言語学習サイト「Lang-8」代表の喜洋洋氏に学ぶ!賢くスキルを習得する方法

榊原


言語学習サイト「Lang-8」代表の喜洋洋氏に学ぶ!賢くスキルを習得する方法

こんにちは、ライターの内藤です。
先日、相互言語添削SNS「Lang-8」代表の喜洋洋(き・ようよう)さんに以下のテーマについてお話を聞いてきました。

  • 人をのめりこませるWebサービスを実現する仕組み(UX/UI)
  • 発想のコツ・実現のコツ
  • 今後のWebサービス界で重要になるスキル

お話を聞いているうちに、「アウトプットとフィードバック」という一つの軸が見えてきました。

なので今回は、様々な人にとって有効な「使えるスキルを習得する方法」をご紹介したいと思います。
育てる側の方は、ぜひ「使えるスキルを習得させる方法」としてご覧ください。

もくじ

「Lang-8」とは

「Lang-8」とは

LIGブログでも何度か登場している「Lang-8(ランゲート)」(※)は、2013年7月現在で210の国と地域で60万のユーザが利用している巨大な相互言語添削SNSです。

LIGブログでは、以下の記事で「Lang-8」が登場しています。

実は2007年に創業してから今年までの6年間のうち、2年間程は創設者である喜洋洋さんが1人で運営することもあったそうです。
そして現在は、喜さんを含めてたった3名のスタッフが巨大なSNSを取り回しているんです!

アウトプットとフィードバックに至る経緯

アウトプットとフィードバックに至る経緯

喜さんは中国生まれですが4歳からは日本で育っています。
幸い日本に来た当初は言葉を一番覚える時期に重なっていたため、日本語を覚えることに違和感も苦労もなかったと言います。

そして、言語の習得のメカニズムについて興味を持ちつつ大学に入り、きちんと中国語を学ぼうと上海に留学したときに喜さんは気付いたそうです。
「単語を多く知っている、つまりインプット量が多いのは日本人が多いのに、話せない、つまりアウトプットできないのも日本人が多い」
「会話だと話している内容にウェイトがあるので、中断してまでは自分の間違えた中国語を直してもらえない(=フィードバックがない)」

そして喜さんの考えた解決策が、アウトプットとフィードバックでした。

中国語で日記を書いて(アウトプット)、それを添削してもらう(フィードバック)。
代わりに自分は、日本語を学ぶ中国の人の日記を添削してあげる。
これが「Lang-8」が提供するサービスそのもの、Language Exchangeとの出会いでした。

参考になる喜さんの実例

参考になる喜さんの実例

低コストで「使えるスキル」を習得する「アウトプットとフィードバック」を喜さんの実例でご紹介します。

大学受験

喜さんは京都大学にストレートで合格していますが、高校時代は部活に力を入れていたとのこと。
では、どのような勉強をしたのかと言うと、できるだけお金をかけずに勉強するように問題集を買っては解きまくっていたそうです。つまり、問題を解くというアウトプットと答え合わせというフィードバックをセットでしていました。

起業

元々起業には興味がなかった喜さんですが、大学の同級生に誘われてドリコムビジネスコンテストの説明会に足を運び、自分もできるのではないかと参加して2006年には優勝してしまいます。
これも、ビジネスアイデアをアウトプットし、審査つまりフィードバックをもらえたことで得た結果だったのです。

Webサービスの運営

卒業後すぐに起業した喜さんですが、一人で運営する事態に追い込まれてしまいます。
当時、既に10万のユーザを抱え、自社サーバで運用していた喜さん。
プログラミングの知識はほぼゼロ。自分で解決せざるを得ない状況にあって、プログラムを独学します。
書いては対処、書いては対処、トライ&エラーを繰り返しながらたった一人で運用しました。
ここでもプログラムを書くというアウトプットと、上手く動くか?ユーザの反応は?というフィードバックの繰り返しです。そして今は、開発の一部を担当するくらいのプログラミング技術をお持ちです。

