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これからのコンテンツSEOはどうなる? SEOのプロ・ミエルカの月岡さんに聞きました!

平林 享子(きょうこ)

エディターの平林享子(きょうこ, @cloverbooks)です。日々、コンテンツマーケティングに勤しんでおります。

さて、SEOの達人に「これからのSEOについて聞く」シリーズ。第1弾はこちら👇

第2弾は、SEOツールミエルカ」で知られるFaber Companyのエグゼクティブ・マーケティング・ディレクター、月岡克博さんにご登場いただきました!

ミエルカの月岡さん
月岡 克博(つきおか・かつひろ)さん
株式会社Faber Company エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター
1982年生まれ。SFA導入コンサルタント、CRMセールスを経て、2014年にFaber Company参画。SEOやコンテンツマーケティングのセールス・コンサルティングに従事したのち、自社マーケティング領域を担うIMC部門を新設。自社マーケティング全般と広報&PRを担当。趣味はスノーボード、モトクロスバイク、茶道(表千家)。
Twitter  @tsukky09

月岡さんによる、SEO施策の基本的なレクチャーはこちら👇

今回は、また違った観点からお話を伺っていきますよ。

SEOで成果を上げるには、専門家を集めてチームをつくることが大事!

ミエルカの月岡さん
▲月岡さんにオンラインでインタビューしました。
 
きょうこ:月岡さんは、私も愛用しているSEOツールミエルカ」のエグゼクティブ・マーケティング・ディレクターで、SEOの専門家でいらっしゃいますが、これからのSEOについて、月岡さんの予測や対策、心構えなどをお聞かせくださいますか。

月岡さん:逆説的ですが「SEOで成果を上げたかったら、SEOだけじゃダメ」というのが僕の持論です。

というのは、実際にSEOの成果を出すためには、Webサイトやサービス全体のプレゼンスを上げていく必要があるため、Webの施策に限らず、SNS、広報、営業、展示会やセミナーなど、さまざまなチャネルで自分たちのコンテンツや会社、サービスについて発信することが大事になっていきます。

なので、検索結果で上位表示されるためには、SEOのことだけを考えていてもダメなんです。

いずれ、SEOという言葉自体は、なくなるんじゃないか、というと言い過ぎかもしれませんが、WebマーケティングにおいてSEOは当たり前に意識することだし、ベースの考え方になるのだと思っています。

これは2018年に書いた記事ですが、基本的な考えはここから変わっていません。
👇
SEOで成果を上げるにはSEOだけじゃダメだという話とこれから必要なこと

抜粋すると……

  • SEOで成果を上げたいならSEOだけじゃダメだ!
  • 「SEOで成果を上げること」は「Webサイト、サービス全体でパフォーマンスを上げること」とほぼ同義になりつつある。
  • これから必要なことは、継続的な発展のための「チームづくり」
  • SEOやWeb担当者は、社内外で積極的に動いて仲間を集め、最高の成果を出す「チーム」を編成しなければならない。
  • SEOやWeb担当者はマーケターであれ! マーケターとは「最高のユーザー体験を提供し、成果を最大化するために、がむしゃらに頑張る人」。

きょうこ:ふむふむ。SEOというと、キーワードを詰め込んだ文章を作成すること!みたいに言われていた時期もありましたが……。

月岡さん:キーワードをたくさん突っ込めばいいというSEOの考え方は、とうの昔に終わっています。サイトに訪れる前も後も「ユーザー体験をより良くしていくためにどうすればいいのか」を考えてコンテンツを制作することが大事です

きょうこ:なるほど、では、そのような良質なコンテンツをつくるためには、どうしたらいいんでしょうか?

月岡さん:ユーザー体験を良くしていくための施策は多岐にわたり、これらを担当者ひとりで実践していくのはスキル面でもリソース面でも難しいのではないでしょうか。なので、チームづくりが大事だと思っています。

Faber Companyの月岡克博さんつまり、月岡は一緒に働くメンバーを募集しているということなので、興味あれば連絡ください (笑)。

きょうこ:(笑)。確かにひとりでは、できることが限られていますね。やっぱりBTSのように一人ひとりが素晴らしい才能をもったメンバーを集めて最強のチームをつくることが大事なんですね✨(注:ARMYのため、世の中の事象をなんでもBTSの話に類推することで理解する傾向があります)。

*良質なコンテンツを発信するためには、優秀なメンバーでチームを編成することが大事だよ!という話は、このBTSの記事でもくわしく解説していますので、ぜひご覧ください👇

きょうこ:「チームが大事!」というのはよくわかりました! そういう背景をふまえてFaber Companyさんは、Webマーケター専門の業務委託マッチングサービスミエルカコネクトをスタートされたんですね。 社内でメンバーを集められなくて困っている担当者さんの課題解決のために……。腑に落ちましたよ。

コンテンツの企画力を鍛える秘訣は?

