こんにちは、Webデザインスクール「デジLIG」の大澤です。
- ▼デジLIG(デジタルハリウッドSTUDIO by LIG)とは?
- 株式会社LIGとデジタルハリウッドが業務提携をしてはじめたクリエイター養成スクールのこと。Webデザイナーや動画クリエイターを目指す方向けのカリキュラムを展開しており、制作会社運営であることを生かした「プロ基準」の支援が強み。
Webデザインを学びたいと思っている方・学んでいる方にとって、未経験でも就職できるのか、企業はどこを見ているのかは気になる部分だと思います。
そこで今回は、未経験からWebデザイナーに就職した卒業生の布施さんと、布施さんを採用したECコンサル会社HATME(ハットミー)さんにお話を伺ってきました!
同社代表には未経験者を募集した理由や採用で重視したことを、また布施さんには未経験からの就職活動はどうだったのかを、現在の様子とともにインタビューしてきました!
- ▼HATME株式会社とは?
- ECコンサルサービス・採用コンサルサービスを通じて、お客様のビジネスを成功に導くプロ集団。2022年7月創業。
HATME株式会社 代表取締役 中園さん大手通信会社、ソフトウェア会社を経て2011年にECサイトの運用代行などを行うマーケティングアソシエーション株式会社を設立。2022年7月に子会社としてHATME株式会社を設立。両社の代表取締役を務める。 |
HATME株式会社 デザイナー 布施さん山形県出身。前職ではビジネス・トラベル・マネジメント(BTM)専業の旅行会社で一般のOLとして働いていた。高校卒業後に経験したオーストラリアでの語学留学にて、現地のアルバイトでデザインに携わったことがきっかけでデザイナーに興味を持つ。2022年4月にデジLIGに入学し、翌年3月にWebデザイナーとしてHATME株式会社に入社。 |
創業後一人目のWebデザイナーに未経験者を採用
大澤:まずは布施さんがHATMEに入社した時期、現在の仕事内容を教えてください。
▲HATME株式会社 デザイナー 布施さん
布施:2023年の3月末に入社したので、今でちょうど3カ月くらいです。Webデザイナーとしてお客さまのECサイトのデザイン、バナー、LPの制作などを行っています。
大澤:社内ではどういった体制でお仕事をしているのですか。
中園:弊社は2022年7月に創業したばかりで、現在デザイナーは布施さんだけです。間もなくコーダーが1人入社する予定です。
大澤:布施さんは御社1人目のWebデザイナーなんですね! ですが創業したばかりの企業は、即戦力となる経験者を採用するイメージがあります。なぜ未経験者も含めて募集されたのでしょうか。
中園:実は創業したときから新卒採用をやりたいと思っていたんです。新卒の方は当然、未経験ですよね。つまりもともと人材をゼロから育成していくつもりだったので、中途採用においても、経験の有無はそこまで重視していなかったんです。
大澤:そうだったのですね。仕事内容的には、実務経験はあまり関係ないのでしょうか。
中園:もちろん実務経験はあった方がベターです。ただ弊社は主にECサイトの制作を行うため、デザインするのはECサイトに関するものが中心です。限られた領域でも頑張れる人材であれば、未経験でも問題ないと思っていました。
大澤:未経験者が応募できるWebデザイナーの求人はかなりレアです。応募が殺到したのではないですか。
中園:そうですね、100件以上応募がありましたね。そこから書類選考をして、面接したのは20人ほどです。
大澤:100件! ということは倍率100倍ですか!? ものすごく狭き門ですね……。書類選考で一気に絞り込んだようですが、主にどういった点をチェックしたのですか。
中園:ポートフォリオを提出してもらい、その内容や職歴、Webデザイナーをやりたい理由などで選考しました。かなり厳しく見たこともあり、面接に残ったのはみなさんしっかりした方でしたね。
経験値よりも、変化し続ける状況に対応できる柔軟性を重視
大澤:Webデザイナーの採用は初となると、採用基準はどのようにつくったのですか。
▲HATME株式会社 代表取締役 中園さん
中園:そこは少し苦労しました。弊社はマーケティング支援会社の子会社として設立された会社なので、そもそもWebデザインに詳しいというわけではありません。しかもWebデザイナーの採用は初めてで知見がなかった。そこで親会社で付き合いのある会社などからアドバイスをいただき、採用基準をつくりました。
ただ私自身、これまで数え切れないほどのECサイトを見てきたことから、サイトデザインの良し悪しを判断する目はあります。ポートフォリオのチェックの際には、その経験を生かしました。
大澤:1人目のWebデザイナーとして、どういった人物を求めていたのですか。
中園:一番は「変化を楽しめる人」ですね。弊社は創業から約1年で、社内制度はまだまだ構築途中。メンバーも少しずつ増やしていって、ようやく分業ができるようになったところです。いろいろあいまいなことが多いので、この状況を理解していない方が入ってきてしまうと、お互い不幸になってしまいます。そこで経験値よりも日々の変化を楽しめそうか、柔軟に対応できそうかを中心に選考しました。
大澤:たしかに、創業間もない会社では変化に対応できる柔軟性は大事ですね。
中園:ええ。とはいえWebデザインの知識やスキル、センスがまったくない状態だと少し厳しい。そこでスクールなどで色彩感覚やツールの使い方などデザインの基礎を学んでいたこと、入社後も継続して学び続けようという意思があることも確認していました。
大澤:それをふまえて、布施さんはどういった点が評価されて採用につながったのでしょうか。
