こんにちは。ディレクターのたかしです。
先日趣味の野鳥観察をしているときに、「あれ、あの綺麗な鳥は見たことがないな」と、近くにいた野鳥の種類を見分けることができませんでした。
自宅には野鳥図鑑があるものの、大きくて重いので、なかなか持ち歩けません。そこでふと、野鳥を見分けるための綺麗な写真と解説つきのスマートフォンアプリを開発すればいいのではないか、と思ったのです。
スマートフォンのホーム画面においておけば、いつでも見られますよね。しかし僕はプログラミングやUI/UXの知識はありません。そこで、誰かにアプリ開発の依頼をすることも考えましたが、友人にエンジニアはいないのです。困った……。
ということで今回、僕のようにプログラミングやUI/UXの知識がない人でも、スマホのアプリを開発できる方法をランサーズ株式会社さんにお伺いしました。
プログラミング・UI/UXの知識なしでアプリ開発ができるウェブサービス
プログラミングスキルやデザインの知識がなくても、アプリ開発できるありがたいウェブサービスがあります。
アプリビルダー
「アプリビルダー」とは、プログラミングスキル不要のアプリ開発ツールです。iPhone、Android、Webアプリに対応しており、無料で利用できるところが魅力です。
開発したアプリに広告が入るため、サービスを無料で利用することができます。広告掲載OKのアプリを無料で作りたいなら、うってつけのサービスですね。
BRAND
誰でも5分でスマホアプリがつくれる、プログラミング知識不要のアプリ作成サービスです。
「スタイリッシュ」「キュート」「リッチ」「ナチュラル」などの、カテゴリ分けされたデザインテンプレートが豊富で、カスタマイズ性にも優れています。「BRAND」も無料で利用できる代わりに、広告が表示されます。サーバー容量が50MBという点が気になるところでしょうか。
より本格的なアプリを作りたければ、月4,900円の有料プランにすると広告表示なし、サーバー容量は500MBに増加、オリジナルオープニングアニメーションを追加できます。さらにiOS、Androidアプリの両方の開発ができます。
GameSalad
「GameSalad」という海外発のアプリ開発サービスを使うと、プログラミングスキルやUI/UXの知識がなくても、ゲームが作成できます。日本語対応もしています。
無料版ではiOSアプリ、Macアプリを開発してApp Storeに公開ができますが、Androidアプリの場合は有料版でないとStoreでの公開やアプリ内課金ができません。
また、ドラッグ&ドロップで操作できるアプリ開発サービスなので、コーディングは不要です。プログラミングの経験やUIの知識は必要ありません。
ちなみに、「GameSalad」を利用して「Angry Birds」をはじめとした多くの名作ゲームが生まれています。ゲームアプリを作りたいと思ったなら、まずはサイトを見てみることをおすすめします。
それでも開発する時間が足りない?
プログラミングやUI/UXの知識がなくても、気軽にアプリ開発できるウェブサービスを紹介してきました。「私にもできるかも!」と思ってもらえたかと思います。しかし、自分でアプリの開発ができると思っても「本業が忙しくて時間がない」「リソースが足りない」という現状があれば、スマホアプリ開発は実現しないでしょう。
また、プログラミングやUI/UXについて学習せずに“自分だけでアプリ開発に踏み切る”と、結果的に完成度の低いアプリになってしまう可能性があります。「ウェブサービスをアプリ化したい」「アイデアを形にしたい」「今あるアプリの機能追加や修正をしたい」という思いを、気軽によりよく実現できると嬉しいですよね。
その場合は、クラウドソーシングを利用したアプリ開発をしてみるのも1つの手だと思います。
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、インターネット上で実績のあるクリエイターに仕事を外注できるサービスです。また、全てのやりとりやプロジェクトの進行をオンライン上で完結できます。
スマホアプリの開発においても、プログラミングやUI/UXに関する専門知識を持つエンジニアやデザイナーに仕事を依頼することができます。
クラウドソーシングでのアプリ開発依頼方法
クラウドソーシングで開発を依頼する場合、以下2つの方法があります。
似たアプリを作った実績のある方を探して依頼する方法
クリエイターの中から案件に適した人材を探して指名依頼をする方法です。
依頼したいクリエイターのみにアプリの概要を伝えられるため、アプリの内容を公開したくない場合におすすめです。
クリエイター検索から条件を指定して絞り込み、各クリエイターの過去実績を確認していきます。そこで適切な人材を見つけたらメッセージ機能でやりとりをし、指名依頼をします。
公開依頼をして条件に合った方を公募する依頼方法
依頼内容を開示して公募する方法です。
提案が集まるよう詳細な依頼を立てる必要がありますが、クリエイターを探す手間が省け、複数の見積りを同時に集めることができます。
仕事の依頼フォームから、アプリの概要や予算、納期を記入して依頼を公開し、集まった提案の中から良い提案を1つ選んで案件を進行します。
クラウドソーシングでアプリ開発するステップ
クラウドソーシングを活用してアプリを開発するまでの手順はこちら。
- 開発したいスマホのアプリ案を考えよう
- クラウドソーシングサイトで仕事を依頼しよう
- アプリの仕様を伝えよう
- アプリ内で使うコンテンツを用意しよう
- コンテンツを用意できない場合は?