月岡さん:チームづくりの次に大事なことは、コンテンツ企画力です。コンテンツマーケティングでは、オウンドメディア、SNS、広告、メールマガジン、営業対応まで、さまざまチャネルを活用します。これらはコンテンツをお届けするデリバリー手段でしかありません。

じゃあ何が大事なのかというと、そのデリバリー手段にのせるコンテンツの中身。このコンテンツをクリエイションできる企画力が欠かせません。

たとえばLIGさんなら、競合のB社やC社からは出てこない、LIGさんだからこそ可能なコンテンツの企画を考える必要があります。会社のストーリー、歴史、ミッション、カルチャー、文脈、そういうものを理解して、自社だからこそ可能なコンテンツを発信していく

最終的に、制作は外注するとしても、オリジナリティのある企画は、その企業の「中の人」が考えないと出てこないものだと思います。

きょうこ:中の人だからこそ考えられる企画力……!

月岡さん:じゃあ「その企画力を、どうやって鍛えるのか? という話なんですが、なかなか難しいんですよね。ヒントがあるとすると、自社のお客様やお客様になる可能性のある人の話を聴くことかなと。

意外なことに、企業のマーケティング担当者さんで「実際のお客様と話をしたことがない」という人が、結構いるんですよね。

きょうこ:お客様の声を聴く」機会がないと……。オウンドメディアだと、お客様の声を聴く=ユーザーインタビューがそのままコンテンツになることも多いですし、商品開発部門だと、お客様に使い心地をヒアリングするとか、積極的にお客様の声を聴く印象がありますが……。

月岡さん:コンテンツ制作だけじゃなくてさまざまなマーケティング施策も同じで、「お客様視点で」と言いつつ、お客様に会ったこともないって変ですよね。コンテンツであれば、企画や切り口のアイデアはお客様の声を聴いていけばたくさん見つかると思うんです。もっと言えば、そこから自社の商品サービスの改善につなげていくことまでしないと、マーケティングは成り立たないと思います。僕もFaber Companyでは営業でスタートし、マーケティング部をつくって、いまはミエルカのプロダクトオーナーとしてサービス開発までやらせてもらってます。

きょうこ:そういえば、そういった内容(マーケティングの仕事は、人類学のフィールドワークのように、お客様の話を傾聴することが大事ですよ)を、コトラー大先生の本でも読んだ記憶が……。

人間中心マーケティングのプロセスは、顧客の心の奥底にある不安や欲求を明らかにすることによってスタートする。それには、共感的傾聴や「デジタル人類学」と呼ばれる手法を使った没入型調査が必要となる。顧客の人間的側面が明らかになったら、次はブランドが自らの人間的側面を見せる番である。ブランドは、顧客を引きつけて人間対人間のつながりを築ける人間的特性を明示しなければならない。

(強調は引用者による)

出典:コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

コンテンツの二毛作、三毛作を考えて収穫を増やせ!

きょうこ:月岡さんは「マーケターとは、最高のユーザー体験を提供し、成果を最大化するために、がむしゃらに頑張る人」と書かれていましたね。私もエディターではありますが、最高のユーザー体験を提供しようと思い、仮説と実験と検証と分析の日々なんですが、思ったようにいかないことも……何かアドバイスをください!(お悩み相談になってる……汗)。

月岡さん:コンテンツをつくるのって、大変じゃないですか

きょうこ:大変ですよね!!!!!

月岡さん:大変なんですけど、つくりっぱなしの人が多いんです。非常にもったいない。僕がよく言うのは、「コンテンツの二毛作、三毛作を考えましょう」ということ。つまり、ひとつの企画を、記事にするだけじゃなく、動画にしたり、別の表現方法にしたり、プラットフォームを変えたりして、いろいろな人に届けることを考えるとコンテンツの価値は何倍にもなります。

僕らも「ミエルカチャンネル」の動画が先にあって、それをテキストに起こして記事にしたり、逆に、人気の記事の内容を動画にしたりしています。

きょうこ:コンテンツをプラットフォームに合わせて変容させるコンテンツ・コンバーターのニーズが高まっている!というお話は、おおきさんのインタビューでも出てきました。

月岡さん:そうですね。オウンドメディアの人気コンテンツを「まとめ記事」にしたり、さらに、そのコンテンツをメルマガにしたり、ホワイトペーパーにしたり、セミナーにしたり。ひとつの企画を、いろいろなかたちに変えることでリーチの可能性が広がります

きょうこ:二毛作……確かに「まとめ記事」はコスパがいいですね! 過去記事をいくつか選んで「まとめ記事」にすると、専門性や網羅性が高くなるからか、検索で上位表示されやすい、と感じています。

月岡さん:要するに、制作したコンテンツ(企画)を何回も利用する、アタリメのように何度も噛んで、味がなくなるまで噛むのがいいのかなと(笑)。

もともとの企画がユニークであれば、いろいろなコンテンツのかたちに変容させて何度も利用できるわけで、そういう意味でも、企画力が大事ですね。

動画コンテンツにはまだまだビジネスチャンスが多い!?

