「生成AI」の気になるニュースまとめ(2023年10月)

「生成AI」の気になるニュースまとめ(2023年10月)

Hiroyuki Kikuchi

Hiroyuki Kikuchi

Technology部の菊池です。

弊社LIGは「生成AIコンサルティング」事業の立ち上げに伴い、生成AI関連の情報発信を積極的におこなっています。

当記事では現役エンジニアが気になった生成AI関連のニュースを厳選してお届けします。ぜひご覧ください。

生成AIの気になるニュース

チャットGPT、企業版サービス開始へ

チャットGPT、企業版サービス開始へ

ChatGPTは入力された内容が学習に利用されるため、セキュリティや個人情報の観点でリスクがありました。しかし、エンタープライズ版ではセキュリティが強化されると発表されており、この課題も解決する見込みです。

ただ、可用性やセキュリティなどの非機能要件にあがるような部分については、オープンAI側に委ねる形となるのが気になるポイントです。たとえば突然モデルがアップデートされるなど、使っている途中で出力内容が変化するようなことも考えられます。

▼セキュリティや可用性については、以下の記事でも解説しています

GoogleのチャットAI「Bard」が高性能アップデート Gmailやマップ連携も

GoogleのチャットAI「Bard」が高性能アップデート Gmailやマップ連携も

2023年9月現在、この機能が利用可能なのは英語版のみですが、既存のサービスとの連携により、より高いUX体験をもたらすことに期待したいです。

たとえばチャットボットを使ってGmailやDriveの内容を要約したり、コマンドを実行できるようになったりするなど、エコシステム的に利用できると便利ですね。

OpenAI社とGoogle社で決定的に異なるのは、Google Workspaceに代表されるような巨大なサービスを有していることです。このようなプラットフォーマーは、既存システムとのエコシステムを構築できることが、OpenAIとの差別化につながるのではと考えています。

▼エコシステムの事例は、以下の記事でも解説しています

Slack、生成AI活用の新機能「Slack AI」などを発表

Slack、生成AI活用の新機能「Slack AI」などを発表

「Slack AI」は今冬にパイロット版がリリースされる模様で、入力された内容はトレーニングには使われることはないため、セキュリティ面の課題もクリアしています。

チャンネルの内容を要約する、長いスレッドの内容をサマライズするなど、業務効率化に大きく貢献してくれそうです。

今後はSlackのAPIがさらにアップデートされて、開発者にとっても新しいアイデアやソリューションを考える機会を創出できるようになるのではないでしょうか。

可能かどうかは分かりませんが、毎日バッチで各メンバーのテキスト内容をサマリーで取得し、言語解析モデルで各メンバーのエンゲージメントを測定することで、業務状況のチェックなどにも役立てるような使い方もできるといいですね。

MUFG版「ChatGPT」の開発秘話 DX化を加速させる新たなオープンイノベーション

MUFG版「ChatGPT」の開発秘話 DX化を加速させる新たなオープンイノベーション

MUFGでもAzure OpenAI Serviceを使用しています。このような銀行系システムにおいては、システムを安定的に稼働させることと、セキュリティの担保が非常に重要です。

MUFGのような大手企業がAzure OpenAI Serviceを活用したソリューションを採用したことで、あらゆるエンタープライズ系のシステムにおける、ロールモデルになるかもしれません。

▼Azure OpenAI Seriveについては以下の記事で詳しく解説しています

凄すぎると話題の「Open Interpreter」の始め方・使い方まとめ

凄すぎると話題の「Open Interpreter」の始め方・使い方まとめ

「Open Interpreter」は「Advanced Data Analysis」(旧:Code Interpreter)のオープンソース版ともいえ、Python、Javascritptのコードを生成、実行してくれます。以前紹介したCode Llamaなどのモデルと連携し、プログラミングを実施することもできます。

たとえばウェブサイトへのスクレイピングとサマライズ、ドキュメントの生成や機械学習の実施、データのグラフ表示など、ユーザーによって動的にプログラム実行させたい場合のソリューションとして期待が持てそうですね。

ソースコード自体を生成してくれることは開発者にとって大きなメリットがありますが、コードを実行されてしまっては困ります。現状、エンジニアとしてはCopilotなどのコード生成ツールを使った方がよいと感じています(この辺りの詳細は、以下の記事でも解説しておりますので、ぜひご覧になってください)

私自身もローカルサーバーを新たに構築して、利用しようかどうか悩んだほど、興味深い新機能です。とはいえ費用もかかるので、まずはクラウドで構築するか、Google Colabで試そうと思っています。



今回の記事が技術トレンドのキャッチアップにおいて、お役に立てれば幸いです。
 

また、LIGでは生成AIコンサルティング事業をおこなっています。気軽にご相談ください。

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2004年大学卒業後に大手SIerにて組み込み系エンジニアとして10年従事。一度はIT業界から足を洗う形にはなるものの、2016年からSES企業にてサイドエンジニアとしてチャレンジ。2020年からLIGにジョインし、様々な案件のテクニカルディレクター並びにプロジェクトマネージャーとして参加する。

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