今年(2013年)4月には、Webデザイナーとプログラマーが加わり、喜さんはとうとう「アウトプットとフィードバック」そのものであるマーケティングにも着手。
ユーザインタビューでは、積極的に聞くことでアウトプットし、それに対して相手から回答(フィードバック)をもらうことを繰り返しています。

使えるスキルを習得するための「アウトプットとフィードバック」とは

使えるスキルを習得するための「アウトプットとフィードバック」とは

上記のことから導かれる望ましい「アウトプットとフィードバック」を考えると以下のようになると思います。

量のアウトプット

  • できるだけ多くのアウトプット
  • せざるを得ない状況下でのアウトプット

「圧倒的にアウトプットが足りない」と喜さんが仰る通り、言うは易く行うは難し、アウトプットを多くするのは難しいと思います。
ですので、ツイッターでのつぶやき程度で、精度はそれほど考えずにできるだけ多くのアウトプットをするのが効果的ではないかと喜さんも仰っていました。
アイデア出しやブレストなどと同じように、アウトプットは質より量を意識した方が良さそうです。

また、喜さんのブログにもありますが、「アウトプットせざるを得ない環境に身を置くこと」は更に効果的です。
喜さんの体験で言えば、一人で運用するためにプログラミングをしていた、という部分です。
切羽詰まった状況や、リアルタイムの会話の時など、アウトプットせざるを得ない状況下でのアウトプットは脳の回転数もあがります。
そうすることで、質と量の両方を高めることができるのです。

質のフィードバック

  • できるだけ早いフィードバック
  • 目的のスキルを既に持っている人からの的確なフィードバック

例えば、アウトプットしてから1ヶ月後にフィードバックをもらっても、当時のことを思い出す方が難しくなってしまいます。
自分のようなプログラマ業界では、3日前のコードは他人のコードというくらい、自分で書いても忘れてしまうものです。ですから、できるだけ早いフィードバックが望ましく、その点でSNSを利用した「Lang-8」は画期的だったのです。

そして、もちろんフィードバックが的確でないといけません。たくさんのフィードバックをもらえても、間違ったフィードバックでは意味がありません。
「Lang-8」と同じように、ネイティブからもらえるフィードバックの精度の高さは、他の分野でも同じことが言えます。

このことから、アウトプットと対照的にフィードバックは量より質が重要になってくるように思います。

実践するヒント

実践するヒント

この他にもあったらぜひTwitterやブックマーク、Facebookなどでフィードバックをください!
(下の方にコメント欄があります)

学校の勉強

  • 制限時間を設けて問題をたくさん解く。答え合わせで解説ををきちんと読む。
  • 授業中の疑問は小さなことでも恥ずかしがらずに聞く。
  • 解答を何度も書く。忘れたところをあとで確認。また書く。
  • 教科書や参考書を音読。何度も音読。
  • 辞書を引く。何度でも引く。手を動かす。

文章

  • スキマ時間に文章を書く。とにかく書く。言う。つぶやく。
  • メールを意識して早く正確に書く(返信を早く書けるようにするなど)。
  • 読んで欲しい対象の人に読んでもらって感想を聞く。
  • 好きな作家の文章をコピペではなく手打ちもしくは手書きでコピー。
  • ブログを書いてみる。
  • 「文字を書く」を仕事にする!ライターになる13の方法を参考にしてみる

プログラミング

  • できることなら仕事でアウトプットを増やす(違う処理の仕方で書いてみるなど)。
  • お手本コードをコピペでは無く手打ちで真似る。
  • 分からないことは先輩や上司やSNSなどで聞いてみる。
  • 必ず誰かに見てもらう。
  • コンテストに参加してみる。
  • 「jsdo.it」「code school」などを利用してみる

