勉強以外にも大変なことがたくさん!?第二種衛生管理者の試験を受けてみた

勉強以外にも大変なことがたくさん!?第二種衛生管理者の試験を受けてみた

Mami Onishi

Mami Onishi

みなさんこんにちは、人事総務部のきゃしーです。

今日は私が「第二種衛生管理者」という資格試験を受けたときのお話をします。

私が衛生管理者という資格を知ったのは、実務からでした。LIGは月に1回「衛生委員会」を開催していますが、そこで衛生管理者の資格をもった社員が必要ということを知り、だったら受けてみよう! と思ったのがきっかけです。

実際に受けてみると、驚いたことに勉強以外に大変なことが多かったです。今回はその勉強以外に大変だったことを中心にお話したいと思います。

ぜひ、関東で衛生管理者の試験を受ける人は参考になさってください。

衛生管理者とは

そもそも衛生管理者とはどういった資格なのでしょうか。

職場において労働者の健康障害を防止するため、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、その事業場専属の衛生管理者を選任しなければなりません。
衛生管理者について教えて下さい。|厚生労働省

簡単にいうと、会社で働く社員の心と体の衛生を保つ管理者というところでしょうか。

LIGは50名以上いる事業者ですのですでに今も会社に衛生管理者がいるのですが、なんと弊社の衛生管理者は代表取締役社長である大山さんです! しかも大山さんは社長でありながら私の受験した第二種ではなく第一種をもっていらっしゃいます(第一種のほうがもちろん難易度が高い)。

第二種は有害業務と関連の少ない業種で、第一種はすべての業種を担当することができる資格です。

そしてこの衛生管理者という資格は国家資格です。今回はこの第二種衛生管理者試験についてのお話です。

第二種衛生管理者はどんな人が取得するとよい資格か

会社の衛生管理にまつわる業務は、総務部や人事部、労務部で担当していることが多く、これらバックオフィス部門への転職を考えている人にはひとつの武器になる資格ではないかと思います。

なぜなら常時50人以上の労働者が働く事業所には必ず衛生管理者が必要で、201人以上で2名、501人以上で3名と必要人数も増えていきますから、需要の高い資格だと思います。

第二種衛生管理者を勉強すると得られる知識

第二種衛生管理者を勉強すると得られる知識は以下の通りです。

関係法令

労働安全衛生法、労働基準法などが主な部分です。

衛生管理者は法令を守ることを基礎とした仕事です。社労士など専門資格をもっていなくても関係法令を把握しておくことは、実務においても「会社の安全衛生を守る」という点においても非常に重要になってきます。

労働衛生

労働衛生は、職場での労働環境についてです。労働衛生法にもとづいて、あらゆる職場環境でのリスク管理基準などの知識が得られます。

たとえば事務所の移転などを考える際、費用を抑えるために人を詰め込みすぎたレイアウトにしたりするのは法令的にはアウトです。

労働生理

労働生理は、人体の機能についてです。

人体の機能を知ることで、労働環境下での身体異常や健康管理での基礎的な知識を得て、さまざまな対策を講じることができます。ここが一番、実務とは離れた知識になるため、覚えるのに苦労する点です。

第二種衛生管理者の難易度と勉強方法

第二種衛生管理者の難易度ですが、過去5年間の合格率の平均は約54.2%であり、国家資格としては高い合格率となっています。

勉強方法としてはAmazonで過去問題集が発売されているので、自信がつくまで何周も繰り返し、そこから新しい法令にまつわるものを捕捉していくやり方がいいのではと思います。過去の試験に出てこないような新しい内容のものがいくつか出てきますが、合格ラインが科目ごとの正答率40%以上、かつ全体の正答率60%以上なので、過去問にまつわる問題をしっかり押さえておけば多少のイレギュラー問題はなんとかなるレベルです。

さて、ここからは「勉強以外に」大変だったことのお話をさせていただこうと思います。

勉強以外に大変だったこと

試験会場が遠い

第二種衛生管理者の勉強の進み、さあそろそろ申し込みしようかな、と思ってサイトで試験日や試験会場を調べ出したときに最初の難関にぶち当たりました。

LIGは東京が本社ですので、東京に近いところを探します。一番近い会場はここです。

関東安全衛生技術センター
千葉県市原市能満2089
最寄駅:JR五井駅

……ん? どこ? え? 関東って東京が会場じゃないの? 五井駅って千葉のどこ?

ここですね。内房線です。

「関東」と書いてある通り、関東にはここしか試験会場がありません。東京のみならず、神奈川茨城群馬の人もここで受けるしかありません。東京や他の地域も年に1回だけ出張試験会場として開催されているらしいのですが、すぐ埋まってしまうみたいです。

しかし、この関東会場は試験日程だけはたくさんあるのはありがたいです。2022年3月は月に9回も開催されています。

提出する書類が煩雑

試験会場もわかったのでいざ申し込み! と思って申し込みの際に必要な書類を調べます。私はすでに1年以上の実務従事者のため以下の書類が必要になります。

  • 卒業証明書(原本)又は卒業証書(学位記)の写し
  • 事業者証明書

え? 卒業証明書が必要なの? 私が短大を卒業したの、20年以上前なんですけど……。

出さないことには受験させてもらえないので、20年ぶりに卒業証明書をゲットすることに。大学のサイトを調べると、大学まで行かなくてもネット申請し、申請が通ればコンビニで印刷できることがわかりました。

これはすごい! 画期的! さっそく申請してみたのですが……エラーで通らず。

何がエラーなのか? 身分証明書も添付したし、間違いなく卒業生なのに……と思ってエラー内容を読んでみると「旧姓と改姓名のわかる公的書類」が必要とのこと。私は結婚しているので、卒業したときと苗字が違うんですね。

