Web上で態度変容を起こすには。「Tarzan Web」リニューアル秘話

Web上で態度変容を起こすには。「Tarzan Web」リニューアル秘話

たまさん

たまさん

Webディレクターの玉城(たま)です。

2021年、LIGは「Tarzan Web」のサイトリニューアルをお手伝いしました。みなさんおなじみ、マガジンハウス社が出版しているフィットネス雑誌「Tarzan」のWeb版です。


Tarzan Web

今回は事例取材として、デザインの見どころや制作過程のエピソードをクライアントに直接お聞きしました。

メディアサイト制作をご検討中のみなさま、ぜひご覧ください。

Tarzan Web編集部 村田 竜平さん編集者。2014年マガジンハウス入社、『ターザン』編集部に配属。2018年にTarzanWebの立ち上げから参加し、そのままWeb専任担当に。
Webディレクター 高柳 晋祐さんWebディレクター。さまざまなWebメディアの制作、運用に従事し、2018年から『Tarzan Web』のグロースディレクション担当。

「Tarzan Web」の推しポイントはここだ!

たま:はじめに、新しくなった「Tarzan Web」について、お二人の推しポイントをぜひ教えていただけますか。

村田:見ていただきたいポイントはたくさんありますね。雑誌「Tarzan」のロゴカラーに合わせてサイト全体の色を変えられたり、新着記事エリア(PC版)が腹直筋と腹斜筋をモチーフとしたデザインになっていたり……(笑)。


▲腹直筋と腹斜筋をモチーフにした新着記事エリア

村田:なかでも個人的に推しているのは、「願望で探す」という検索機能です。


▲トップページにある願望検索

村田:「◯◯筋を鍛えたい」といった明確なニーズをまだ持っていないライトな読者にも、自分の身体の悩みにハッと気づき、解決策を得られるきっかけを提供できたらいいなと考えています。アクセスするたびにランダムで表示が切り替わる仕様なので、一期一会感も楽しめます。

この検索機能はもともとLIGさんからいただきましたよね。デザイン提案の時点で「これはつい自分もクリックしたくなるな」とすごく魅力に感じました。

たま:そうですね、いただいたご要件は「カテゴリやタグで検索する機能の実装」でしたが、編集部のおすすめ記事を届ける導線をもっと増やせないか……と考えるなかで生まれたアイデアでした。気に入っていただけてなによりです!

高柳:私が一番いいなと思っているのは、Tarzanのコアバリューである「Best Answer for Fitness」が、かわいいイラストとともにトップページで流れてくるところです。


▲トップページの上部に流れるコアバリュー

高柳:Tarzanが読者へ提供する価値を、押し付けがましくなく、でもしっかりと主張する。この絶妙なバランス感にデザイナーさんとエンジニアさんのこだわりを感じます。

たま:それは嬉しいご感想ですね。ちなみに、担当ディレクターである僕の推しポイントは記事詳細ページの上部に流れてくるテキストリンクです。


▲記事詳細ページの上部に流れるテキストリンク(グレーの帯)

たま:「Tarzan Webの記事を通じて読者の態度変容を促したい」というご要望に対し、記事の中身ではなく “Webの機能” で態度変容を起こすためにはどうしたらいいかを考えに考えた結果、Tarzan Web編集部のみなさんが読者を応援する機能を付与したい……という目的で生まれたのがこのテキストリンクでした。

フィットネス情報を調べるなかで「Tarzan Web」にたどり着いた読者が、目の端にチラッと映ったテキストを機に別の記事にも興味をもつ。そんな導線になったらいいなと思っています。

村田:この文字、読みやすいようにPCとスマホで流れるスピードが違うんですよね。本当に細かいところまでこだわって制作いただいたな、と感じています。

雑誌生まれの「Tarzan」を、よりWebらしく

たま:推しポイントで盛り上がったところで、改めてプロジェクトについて伺いますね。今回サイトリニューアルに至った背景をまずは教えていただけますか。

村田:「Tarzan Web」は、外部パートナーの協力のもと2018年10月に立ち上げたWebメディアです。2年半も経つと、初期設計のままでは読者にとっても編集部にとっても使い勝手の悪い部分が目立つようになり、リニューアルを決意しました。

たま:「1つの記事に1カテゴリしかつけられない」など、CMS(コンテンツ管理システム)側の課題も多く抱えていらっしゃいましたよね。

村田:そうなんです。とくに困っていたのは「WOMAN」というカテゴリの扱いでした。雑誌「Tarzan」は男性誌として売り出していることもあり、読者の7割は男性です。「WOMAN」は限られた女性読者の興味を引くためにあえて作ったカテゴリでした。

しかしいざGoogleアナリティクスを見てみると、Webの読者は男女比が半々だったんです。筋肉のメカニズムや食事の栄養バランスなど、「Tarzan」のコンテンツはそもそも男女共通のものが多いため、検索から直接記事へ流入するWebの特性上、女性比率が上がったのだと思います。


▲リニューアル前の「Tarzan Web」

村田:男女問わずコンテンツを楽しんでもらっているというのに、CMSの仕様のために記事を適切に分類できていませんでした。よって今回のリニューアルでは、1記事に対して複数のカテゴリを紐づけられるよう、表側だけではなく裏側も大きく改修いただきましたね。

