転職エージェントは、複数社を併用できるのはご存じですか?
「いま利用しているエージェントでなかなか転職が決まらない」「紹介される求人数が少ない」など、悩んでいる方もいらっしゃると思います。そうした場合は複数の転職エージェントを併用することで紹介してもらえる求人の幅が広がるなどメリットがありますが、利用にあたっては注意も必要です。
この記事では、複数の転職エージェントを同時に利用すると転職活動にどんな影響をもたらすのか、そして利用のコツもお伝えします!
目次
転職エージェントを併用すべき理由
「転職エージェントを1社利用していれば十分なのでは?」「なぜ複数の転職エージェントを併用したほうがいいの?」と思われるかもしれません。転職エージェントを複数利用することで、より多くの選択肢やチャンスが広がります。具体的には、以下のようなメリットがあります。
さまざまな求人情報に触れられる
転職エージェントのメインのサービスは、求職者に対して希望職種や希望条件、これまでの経験に合った求人を紹介することです。
求職者のみなさんは、紹介された求人や求人サイトに掲載されている求人のなかから、自分の条件にマッチした条件のものを応募しますよね。
ここで重要なのは、利用する転職エージェントを増やすことで、出会える求人の数が2倍、3倍に増えるということです。たしかに複数の求人サイトで同じ求人を見かけることも多いかと思いますが、特定のエージェントにしか求人を出していない企業も少なくありません。
また、求人サイトには掲載されない非公開求人というものも存在します。
転職エージェントによる精度の高いスクリーニングを求める企業が、求人サイトに情報を公開しなかったり、業界特化型の転職エージェントにだけに求人を共有しているケースです。非公開求人を紹介してもらうには、当該の転職エージェントへの登録が必要になります。
複数の転職エージェントを利用することにより、得られる求人情報の数が増え、結果として転職活動をスムーズに進めることができます。
総合型と業界特化型のエージェントを使い分けられる
転職エージェントによって、強みとする業界・職種・年代が異なります。たとえば、同じ総合型エージェントでも、A社は「IT業界に強い」、B社は「営業職に強い」といった違いがあります。複数のエージェントを利用することで、自分では見つけられなかった優良企業に出会える可能性が高まります。
大手の総合型転職エージェントからは幅広いジャンルで求人情報を得ることができるので、「こんな業種でも自分のスキルを活かしながら働くことができるのか!」という気づきに繋がることがあります。
たとえば、これまで保育士として保育園で従事していた方が年収アップを目的に転職しようと考える場合、同じように保育の現場で年収の高いところに行くのがベストだと思いますよね。しかし、子供のことを熟知していることから子供服の販売企画に転身するという道や、工作やお絵描きなどの経験があり手先が器用であれば、ネイリストに転身するのも選択肢の一つです。
そういった幅広く業種をまたいで今後のキャリアパスを提示してもらえるのが、総合型転職エージェントの特色です。
一方で業界特化型のエージェントからはご自身のスキルにマッチした、あるいは未経験から希望の業界があれば、それらの求人情報をキャッチすることができます。
業界特化型のエージェントにしか求人提供していない企業などもある点を踏まえると、大手の総合型転職エージェントと業界特化型のエージェントの両方を利用し、上手に使い分けることが望ましいです。
💡総合型と特化型を組み合わせる効果
| タイプ | 特徴 | 活用方法 |
|---|---|---|
| 総合型エージェント | 幅広い業界・職種の求人を保有。求人数が多く、選択肢が広い | キャリアチェンジや異業界への転職を検討する際に活用。自分の可能性を広げる |
| 特化型エージェント | 特定の業界・職種に特化。その分野の深い知見と専門的なアドバイスが得られる | 志望業界が決まっている場合に活用。専門的な視点からのサポートを受ける |
キャリアアドバイザーの相性を見極められる
求人紹介や書類の添削・面接対策などのサービスを求職者に直接提供をしているキャリアアドバイザーは、求職者の転職活動全般をサポートする役割を担っています。
キャリアアドバイザーが求職者に対して親身に寄り添ったサポートをするのは大前提ですが、やはり人と人とのコミュニケーションなので「合う・合わない」があって当然です。特にコロナ禍を皮切りに多くの転職エージェントがオンラインでキャリア面談を実施するようになったので、対面でのコミュニケーションにくらべて互いの本心を細かく汲み取ることが困難な傾向にあります。
転職エージェントの利用が1社にとどまっており、かつキャリアアドバイザーとの相性に違和感を感じている方は、ぜひ複数社の利用を検討しましょう。
- 💡相性が良いアドバイザーの特徴
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- 仕事に対する考え方やキャリアプランを深く理解し、共感してくれる
- 志望業界・職種に詳しく、的確なアドバイスをくれる
- 連絡頻度やアドバイスの仕方が自分にとって違和感ない
- 急かさず、かといって放置せずに、ちょうど良いペースでサポートしてくれる
転職エージェントを併用するデメリットは?