中園:まずポートフォリオを見た感じでは、仕事はしっかりできそうだなと思いました。PhotoshopやIllustratorなどの基本的なツールが使えること、多少コードを書けることも確認済みです。
決め手となったのは、やはり弊社の置かれている状況を受け入れたうえで入社したいと思ってくれていること、入社後も勉強し続けようという向上心があることでした。面接などでそれが伝わってきたので、ぜひ彼女に弊社の初期メンバーになってほしいと思いました。
たった1人のWebデザイナーだからこそ裁量が大きくやりがいがある
▲株式会社LIG 大澤
大澤:今度は布施さんに、就職活動について少しお聞きしたいと思います。デジLIGで約8カ月学んで就職活動に挑みましたが、スムーズに進みましたか。
布施:いえ、かなり苦戦しましたね。そもそも未経験OKの求人が少なく、「要・実務経験」という求人でも構わず応募したものの、書類選考がなかなか通りませんでした。
面接に進んでも2次面接止まり。不採用通知に「経験者の方がいたので、そちらの方を採用しました」と書かれていたときは悔しかったですね。落ち続けたことでどんどんモチベーションが下がり、大澤さんには何回も相談しました。
大澤:何十社も応募しているのに結果が出ず、暗い表情をされていたのを覚えています。だからHATMEさんの内定が出たときは、本当にうれしかった! それまで受けた会社と違って、面接で手応えがあったんですか。
布施:それがぜんぜん……。他社の面接は大体1時間ほどかかったのですが、HATMEは20分くらい。しかも志望動機も聞かれませんでした。だから「絶対落ちた」と思っていたら、自宅に着く前に即内定通知がきたんです! めちゃくちゃ驚きました。
中園:私以外の社員は1時間くらいかけて面接をしているんですが、私の場合は短いんです(笑)。Webデザインに関する専門的な質問もしないので、他社の面接とはかなり違ったと思いますよ。
大澤:時間は短くても、十分布施さんの魅力が伝わったのでしょうね。憧れのWebデザイナーになることができましたが、実際働き始めてみていかがですか。
布施:とてもやりがいがありますね。未経験ということもあり、正直、入社前は社内に先輩Webデザイナーがいないことに不安はありました。でも今はそのぶん、自分の制作物を常に客観的な視点で見るように心がけたり、チームメンバーにデザインを見てもらいフィードバックをもらったりしています。
大澤:Webデザイナーが1人しかいないことで、逆に良かったことはありますか。
布施:デザインをして終わりではなく、そのデザインにした意図を自らお客さまに伝えるなど、役割の幅が広くて学びが多いのはとてもありがたいですね。もっとお客さまに喜んでもらえるように、常に最先端のデザインにアンテナを張って、いいものは積極的に取り入れるなど試行錯誤を繰り返しています。
大澤:仕事へのモチベーションが高いですね。日々の充実ぶりが言葉の端々に感じられます。中園さんから見て、布施さんの仕事ぶりはいかがですか。
中園:すでに実際のECサイトデザインもやってもらっているのですが、お客さまの満足度はとても高いですね。未経験であることで困ったこともないし、逆に視点が新鮮で非常に参考になります。自分の意見はきっちり言う一方、こちらの話もきちんと聞いて受け入れてくれるところも、彼女のいいところだと思います。
デジLIGでの学びの8割が実務で生きている。ディレクションにも挑戦
大澤:デジLIGで学んだことは、実際の現場で役に立っていますか。
布施:はい、教えてもらったことの80%は実務に生かせていますね。たとえばデザインをつくるうえでのトーンアンドマナー、PhotoshopやIllustratorの使い方、フォントの知識などです。トレーナーさんから教えていただいたデザインの黄金比もよく思い出しています。卒業制作でクライアントワークをやったのですが、その際のディレクションの経験も活用しています。
大澤:80%とは、かなり実践的だったということですね! ただ残りの20%、どういった部分が足りなかったのか気になります。
布施:個人的にはもう少しデザインの技術を習得しておきたかったですね。今はシェイプの作り方など、わからないことがあればYouTubeなどで勉強しています。
大澤:なるほど、参考になりました。では最後に今後の目標を教えてください。
布施:私はWebデザイナーになる前は接客業をしていたこともあり、人と関わることが好きなんです。その強みを生かして今後はデザインだけでなくディレクションにも携わり、提案からできるようになりたいと思っています。コーディングももっと勉強していきたいですね。
大澤:1人しかいないからこそ裁量が大きく、いろんなことにチャレンジできる環境があるのですね。布施さんにぴったりな職場だと感じます。会社としては、布施さんにどういった役割を期待していますか。
中園:社員はしっかり育成していきたいという思いがあるので、布施さんにもこの会社に入ってよかった、ずっと働き続けたいと思ってもらえるようにしていきたいですね。いずれデザイナーやディレクターとして、後輩たちの育成にも関わってもらえたらと考えています。
大澤:布施さんへの期待の大きさが伝わってきて私もうれしくなりました。本日はありがとうございました!
さいごに
今回HATMEさんと布施さんのお話を聞いて、企業側が求めている人材像とマッチすれば、Webデザイナー未経験でもきちんと評価・採用してもらえるし、入社後は活躍できるんだと実感しました。
デジLIGではスクールでの授業だけでなく、就職までサポートしています。WebデザイナーやデジLIGに興味がある方は、まずは説明会にお越しください!
またWebデザイナーを採用したい企業さまからのご相談もお受けしております。以下フォームよりどうぞお気軽にお問い合わせください。