長野県・信濃町の人気カフェに聞いた、カフェを開業するなら田舎をオススメしたい3つの理由

長野県・信濃町の人気カフェに聞いた、カフェを開業するなら田舎をオススメしたい3つの理由

のっち

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田舎でのカフェ開業をオススメしたい3つの理由

志保さんにさまざまな質問をさせていただきましたが、そのなかから「田舎でのカフェ開業をオススメしたい3つの理由」をピックアップして紹介します。

1. 初期費用が98万円?工夫次第で、ものすごく安く始められる

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志保さんからお伺いしていて、いちばん驚いたのがこれ。なんと、「たねCafe」を作る際にかかった費用は物件代98万円と改装で使ったペンキ代のみ。

普通、カフェを開業するのであれば、初期費用として500〜600万円は必要といわれています。もちろん、カフェの規模にもよりますが、「たねCafe」は約20名がらくらく入る広さ。それを考えると本当に格安です。どのように初期費用を抑えたのか、聞いてみました。

根性で改装!手間を惜しまなければ、広くて格安の物件は見つかる

田舎には空き家がたくさんありますが、実はその情報のほとんどが外に公開されていません。良い空き家情報をゲットするには、町の人との距離を積極的に縮めて、紹介してもらうことが必須。

志保さんも「良い物件ないかなーと地元のお店で話していたら、たまたま紹介してもらった」とのこと。情報を頼りに行ってみると、築30年でボロボロの古民家風な物件でしたが、改装すればなんとかなる!と思い、格安の98万円でゲットしたそうです。

たねCafeは1階がカフェスペース、2階が住居スペースとなっているので、カフェだけではなく住居も手に入れられたことになります。賃貸住居は家賃1〜2万なんてところもざらにありますので、おトクですね。

なんと言っても初期投資がすくない分、その他のところに資金を回すことができるのは魅力的です。

取り壊し予定のお家がカギ!インテリアなどをタダでもらえるチャンスがたくさん

たくさん吊り下がったアンティークのランプやさまざまな形の机。ところ狭しと並んだおしゃれな小物など、そのすべてがなんとタダでもらってきたもの。

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「ぜんぶ、取り壊し予定のお家にお邪魔してもらってきたものか、その辺りに落ちている木などを使って作っています。内装は壁のペンキ代くらいしかかかっていません」と志保さん。

田舎では、住む可能性がない建物は取り壊して更地にすることが多く、その多くが中の家具も一緒につぶされてしまいます。 なので、取り壊すお家は、タダでインテリアがゲットできる絶好のチャンス! 志保さんは、取り壊し予定のお家から少しずついろいろなものを集めてきれいにしていったそうです。

根性があればこんな荒技も可能なのか!と驚きました。内装代がかからないのはもちろん嬉しいですが、壊されるはずだった家具がまた元気に活躍できるって素敵ですよね。

2. 近所の人との距離感がとても近いので、いろいろなコストが抑えられる

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田舎では近所付き合いをなによりも大切にします。日頃からご近所とどのように付き合っているのかが大切です。田舎ならではの町内会や行事などに積極的に顔を出すことで、大きなメリットが得られることもあります。

キュウリ、ピーマン、トマトなど……おいしい野菜がタダで手に入るので、食材コストが低い

田舎では自宅で野菜を栽培している家が多く、そのほとんどは食べきれずに捨てられてしまいます。なので「うちの野菜使って!」と近所から余った野菜の持ち込みも多いのだとか。

大事に育てられた野菜はおいしいですし、特に夏場は豊富。メニューの工夫次第では、食材コストをかなり削減することができます。

近所の方も「あそこのカフェのおいしい料理、私の家で育てた野菜なの」と嬉しそうにしてくれるんだとか。田舎ならではのあたたかさですね。

広告費や手間をかけなくとも、地域の人たち自らが広告塔になってくれる

都会ではFacebook、Twitterなど、あらゆるSNS・メディアを駆使して店舗の情報を拡散しなくては、お客さんに情報が行き届きません。

でも、田舎では、お客さん自らが広告塔となり、宣伝してくれます。観光客が多い土地か少ない土地かにもよりますが、信濃町のように観光客がすくない土地では当然お店も少ないので、おしゃれなカフェはあっという間に話題になります。「口コミが少しずつ広がり、今では来る人のほとんどがリピーターさんばかり」と志保さん。

情報の拡散にかける時間や労力をお客さんとのコミュニケーションに使えるって、とてもいいなと感じました。

忙しい日には地域の方がスタッフとしてお手伝いしてくれる

「混む日と混まない日の差が激しく、なかなか新しくスタッフを雇うのは難しい。とはいえ、お店が混んでいて、てんてこまい……」と、志保さんも悩んでいたそうです。

そんなときに支えてくれたのは、なんとお客さん。スタッフとして自主的にお手伝いを買って出てくれるんだとか。都会だとなかなか難しい光景ではないかなと感じます。

単純に楽になって嬉しいのはもちろんですが、地域の方と一緒にお店を支えているといった実感が得られて良いですよね。

3. 田舎カフェは「地域にとっての特別」になれる

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「今まで何もなかった場所にカフェという名前のコミュニティができることは大きい」と志保さん。

私も実感しましたが、ゲストハウスLAMPや、この「たねCafe」のようなおしゃれな場所って観光地以外だと本当に珍しいんです。地元の方にとってもそれは同じでしょう。特別な場所として大切にしてもらえるはずですよ。

カフェを開業すること自体が地域活性化につながる

カフェをやる理由として、私がもっとも多く耳にするのが「誰でもできる気がするから」です。その他にも「料理が好きだから」や「カフェのオーナーってカッコいいから!」なんて理由も。もちろん、そういう人ばかりではないにしても、どうしてもカフェ開業は「自分のために開くもの」といったイメージが先行しがちです。

でも、田舎でカフェを開くことは、そんな「自分のため」を飛び越えて、「地域を盛り上げるため」といった目的を掲げることができます。人間が幸せをいちばん感じるのは「誰かに必要とされている瞬間」らしいので、結果として自分自身の幸福度も高めることができるでしょう。

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