転職エージェントを複数利用することには、メリットだけでなくデメリットも存在します。併用することによるデメリットについても挙げ、それらをどのように解消できるのかも併せてご紹介します。
連絡・スケジュールの管理に手間がかかる
複数利用する分、転職エージェントと以下のようなやり取りが増えてしまいます。
- 面談・面接の日程調整
- 求人紹介への返信
- 選考状況の報告
- 各エージェントごとに書類提出
大切なのは、いつまでに何をしなくてはいけないのか、面談はいつなのか、などのスケジュールを漏らさない工夫をすること。大事な連絡を見落としてしまう可能性があるので、なるべく毎朝メールの整理やフォルダ分けをする、スマホのリマインダー機能を活用する、スケジュールアプリで各エージェントによって表示の色を分けるなど、自分にとってわかりやすいように管理しましょう!
情報の取捨選択が迫られる
「A社からは〇〇と言われたけどB社からは■■と言われた……どちらに従えばいいの?」
こういった選択に悩むシーンは転職活動だけでなく、あらゆるシチュエーションで直面します。まずは以下のようなポイントで判断してみてください。
- 💡迷ったときの判断軸
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- 転職の軸を明確にする:「年収アップ」「ワークライフバランスを重視」など、自分の優先順位を明確にしてぶれないようにする
- 情報を絞り込む基準を持つ:必須条件を決めて、それに合わない情報は早めに切り捨てる
- 期限を設ける:「この日までに応募企業を決める」など、自分の意思決定を自分で促す
しかし、書類選考で落ちてしまったりなかなか内定に辿り着けない場合には改善が必要です。そういったときにセカンドオピニオン的な活用として、複数社の転職エージェントからの情報が役立ちます。
自分一人では改善できない課題点を、キャリアアドバイザーと一緒に発見して解決するのがコツです。情報が過多になってしまうのではないかという懸念点を、逆手にとって利用しましょう。
内定が重複すると調整が大変
このデメリットに関しては喜ばしいことではありますが、内定が重複することもあります。
これは複数社の利用でなくても発生しますが、転職エージェントのA社に対して「B社から受けていた企業に内定が出て……」と言いづらいこともあるかもしれません。かつ、A社から受けた企業から内定が出たが、B社から応募した企業の結果も待ちたい! そんな場面もあるかもしれません。
どのような状況であっても必ず他社経由の応募・選考に関する状況は共有しておきましょう。複数の転職エージェントを利用するのは通例です。そのため嫌な顔もされませんし、むしろ共有しておくことで紹介される求人が被ってしまうことも避けられるのでしっかりと共有しておきましょう。
転職エージェントを併用する場合の注意点やコツ
複数の転職エージェントを活用するメリットとデメリットを踏まえたうえで、複数の転職エージェントを利用する際にはどのようなことに注意すべきか、また効率的に活用するためにはどうしたらよいかを詳しく解説していきます。
総合型と特化型の両方に登録する
総合型・業界特化型の転職エージェントのどちらかだけを複数登録するのは非合理的なので避けましょう。
総合型と特化型の違いは前述の取り扱っている求人の幅・数が異なるという点に加えて、担当者の知識にも違いがあります。
総合型の転職エージェントはあらゆる業種・職種に対応できる添削や面接対策を行っていますが、業界特化型の転職エージェントは希望業種の採用担当がどのような人材を望んでいるのか、書類にどういう自己PRを書くと選考で他の候補者と差別化できるかなど、業界の人材市場を熟知しています。
応募する企業に応じて適切に書類添削や面接対策のサービスを使い分けることが、転職活動の円滑な進め方です。総合型と業界特化型の両方を登録・利用しましょう。
併用していることを隠さず伝える
