こんにちは、「デジLIG」の大澤です。
- ▼デジLIG(デジタルハリウッドSTUDIO by LIG)とは?
- 株式会社LIGとデジタルハリウッドが業務提携をしてはじめたクリエイター養成スクールのこと。Webデザイナーや動画クリエイターを目指す方向けのカリキュラムを展開しており、制作会社運営であることを生かした「プロ基準」の支援が強み。
デジLIGでは、対面やオンラインで授業を行っていますが、就職サポートの一環として、企業と協力して「職場体験会」を開催しています。体験会をきっかけにその企業への志望度を高め、入社する卒業生もでてきています。
今回はそんな職場体験会から未経験の卒業生を採用した株式会社ムーンファクトリーを訪問。デジLIG卒業生である諸岡さん、程塚さんの2名と、同社で採用をご担当いただいた高橋さんにお話を伺い、入社の経緯や現在の仕事内容を伺いました!
- ▼株式会社ムーンファクトリーとは?
- 「あまねく世界をしあわせに」という理念のもと、Webサイトのデザインやシステム構築・運用、サイト改善など幅広く手がける。ほぼ100%直請けでクライアントの課題解決に取り組んでいる。
目次
「お客さまと同じ目線を持てる」。未経験者を採用する理由
大澤:御社には2019年にデジLIG卒業生の諸岡さんが、2023年には職場体験会を経て程塚さんが入社しています。2人は現在どういった仕事をしているのでしょうか。
▲株式会社ムーンファクトリー チーフディレクター 高橋さん
高橋:諸岡はWebデザイナー枠に応募してくれたのですが、選考の過程で「もしかしたら、ディレクターのほうが合っているのでは?」と感じたので、入社後はディレクターとして活躍しています。
程塚は制作のアイディアをいっぱい持っていたほか、コーディングにも興味があるということだったので、カチッと分野を決めずにいろんなことに携われる制作チームに入ってもらいました。入社して間もないので、今は研修をしながら実務をやっています。
大澤:本人の適性や希望をふまえて配属を考えているのですね。2人ともデザイン未経験者ですが、御社の採用サイトを見ると未経験者採用に力を入れているように感じました。即戦力を求める企業も多いなか、未経験者を採用する理由を教えてください。
高橋:弊社では、ホスピタリティを大事にしていて、お客さまの気持ちや要望をくみ取って、同じ目線で提案するというスタイルで仕事を進めています。それらを体現するためには、Web界隈の常識や当たり前をお客さまに押し付けないことが重要です。
例えば、Webに詳しい人しか分からないような専門用語を使ってしまうなど、過去の経験から現れる“クセ”は、時にお客さまにとって負担になることがあります。だからこそ、前の会社のクセがついていない未経験者の方が、弊社のやり方を受け入れてくれやすいと考えました。
大澤:たしかに、思考や仕事のスタイルって一度クセがついてしまうと直すのは結構大変ですよね。その点、未経験者の方が育成しやすいですね。
高橋:そうなんです。あとは、弊社はチームで和気あいあいと仕事をすることが多いので、経験豊富でひとりでなんでもやってしまう人よりも、未経験者の方がその輪に加わりやすいと思います。それにいろんな業種のお客さまがいるので、他業種の経験が結構役に立つんですよ。
職場体験会なら、面接ではわからない側面を見られる
大澤:今回、程塚さんは「職場体験会」への参加をきっかけに入社しています。体験会は弊社からご提案しましたが、開催を決めた理由を聞かせてください。
高橋:たまたまデザイナーの採用に力を入れていきたいと思っていたときに、御社から「職場体験会はどうですか」というお話をいただいたんです。実は以前から中学生・高校生の職場見学を受け入れていたので、一日一緒に作業をすることで相手の人となりがわかることは実体験として理解していました。それでやってみることにしたんです。
大澤:学生の職場見学を受け入れていらっしゃるんですね! それなら体験会も開催イメージがつくし、ノウハウもあって挑戦しやすいですね。今回は一日体験会でしたが、どういったスケジュールで進めたのですか。
高橋:時間は午前10時〜午後5時で、会社のことや採用の方針、入社後のキャリアステップなどを説明した後、コーディングなど実際の仕事を体験してもらいました。最後にカジュアル面談も行っています。
