LIG Global事業部でラボ型開発事業の責任者を務めるサビールです。
エンジニア不足が深刻化する中、海外の優秀なエンジニアを専属チームとして活用する「ラボ型開発」に注目が集まっています。一時的な人材派遣とは異なり、企業文化への理解を深めながら長期的なパートナーシップを築くこのスタイルは、単なるリソース確保を超えた価値創造を可能にします。
しかし成功の鍵は、技術力と企業文化への適合性を兼ね備えたパートナーを見つけることです。
今回は、半導体製造装置メーカー向けのシステム開発を手がけるBRINKジャパン株式会社様に、現在進行中のラボ型開発プロジェクトについてお話を伺いました。
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BRINKジャパン株式会社とは戦略と技術を融合したデジタルソリューション企業。兄弟会社であるUSのBRINK Interactiveと連携し、グローバル企業の複雑な課題に対して地域性と世界基準の品質を組み合わせた価値あるデジタル体験を創出している。コンサルティングからプロジェクト運営まで一貫して支援し、デジタルマーケティングやソフトウェア開発など、ビジネス成長に不可欠な領域を幅広くサポートする。 |
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課題 | プロジェクトベースでの柔軟な開発体制構築 |
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LIGを選んだ理由 |
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プロジェクト概要 |
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成果・今後の展望 |
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デザイン力の高さが決め手
サビール:代表の峰岸さんにあらためてお聞きしたいのですが、今回BRINKジャパン様がLIGにお声がけいただいたきっかけは何だったのでしょうか?
▲BRINKジャパン株式会社 代表取締役社長 峰岸さま
峰岸:かれこれ6〜7年前、私が大手半導体製造装置メーカーに勤めていたとき、LIGさんに初めてお声がけしたのがきっかけでした。
コーポレートサイト制作から始まり、その後は社内向けシステムや装置監視システムの開発も一部お願いして、3年ほどお付き合いさせていただきました。
新会社を設立した際、すでにLIGさんとはお付き合いがあり、どのようなスタイルでお仕事していただけるかもわかっていたので、あらためてお声がけさせていただいたというのが経緯ですね。
サビール:LIGのどのような点を評価されていたのでしょうか?
峰岸:やはり、デザインが非常にクリエイティブで、エンジニアリングだけでなくデザインの観点も持ち合わせている点ですね。
「LIG=Life is Good」という社名もとてもユニークで、他の会社とは違った面白い仕事ができそうだと感じました。実際にお付き合いしてみても、アサインされるみなさんとは気が合い、スムーズに進められる方ばかりでした。
サビール:ありがとうございます。御社の開発スタイルとLIGの相性についてはいかがでしょうか?
峰岸:変化の激しい環境で常にクライアントにベストなソリューションを提供するには、固定のチームを常時抱えるのではなく、プロジェクトごとに最適な開発チームを組み立てて進めるスタイルが不可欠だと考えています。もちろん、一度最適なチームが組めたならば、そのチームをできるだけ長く維持したいのは言うまでもありません。
また固定チームだけで動いていると、どうしても考え方や手法がマンネリ化して、多様なクライアントニーズへの柔軟な対応が難しくなります。さらに、新しい技術を取り入れて、チーム全体のスキルをアップデートしていくことにも追いつかなくなるという課題が生じてしまいます。
LIGさんの場合、デザインもエンジニアリングもできますし、海外のエンジニアもいらっしゃる。だから、うちのように状況に応じて最適なチームを柔軟に組む必要があるケースでは、選択肢が豊富で本当にありがたい存在なんです。
800人から厳選された海外エンジニア
サビール:現在進行中のプロジェクトについて詳しくお聞かせください。
峰岸:今、サビールさんのチームには2つのプロジェクトをお願いしています。1つがアプリケーションのデザインも含めた開発、もう1つが装置監視プラットフォームのクラウド移植です。
どちらも非常にチャレンジングで、とくにクラウド移植は、完全にローカル環境向けに作られたものをゼロからクラウドへ移植するという作業なので、相当高いスキルを持つエンジニアが必要でしたが、これほど優秀なエンジニアの方々に出会えるとは正直思っていませんでした。
▲株式会社LIG Global事業部 サビール
サビール:ありがとうございます。今回のプロジェクトはたしかにとてもチャレンジングで、海外パートナー企業800人の中でも、こうした複雑なシステムを扱えるエンジニアは数人しかいないんです。私たちラボ型開発チームでは、スキルはもちろんですが、日本の企業文化にフィットするかどうかも重視して選定しています。
たとえば、ヨーロッパ企業のクライアントに慣れているエンジニアは、スピード重視で確認を取らずに進めることが評価される文化にいるため、日本企業では逆に評価が下がってしまうことがあります。そうした文化の違いも踏まえて慎重に判断しているんです。
峰岸:スキルレベルの高さはもちろんですが、エンジニアとしてのプロ意識がすごく高いんです。報告ひとつとってみても、提供いただく成果物は必ず中身をしっかり確認・整理した上で提供してくださいます。
日本企業にフィットする人柄とマインド
サビール:北筋さんにもお聞きしたいのですが、実際に一緒にお仕事されてみていかがでしょうか?
