こんにちは!デジタルハリウッドSTUDIO by LIG(通称デジLIG)で受講生の学習とキャリアサポートをおこなっている久保です。
今回は、UI/UXデザイナーを目指す人におすすめの資格を紹介します。就転職に役立つポイントもございますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
そもそもUI/UXデザイナーになるために資格は必要?
結論、UIデザイナーやUXデザイナーになるために資格は必要ありません。UI/UXデザインに関する資格はさまざまなものがありますが、「資格をとればUI/UXデザイナーになれる」「転職活動で有利になる」などと直結するものではないので注意が必要です。
とはいえ、資格の勉強をすることを否定している訳では決してありません!
資格を勉強することで体系的に学べたり、これまでなかった知見や視点を取り入れたりすることにつながります。
デザイナーのスキルを証明するのに大切なのは、ポートフォリオとデザインの考え方が作品に落とし込まれている(理由が話せる状態である)ことなので、この点を踏まえ、資格取得が目的とならないようにしてください。
UI/UXデザイナーを目指す人におすすめの資格
UI/UXデザイナーの仕事内容を包括するような特定の資格はありませんが、UIデザイナーとUXデザイナーそれぞれの必要スキルを学べる資格や、スキルを証明できる試験をまとめました。
色彩検定
色彩検定とは、文部省の認定をうけている色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。
従来の1〜3級に加え、2018年よりUC級(ユニバーサルデザイン)が新設。3級試験では配色などの基礎知識が身につきます。
サイト全体のレイアウトやデザインの考え方に加えて、色の原理原則や配色について理解することで、ユーザーに与えたい印象にあわせた提案などに役立ちます。
UC級 | 3級 | 2級 | 1級 | |
---|---|---|---|---|
出題形式 | マークシート形式 (一部記述式) |
マークシート形式 | マークシート形式 (一部記述式) |
1次:マークシート方式 2次:記述方式(一部実技) |
受験資格 | なし | なし | なし | なし |
合格基準 | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 |
検定料(税込) | 6,000円 | 7,000円 | 10,000円 | 15,000円※1次免除者も同じ |
ウェブ解析士
Webサイトのアクセス解析をはじめ、事業戦略やマーケティング解析のスキルを問われる資格です。データを活用して課題を発見し、その課題の解決方法までを学習できます。
Webマーケティングの知識を学びたい方におすすめの資格です。
ウェブ解析士 | |
---|---|
出題形式 | 選択式 |
受検資格 | – |
合格基準 | 非公開 |
検定料(税込) | 17,600円 |
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、Webデザインの分野における国内唯一の国家資格です。
試験では、WebサイトのデザインやWebサイト構築の知識・スキルなどが問われます。
1級〜3級まであり、最も高い等級である1級の受験資格には7年以上の実務経験が必要、かつ合格率は10~20%と言われており、難易度が高い検定と言えるでしょう。
3級 | 2級 | 1級 | |
---|---|---|---|
出題形式 | 学科試験:マーク方式 実技:選択方式 |
学科試験:マーク方式 実技:選択方式 |
学科試験:マーク方式 実技:選択方式 |
受検資格 | – | ・2年以上の実務経験を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、 専修学校、各種学校卒業又は 普通職業訓練修了した者など ※詳しくは公式サイトをご覧ください |
【実技試験】 ・1級の技能検定において、学科試験に合格した者 【学科試験】 ・7年以上の実務経験を有する者など ※詳しくは公式サイトをご覧ください |
合格基準 | 70点以上 | 70点以上 | 70点以上 |
検定料(非課税) | 学科:6,000円 実技:8,000円 または3,000円(25歳未満の在職者) |
学科:7,000円 実技:16,000円 または7,000円(25歳未満の在職者) |
学科:8,000円 実技:25,000円 |
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験とは、Webページを制作するためのコーディングスキルや、デザイン能力を問われる民間資格試験です。
「スタンダード」と「エキスパート」にわかれており、いずれも実務に直結した内容で実技試験もおこなわれます。
問われる範囲はウェブデザイン技能検定と似ているように感じますが、難易度はやさしめで合格率は8〜9割ほどあるようです。
スタンダード | エキスパート | |
---|---|---|
出題形式 | 実技試験 | 選択形式、実技試験 |
受検資格 | – | – |
合格基準 | 65%以上 | 65%以上 |
検定料(税込) | 5,900円 | 7,500円 |
Google UX Designプロフェッショナル認定
出典:Google UX Designプロフェッショナル認定
Googleが提供するユーザーエクスペリエンス(UX)デザインに関するオンライン講座です。
UXの基礎やUXデザインのプロセスなどをはじめ、実践的な内容がまとめられており、各コースを修了することで認定書がもらえます。
受検資格 | – |
---|---|
費用 | 月額$39 |
UI/UXデザイナーになるには
そもそもUI・UXとは
UIとUXの言葉の意味についてご説明いたします。「UI/UXデザイナー」と一括りにされることも多いですが、UIとUXはそもそも次のような意味があります。
- UI = ユーザーインターフェース(User interface)
- UX = ユーザーエクスペリエンス(User experience)