大澤:実際に開催した感想や、感じた開催メリットを教えてください。
高橋:一番のメリットは、相手の性格や思考プロセスが見えてくることですね。デザインの技術は入社後でも習得できますが、思考のクセはなかなか変えられません。それに弊社は初めてご依頼いただくお客さまが多いので、チームメンバーとのランチの様子から初対面の相手と臆せず話せるかといった点も見ることができました。
大澤:私たちも面接と違って、そういった相手のオフの部分を見られるのは職場体験会の魅力の一つだと思っています。
高橋:体験会は企業側だけでなく、参加者側にとっても、応募を考えている企業の現場を知るいい機会にもなっていると思います。あと採用とは関係ないのですが、社内のみんなが「こういう課題を用意したらどうかな」「自己紹介で何て言ったらいいかな」といろいろ考えて準備していて楽しそうでした。
特に技術部門は社外の人と関わることが少ないので、大いに刺激になったと思います。体験会の開催期間中は社内がいつもより明るくなった気がしますね。
大澤:ワクワクしながら準備されている様子が目に浮かびます。未経験者の採用に挑戦したいと思っていても「失敗したらどうしよう」と踏み切れない企業は多いんです。体験会はそういった企業が未経験者と接する機会になるし、一つのイベントとして既存の社員にもプラスになりますね。
「絶対ここに入りたい!」。体験会と選考で伝えた圧倒的熱量
大澤:職場体験会にはデジLIGから複数人参加していますが、その中から程塚さんが採用に至りました。体験会ではどんな様子だったのですか。
高橋:程塚さんはカジュアル面談で盛り上がって、気づいたら1時間くらいしゃべっていたんですよね。しかも日中に説明したことを全部覚えていて、その内容をふまえて具体的な質問をしてきたので、参加者の中でもひときわ印象に残りました。
▲株式会社ムーンファクトリー デザイナー 程塚さん
程塚:どうしても入社したかったので、見聞きしたことはすべて吸収するつもりで挑みました。事前リサーチもしていたので、知りたかったことは全部質問しました。
大澤:そんなに志望度が強かったんですね。具体的にムーンファクトリーさんのどういったところに惹かれたんですか。
程塚:採用サイトなどを見ていて制作したサイト、社風などが自分の理想どおりで「絶対ここで働きたい!」と思ったんです。体験会に参加してみると、社内の雰囲気は採用サイトの説明通りで、よく見せるために適当なことを書いているわけではないとわかりました。体験会や面接で10人以上の社員とお話をしたのですが、みなさんいい人で話しやすくて、この会社はきっと自分と相性がいいと思いました。
大澤:職場体験会の後、採用選考はどういった流れで進んだのですか。
高橋:書類選考、一次面接、実技試験、最終面接ですね。Webデザイナーなど現場の社員が一次面接から参加して適性を見ています。実技試験は2つの課題から好きな方を一つ選んで制作する形式だったのですが、程塚さんは2つともやって提出したんですよね。
大澤:一つでいいのに2つやったんですか? 入社したい気持ちがあふれてますね……。
程塚:「絶対両方やる!」って決めていました。
高橋:しかも程塚さんは応募者の中からただ一人、課題の制作にかかった日数を書いて送ってくれたんです。実は、それってまさに私たちが知りたかったことなんです。相手の気持ちを考えて先回りできる人なんだと思いましたね。
大澤:お客さまと接する仕事だと、そういった気配り力は大事ですよね。
面接の感想をシートに詰め込み思いを表現。狭き門でも採用へ
大澤:今度は諸岡さんの入社経緯を聞かせてください。諸岡さんはデジLIG事業が始まって2年目の生徒だそうですが、当時どういった就職活動をしたのですか。
▲株式会社ムーンファクトリー ディレクター 諸岡さん
諸岡:「求人サイトを見る」「応募する」「選考を受ける」をひたすら続けましたね。デジLIGのスタッフからも未経験のWebデザイナー枠は激戦だと聞いていたので、気になる企業があったら躊躇せず、どんどんエントリーしました。
大澤:なかなか採用が決まらずめげてしまう人もいるなか、ポジティブに応募し続けてちゃんと結果を出したのですね。その中でもムーンファクトリーさんはどこに魅力を感じたのですか。