さきほどデメリットのなかでもお伝えしましたが、転職エージェントを複数利用することは一般的なので隠さずに併用状況を共有しましょう。
「他社も利用していると伝えることによって自分の転職サポートをおざなりにされてしまうのでは」と不安に思うこともあるかもしれませんが、そのようなことは決してありません。なぜなら転職エージェントは求職者が転職を実現することによって転職先の企業から報酬を得ているからです。
この報酬なくして転職エージェントの運営は成り立ちません。転職エージェントは多くの求職者が希望を叶えて転職できることを望んでいるので、複数社の利用を打ち明けることによって不利益を被ることはないと認識しておきましょう。
▼詳細はこの記事に書かれています! 転職エージェントの費用相場は?無料の仕組みや企業の成功報酬を解説
転職活動の状況を逐一共有する
応募状況や選考状況、そしてそれぞれの求人への志望度などといった情報は、利用しているすべての転職エージェントに共有することが大切です。
悩んでいることや希望条件が変わった際などはすぐに相談しましょう。不要な案内を受ける時間ももったいないですし、転職活動において気持ちの整理ができない状況では転職活動が非効率的になってしまいます。
キャリアアドバイザーに相談することで明確でないキャリアパスが具体的にイメージできたり、そのためにどういう行動をするべきなのかアドバイスもらうこともできます。状況の共有はもちろん、些細なことでも伝えることによってよりよいコミュニケーションをとることができます。
丁寧なやり取りを心がける
転職活動において、対企業だけでなく対転職エージェントにも丁寧な対応を心がけましょう。
理由は2点あり、1点目は経歴やスキルだけでなく人柄や細やかな配慮ができるかを重視している企業・求人もあります。キャリアアドバイザーの所感で「スキルは不足しているけれど、企業が求めるお人柄だな」と求人を紹介することもあります。また、募集企業に対して丁寧な対応ができる方であると推薦することもあるので、転職活動をより有利に進めることも可能です。
2点目は、受け手によってさまざまな解釈ができるような言葉を用いると双方の認識にズレが生じて、無駄なやり取りが発生してしまうからです。
たとえば、「ご不明な点はございませんか?」と聞かれたら「はい」という返事だけでなく、「不明点はございません」と一言添えるだけでも、安心できるコミュニケーションになります。さらに「結構」「大丈夫」という言葉を使う際にも肯定・否定いずれにも解釈できるシチュエーションがあるので、齟齬のないように留意しましょう。
複数社の併用においてはやり取りも増えるので、正しく無駄なく伝わりやすい相互理解によって転職活動を効率的に進めましょう。
最終的に2サービスほどに絞る
複数の転職エージェントを利用する際は、まずは最終的に2社程度に絞り込むのがおすすめです。
| 段階 | 登録数 | 目的 |
|---|---|---|
| 初期段階 | 3〜5社 | 幅広く求人情報を収集し、各エージェントの特徴や担当者との相性を見極める |
| 選考開始時 | 2〜3社 | 管理しやすい数に絞り、効率的に転職活動を進める。信頼できるエージェントに集中する |
多くの選択肢、さまざまな角度の意見は、選択を誤ったり悩むことに時間を費やしてしまうこともあります。求人はタイミングですし、企業への回答はスピード感が大事です。スケジュール管理が煩雑化する前に、利用の必要性に応じて転職エージェントの取捨選択をしましょう。
複数利用していることをエージェントに伝える例文
複数の転職エージェントを併用していることは、正直に伝えることが重要です。他社での選考状況を把握してもらうことで、面接日程や内定時期を調整してもらえるため、むしろ伝えないと調整が大変になるなどのデメリットになります。
どうやって伝えたらいいかな……と悩んでいる方に向けて、例文もご用意しました!