- アプリ内に広告を入れる?
- アプリができたらやること
1. 開発したいスマホのアプリ案を考えよう
まずは開発したいアプリのアイデアを出しましょう。
今回は野鳥の図鑑アプリが欲しい!と思ってアプリ開発への第一歩を踏みだしました。野鳥図鑑のアプリを開発するにあたって、欲しい機能やユーザーに求められそうな機能を箇条書きにしていきます。アイデアが出てこない場合は、自分がいつも使っているアプリや、Storeのランキングで上位のアプリを参考にすると良いでしょう。
開発したいアプリのイメージがまとまってきたら、その概要を言語化、ラフ化します。どのようなアプリを開発したいのか、クリエイターにわかりやすく伝える必要があるからです。また、一般的にアプリ開発の依頼をされたクリエイターは、開発するアプリの概要をヒアリングシートに沿って質問するはずです。
そのため、不特定多数の人の目に触れるクラウドソーシングを利用するなら、クリエイターに聞かれるであろう下記の項目を事前に言語化したり、図で示してラフ化したりしておくことをおすすめします。
- アプリ開発の背景・目的
- 類似するアプリについて、またその有無
- ターゲットユーザーについて
- 予算と開発スケジュール
- 運用に関して
- アプリ開発による効果や影響
2. クラウドソーシングサイトで仕事を依頼しよう
開発するアプリの概要が決まったら、クラウドソーシングサイトで仕事を依頼しましょう。
仕事を依頼する際には、あらかじめ考えておいたアプリ開発の概要を掲載しておきます。応募してくれたエンジニアやデザイナーの中から、予算やポートフォリオ、サイト内の評価などを参考にして、アプリ開発を依頼するクリエイターを選びましょう。予算はWebViewを使ったシンプルなアプリであれば5万円〜10万円、簡単なツール系アプリであれば30万円〜50万円程度になるそうです。スケジュールは1〜2ヶ月程度にしておくのが妥当だと言われています。
ここで気をつけておきたいのは、安い・早いだけで依頼しないこと。アプリの開発は、中長期にわたるプロジェクトです。後々トラブルを避けるためにも、信頼できるクリエイターに仕事を依頼するのがおすすめです。
3. アプリの仕様を伝えよう
開発者が決定したら、アプリの仕様書を作ります。仕様書=設計書のことです。形式は自由ですが、以下のポイントは抑えてください。
- アプリにどのようなパーツを表示するか(ボタンやアイコン、画像、表示させたい文言の一覧など)
- アプリの挙動(どのような機能を用いて、どのようにアプリが動くか)
その他、アプリに対する要望は思いついたら全て追加していきます。仕様書=設計書であるため、完成するアプリはほぼこの段階での設計した通りになります。手を抜いてしまうと、後々の修正などで結果的に二度手間になるので気をつけてください。
二度手間を防ぐためにも、仕様書の作成中は、随時クリエイターと相談しましょう。機能の実装が難しくてアイデアの軌道修正が必要になったり、UI/UXの観点から他の機能に変更したりすることがあります。
4. アプリ内で使うコンテンツを用意しよう
続いて、アプリ内で使用するコンテンツを用意しましょう。たとえば野鳥図鑑のアプリを作りたい場合は、野鳥の写真や音声、野鳥について解説する文言があるとよいですね。
どのアプリを開発するにしても、アプリのロゴやプロモーションビデオなどがあれば用意しておくことをおすすめします。もし写真やイラスト素材を自分で持っていない場合は、商用利用可能のフリー素材写真やイラストを活用しましょう。
もちろんフリー素材だけではなく、質の高い有料のコンテンツを準備しておくとなおさら良いです。ヴィジュアル関連の素材はアプリのイメージを大きく作用することになりますので、ここで手を抜かないように。
例として野鳥図鑑のアプリ制作をするならば、下記を用意します。
- アイコン用の野鳥イラスト
- アプリの背景画像
- それぞれの野鳥の写真
- 野鳥の解説文章
- 野鳥の音声
用意する画像のサイズには注意しましょう。iOSの場合、画像サイズはRetinaディスプレイに対応できる高精細のものにします。
- 縦2008×横1536ピクセル(iPadアプリ)
- 縦1136×横640ピクセル(iPhoneアプリ)
- アイコンは最大で縦1024×横1024ピクセル
5. コンテンツを用意できない場合は?