高柳:あとは、ありがたいことにタイアップ記事も順調に増えていたので、これからさらに広告出稿数が伸びることを見越して回遊導線を見直したい、という背景もありました。

そこで今回LIGさんには、タイアップ記事が読者へバランスよく表示されるように広告枠と配信ロジックを緻密に設計いただきました。とくに配信ロジックは「その発想はなかった」というアイデアで、私自身感激しています。詳細は伏せますが、きっとどのメディアサイトも取り入れたいものではないでしょうか。


▲記事内の広告枠「Take a rest」

たま:ありがとうございます。WordPressを活用してどこまで柔軟にご要望を叶えられるか、エンジニアさんがかなり頑張って挑戦してくれました。

村田:同じく、編集部のおすすめ記事も自動であらゆる場所に表示されるよう設計してもらえたのもありがたかったですね。編集者の性格柄、手動設定だとつい細かく調整したくなってしまうんですよ。リニューアル後は本来注力すべきところにリソースを割けるようになったと感じています。

3社コンペでLIGがパートナーに選ばれた理由

たま:ちなみに、今回LIGへお問い合わせいただいたのはどうしてですか?

高柳:美しいデザインが得意なWeb制作会社は世の中にたくさんいらっしゃると思いますが、今回のリニューアルはシステム改修も伴うため、Webの知見が豊富にある企業様にお願いしたいという思いがありました。そのなかでLIGさんは真っ先に候補に浮かびましたね。Web関連の調べものをしていると「LIGブログ」にたどり着くことが多く、知見をたくさんお持ちなんだろうなという印象がありました。

村田:今回はコンペという形で3社からご提案いただいたのですが、LIGさんは事前に何度も細かくヒアリングいただいて、精度の高い提案をくださったんですよ。デザイン案やコミュニケーションの安心感も含めて、ぜひ一緒にやらせていただきたいなと感じました。

高柳:こちらからお伝えしていた要望にはすべて答えた上で、願望検索など+αの提案をいただけた点もいいなと思いましたね。

たま:そのようにご評価いただけて嬉しいです。社内にはマガジンハウス社やTarzanのファンが多く、「ぜひお仕事をご一緒したい!」と前のめりな提案チームを作れたのも大きかったように感じます。

別プロジェクトでもマネしたいノウハウ

たま:最後に、制作の過程で印象深かったエピソードがあればぜひ教えてください。

村田:記事の文字間や行間については「まだやるの!?」っていうくらいしつこく調整をお願いしたので、LIGさんはものすごく大変だったんじゃないかと思います……。投げ出すことなくお付き合いいただき、ありがとうございました。

たま:いえいえ、記事の読みやすさは重要なポイントなので村田さんが納得いくまでやり取りできてよかったです。それにWebディレクターとして高柳さんが入ってくださっていたこともあって、プロジェクトはとても進めやすかったですよ。

高柳:こちらこそです。いまなにが進んでいるのか、機能開発にどれくらい時間がかかるのかをつねに教えてくださっていたので助かりました。

私としては、週に1時間×1回ではなく週に30分×2回おこなう打ち合わせや、確認事項が明確な議事録など、コミュニケーション方法もすごく勉強させてもらいましたね。議事録のフォーマットは別プロジェクトでも参考にしたくらいです(笑)。さすが、Web制作において百戦錬磨のLIGさんだなと思いました。

村田:週に2回打ち合わせがあることで「明日の打ち合わせまでに確認しなきゃ!」という気持ちになりましたね。企業によっては確認に時間がかかる場合もあるかと思いますが、弊社にはこの進め方が合っていたなと感じます。

たま:数々の嬉しいコメント、ありがとうございます(涙)。

高柳:今回LIGさんからは制作のプロとしてたくさんご提案いただきましたし、編集部からは表現のプロとして「こんなサイトを実現したい」と要望をしっかり伝えることができました。信頼関係があり、互いに意見をぶつけ合えたからこそいいサイトが作れたのではないかと思います。

村田:「こんなことできますか?」と相談すると「できません」と言われたことはほぼありませんでしたね。LIGさんはまさに「バディ」のような感覚で、安心してリニューアルプロジェクトを進めることができました。真摯に対応いただき、とても感謝しています。

たま:村田さん、高柳さん、こちらこそ本当にありがとうございました。これからもTarzan読者として、メディアの発展を応援し続けます!

さいごに

「Tarzan Web」をはじめ、LIGでは数々のメディアサイト制作をお手伝いしています。

実積:
サイボウズ株式会社様「サイボウズ式」
株式会社サンケイリビング新聞社様「ぎゅって」

カテゴリ設計やCMS構築など、メディアサイトだからこそケアすべきポイントもしっかりとリードしながら制作を進めますので、安心してお任せください。

ご相談、お待ちしております!

メディア制作のお問い合わせはこちら

LIGはWebサイト制作を支援しています。ご興味のある方は事業ぺージをぜひご覧ください。

Webサイト制作の実績・料金を見る

この記事のシェア数

最高のものづくりをするために、関わった人たちみんなが幸せになるために、全てがスムーズに進むよう、心を込めてディレクションします。 みんなの潤滑油。様々な滑りを良くします。 それと、美味しいコーヒーを作るのが得意です。

このメンバーの記事をもっと読む
LIGのWeb制作実績〜制作の舞台裏〜 | 23 articles
デザイン力×グローバルな開発体制でDXをトータル支援
お問い合わせ 会社概要DL