▲月岡さんが動画SEOについて解説したコンテンツ「【動画SEO】検索ユーザーに必要とされている動画コンテンツとは」 出典:ミエルカチャンネル
 
きょうこ:コンテンツのトレンドとして動画の重要性がますます高まっていますが、Faber CompanyさんもYouTubeチャンネル「ミエルカチャンネル」でSEO情報を発信されていますね。そういえば動画集客支援ツール「ドウガミエルカ」のサービスもスタートされたとか。動画のSEOについてはいかがでしょうか?

月岡さん:前提として、YouTube全体の動画再生の割合でみると、検索からの流入は1割くらいしかありません。残りの9割は、ブラウジング機能(これまで視聴した動画や検索キーワードから、YouTubeのアルゴリズムが自動的に判断し、YouTube上のホーム画面やサイドバーにオススメとして動画が提示される機能)とか関連動画からの再生と言われています。

とはいえ、やっぱり最初は検索がきっかけになることが多いので、YouTube内のSEOもしっかり考える必要はあります。

きょうこ:ちなみに、ドウガミエルカを使うと、どんなことができるんでしょうか?

月岡さん:YouTube上における検索ニーズを分析したり、すでに検索上位表示されている動画の分析をすることができます。たとえば、GoogleとYouTubeの検索結果を比較すると、微妙に違うんですね。

ドウガミエルカ
▲「ドウガミエルカ」の「サジェストキーワードネットワーク」(サジェストキーワードをネットワーク図にしてくれる機能)で「カレー」を調査したところ。

たとえば「カレー」。YouTubeの検索窓に「カレー」と打ち込むと、サジェストキーワードのなかに、「大食い」「ASMR」など、Googleのサジェストでは出てこない、YouTubeならではのキーワードが出てきます。

こうしたYouTubeならではのユーザーの検索意図や行動特性を理解した動画企画をサポートするのがドウガミエルカです。YouTubeチャンネルを立ち上げたばかりの企業様などに、ドウガミエルカを使いつつチャンネル運営や動画企画のコンサルティングもおこなっています。

ASMR:「Autonomous Sensory Meridian Response」の略で、咀嚼音や自然音など、視聴者の感覚に訴えかける音のこと。動画のジャンルとして人気がある。

きょうこ:YouTube動画に力を入れる企業は、やっぱり増えているんでしょうか?

月岡さん:コロナ禍になり、オンラインのコミュニケーションに力を入れる一環としてYouTubeに注目している企業は増えています。YouTubeというとBtoCのイメージが強いと思いますが、BtoBのメーカーさんなんかでもYouTubeチャンネルを運営しているところがあります。たとえば、展示会などリアルな場でのリード獲得が主要チャネルだった工場機械メーカーさんは、自社商品のスペックや動作、どのように素材を加工できるかなどの動画を定期的にアップされています。動画には海外からのアクセスもあるそうですし、営業トークや商談の現場でも使えます。まさに動画コンテンツの二毛作ですね!

きょうこ:なるほど!  たしかに、動画だと字幕翻訳をつければ、視聴者は一気にグローバルになりますね。動画はグローバル化しやすいのかもしれませんね……(と言いつつ私の脳裏に浮かんでいるのは、BTSのYouTube動画のこと✨)。

たとえば、どんなふうに動画制作のコンサルをされているんですか?

月岡さん:YouTubeって、有名Youtuberやテレビなどに出演されている有名人のチャンネルが圧倒的にチャンネル登録数も動画再生数も多いわけですね。そういう有名人の方がやっているジャンルは、テーマが大きすぎるのもありますが、新規参入が難しい。

なので、どういう切り口でYouTubeチャンネルを運営していくのか、動画のテイストはどうするのかなどを決めるところから議論していきます。もちろんベンチマークするチャンネルを設定して、そのチャンネルの動画投稿数や反響なども分析します。

実際に動画のアップが始まったら、Webコンテンツと同じくPDCAを回していきます。動画のクリック率や流入元の分析、跳ねる動画の傾向、サムネイルや概要の調整などなど、目標やKPIを設定してチャンネル運営に伴走していくイメージです。

きょうこ:なるほど、ビジネスチャンスはまだまだありそうですね……(虎視眈々)! 今日は勉強になりました、また教えてください!

まとめ

SEOという言葉は、いずれ、なくなるんじゃないか。

月岡さんが、こうおっしゃったのが印象的でした。

そして、大事なことは

  • 優秀なメンバーを集めてチームをつくること
  • 自社ならではのコンテンツを企画すること
  • 企画力を鍛えるために、お客様の声をしっかり聴くこと

今回は、SEOのテクニカルな内容ではなく、コンテンツマーケティング全体的なお話に広がりました。

優れたコンテンツ・マーケティングを実施しているブランドは、顧客に質の高いオリジナル・コンテンツへのアクセスを提供し、しかも、その過程で自社ブランドに関する興味深いストーリーを語る。コンテンツ・マーケティングは、マーケターの役割をブランド・プロモーターからストーリーテラーに変えるのだ。
 
出典:コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

興味深いストーリーが大事と、大先生もおっしゃってますね。ストーリーテラーになれるように、私も頑張ります!