アプリの中身となるコンテンツが用意できない場合は、コンテンツもクラウドソーシングで生産できるという選択肢を持ちましょう。
クラウドソーシングは依頼できる仕事の幅がとても広いです。上の画像を見るとわかるように、アプリなどの「システム開発・運用」から「Web制作・Webデザイン」「ライティングやネーミング」、動画や画像、音声やナレーションを扱う「マルチメディア」。さらには細かいリサーチや分析などの「タスク・作業」といった仕事を依頼することができます。
6. アプリ内に広告をいれる?
アプリに広告を入れるか否かは、そのアプリ開発の背景にもよりますね。ちなみにアプリ内に広告を入れる場合は、以下のような作業が必要です。
- アドネットワーク広告のアカウント登録
- コード取得
- コードを開発者に連絡
個人制作による1つのアプリの広告収益は、月平均4万円と言われています。スマートフォンの画面サイズは年々大きくなり、広告の種類もどんどん増えているので、アプリに広告挿入は検討してみると良いでしょう。
7. アプリができたらやること
いよいよアプリが完成したら、以下のことを実行しましょう。
UI/UXなどの動作チェックをしよう
アプリの開発が終わったら、アプリの実機動作を確認します。バグチェックや、依頼当初にイメージしていた完成イメージと異なる部分がないかどうかという確認や、クリエイターにUI/UXについての相談をするなどして、最終調整に入ります。
やはり実機にインストールしてテスト用アプリの動作を確認する作業は、とても感動します。特にクラウドソーシングの場合は、ほぼ完成形をいきなり目にする形になりますからね。
デベロッパー登録をしよう
デベロッパー登録とは、アプリをストアに出すための開発者登録です。
iOSアプリの場合は、iOS Developer Program(iOSデベロッパープログラム)への開発者登録を行います。年間11,800円の参加費と、毎年の更新が必要になります。
またAndoroidアプリならGoogle Play Developer Console(グーグルプレイデベロッパーコンソール)への開発者登録(初回のみ25ドル。更新不要)が必要です。
- iOS:https://developer.apple.com/jp/programs/ios
- Google Play:https://play.google.com/apps/publish/signup
アプリの公開申請をしよう
続いて、アプリの公開申請をします。
Androidの場合、公開申請後の遅くとも3日以内にGoogle Play上に公開され、ダウンロードできる状態になります。
一方iOSの場合は、Appleにリジェクトされる場合があります。リジェクトとは、公開拒否のことです。ユーザーを惑わすものやプライバシーを侵害するもの、暴力的なものなどのAppleが定めている一定の基準に満たないアプリは、審査に通らずにリジェクトされます。リジェクトされた場合は、問題ある部分について言及されるメールが届きます。修正や機能の追加をすれば、再度公開申請をすることになります。審査の通過後、開発したアプリが公開、ダウンロードできるようになります。
クリエイターと協力して開発したアプリは、自分のアイデアが形として現れるため、心から嬉しいと思えるはずです。この後は、ブログレビューサイトやブロガーに紹介してもらうと、ダウンロード数が増加していくでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
スマホのアプリ開発をしたいけれども踏み切れないという人の多くは、「プログラミングやUI/UXの知識がない」という点に悩んでいるかと思います。
しかしクラウドソーシングであれば、専門家と協力しながら進めていけるため、アプリ開発は想像以上に容易にできるのです。
クラウドソーシングでアプリ開発をした事例を見てみよう
クラウドソーシングでスマホアプリ開発をした事例を見ると、より安心して仕事の依頼ができるはずです。
以下の記事によると、リソースが不足していたウェブ制作会社が、自社開発アプリの機能追加・修正にクラウドソーシングを利用することで、受託開発との両立を叶えたそうです。
- アプリ開発をランサーズで継続依頼「仕組みにもランサーのレベルにも満足」
今までリソースの問題で案件を制限していた場合などに、検討してみると良さそうですね。
日本最大級のクラウドソーシング「ランサーズ」
ちなみにクラウドソーシングサイト最大手であるランサーズでは、「iPhoneアプリ・iPadアプリ開発」「Androidアプリ開発」「iPhoneゲーム開発」「Androidゲーム開発」といったカテゴリで依頼されたスマホアプリ累計制作数が715本にも及ぶそうです。
Web制作のプロが利用していることからも、ランサーズでのスマホアプリの開発は非常に信頼できるでしょう。
さらにランサーズが過去実績をもとに認定したハイスキルなアプリエンジニアを認定ランサーとして掲載しているので、認定ランサーの中から案件に合ったクリエイターを選んで指名依頼をするのも良さそうですね。
プログラミングやUI/UXの知識はないけれども、スマホのアプリを開発したい!という方は、ぜひ自分のアイデアを実現してください!
それでは、また。
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