最近は夫婦別姓の法改正など話題にもなっていましたが、まさか結婚して10年以上もたってこんなところで改姓の罠にハマるとは……。最寄りの市役所のサイトを調べると住民票でも改姓の事実を記載できそうとのことで、市役所に行ってみました。

しかし市役所で言われたことは「市内在住時に結婚して改姓していないと改姓の事実は記載されない」とのこと。私は結婚して姓が変わってから今の市に転籍してきたので今の苗字しか載らないのです。

住民票がダメということは、夫の戸籍のある兵庫県に郵送で取り寄せないといけないのか……と、思っていたら、実母が自分の戸籍をとってくれて、私が「旧姓から除籍」された記載のある戸籍謄本をくれました。私が母に、卒業証明書をとるために戸籍を取り寄せなきゃいけないと嘆いていたためです。持つべきものは母ですね。

実際に自分の戸籍謄本ではなかったのでどうかなと思いましたが、無事に申請が通り、卒業証明書をゲットできました。

申し込みがアナログ

ふう。ようやく必要書類が準備できたので、申し込みをします(すでにここまでで1ヶ月かかりました)。

再びサイトを見ます。まずやることはこれです。

「受験申請書の郵送を希望の方は、「免許試験受験申請書(受験する試験の種類も書いてください。)〇部(必要部数を書いてください。)」と明記したメモ書と返信用郵送料金分の切手を貼った宛先明記の返信用封筒(角型2号封筒 縦34cm、横24cmの大きさ)を同封し、当協会本部又は受験を希望する各センターのいずれかに申し込んでください。」

何が書いてあるかというと、申込用紙が欲しければ、申込用紙を郵送するための「郵送用封筒をまず送ってね(切手添付)」ということです。もちろん現地に取りにいってもいいですが、場所は上記に記載した通りです。郵送取り寄せ一択です。

弊社のようなDX企業だと、「なぜサイトからのダウンロード方式にしないのか」という疑問でいっぱいですが、その理由はいずれわかります。

封筒を送らないと申込用紙をもらえないので送ります。送りました。自宅には立派な申込書冊子が届きました。

その冊子には

  • 事業者証明書
  • 受験申込用紙
  • 振り込み用紙

があるのですが、この振り込み用紙は郵便局の窓口でしか振り込みしてはいけないのです。なぜATMやネットバンキングからの振り込みではダメなのか。

それは窓口で受付印をもらったものを受験申込用紙に添付して申し込みをしないといけないからです。

この(オペレーション側の)メリットは、銀行での振り込みだと誰から振り込みがあったかいちいち事務局側が口座確認しないといけませんが、申込用紙に添付されていたら支払完了が一目瞭然だからです。

あとでわかったことですが、これだけの試験日があるにもかかわらず、一回の試験で100名以上の人が受験します。たしかにこれをいちいち口座照合するのは大変だとは思います。

とはいえ、同じく受験人数の多い日商簿記でさえ受験料の支払方法はクレジットカード、コンビニ/Pay-easy払い、銀行振込、試験当日に持参など多種多様であることからも、もう少しやりようがあるのでは……という気もします。

しかし、これも向こうの指定するやり方でないと受験資格が得られません。窓口払いなので平日日中に郵便局の窓口に行き、そのまま特定記録(これも指定されている)で郵送しました。

申込書類には不備はなかったのですが、希望試験日を3週間後に指定したらその日はいっぱいと言われ、なんと申込日から1ヶ月半後に受験日が決まりました(それだけ受験者が多いということですね)。

個人的理由もありますが、申込しようと思ってから2ヶ月半もかかりました……。

やはり移動が大変、そして会場の周りにはコンビニがない

ようやく満を辞して試験当日。受験時間は13:30からなのですが、電車が片道約2時間、最寄駅からバスで20分、そして試験時間が3時間ということで、当日は1日有給をいただきました。

最寄駅からは試験当日だけ運行される直通バスがあります(片道370円)。「試験開始時刻が13:30の試験  11:50~12:55の間運行」とサイトに書いてあり、この時間に間に合わなかったら試験会場に行く手段がなく完全アウトでは!?!? という心配から、最寄駅には12:15には着くようにいきました(実際には受験者数が多いこともあり、専用の「乗合タクシー」というのも運用されていました。帰りはこの乗合タクシーで帰りました)。

バスに乗りようやく会場入りしましたが、予想通り、周りの風景はかなりのどかでした。車やバイクできている人もたくさんいて、駐車場はほぼ満車状態。

当然、この会場にはコンビニなど周りにありませんので(飲み物を買える自動販売機はありました)、私は持参してきたおにぎりを現地で食べました。もっと早くから家をでないといけない方は、何か食べるものを持参することをお勧めします。

おわりに

第二種衛生管理者の試験自体は、実務につながる内容も多く、受けて損はありません。国家資格ですので、バックオフィスをされる方の今後の就職活動には有利な資格のひとつではないかと思います。

しかしながら、試験以外に大変なことが多く、常々DXに触れているLIG社員としては衝撃をうけることが多かった試験でした。試験を受ける方は、試験勉強以外にも前もって準備を進めておくことをおすすめします。

この記事のシェア数

1978年生まれ。新卒で明治安田生命にて一般事務を経験。その後DTPデザイナーに転職。結婚、妊娠、出産を経て税理士法人のバックオフィス業務全般を担う。LIG入社後は人事労務のスペシャリストとして勤怠給与、制度設計、評価報酬、研修など、現在も人事のみに限らず人生経験を活かして幅広く業務を担当している。

このメンバーの記事をもっと読む
経営者なら知っておきたい!人事労務の実務ポイント | 14 articles
デザイン力×グローバルな開発体制でDXをトータル支援
お問い合わせ 会社概要DL