UIのインターフェースとは、「接触面」「合わせ目」という意味の言葉です。人がサイトやアプリを使うときに接触する部分(メニューや画像などのコンテンツ、クリックするボタン)などのことを総称してUIと呼びます。
UXのエクスペリエンスとは、「経験」「体験」「感じる」「感じたこと」という意味の言葉です。調べる、サイトを見る、比較検討する、購入するなどの行動そのものや、その行動をする中での体験をUXといいます。
必要なスキル
直接的ではないスキルも含まれますが、現役デザイナーからのアドバイスをいただきまとめてみました。
前提:UI/UXデザイナーを目指すには
それぞれ別の意味を持つUIとUXですが、現場では両方をデザイナーが担当しているケースが多いです。
UXデザイナーという職種での募集というよりは、「UI/UXデザインの知見や経験のある方」という希望条件や優遇条件という形で募集されている求人情報をよく目にします。
いきなりUXデザイナーを目指すというよりは、ステップバイステップで、まずデザイナーを目指してデザインの基礎を学ぶこと、その中でUI/UXの考え方やスキルを身につけることでUI/UXデザイナーへの道は拓かれると思います。
マーケティングスキル
UI/UXデザイナーを目指すなら、ターゲット選定やユーザーの真の課題を理解する(しようと追求する)ことが大切です。
仮にクライアント様が自社のユーザー像を持っていたとしても、バイアスがかかっていてすべて正しいとは限らないため、フワッとした形ではなく直接聞くなど正しく理解する必要があります。
目標数値(クリック率やCPAなど)を達成するための仮説をたて、検証と改善を繰り返すことが重要です。
英語力
意外と思われるかもしれませんが、UI/UXデザイナーも英語力を身につけることで仕事の幅が広がります。
デザインの世界は移り変わりが激しいため、海外の情報に目を向けることで最新情報をキャッチアップしやすいためです。
また、デザインツールなどは海外製のものも多く、英語力があればスムーズに仕事を進められるでしょう。
UI/UXデザイナーの将来性や年収について
一般的にデザイナーのキャリアステップをみたときに、グラフィックデザイナーやWebデザイナーと比べ、UI/UXデザイナーは上位職種といえるでしょう。
理由は、単に「言われた通りデザインが作れる人」よりも、そもそものサービスの在り方を提案できたり、レイアウト設計・デザイン制作の力で「また利用したくなる」サイトを作れたりするUI/UXデザイナーの方が貴重だからです。
参考までに、UI/UXデザイナーとその他のデザイナーの年収を比較した結果は次のとおりです。
全職種*1 | UXデザイナー*2 | UIデザイナー*2 | グラフィックデザイナー*2 | |
---|---|---|---|---|
平均年収 | 308万円 | 649万円 | 595万円 | 449万円 |
*1:出典:厚生労働省「一般労働者の賃金」、*2:出典:求人ボックス「給与ナビ」
昔からUXデザイナーの給料はグラフィックデザイナーの給料の1.4倍と言われていましたが、データでみると、おおむねそのとおりですね。
所属する企業や働き方によって差はありますが、求められる業界や仕事の幅が広がっているUI/UXデザイナーの給料は、一般的に高いといえると思います。
事業を切り開くための課題解決能力はデザイン思考とも言われていて、デザインの力で事業を支え、売上や利益を生み出す人材はどこの会社でも必要とされます。活躍の場はWeb制作会社に止まらず、業界問わずこれからも広がっていくでしょう。
UX/UIのスキルを身につけられる仕事
UIデザインやUXデザインのスキルを身につけられる仕事にはどんなものがあるのかをまとめました。キャリアの選択時に、参考にしてみてください。
アプリやWebサイトのナビゲーション
初めてダウンロードしたアプリにイントロやチュートリアルが付くことが多いですよね。
ゲームでもなんでもトリセツがあった時代から、実際にチュートリアルを触ってしまえばなんとなく操作ができるような時代になりました。冒頭の操作の仕方で躓いてしまうと、本来の目的であるアプリ利用ができないので、チュートリアルの設計はユーザー目線を持っていないとできないと思います。
また、どこに何があって、自分の居場所はどこで、ユーザーが迷子にならないようなアプリ・Webサイト全体のナビゲーションを作るなどの経験は、UI/UXデザイナーの仕事にも役立ちます。
プロダクト、サービスデザイン
世の中にあるサービスやプロダクトそのもののデザイン設計をしている方は、常にユーザーのことを考えていると思います。
どうやったらこのサービスを使ってもらえるか、使いやすく長く使ってもらえるか。無駄を省いて、シンプルになりすぎてしまったら、グラフィックの観点でデザインを足してみようかなど、試行錯誤しながらサービスやプロダクトを生み出したことがある人は、UI/UXの本質を理解していると言えるでしょう。
サイトやSNSの運用業務
直接的なデザインの仕事ではないですが、サイトの流入数、クリック数やクリック率、CPAなどをチェックして、運用・改善を経験したことがある場合、デザイナーになった後に活きてくるスキルになります。
デザインの先にユーザーがどういう行動をとり、成果(売上など)にどれだけ繋がったのか。繋がっていない場合はどの数字に問題があり改善すべき点はどこなのかが見立てられるようにため、デザイナーにとっては重要な要素です。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。デザイナーとは「単なる作業者」ではなく、クライアントやユーザーのために、デザインの知見とさまざまな経験・データから考えて事業をデザインの力で支える、重要なポジションです。
独学でデザイナーになるよりもはるかに効率的で、理に適っている方法としてWebデザインスクールがあります。
私たちが運営しているデジタルハリウッドSTUDIO by LIGでは、Web制作会社であるLIG監修のカリキュラムに加えて、現役のデザイナーによる実践的な学習の場を用意しています。現場目線でのフィードバックをもとに、質にこだわった作品制作をおこなうため、未経験からデザイナーを目指す人に最適な環境です。
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