メタバースの没入感を表現し、お問い合わせが1.5倍に!NTTコノキュー「DOOR」サイトリニューアル秘話

メタバースの没入感を表現し、お問い合わせが1.5倍に!NTTコノキュー「DOOR」サイトリニューアル秘話

武部夏帆

武部夏帆

こんにちは、Webディレクターの武部です。

この度LIGでは、株式会社NTTコノキュー様が展開する仮想空間プラットフォーム「DOOR」の法人向けサービスサイトのリニューアルを担当しました。

DOOR(法人のお客さま)

株式会社NTTコノキュー
株式会社NTTドコモ100%子会社としてXR事業を展開。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)などXRを用いて、メタバース・デジタルツイン・XRデバイスの3つの事業を柱に、さまざまなサービス、ソリューションを提供。

社内向けサービスを外販へ。法人の問い合わせ獲得のためサイトリニューアル

武部:「DOOR」は、法人向けサイトに特化してリニューアルを行いました。まずリニューアルの背景を教えてください。

▲株式会社NTTコノキュー マーケティング部門 サービスマネージメントグループ 主査 田丸夢里さん

田丸:「DOOR」はもともとNTT持株会社が開発し、NTTグループ社内のオウンドメディアとしてメタバースでのNTTグループの展示会や決算発表などに利用していました。ただ、2022年にNTTグループのXR事業を担う会社として「NTTコノキュー」が設立されたタイミングで、弊社に移管されました。そこで「DOOR」を社内だけでなく、社外の方々にも提供していくことになったんです。

ただ、もともと社内で使用するためのオウンドメディアだったため、サービスページは見栄えや使い勝手、問い合わせの動線等が整備されておらず、お客さまにはわかりにくかった。そこで法人向け販売強化のために、法人向けサイトをリニューアルすることにしたんです。

武部:制作パートナーはどのような基準で選ばれたのでしょうか?

田丸:実は、弊社の前任の担当者がLIGさんのことをよく知っていまして。オシャレなサイトをつくる力があって、CMSを入れるためのコーディングにも対応できるということで、LIGさんに決めました。
 
武部:もともと弊社のことを知ってくださっていたのですね、ありがとうございます! ご依頼いただいたのは2023年でしたね。

田丸:そうですね、リニューアルの話が社内で持ち上がったのが2023年の夏で、プロジェクトがスタートしたのが10月。サイト公開が2024年の2月です。4ヶ月間でかなり急ピッチで制作を進めていただきました。

ONE PIECEのエース?サービスを人物に例えて深掘り

▲LIG ディレクター 武部

武部:今度は実際にプロジェクトが始まってからのことを聞きたいと思います。最初に要件定義を行い、その後デザインの方向性を決めるためにオンラインでワークショップを開催しました。ワークショップの感想を教えてください。

田丸:ワークショップはやってよかったですね。メタバースというと、「最新」「難しい」というイメージを持たれがちです。でもLIGさんはそういった言葉に縛られず、「DOOR」は人物に例えるとどんな人ですか?」「サイバー系、黒い系、やさしい系、このなかではどのイメージですか?」など、いろんな角度から質問して深掘りしてくれた。おかげでサービスの魅力を定性的にお伝えできました。

武部:確か、岡田将生さんとかドラマ『オレンジデイズ』に出ていたときの妻夫木聡さんの名前が挙がりましたよね(笑)。

▲LIG デザイナー 花澤

花澤:面倒見のいいお兄ちゃんとして、ONE PIECEのエースの名前も挙がりましたね(笑)。「金髪イケイケ」ではなく「親しみやすい黒髪」のイメージなんだと、感覚的にわかりました。

田丸:サービスを人物に例えることは、初めてでしたがすごく面白かったですね。それにオンライン付箋ツールを使って、浮かんだイメージをどんどんホワイトボードに貼っていったので、一問一答方式とは違い、アクティブに話ができました。

花澤:ワークショップをやる前に社内で話し合った際は、サイトのイメージは「最新」「カッコいい」「黒系」といったキーワードが挙がっていたんです。でもワークショップを通して、「簡単」「わかりやすい」というキーワードが重要だとわかりました。

田丸:展示会などでは、来場した方に「ホームページビルダーのメタバース版です」と説明することが多いんです。つまり「ものすごくオシャレではないけれど、誰でも簡単にメタバースがつくれる」と。

「DOOR」はテンプレートもたくさんあって、30秒ほどあれば空間を一つ構築できて、本当に簡単に使える。LIGさんはそのことをいろんな角度から上手に引き出し、サイト制作に生かしてくれました。

回る導入事例、拍手するアバター。メタバースの没入感と親しみやすさを表現

武部:今回のサイト制作で特に力を入れたところは2点あります。1つ目は、法人向けを意識したサイトの構成という点です。改修前の法人向けページに掲載されていた情報をベースに、サービス紹介や料金プランを明記するというご要望をいただいていたのですが、問い合わせを獲得するためにはサービスがきちんと理解できて、使いたいと思ってもらえるようなサイト構成が必要です。そこで一緒に内容を見直し、構成を考えました。