諸岡:採用サイトの内容ですね。一般的な求人の文章って「こういう人を求めています」という条件を並べた、少しドライな内容が多いと思います。でもムーンファクトリーは「入社したらこういう仕事をしてほしいです」といった書き方で、実際に働いたときのイメージもしやすかった。いい会社だなって感じました。
大澤:お二人の話から、社風の良さがよく伝わってきます。採用側の話も聞きたいのですが、諸岡さんの選考で印象に残っていることはありますか。
高橋:諸岡さんは面接が終わった後、感想を一つのシートにまとめて送ってきてくれたんです。しかもデザインもこだわったものでした。面接のお礼メールはよくありますが、シートにして送るってすごい勇気がいると思うんです。それを乗り越えて、自分の気持ちを伝えようとしてくれた。その素直さがステキだなと思いました。
諸岡:そこまですると邪道かもしれないと、実はちょっと心配でした。でも絶対に入りたかったのでできることは全部やろうと思ったんです。
高橋:その想い、ちゃんと届きましたよ。
Web制作会社運営のデジLIGならではの授業が、実践で生きている
大澤:デジLIGで学んだことは仕事で生かせていますか。
程塚:私がデジLIGに入学したのは、独学でコーディングやPhotoshopにトライしたものの、もっと体系的に学んだ方がいいと考えたからでした。入学後はデザインやコーディングを基礎から学んだのですが、それらの知識は今仕事に生かせています。
特にコーディングは1回ですぐに正解にたどり着けるものではないため、デジLIGでじっくりコーディングに向き合うことができて力がつきました。
大澤:ライブ授業(※)は受講生のなかで人気があるのですが、受けられましたか?
※デジLIGの受講生に向けて実施する、ライブ形式の講座。LIG出身のデザイナーや外部からお招きするデザイナー・クリエイターなどが講師を務める。
程塚:もちろんです! 全種類受講したと思います。卒業生によるオンライン座談会にも積極的に参加しました。実際に現場で働いている方の経験や考え方が聞けてすごく参考になりましたね。
大澤:諸岡さんはWebデザインを学んで、今はディレクターをされていますが、デジLIGの経験で役に立っていることはありますか。
諸岡:Webフォント、コーディングを学んでいたことで、Webデザイナーさんとやりとりをする際にも話が通じやすく助かっていますね。Web制作会社が実際の現場で使っている単語も教えてもらったのですが、入社後すぐに活用できました。
程塚:卒業制作で一から自分でディレクションして、お客さまとやりとりをした経験ができたこともとてもよかったですね。
高橋:ディレクターはWebサイトができあがるまでの全部のプロセスに携わるので、デジLIGさんでサイト制作全体の流れを学んだことは、彼女たちの大きな強みになっていると思います。
大澤:私たちもそこはWeb制作会社が運営しているからこそ教えられたことだと思っています。では最後に、高橋さんから2人に期待することをお聞かせください。
高橋:デジタルの業界は流れが速く、この先何が起こるかわかりません。もしかしたら3年後にWebサイト自体がなくなっているかもしれない。そんな時代だからこそ、違う業界から未経験でこの世界に飛び込んできた二人はすごく勇気があるし、新しいことにチャレンジするポテンシャルも持っていると思います。この先何があっても一緒に乗り越えていきたいですね。
あとは私たちが2人にいろんなことを伝えてきたように、これから入社する人たちにもおもてなしをしてほしいと思っています。
大澤:期待の高さを感じます。本日はありがとうございました!
さいごに
職場体験会は、参加者にとっては採用サイトではわからない現場の雰囲気や社員の様子を知ることができ、企業にとっては面接ではわからない参加者の人となりを知れる絶好の機会になります。特に未経験者採用においては、入社後のミスマッチ防止にもつながるはずです。
デジLIGでは今後も体験会の受入企業を増やしていきたいと思っています。WebデザイナーやデジLIGに興味がある方は、まずは説明会にお越しください。
また今回のように、職場体験会やクリエイターの採用を強化したい企業からのご相談もお受けしております。お気軽にお問い合わせください。