映像制作会社に聞く、未経験から転職するために身につけるべきスキルとは?

映像制作会社に聞く、未経験から転職するために身につけるべきスキルとは?

Jumpei Hayashi

Jumpei Hayashi

こんにちは、Digital Education部の林です。

私たちは「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG(通称デジLIG)」というWebクリエイタースクールを運営していて、日々Webデザイナーや動画クリエイターを目指す方の学習支援を行っています。

動画市場の発展はめざましく、当スクールにも動画クリエイターを目指す方は多く訪れます。主に副業やフリーランス転向を目的としており、転職目的で入学される方はまだまだ少数です。やはり狭き門であるという印象を持たれている方が多いのかもしれません。

そこで今回は、業界未経験から動画・映像制作会社に転職したい場合、どのようなスキルがあればよいのか、そして今後映像業界で活躍していくためにはどのようなスキルが必要になるのか、映像制作会社・株式会社エレファントストーンの代表・鶴目さん、マネージャー・山部さんにお話しを伺いました!

私自身、映像制作業界でテレビ、ラジオ、Webメディア、プロスポーツイベントなど、複数の媒体などのディレクター職を経験しており、一業界経験者としても気になる疑問をぶつけさせていただきました。動画制作会社への就職を考えている方、これから動画クリエイターを目指そうと思っている方はぜひご覧ください。

株式会社エレファントストーンとは?
東京都にある映像制作会社をメイン事業としたプライディングカンパニー。「象る、磨く、輝かせる。」という思いを掲げ、クライアントの思いに寄り添った映像づくりで映像制作業界に貢献している。
株式会社エレファントストーン 代表取締役CEO 
鶴目和孝さん
1979年生まれ。父親の仕事の都合で幼少期をタイのバンコクで過ごす。大学を卒業後、広告制作業に携わったのちに映像制作の世界へ。右利きと左利きが混在しまくっているクロスドミナンス。気に入った音源のレコードを集めるのが好き。2007年より川崎フロンターレの割とガチめのサポーター。年子の男の子2人の父。
株式会社エレファントストーン ディレクター/マネージャー
山部哲也さん
鳥取県鳥取市生まれ。2007年上京し、東放学園映画専門学校に入学。卒業後、フリーランスとして活動。Web映像やMVを中心に映像制作を行う。その後、2016年に株式会社エレファントストーン入社。TVCM、WEBCMや地方自治体のPR映像など様々なジャンルの作品を手がけた後、現在はマネージメント業務を中心に活動。2児の父。

未経験人材に求めるスキルやマインドとは?

ーー御社は新卒採用をされていますが、採用で重視されているスキルやマインドはなんでしょうか?

鶴目:スキルはバラバラで、もちろん映像系の専門学校卒、美大卒の方もいますが割合として多くなく、いわゆる普通の四大で、映像制作とは関係のない学部、学科の子が多いかもしれないです。

スキルよりはどちらかというと弊社のフィロソフィー(哲学)に共感しているか、というところを重要視しています。 弊社は「象る、磨く、輝かせる」というスローガンを掲げていて、自分の物作りをしたいという人ではなく、クライアントの課題解決をしたいという人を採用するようにしています。

ーー「フィロソフィーに共感しているか」ということを見極めるために、面接でどのようなコミュニケーションをとっているのでしょうか?

鶴目:まず一次面接で、フィロソフィーの話や、フィロソフィーがあって事業や社内のさまざまな制度ができているということを、経営戦略室から1時間ぐらい時間をとってお話しするようにしています。

二次面接は僕が担当し、会社のマインドに合っているか、どのマネージャーのチームに合うかというところを見ています。三次のマネージャーの面接で、やっとスキル的な部分を見ます。

ーー代表自らが最終面接ではなく二次面接を担当されるということで、マインドの部分を本当に大切にされているんですね。

鶴目:採用はめちゃくちゃ大事だと思っていますね。映像制作業界はどうしても労働集約のビジネスだと思うので、人をすごく大切にしています。採用には時間をかけていますね。

ーー一方で中途の業界未経験者の場合、どのようなスキルや経験があれば採用される可能性がありますか?