2つ目は、できるだけCMS内で作業が完結できるようにしたことです。社内で運用していくという話を聞いていたので、更新しやすさを重視して構築しました。

田丸:CMSを活用して導入事例の追加やFAQの追加、オリジナル空間制作数の更新などを行ったのですが、とても作業がしやすく、ありがたいですね。「DOOR」の外販は2023年に始まったばかりで、サイトリニューアル後にもサービスの内容が変わったり、オプション販売などが始まったりする可能性がありました。

そこでページの構成からある程度変更できるように、拡張性を意識してサイトをつくっていただきました。テキストや絵が入っているところはほとんど弊社で差し替えできるようになっていますね。

武部:サービスサイトでここまでの更新制を求められるのは珍しかったのですが、外販が始まったばかりで流動的な部分があると聞き、納得しました。今度は花澤さんからデザインのこだわりポイントを教えてください。

花澤:2つあって、1つは「メインビジュアル」です。サービス名が「DOOR」なので、アバターの男の子がこちらに手を差し伸べて、ドアの向こう側に広がるメタバースの世界に導いてくれるイメージでつくりました。

もう一つは、ページ中盤にある導入事例です。アバターを中心にこれまでに制作されたメタバースが円を描くように回る仕組みにしているのですが、これは360度どこを見てもメタバースという、VRデバイスをつけたときのあの没入感から着想しています。

 
田丸:アバターがまばたきをしたり拍手したりする様子がすごくかわいいんです。おかげで親しみやすいサービスだと感じてもらえるようになったと思います。あれもLIGさんにアレンジしていただいたんですよね。

花澤:はい。もともと3Dのアバター素材はあったのですが、ポーズを変えることができませんでした。そこで弊社でそれを書き起こして、「Lottie」を使って動かせるようにしました。

動画でもよかったのですが、複数のアバターをすべて動画にするとサイトが重くなってしまう。サービスサイトなので、情報が速く表示されることを優先しました。

田丸:自治体や教育機関は、大手の民間企業などに比べて通信環境があまりよくない傾向があります。そのためサイトが重いと、そもそも情報を見る前にページを離脱されてしまう可能性があった。そこで「もっと軽くしてください」と何回もお願いして、頑張っていただきましたね。

複数の導線を設計し、問い合わせは1.5倍に!内容もビジネスにつながるものばかり

武部:完成したサイトをご覧いただいた率直な感想と、公開後の数値面での変化を教えてください。

田丸:サイトは社内からは非常に好評で、お客さまの反応もいいですね。私もすぐに家族に自慢しました(笑)。

数値面では、公開と同時期にWeb広告を出稿したこともあり、リニューアルだけの効果とは言い切れないのですが、UU数とPV数は1.3倍、問い合わせ件数は1.5倍になりました。問い合わせの内容も、以前は操作方法などを尋ねるものが中心でしたが、空間制作の依頼や有料オプション等についてのお問い合わせが増えました。

また、今回のリニューアルを機に、資料ダウンロード時にお客さま情報をご入力いただくメーラーが立ち上がるようにしたことで、資料ダウンロードの回数やどんなお客さまが「DOOR」に興味を持ってくださっているのかを把握できるようになりました。

武部:そんなに増えていたんですね! しかも問い合わせがビジネスにつながる内容というのは、サービスを理解してもらえた証拠ですね。

田丸:実はLIGさんにつくっていただいたヘッダー周りのデザインがすごく使いやすいので、社内でほかのページをつくるときにも参考にさせていただいているんです。

武部:それは嬉しいです! では最後に、今回弊社に依頼して印象に残ったところがあれば教えてください。

田丸:一番は、ワークショップなどいろんなアプローチで最大限こちらの意図を汲もうと努力してくださったことです。またお二人ともレスポンスも修正もとっても速くて、タイトなスケジュールのなか素早くご対応いただきました。

他にも、テクニカルなメンバーが一切入っていない状態でプロジェクトがスタートしてしまったため、作業が巻き戻しになってしまったこともありましたが、手順書をつくってテクニカルなトラブルの解決方法まで教えていただきました。本当に感謝しています。

武部:御社のみなさんが的確にフィードバックをしていただいたのでこちらも対応がしやすく、スケジュールも遅れることなく無事サイトをリリースできました。本日はありがとうございました!

さいごに

LIGでは今回のようなサービスサイトやポータルサイト、採用サイト、メディアサイトなどの新規制作、リニューアルを行っています。ワークショップなどでお客さまのご要望を深く理解したうえで、法人向け、個人向け、問い合わせの増加など目的に合った最適なサイトを構築します。

サイト構築・リニューアルをご検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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大学卒業後、損害保険会社で営業を経験。その後web制作会社にデザイナー兼ディレクターとして転職し、2023年LIGに入社。現在はコーポレートやサービスサイトのディレクションを行う。

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