テニス肘を患い1年が経とうとしています。どうも、エディターのヒロです。
流行から慣習へと定着した感のあるオウンドメディア。少し前であれば、記事コンテンツの制作は、LIGのような制作会社に依頼することがほとんどでしたが、最近では内製化する企業も増えてきたように思います。
そんな中、最近取引先とミーティングしているとよく聞かれるのが、記事コンテンツの企画の立て方について。「企画ってどうやって考えているの?」「バズる企画の作り方教えてよ!」などなど。
そこで今回は、「こいうことに気をつけて考えるといいですよ」という、企画を立てる際のヒントになりそうなことを紹介したいと思います。SEO観点からのキーワードの選び方や、ペルソナやカスタマージャーニーの設定など、記事コンテンツを作成するための手順や、それらにまつわるHow toなどは、すでに様々なサイトで紹介されていますので、ここでは、もう少し心構え的なことに寄せて紹介していきたいと思います。
内容によっては、アツクルシイ部分もあるかと思いますが、少しの時間お付き合いいただけますと幸いです。今回、お話しする内容は以下の4つです。
- 課題を明確にする!
- 「how to say」よりも「what to say」!
- 目的を明確にする!
- 自分が楽しめば記事もおもしろくなる!
まずは、「1.課題を明確にする!」から、ご紹介します。
課題を明確にする
よく言われていることですが、企画を考えるうえでもっとも大切なのは、課題を明確にすることです。これは、言い換えると、なぜ記事コンテンツを作るのか、その理由ということになります。
- 例えば……
-
- サービスの認知度が低い
- ターゲットにリーチできていない
- 新規ユーザーを獲得したい など
記事コンテンツを作るのであれば、そこには必ず克服したい課題や叶えたい願望があるはずです。まずは、それを明確にすることです。できれば、誰が読んでも理解できるぐらいシンプルにしたうえで明文化するといいと思います。
「なんだ、そんなことか。そんなのは誰でも知っているよ」と思われる方も多いと思いますが、実は、この部分を忘れてしまっている、またはあやふやなまま走り出してしまう方が結構多いんです。
この課題がきちんと抽出できていないと、企画全体がブレる原因になります。くれぐれも疎かにすることのないよう、心がけてください。そのうえで、課題を解決するために「誰の、何を解決するのか?」「誰に、何を届けたいのか?」という、企画の骨子作りへと進むようにしましょう。
ちなみに、“誰”というユーザー(読者)の設定についてですが、これはなるべく絞り込むことをおすすめします。課題についても同様です。伝える情報がシンプルになり、企画も考えやすくなることで、結果、企画内容の精度があがります。
「how to say」よりも「what to say」
広告のクリエイティブにおいて、昔から「what to say」と「how to say」というフレーズがあります。
「what to say」とは、「何を言うべきか?」という意味で、記事コンテンツでいうと、ユーザーに伝えるべきメッセージは何かということです。
「how to say」は、「どのように言うか」という意味ですが、これは、ストーリーやビジュアルのトーンなど、企画をどのように伝えるかということです。
実際に企画を考えるとなった際、「どんな設定が面白いか?」「出演者は誰がいいか?」「もっとハデなほうが受けるのではないか」など、どうしても「how to say」に目が行きがちですが、大切なのは「what to say」の部分なのです。
特にオウンドメディアを始めたばかりの頃は、この見せ方の部分にばかり注意が向いてしまう方が多くいます。もちろんそれ自体は悪いことではないのですが、「what to say」を忘れてしまい、結果、完成した際に、何を伝えたい記事かわからないということが往々にして起こります。
まずは「what to say」をしっかりと固め、関係スタッフと共有した上で「how to say」を考えるようにしましょう。
一人で企画を考えていると、「全体的に地味なのではないか」「おもしろくないのではないか」と悲観的になることがしばしばあります。しかし「what to say」がしっかりと考えられていれば、そこに引き付ける力が生まれ、狙った相手にきちんと届けることができることは、既にさまざまな事例が証明してくれていますので、安心してください。
僕自身、企画を考える際に一番大事なのは、この部分だと思っています。
「what you say」はシンプルかつ簡潔に!
ここで「what you say」を考える際に気をつけたいことをひとつご紹介します。それは、“相手に伝えるべきポイントは1つか多くても2つぐらいにフォーカスする”ということです。
例えば自社製品を紹介する企画を考えようとした際、その商品が持つ魅力や特徴をすべて盛り込もうとしていませんでしょうか? それはNGです。
ひとつの記事にあまりに多くの特徴が紹介されていると、他の情報に埋もれてしまい、本当に伝えたい情報が伝わらない原因にもなります。また、次から次へと情報が上書きされていくため、ユーザーの記憶には残りにくくなってしまいます。
そうならないためにも、ここは時間をかけて本当に伝えたいことはなんなのかを、とことん突き詰めるようにしましょう。
目的を明確にする
3つめのポイントは目的を明確にするです。これは、読後感とも言われますが、記事を読んだユーザーに、どのような行動を促したいのか、ということです。
- 読み終えた後に、商品を使ってみたいと思ってほしい
- 読み終えた後に、体を動かしたいと思ってほしい
- 読み終えた後に、この会社ってなんかカッコイイと思ってほしい
これらを意識するとしないとでは、文章の構成や文体、ビジュアルの考え方など記事全体の方向性も変わってきます。また目的がフワっとしたまま制作してしまうと、完成した記事もなんとなくフワッとしたものが出来上がってしまいます。
特に、自分以外の人間に執筆を頼む場合は、この部分が明確になっていないと、思っていたものと違うものが出来上がってくる可能性もあるので、気をつけましょう。
自分が楽しめば記事もおもしろくなる!
これまで、企画を考える上でのポイントを3つ紹介してきましたが、最後に考えていただきたいことが、自分自身が楽しんで企画を考えられているかどうかです。自分が好きではないものを相手にお勧めすることができないのと一緒で、自分が面白いと思っていない企画では、とうてい、相手に興味を持ってもらうことはできません。
経験上、自分がおもしろくないと感じていたり、またどこか妥協して制作したものは、結局、できあがりもそのレベルのものになります。
記事コンテンツの制作は決して楽なものではありません。編集者のなかには、自分の心の中にある大切なものを削って、企画や文章へと昇華させることもあります。だからこそ、本当に満足のいくものを制作したいと思うのです。
もちろんさまざまな理由で妥協せざるを得ない場合があると思います。そんなときでも楽しむ心だけは忘れないようにしてください。
LIGではこれまでにも記事コンテンツの制作に役立つさまざまなコラムを公開しています。以下に、その一部を紹介しますので、ぜひご活用ください。
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さいごに
今回は、「企画を考える際は、こいうことに気をつけて考えるといいですよ」というヒントを4つ紹介しました。これらは、企画作りにおいては本当に初歩的なことです。しかし、ツールの進化もあり、誰しもがコンテンツを発信できる今だからこそ、大切にしたいことでもあります。
ぜひ、企画を考える際は、今回ご紹介した内容を頭の片隅でもいいので置いていただきながら、アイデアを練っていただけると嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。