鶴目:映像制作はいろいろなスキルが必要になるので、ツールを使いこなせるだけがすべてではないと思っていて。たとえばコミュニケーション能力が高いというのも一つのスキルな気がしています。コミュニケーション能力が高いと、インタビューが上手だったりしますしね。

映像制作業界だけでなくクリエイター業界全体で「パソコンに向かって作業するだけだからコミュニケーション能力はいらない」って言われがちですし、「自分の仕事に没頭したいからクリエイターになりたい」という方もいらっしゃいますが、僕は逆だと思っています。

コミュニケーションちゃんとできる人に仕事がくるし、仕事もスムーズに進む。フリーランスになりたいならなおさらコミュニケーションスキルが必要だと思いますね。

山部:場の読解力みたいなものは、すごく重要なスキルだと思っています。どこの現場でも、予期せぬことって起こったりするんですよね。そのときにクライアントや代理店、ディレクターなど指示を出す人の意図を汲み取れる人は撮影現場で重宝されると思います。

編集の場でも「このカット編集しといてね」って言ったときに、指示する側の意図をどこまで汲み取って編集できるかも重要なスキルだと思います。

鶴目:他にも今までに身につけてきたさまざまなスキルを活かすことができると思います。たとえば、文学に精通していたり、映画学を学んでいたりすることで、脚本が書けることもスキルになります。振り付け、スチールカメラ、イラスト、外国語など、さまざまな経験が意外と役立ったりします。

会社は個の集合体だと思っていて、個の良さを案件ごとに発揮していくことが弊社の強みだとも思っています。 面接で「カメラ触れないんです」とか「アフターエフェクトあまり得意じゃないです」みたいなことを志望者の方に言われることもありますが、それって僕はあんまり気にしなくて。

鶴目:野球に例えると、みんなが(投手としても打者としても活躍する)大谷翔平選手を目指す必要ってまったくないじゃないですか。投げるほうに専念する人がいてもいいし、打つほうに専念する人がいてもいいし、走って守れることを目標にする人がいてもいい。全部できますという個性の出し方もあるけど、打率2割ぐらいでも守るのがめちゃくちゃうまい、という輝き方もあるんじゃないかな。それは映像制作業界でも同じだと思いますね。

制作会社で働く魅力

ーー映像制作業界と一括りにしても、フリーランスや副業など、さまざまな選択肢があります。そのなかでも制作会社で働く魅力について教えてください。

鶴目:自分がまだやったことのないような規模の案件に携われることが一番の魅力だと思っています。

フリーランスの場合、自分の能力以上の仕事を受注するのは難しいので、基本的には同じような仕事を続けがちなのかなと思います。もちろん人によりますが。

制作会社にいると個人ではなく会社に合った案件が入ってくるので、会社がクオリティ管理をしっかりしたうえで、自分の今の能力以上の案件に挑戦でき、成長にも繋がります。

実際、去年弊社の新卒1年目の子がいわゆる全国ネットのテレビCMのアニメーションの一部を担当していました。それって1年目のフリーランスではなかなかできないことですよね。

▲実際の撮影の様子

山部:「こんなクライアントと仕事できるんだ」とか、「この規模の案件を自分がメインリードできるんだ」っていうときは、緊張感もありますがすごく楽しいですしやりがいも感じますね。

ーー続いて、御社のようなベンチャーの制作会社で働くメリットを教えてください。

鶴目:これは弊社特有のものかもしれませんが、アシスタント的な期間はなく、すぐに現場で働くことができます。

弊社では幅広い金額の案件を受けているので、入社してすぐは500〜1000万の案件のアシスタントを担当しつつ、予算が小さい20〜100万ぐらいの案件のものをメインで担当する、ということもあります。大手の会社はそんなに小規模な案件は受けないと思うので、メインで進めていける案件があるというのはメリットだと思います。

スクール出身者は制作会社に転職できるのか?

ーースクール出身で業界未経験の人が制作会社へ転職することについては、どうお考えですか?

