか弁護士さんとか、みなさんお怒りで、すいませんでした、と。新しい仕事をとってきて、先にお金を頂けても、まだ足りない。国の金融公庫へ行っても、「審査にすごい時間かかります」と。これは闇金に手を出すしかないのかと思ったとき、友だちに連絡してみたら、いいよって言ってくれて。おお「審査ゼロ(笑)」みたいな。

会社の存続の最大の危機は、友人の助力により回避されました。これはある意味で、ポジティブな岩上の人柄ゆえかもしれません。しかし、事業の継続を支える岩上のメンタリティーは、この経験を機に培われたものであるようです。

岩上
このときに発見があって、僕はそれでも明るかったんですよ。アジアをまわってて良かった、死なないのは大きいなと思いました。ナイフを突きつけられたら明るくいられなかったですけど、電話くらいと思って(笑)

社名が“LIG”でほんとに良かったなと思います

窮地を乗り越えた岩上でしたが、この時期は悩み、何度も経営を投げ出そうと思ったと言います。

岩上
キツいし、ひとりだし、お客さんに迷惑をかけているのも分かっていて。「これやってる意味、あるのかな」と毎晩のように考えてました。しかも、ありがたいことにですが、辞めて一緒に(事業)やろうよと言ってくれる人は周りにいっぱいいたんです。でも僕はどこにも行かなかった。

社員が自分ひとりになる。本来これは会社としては致命的なことであるのに、それでも岩上は諦めません。その理由は、LIGという社名にありました。

岩上
それは、LIGが“Life is Good”の略だから。自分の中の“Life is Good”はなんなのかというと、“一緒に働く人”。何をやるかより、どういう人となら一緒にやりたいのか、それが重要でした。例えばインターハイを目指そうよって言って、インターハイの出場が決まったときよりも、それを仲間と目指しているときの方が、僕は楽しいと思うんですよ。そこで“誰と”を選ぶためには、やっぱり自分でつくるというのがすごく大事で。自分の“Life is Good”を話すときに、どこか他の会社に所属してしまうと、それができなくなっちゃうから、頑張ろう、って。だから、社名がLIGでほんとに良かったなと思います。

事業へのモチベーションの源泉は、経営者によりさまざまですが、それがLIG、岩上の場合は“誰と一緒に働くか”という一点にありました。では、岩上はそれをどう維持してきたのでしょうか。

岩上
ギリギリのとこまで行くと、根源の部分を忘れちゃうんですよね。なんでやってるのか、っていうのを。でも、名刺とか、オフィスで大きくLIGという文字を見れば、忘れないです。

自分の給料が払えなかったとしても、この人に対して給料を払えるかどうか

LIGの社員数は、今や60人を超える規模になりました。会社を成長させる際に、岩上はどのようなことを意識しているのか聞いてみました。

岩上
LIGが10人弱くらいの頃は、自分の給料が払えなかったとしても、この人に対して給料を払えるかどうか考えて、それでも一緒に働きたい人を仲間にしていました。僕にとって“Life is Good”の本質みたいな部分でもあるんだけど、やっぱり仕事はひとりじゃできないし、だからLIGとしてみんなでやる。その基準で言うと、前向きかとか、責任感があるかとか、信頼されるとかが重要になるかなって。

社員数が60人を超えた今、仲間を集める基準は“自分の言葉でこだわりを語れる人”であると岩上。

岩上
あと視野が広くて、目線が高い人と一緒につくっていきたいと思っています。結局、そういう人が好きなので、一緒に働きたいかどうか、という基準は変わっていないのかもしれないです。

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