活躍する日本クリエイターたち
ライオンズ・イノベーション・フェスティバルが新設され、賑やかさを増した2015年「カンヌライオンズ」のエントリー数は4万133件。
そのうち約10分の1しか最終リストに残されないという倍率の高さです。確実に最終リストに残るため、ひとつの作品を複数部門にエントリーさせる企業もあります。
そのような激戦のなか、日本の作品も多数受賞しました。日本の受賞作の中からいくつかをピックアップしてご紹介したいと思います。
「行くぜ、東北。」(JR東日本/電通)
http://www.canneslionsarchive.com/winners/entry/590310/get-back-tohoku
駅の広告やテレビCMなどで目にしたことも多いであろうこちらの作品が、デザイン部門で金賞を受賞しました。東日本大震災の復興支援キャンペーンとして生まれたこちらの作品は、カンヌライオンズと並ぶ世界三大広告祭のひとつ「One Show」のデザイン部門でもグランプリを受賞しています。世界から認められた広告といえるでしょう。
デザイン部門
デザインの優れた使用法、そしてブランド及び商品と消費者とのコミュニケーションを補完する様なデザインのクリエイティビティ性を評価する為に2008年に創設されました。出典:部門について
Honda. Beautiful Engines(本田技研工業株式会社/電通、株式会社もり)
同じくデザイン部門で銅賞を獲得したのは、こちらの作品です。
電通と株式会社もりが、海外どこへ行っても目にする「ホンダ」の新たな一面を見せてくれました。
乗り物というと固いイメージになりがちですが、この作品ではやわらかなパステル調のデザインが画面いっぱいに広がり、「これってホンダなの?」とわくわくするような作品となっています。
Ninja High School Girl by C.C. Lemon(サントリー食品インターナショナル/博報堂、博報堂ケトル、博報堂DYメディアパートナーズ)
博報堂グループが制作したこちらの作品は、ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門で銀賞を獲得。忍者好きが多い外国人にも受けたのかもしれません。
一瞬たりとも目が離せないカメラワークと、女子高生のアクションシーンに心を奪われます。
ブランデッドコンテンツ&エンターテインメント部門
既存の広告手法ではなく、コンテンツをプラットフォームとして消費者にマーケティングメッセージを届けるもの。
True Wetsuits(クイックシルバー・ジャパン株式会社/株式会社TBWA\HAKUHODO )
株式会社 TBWA\HAKUHODOとクイックシルバー・ジャパン株式会社が共同開発した、働くサーファーのためのビジネススーツ「True Wetsuits」の広告がPR部門とデザイン部門で賞を獲得しました。
日本限定で発売された水陸両用のビジネススーツは、世界中から注文が殺到するほど話題になりました。
PR部門
2009年に設立された部門で、PR手法の想像性を評価します。出典:部門について
Mother Book(葵鐘会・ベルネット/電通)
こちらは2014年になりますが、記念すべき第1回目の「ライオンズ・ヘルス・フェスティバル」のヘルス&ウェルネス部門のグランプリに輝いた作品です。
質の高さはもちろん、命が生まれる尊さという普遍的なメッセージ性が強く評価され、受賞しました。妊婦向けのプロモーションツールである「Mother Book」のコンセプトは、「ママのお腹と一緒に育つ本」。妊娠期間に合わせて40ページで構成されています。
ヘルス&ウェルネス部門
2014年から始まったヘルスケア領域のクリエイティブ作品を評価する「ライオンズヘルス」の一部門。
薬局などで手に入る一般向け製品および健康に関する啓蒙やコミュニケーションを審査する。
日本だけではなく、世界中から集まった質の高い作品の審査を行うのは、各国から選抜された審査員たちです。世界で最も権威のある広告祭に、毎年日本からも審査員が参加しています。
2015年のカンヌライオンズに参戦したのは、13名。電通、博報堂、アサツー・ディー・ケイなど日本の広告業界を代表する企業の名が並びました。
今後も、日本のクリエイターたちの活躍から目が離せませんね。
ちなみに、日本以外の作品もとてもアイディアあふれる作品ばかりです。過去のおすすめ作品については下記の記事で紹介しています。興味がある方はぜひ。
アイデアに感動。広告の最高峰、カンヌライオンズのマイベストまとめ カンヌライオンズに学ぶ、世界最高峰の広告・コミュニケーション事例6選+α