鶴目:転職のチャンスはすごくある気がしますね。先ほどからさまざまな個性を活かせるという話をしてきましたが、業界未経験でも前職での経験を活かすことができると思います。

たとえば前職が金融系だったら、弊社は金融系の案件をやることも多いので経験が役に立ちます。これは経営者目線の話かもしれませんが、さまざまな経験をしてきた人が組織にいるというのは、会社として大切なことだと思いますね。

また、今までは違う仕事をしていたけど、制作会社に転職したくてスクールに通っているって相当な覚悟だと思います。社会人で忙しいなかスクールに通っているって、腹が据わっているなという印象です。そういう方にはチャンスがあると思いますね。

ーーデジLIGのカリキュラムでは、動画編集に使う基本ツールの操作方法に加え、アニメーションや実写の制作を身につけるという方針となっていますが、スクールで最低限身につけておいてほしいスキルはありますか。

山部:スクールのときから効率よく作業することは重視したほうがいいと思います。たとえば、素材の整理がめちゃくちゃ汚い人とか、たまにいるんですよ。一人でやるぶんにはいいのかもしれませんが、組織に入ったら他の人も絡むので、きれいにできる人がいいなと思いますね。

また、よく使うショートカットも覚えておくといいと思います。効率的に作業をするということは、映像制作業界では絶対に必要になります。基本操作はスクールで絶対学ぶと思うので、効率よくするということをプラスアルファで学んでおくと差がつくと思いますね。

ーーしておいたほうがよい経験などあれば教えてください。

山部:勝手な想像ですが、仕事じゃないと好きな動画の制作ばかりになってしまう人もいるんじゃないかなと思っていて。個人的には、得意じゃないものについても学んで、制作してほしいですね。

仕事になったら、自分のやったことないことがほとんどです。スクール時代にかっこいいものからビジネス寄りのものまで、幅広く制作しておいたらいいんじゃないかと思います。

採用サイトからポートフォリオを見ると、似たようなYouTubeの動画とか、似たようなモーションをいくつも載せている方もいらっしゃいますが、1個に絞っていいなと思っています。いろいろなジャンルの動画が載っていたほうが、「ここまでできるんだ」とスキルを把握することができますね。

動画編集者のキャリアと今後について

ーー実際に制作会社に入社したら、どんなキャリアを歩んでいくことになるのでしょうか?

山部:1年目は予算規模が少なくて、企画・撮影・編集とある程度一人で完結できるものが多いです。2年目になると案件の規模が大きくなり、企画を立てるときにクライアントに実際に提案したり。撮影も外部のスタッフを使ったり、編集も一人ではできないものが多いです。3年目で順調にスキルアップしていたら現場の規模感も大きくなり、部下もついたりしますね。

ーー今後動画制作業界はどうなっていくと思いますか?

鶴目: 今までも求人に応募してくる学生さんで「YouTubeの動画作っていました」という人は多かったのですが、とくにこの一年は「芸能人のYouTube動画の編集をやっています」という人が増えました。下請けの需要が増えていて、今後フリーランスの動画クリエイターが増えてくると思っています。

そうなってくると何かしら仕事はある状況だと思うので、「自分はどういう仕事をしたいか」を考えることが大切だと思っています。弊社はそのなかでも「象る、磨く、輝かせる。」という気持ちを一層強く持ってやっていきたいです。

ーーデジLIGは質の高い学習を提供してキャリアに繋げてもらう、クリエイター業界に貢献することを目標にやっているので、今後もしっかりそこに向けて運営をしていきたいです。

まとめ

今回は映像制作会社である株式会社エレファントストーンの鶴目さん、山部さんにお話をお伺いしました。

未経験から制作会社への転職を目指す場合、基本的なツールの操作に加え、コミュニケーション能力や、前職での経験をうまく活かすことが大事だとわかりました。未経験から制作会社への転職というと敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、「個」の力を発揮することによって、十分に実現できる可能性があります。

お二人のお話しをもとに、より良いスクールを作っていけるよう頑張ります!

今回のインタビューで動画クリエイターを目指したい、と思った方はぜひ当スクールの無料説明会にもご参加ください!

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日本大学芸術学部卒業後、テレビ、ラジオ、Webメディア、プロスポーツイベント等、複数の媒体にてディレクター職を経験。2018年9月からLIGにセールスメンバーとして入社し、教育事業部に配属(現デジタルエデュケーション部)。自身がクリエイターを行なっていた経験を生かし、現在はマネージャーとしてWebクリエイタースクール事業「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」の事業企画、運営を行い、クリエイター育成をミッションとしている。

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