デザイン

  • できることなら仕事でアウトプットを増やす(もう1つラフを描く・色を変えてみるなど)。
  • 目に留まったデザインを再現してみる・あとで本物と比較。
  • 必ず誰かに見てもらう。
  • ブログやSNSを利用してみる。
  • 無料配布してみる。
  • コンテストに参加してみる。

外国語

  • 字幕無しで外国の映画を流して自分でもセリフを言ってみる。
  • 英語ニュースを聴きつつ自分でも発音してみる。
  • ネイティブの人とチャットする。
  • 外国語でツイートする。
  • 外国に行ってみる。
  • 「Lang-8」などを利用してみる。

スポーツ

  • 上手い人のフォームを真似する・見てもらう。
  • 千本ノックと反省会。
  • 講習会に参加してみる。
  • 自分撮りをしてYouTubeにアップしてみる。

音楽

まとめ

  • 仕事中・通勤中・スキマ時間に心がけて多くアウトプットする。(精度はともかくやってみる!)
  • フィードバックは人ではなくお手本でもかまわない。
  • 勉強会やミーティングを定期的に開催する。
  • コンテストに参加してみる。
  • 投稿サイトやブログを利用する。
  • SNSを利用する。
  • 有料サービス検討の際はアウトプットの量とフィードバックの質に着目。

的確なフィードバックがもらえない場合は、お手本になるものを見つけるといいと思います。
上記で言うと、例えば問題集の解答解説・外国語ニュース・文学作品・音楽作品・広告・辞書・書籍・テキスト・優秀な選手のフォームなど、お手本になるものをまずはフィードバックの代替として使うのが得策ではないかと思います。

また、有料サービスを検討する際のガイドラインとしても、アウトプットできる量とフィードバックの質に着目するのは有効だと思います。

「使えるスキル習得」のまとめ

「使えるスキル習得」のまとめ

「使えるスキル」を習得は以下に集約されます。
「アウトプットの量産」と「質の高いフィードバック」

もちろん、このフィードバックをインプットすることがなければスキルアップにはつながりません。
フィードバックをもらえたら、次回のアウトプットに活かすことが非常に重要です。

大事なのは、アウトプットの量産→質の高いフィードバック→インプット→アウトプット量産というサイクルです。

『紅の豚』のワンシーンを取り上げたいと思います。
フィオ:「優秀なパイロットに必要なものって何?経験?」
ポルコ:「・・・いや、インスピレーションだ」

このインスピレーションは、こうしたアウトプットとフィードバックの積み重ねから生まれるものだからです。
喜さんの経歴をみても、フィオ(アメリカに修行に行っていた)やポルコ(戦争での実践経験)を見ても、インスピレーションに繋がるものは、必ず何かしらのアウトプットやフィードバックが元になっていると思いました。

「小さいことを重ねることがとんでもないところに行くただ一つの道だと思います」というイチローも、小さいことを重ねるというアウトプットと一緒に、チチローや監督やコーチからの質の高いフィードバックがあったに違いありません。

ある意味、この方法こそが「日本のものづくり・人づくり」を再生する道ではないでしょうか。
個から全にまで共通する成長論として私には響いてきました。

英語からアイヌ語まで90言語以上が学べる「Lang-8」の魅力をぜひご自身で確かめてみてください。

「Lang-8」代表 喜洋洋さんプロフィール

Lang-8代表 喜洋洋さん 喜洋洋(き・ようよう)
中国生まれ。
4歳から日本で育つ。
大学在学中に1年間休学して上海に留学をし、そこでlanguage exchange(※)を行う。
帰国後、「Lang-8」の制作を始め、大学卒業と共に起業。2013年7月現在29歳。
京都でお気に入りの場所は、鴨川と北山通り。

(※)language exchangeとは、「相互学習」お互いの母語を教え合うことです。

まとめ

取材では喜さんのお人柄と頭脳に助けられ、こうして記事にすることができました。
改めまして、快く引き受けてくださった喜さん、ありがとうございました。

参考ページ

榊原
この記事を書いた人
榊原

外部ライター 鎌倉

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