こんにちは。LIGでメディアコンサルタントをしている太田です。
「メディア運営を一人で回している」
「更新頻度を上げたいけれど手が回らない……」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実際に、私がご相談いただく企業様にも、週1回の更新が精一杯で、担当者一人に業務が集中しているという状況がありました。
ここで重要なポイントは、更新頻度が少ないことではなく、メディア運営が属人化していることです。オウンドメディアは会社からのメッセージを発信していく、会社としてのメッセージを伝える場所。それが個人に属人化してしまうと、担当者一人にかかる責任の負担が、かなり大きくなってしまいます。
今回は、そんなメディア運営の属人化を解消し、チーム体制で効率的にコンテンツを制作していく具体的なステップをご紹介します。
目次
なぜメディア運営は属人化してしまうのか
まず、属人化が起こる根本的な原因を整理しておきましょう。多くの企業で見られる典型的なパターンがこちらです。
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- 立ち上げ時の経緯:「とりあえず始めてみよう」で一人が担当になった
- 専門性への誤解:「記事を書くのは特別なスキルが必要」という思い込み
- 品質への不安:「他の人に任せると質が下がるのでは」という懸念
- 工数の見えなさ:記事制作にかかる実際の時間や工程が社内で共有されていない
このような状況では、担当者が休暇を取ったり体調を崩したりした際に、メディア更新が完全にストップしてしまうリスクもあります。また、一人ですべてを担当していると、新しい企画や改善案を検討する時間も取れず、マンネリ化してしまうケースが少なくありません。
ステップ1:現状の業務を可視化する
属人化解消の第一歩は、現在の業務プロセスを整理することです。多くの場合、担当者自身も「なんとなく」でやっている作業があり、それが業務の引き継ぎや分担を困難にしています。特に「社外に依頼するとコストがかかる……」という観点から、なんでも個人で完了させようとなりがちです。
忘れてはならないのは、そこでも担当者の工数(=人件費)がかかっていること。一人で対応するよりも、複数人や外部委託を活用したほうが、結果的に工数の削減につながることもあるため、特に一人で対応されている場合は、現状の工数の棚卸しを推奨しています。
記事制作フローの詳細化
まずは、1本の記事ができるまでの工程を細かく洗い出してみましょう。
ひとくちに「記事」といっても、インタビュー記事やノウハウ解説、ハウツー記事など形式はさまざまで、かかる工数も異なります。ここでは一例として、弊社LIGブログで一般的な「コラム記事」を制作する場合の標準的な工数を洗い出してみます。
| 工程 |
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|---|---|
| 想定工数 |
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このように工程を分解すると、記事作成だけで1記事あたり約8〜12時間の作業が発生していることがわかります。
さらに、アイキャッチや記事内画像がある場合、その撮影や写真選定、アイキャッチ作成などの業務に+2〜3時間はかかります。つまり、1本の記事を公開するために、丸1日〜2日分の業務時間を費やしている計算になります。
※昨今ではAI等を使って工数を削減する手法もでていますが、まずは一般論の制作体制として記載しています。
ステップ2:社内リソースを棚卸しする
次に、メディア運営に巻き込める社内の人材とスキルを整理します。「文章を書くのが苦手」と思っている人でも、実は得意な分野があったりするものです。
部署別の活用可能性
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- 営業部門:お客様の声や現場の課題を記事ネタとして提供
- 開発・技術部門:商品開発の裏話や技術的な解説記事
- カスタマーサポート:よくある質問やお客様エピソード
- 経営陣:業界動向や会社のビジョンについての記事
実際に支援させていただいた企業様では、営業担当の方が「お客様との会話で出てきた面白い使い方」を記事ネタとして提供し、それを元にメディア担当者が記事化するという分担体制を作ったところ、記事の独自性が格段に向上しました。
「記事をライティングできないとダメ」「上手な記事を書けないとダメ」というわけではなく、「自社だからこそ発信できる情報を持っている人は誰だろう」という視点で、社内のメンバーを巻き込んでいく意識を持ちましょう。
ステップ3:段階的な業務分担を設計する
いきなり全工程を分担しようとすると混乱が生じます。まずは負荷の軽い業務から徐々に分担していくのがポイントです。
Phase1:情報収集の分担
最初は「記事のネタ提供」から始めましょう。各部署から月1〜2個のネタを出してもらうだけでも、企画工数が大幅に削減されます。
Phase2:執筆の一部分担
慣れてきたら、自分の専門分野について「下書き」を書いてもらいます。完璧な文章である必要はなく、箇条書きや、ヒアリング(取材)のメモでも十分です。メディア担当者がそれを記事として整える形にします。
Phase3:完全分担体制
最終的には、企画から執筆まで各担当者が行い、メディア担当者は編集・公開業務に集中する体制を目指します。
ステップ4:品質維持の仕組みを作る
分担体制でよくある失敗が「品質のばらつき」です。これを防ぐために、明確なガイドラインとチェック体制を整備しましょう。
記事制作ガイドラインの整備
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- 文体・トーン:「です・ます調」「親しみやすい表現」など
- 記事構成:導入→本文→まとめの基本構成
- 文字数目安:見出しごとの目安文字数
- 禁止事項:使ってはいけない表現や情報の扱い方
二段階チェック体制
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- 執筆者によるセルフチェック:ガイドラインに沿っているか
- メディア担当者による最終チェック:全体の統一感と品質確認
注意したいのは、完璧を求めすぎて分担が進まなくなることです。最初は70点の記事でも、継続していくうちに自然と品質は向上していきます。
ステップ5:継続的な改善サイクルを回す
分担体制が軌道に乗ったら、定期的に振り返りと改善を行います。
月次振り返り会の実施
| 振り返り項目 |
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|---|---|
| 改善アクション |
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成功指標の設定
分担体制の効果を測定するために、以下のような指標を設定しましょう。
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- 量的指標:月間記事公開数、記事制作に関わる人数
- 質的指標:記事への反応(PV、シェア数、問い合わせ数)
- 効率指標:1記事あたりの制作工数、担当者の満足度
実装成功のための3つの鉄則
最後に、分担体制を成功させるために特に重要なポイントをお伝えします。
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- 小さく始める:いきなり大きく変えず、できることから段階的に
- 感謝を伝える:協力してくれた社員への感謝とフィードバックを欠かさない
- 成果を共有する:メディアの成果を社内全体で共有し、貢献を可視化する
支援先の企業様では、この分担体制により週1回から月5回への更新頻度アップを実現し、さらに記事の独自性向上によって問い合わせ数も30%増加という成果を得られました。
▼一人運営の課題を乗り越え、メディアを成長させた実践事例は、こちらの記事もご覧ください! 未経験、一人運営。手探りから1年で社内外から評価されるメディアに成長するまで
まとめ:チーム体制でメディア運営を次のステージへ
メディア運営の属人化解消は、単に作業を分散するだけでなく、組織全体でコンテンツマーケティングに取り組む文化を作ることでもあります。
今回ご紹介した5つのステップを参考に、まずは社内リソースの棚卸しから始めてみてください。一人で抱え込んでいた業務を分散することで、より多様で魅力的なコンテンツが生まれ、メディアの価値向上につながるはずです。
メディア運営の体制作りでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。