具体的な例文
以下の例文を参考に、自分の状況に合わせてアレンジしてください。
- ▼例文1:幅広く情報を集めたい場合
- 「転職活動を始めたばかりなので、できるだけ多くの情報を集めたいと考えています。現在、他にも2〜3社の転職エージェントに相談しています。御社は幅広い業界・職種の求人を保有されているので、私の経験を活かせる選択肢を教えていただけると嬉しいです。他社での選考状況も随時ご報告しますので、よろしくお願いいたします。」
- ▼例文2:総合型と特化型を使い分ける場合
- 「現在、Web業界専門のエージェントも利用しています。そちらではWeb業界の求人を中心に紹介してもらっていますが、御社では他業界も含めて、私のスキルが活かせる求人があればぜひ教えていただきたいです。複数のエージェントを利用することで、幅広い可能性を探りたいと考えています。」
- ▼例文3:既に選考が進んでいる場合
- 「他の転職エージェント経由で、現在2社ほど選考が進んでいます。ただ、さらに選択肢を広げたいと思い、御社にもご相談しました。他社での選考状況は随時お伝えしますので、面接日程の調整などでご配慮いただけると助かります。よろしくお願いいたします。」
- ▼例文4:クリエイター職の場合(LIGエージェント向け)
- 「現在、総合型のエージェントも利用していますが、クリエイター職に特化したアドバイスが欲しいと思い、LIGエージェントにも相談させていただきました。制作会社としての視点から、実践的なアドバイスをいただけると嬉しいです。他社での選考状況も共有しますので、よろしくお願いいたします。」
新しいエージェントと面談をするときにも、初回面談のときに併用していることを必ず伝えましょう!
おすすめの転職エージェント4選【大手・業界特化型】
利用すべき転職エージェントの参考に、以下に4社の情報をまとめました。
【業界特化型】LIGエージェント
出典:LIGエージェント
弊社LIGが運営するクリエイター特化のエージェントです。
エンジニアやデザイナー、マーケター、ディレクターなどクリエイティブ業界特化の求人を多く保有しています。制作会社が運営するエージェントなので、専門知識も豊富に持っているスタッフが対応いたします。
クリエイタースクールを運営しており、異業種からのクリエイター転職へのアプローチも強いのが特徴です。
| エージェント名 | LIGエージェント |
|---|---|
| 求人数 | 非公開含む多数 |
| 運営会社 | 株式会社LIG |
| URL | https://liginc.co.jp/lig-agent |
| 特徴 | 首都圏の求人を中心に、IT・Web業界に精通したサポートが受けられる。 |
| こんな方におすすめ | 首都圏でIT・Web業界のクリエイター系専門職への転職を考えている方 |
【業界特化型】ウェブスタッフ
出典:ウェブスタッフ
ウェブスタッフは、Web業界特化型のエージェント。Web業界での転職を考えている方にオススメです。
キャリアアドバイザーが親身に相談に乗ってくれるため、自分のキャリアについて見つめ直す良い機会になるでしょう。
| エージェント名 | ウェブスタッフ |
|---|---|
| 求人数 | 約1,000件以上 |
| 運営会社 | ウェブスタッフ株式会社 |
| URL | https://www.webstaff.jp/ |
| 特徴 | IT・Web業界に特化したサービス。長期的なキャリアを見据えたサポートを提供。 |
| こんな方におすすめ | 転職活動を通して今後のキャリアについて考えたい方 |
【総合型】リクルートエージェント
出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは、リクルートグループの総合型人材紹介サービスです。
販売職や営業職に強い総合型エージェントで、全国幅広い地域でのサポートが可能です。
| エージェント名 | リクルートエージェント |
|---|---|
| 求人数 | 約100,000件以上 |
| 運営会社 | 株式会社リクルート |
| URL | https://www.r-agent.com/ |
| 特徴 | 非公開求人が豊富で、全国の求人に対応。競争率が高い。 |
| こんな方におすすめ | 全国で販売・営業職を探している経験者の方 |
【総合型】doda
出典:doda
こちらも同じく営業職・販売職にも強い総合型のエージェントです。
エージェントサービスだけでなく、転職サイトからのスカウト等を受け取ることもできます。これまでの経験を活かして年収アップを目指したい方は、キャリアカウンセリングを受けながら、視野を広げてキャリアプランを考えていくのがおすすめです。
| エージェント名 | doda |
|---|---|
| 求人数 | 約50,000件以上 |
| 運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
| URL | https://doda.jp/ |
| 特徴 | 幅広い求人と未経験者向けの求人も充実。情報量が多すぎることも。 |
| こんな方におすすめ | 幅広い業種で販売・営業職を探している方 |
まとめ
転職活動が思うように進まないときは、転職エージェントの登録について見直しすることをおすすめします。
またこれから転職活動を始める方は、効率化のためにも転職エージェントを複数社併用してみましょう。みなさんが実りある転職を実現されることを願っています!
LIGエージェントでは経験豊富なキャリアアドバイザーがみなさまのキャリアプランや転職に関する不安・疑問にお答えしています。「書類添削や面接対策をしてほしい!」「どんな求人があるか話を聞いてみたい」という方は以下よりお気軽にご予約ください!