リスキリングで何を学ぶ?学習者85人が選ぶおすすめランキング

リスキリングで何を学ぶ?学習者85人が選ぶおすすめランキング

Jumpei Hayashi

Jumpei Hayashi

こんにちは! Webクリエイタースクール「デジLIG」の運営責任者をしているです。

近年、世界で注目度を増している「リスキリング」という言葉。日本では2022年10月に、岸田首相が「リスキリング支援に5年で1兆円を投じる」と表明し、一気に話題になりました。

デジLIGでも最近は会社からの受講料を補助してもらい、新しい業務に向けたスキルを習得される方が増えてきたと感じます。

そこで、この記事ではリスキリングの基本的な知識とともに、現在新たなスキルを学んでいるデジLIGの受講生85人を対象に、「リスキリングで何を学ぶか?」を聞いたアンケート結果を紹介します。

人気のスキルやリスキリングをしようと思った理由も紹介しているほか、記事の後半では企業がリスキリングを実施する場合におすすめの学習例も紹介しています。転職に向けて新しいスキルを身に着けようとしている方や、リスキリングの実施項目を検討している企業の方は、ぜひご参考になさってください。

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リスキリングで身につけたいスキルをランキングで紹介

まずは実際にデジLIGに通っている/通っていた受講生を対象に行なったアンケート結果を紹介し、ランキング形式でおすすめスキルを見ていきましょう。

▼アンケート調査の概要
  • 調査期間:2023年1月
  • 調査方法:インターネット調査
  • 対象者:「デジタルハリウッドスクール by LIG」の在校生・卒業生 79名+6名のリスキリング修了者
  • 調査結果のプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000014783.html

アンケートでは「リスキリングするなら何を学びたいか」「リスキリングするうえで必要・大切なことは?」「リスキリングすることを決めた理由は?」を、複数回答可で答えていただきました。
※なお、デジLIGは「Webデザイン」と「動画編集」のスクールですので、その2つはアンケートの選択肢から除外しています。

「リスキリングで何を学ぶ?」という問いに対してのアンケート結果

アンケートの結果、1位が「マーケティング」、2位が「語学」、3位が「プログラミング」と「ライティング」、5位が「データ分析」となりました。

5位以下の結果も含めた全体のランキングは以下の通りです。

  • 1位 マーケティング(50人/58.8%)
  • 2位 語学(29人/34.1%)
  • 3位 プログラミング(25人/29.4%)
  • 3位 ライティング(25人/29.4%)
  • 5位 データ分析(21人/24.7%)
  • 6位 マネジメント(17人/20%)
  • 7位 MBA/経営(8人/9.4%)
  • 8位 セールス(7人/8.2%)

「勉強するならとりあえずプログラミング」と考える人は少なくなり、マーケティングや語学の人気が高くなっています。今回のアンケートは既にスクールに通っている方々を対象としているため、転職やキャリアアップに繋がるスキルを学びたいという傾向がありそうです。

リスキリングで何を学ぶ?【個人で学ぶ場合】

まずは今回のアンケートで人気の高かったスキルを個人が学ぶとどのような業務で役立つかや、ビジネスパーソンとしてどんな成長が期待できるかを詳しく見ていきましょう。

>>企業がリスキリングを実施する場合のおすすめ分野はこちら

マーケティング

マーケティングの根幹とも言える「企業が売るための仕組み」ではなく、「顧客に買ってもらう仕組み」を理解することで、柔軟な思考力が身に付きます。

リスキリングの文脈で言うなら、特にデジタルマーケティングの領域は人気・需要が高くなっています。

SNSや動画サイトなどのインターネットを使ったデジタルマーケティングはリスキリングとしても最適で、データ分析に基づいた収益の伸ばし方など、先入観なく冷静に見極められるビジネスパーソンは幅広い業界で需要があります。

語学

近年は英語が必須の日本企業も増えてきており、語学の需要も以前より高まっています。また、必須とまではいかなくとも、海外と関わる機会が多い企業では英語レベルやTOEICスコアを訊ねられることは多いです。

少し大げさな話をすると、外国語を学ぶことはその国の文化や思想を学ぶことに繋がります。なぜなら、外国語の学習では単語や文法だけでなく、その言語の表現や発想の手法も学ぶことになるからです。

学び続けることで日本的な価値観を客観的に捉えられるようになり、多様性を持つビジネスパーソンに成長できるのです。

プログラミング

ご存じの通り近年のIT技術の進歩は凄まじく、将来的には今以上にプログラミングスキルの需要が高まることが予想されます。

2020年から小学校課程においてプログラミングが必修となったことは大きなニュースとなりましたが、経済産業省の調査では「2030年には59万人ものIT人材が不足する」という結果が出ています。

このことからもプログラミングスキルの重要度は特に高いと考えられ、今から学ぶことで様々なニーズに対応できます。

※参考リンク:経済産業省「IT人材育成の状況等について」

ライティング

ここではWebライティングに絞って話をしますが、ライティングは需要が高く、はじめるハードルが低いことで人気があります。ただ、その分ライバルも多く、長く続けていくためにはSEOやセールスライティングなど、様々なスキルが必要となってくるでしょう。