▲株式会社ブリンクジャパン デベロッパー 北筋さま
北筋:エンジニアのみなさんの人柄の良さをすごく感じています。勉強熱心で、仕事に対してとても意欲的に接してくれるので、お願いする側としても嬉しくなります。
「結果だけ出せばいい」という考え方ではなく、一緒に学び成長していこうという姿勢がとても印象的です。
サビール:コミュニケーション面ではいかがでしょうか?
北筋:私は英語ネイティブではないので、ブリッジであるサビールさんと日本語でコミュニケーションを取れるのをありがたく感じています。
また、細かいニュアンスの伝達や緊急時の対応なども日本語で行えるため、安心してやり取りができます。会議中に開発チームとやり取りしたいときも、私の言葉を的確に翻訳して伝えてくれるので、スムーズに作業を進められています。
サビール:プロジェクトの進め方についてはいかがでしょうか?
峰岸:さまざまなアイデアを提案してくださるのですが、決して押し付けることはなく、必ずクライアントや関係者に確認を取ってから進めてくれます。一つの案に固執せず、複数のオプションを検討した上でディスカッションし、段階的に進めていく。日本企業の進め方に非常にフィットしたスタイルで、とてもありがたいです。
また、当社のメンバーもソフト開発に参加するので、外部パートナーにお願いする際には、内部構造や開発スタイルを一緒にディスカッションしながら進める必要があります。コードについても、各ステップできちんと確認し、時には一緒にデバッグやトラブルシュートを行いながら進めるスタイルです。
いわゆる仕様を”丸投げ”して成果物だけを受け取る形では、なかなかうまくいかないんですね。ですから、ほぼ共同開発のようなスタイルで進められるパートナーでないと、なかなか難しいというのが実情です。
短期から長期への契約延長の背景
サビール:今回、契約期間を長期に延長していただきましたが、その背景をお聞かせください。
峰岸:やはり、一度プロジェクトに最適なチームが構成できたら、プロジェクトが続く間は可能な限り固定化する必要があります。
今ご一緒しているプロジェクトは、比較的長期間になると見込んでいるため、プロジェクトにマッチした優秀なエンジニアの方々とチームを組めている今、できるだけメンバーを変えずに長くお付き合いできる形でお願いしています。
さまざまな会社とトライアルをしてきましたが、長く続く関係になれる会社と、そうでない会社は、明確に分かれるものだと感じています。信頼できて自社のスタイルにフィットしたパートナーがいると、本当に動きやすくて、効率的で柔軟性も高まり最高なんです。
一度そういう会社に巡り会えると、非常に長いお付き合いになるものです。実際、個人的には20年以上お付き合いしている会社もあるので、LIGさんとも、そうした長い関係性を築いていけたらいいなと思っています。
サビール:今後の展望についてはいかがでしょうか?
峰岸:まだ具体的にお願いはしていませんが、現在、社内ではさまざまな開発プロジェクトを進めており、今後LIGさんにご依頼する機会もさらに増えていくと考えています。
さいごに
技術力の高さと文化的適合性、そして長期的なパートナーシップの価値。BRINKジャパン様との取り組みを通じて見えてきたのは、ラボ型開発成功の本質でした。
単なるリソース確保ではなく、真のパートナーとしての関係構築。それこそが、持続的な価値創造につながる道筋なのかもしれません。
今回の事例のように、LIGでは海外に豊富なエンジニアリソースを抱えており、お客様のニーズに応じて最適なエンジニアをアサインすることが可能です。エンジニア不足や開発体制の構築でお困りの企業様は、ぜひ一度弊社にご相談ください。