ライティングを学ぶことで文章力が身に付くのはもちろんですが、副次的に獲得できる「自分の考えを正確に、論理的に伝える力」や「相手の立場になって考える力」は一生使える汎用的なスキルです。

データ分析

近年人気が高まったスキルで、特に経営層などの上流工程の人材を目指したい方に向いています。

多くの企業がDX化推進を掲げていることもあり、「データドリブン経営」と呼ばれるデータをもとにした経営手法でも数多くの成功事例が出てきています。個人の経験や直感ではなく、客観的なデータや根拠に基づいて意思決定をしていく場面は今後も増えていくことが予想され、それができる人材の需要はますます高まっていくことでしょう。

Webデザインも人気

今回のアンケートでは選択肢として対象外でしたが、Webデザインスキルも人気の高いスキルです。

DX化に伴い市場規模・求人数ともに年々ハイペースで増加しており、求人サイト「求人ボックス」の2022年6月時点でのWebデザイナーの求人数が42,992件なのに対し、2024年7月時点での求人数は83,404件と、1年で約100%も増加しています。

また、「デザイン系の大学や専門学校を卒業した人じゃないとデザイナー就職は難しいんでしょ?」と考える方もいらっしゃるのですが、未経験からスクールや独学でスキルをつけて活躍している方も大勢いらっしゃいます。

※参考リンク:求人ボックス

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リスキリングするうえで必要・大切なことは?

今回のアンケートでは、実際にリスキリングしている方の目線で新しいスキルを得るために大切なことも伺いました(複数回答可)。個人でリスキリングを進めようと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

「リスキリングするうえで必要・大切なことは?」という問いに対してのアンケート結果

  • 1位 目的・目標を明確にすること(69人/81.2%)
  • 2位 学習効率の高い環境(55人/64.7%)
  • 3位 具体的な学習内容やスケジュールの把握 (49人/57.6%)
  • 4位 転職サポートなどスキル習得後のキャリア支援(27人/31.8%)
  • 5位 学習の進捗管理(26人/30.6%)

リスキリングは社会人が働きながら行うケースが多いため、勉強に充てられる時間は限られています。そのなかでどれだけ効率よく学んでいくか、そこに重点が置かれた結果となりました。

8割以上の受講生が大切にしている「目的・目標を明確にすること」は、スクールでも独学でも変わらない部分ですので、リスキリングされる方はぜひ意識してみてください。

すぐに質問できる環境やキャリア支援などが整っているスクールもあるので、リスキリングでスクールに通うことを検討している方はこちらも指標の一つにすることをおすすめします。

リスキリングすることを決めた理由を教えてください。

最後に、スクールに通うことを決めた(新しいスキルを得ようと決めた)理由もアンケートで伺いましたので、結果を紹介します。

「リスキリング(新しく学ぶ)ことを決めたキッカケ・理由は?」という問いに対してのアンケート結果

  • 1位 転職やキャリアチェンジのため(66人/75.9%)
  • 2位 学んでみたかったから(35人/40.2%)
  • 3位 新たにやりたい仕事が見つかったから(27人/31.0%)
  • 4位 年収を増やすため(20人/23.0%)
  • 5位 長く働き続けるため(19人/21.8%)

少し意外だったのは2位の「学んでみたかったから」でしょうか。世間的な需要で考えずに「自身が学びたいと思う分野」を選ぶことで、勉強を続けていきやすくなるのかと思います。

今の会社におけるキャリアアップにも役立ちますので、そうした理由で選択をする方もいらっしゃいました。

▼リスキリングのメリット・デメリットをまとめた記事はこちらから

リスキリングで何を学ぶべき?【企業が実施する場合】

ここからは企業がリスキリングを実施する場合にどのような学習分野を取り入れればよいか、一例を紹介します。

リスキリングには今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させることという定義があり、会社が主導で社員のリスキリングを奨める動きも、徐々に活発になっています。

リスキリングの実施を検討している企業の方の参考になれば幸いです。

生成AI・プログラミング

リスキリングが注目されている主な理由の一つが、IT人材の不足です。経済産業省の発表した資料によると、2030年までに最大で約59万人規模でIT人材不足が生じる可能性があると試算されています。(参考:参考資料 (IT人材育成の状況等について)

近年は生成AIも急速に発展し、業務効率化や業務改善に活用する企業も増加しています。自社でAIやIoTなどのスキルを保有した先端IT人材を育成することで、さまざまな恩恵を得られることが期待できるでしょう。

データ分析

この記事で紹介したアンケートでも上位人気だったデータ分析スキルですが、すでにリスキリングを実施している企業でも広く採用されています。株式会社manebiがおこなった調査によると、約40%の企業がデータ分析のリスキリングを実施(または実施予定)とのことです。(参考:5割の企業がリスキリング実施、人気は「セキュリティ」と「データ分析」 | TECH+(テックプラス

とくにマーケティング活動においてデータ分析スキルは必須です。消費者のニーズを把握する、需要を予測する、工数を分析して業務効率化を図るなど、さまざまな企業活動に役立てられるでしょう。

情報セキュリティ

2020年以降、リモートワークなど働き方の多様化により、社内の情報セキュリティ体制を大きく見直す必要性があると叫ばれています。企業情報の流出は、企業の存続問題に関わる事態に発展する可能性が否めません。

社員に対してもあらためてITリテラシーや情報セキュリティ教育をおこない、そうしたリスクを軽減するためにリスキリングを検討してみてはいかがでしょう。

コミュニケーションスキル

どのような業界・職種でも、仕事を円滑に進めるためにコミュニケーションスキルは重要です。リーダー、マネージャーなどマネジメントが求められる役職の場合は部下との関係性構築にも役立ちますし、セールスの職種の場合はプレゼンやヒアリングにも活用できます。

仕事の生産性を高め、パフォーマンスを最大化するためにも、コミュニケーションスキルを身につけることは重要といえるでしょう。

必要に応じてアンラーニングも取り入れる

アンラーニングとは、自分や会社がこれまで培った知識やノウハウを一度捨て、新しい方法や価値観にアップデートすることを指します。

リスキリングは時代の変化に適応するためのスキル獲得を目的としているのに対し、アンラーニングは過去の固定観念や価値観を捨て去ることに重きをおいています。いわば、リスキリングのための土台づくり=アンラーニングともいえるでしょう。

たとえば業界歴や社歴が長い社員の場合、自分でも気づいていないところで時代に即していない業務の進め方をしていたり、固定観念をもって仕事をしていたりすることがあります。そうした場合に新たなスキルを身につけさせようとしても、業務で上手く活用できなかったり、以前のやり方に固執してしまったりと、思ったような効果が出ない可能性があります。

時代の変化に適応し、個人としてのスキルを伸ばすために、必要に応じてアンラーニングを取り入れるのことをおすすめします。

リスキリングとは?

そもそもリスキリングとは、

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

と、経済産業省が定義しています。

※参考リンク:経済産業省 「第2回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」

定義内の「大幅な変化」が指すのは、主にDX化について。

昨今は「デジタル領域を活用して社会に新たな価値をもらたすこと」が企業の課題となってきていますが、現実にはデジタル人材の数は不足しており、多様化する働き方に対応できる人材が必要になってきます。

さらに経済産業省は、

デジタル社会においては、すべての国民が、役割に応じた相応のデジタル知識・能力を習得する必要がある。現役のビジネスパーソンの学び直し(=リスキリング)が重要。

とも述べており、今後もリスキリングの重要度が高まっていくことが予想されます。

※参考リンク:令和4年2月「経済産業省の取組」

既に欧米などでは、国を挙げた政策としてリスキリングに取り組んでいます。アジアでもこの動きが活発になってきており、シンガポールにはリスキリングの専門組織が政府の傘下にあります。

リカレント教育との違い

リスキリングとよく似た言葉でリカレント(recurrent)教育というものがあります。「仕事に活かすためのスキルを学ぶ」という意味ではリスキリングと同じですが、リスキリングとは大きく2つの点が異なります。

違い①:何を学ぶか

リスキリングは前述の通り、主にDX化移行に向けた学び直しですが、リカレント教育は何を学ぶかが個人の自由となっており、デジタル領域に限らない資格習得など広く含みます。

違い②:進め方

リスキリングでは現職で働きながら新しいスキルを得ていくことが主流となっていますが、リカレントは「繰り返す」という意味を持ち、仕事と教育を繰り返すことを指します。退職・休職をして教育機関で学び、再度仕事に就く、といった形式も多いことが、リスキリングとの違いと言えます。

まとめ

個人でリスキリングをおこなっている人の場合、今回のアンケートでは多くの方がキャリアアップに向くスキルを選んでいた印象があります。さらにリスキリングを効果的に行うために、多くの人が「目的・目標を明確にする」ことを強く意識しています。

働きながら学ぶことは簡単ではなく、使える時間は限られています。そのなかで自分が興味を持てる内容、さらに「学習時間・環境の計画性」をしっかりと持つことで時間を有効活用しながらリスキリングを実践していけることでしょう。

また、企業がリスキリングで学ぶべきことは、企業が抱える課題によって異なります。5年後、10年後を見据えつつ、自社に足りないものや必要なスキルを考えながら、実施を検討してみてはいかがでしょうか。

クリエイティブなスキルを得るなら

最後になりますが、もしも個人の方がリスキリングで「Webデザイナー」または「動画編集者」としてのスキル習得を目指すなら、強く「デジLIG」をおすすめさせてください。

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日本大学芸術学部卒業後、テレビ、ラジオ、Webメディア、プロスポーツイベント等、複数の媒体にてディレクター職を経験。2018年9月からLIGにセールスメンバーとして入社し、教育事業部に配属(現デジタルエデュケーション部)。自身がクリエイターを行なっていた経験を生かし、現在は部長としてWebクリエイタースクール事業「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」の事業企画、運営を行い、クリエイター育成をミッションとしている。

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