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2022年のSEOはどうなる!? SEOコンサルタントおおきさんに傾向と対策を聞きました!

平林 享子(きょうこ)

エディターの平林享子(きょうこ, @cloverbooks)です。「SEOも強いオリジナル取材記事」という分野を追究しています。

さて、2022年のSEOを取り巻く環境はどう変化していくんでしょうか? 傾向と対策を知りたい!

というわけで、今回はSEOコンサルタントのおおきさん(@ossan_mini )に、これからのSEOについて押さえておきたい5つのポイントをお聞きしました!
 

SEOコンサルタント/おおきさん
SEOコンサルタント大木さん
Twitterでの有益な情報発信で知られるSEOコンサルタント。事業会社、広告代理店のSEO部門、SEO会社などを経て2016年に独立。肩書きはSEOコンサルタントながら、実際にはデジタルマーケティング全般、ブランディングも守備範囲。
Twitter  @ossan_mini
Instagram  @digitalmarketerjp
ブログ「SEOの森」  https://seoer.work/

SEOはマーケティングの一部だと心得よう!

きょうこ:おおきさんのTwitter、いつも参考にさせていただいています! 本日はよろしくお願いいたします!

さっそくですが、今後のSEOについて、おおきさんがどういうふうに考えているか、予測や対策などを教えてください。

おおき:これからのSEOは、SEOがマーケティングの一領域だという認識をもっている担当者と、そうじゃない人では、かなり差が開いてしまうだろうなと思います。SEO施策だけやっていれば結果が出るわけではなくなってきているので、そこを押さえましょう、ということですね。それについて重要なポイントを5つあげますね。

①EATを高めることは基本中の基本

おおき:まず、なんといっても重要なのが「E-A-T」です。
 

「E-A-T」とは?
Expertise(専門性)、Authoritativeness (権威性)、Trustworthiness (信頼性)の頭文字をとったもの。

コンテンツ評価の指標としてGoogleが定義したもので、その分野の権威者が執筆・監修していることや、高い専門性と信頼性を満たす内容であることがコンテンツの高評価につながる。

きょうこ:専門性権威性信頼性を高めることですね。私も記事制作でめちゃくちゃ意識しています! E-A-Tはこれまでも重要でしたが、さらに重要になると。

おおき:そうですね。押さえておきべき基本中の基本ということで、1つ目にあげました。

②発信力を高めよ!広報活動が大事だよ!

おおき:コンテンツのE-A-Tを高めることと並行して、外とのつながりをつくっていくこと、外に向かって発信していくこと、つまり広報、PR(パブリック・リレーションズ)が大切です

どんなにすぐれたコンテンツをもっていても、広報が弱いとSEOで上がりにくい。SEO担当者にそのスキルがなくても、広報の担当者がちゃんと発信しているかどうか。

きょうこ:コンテンツを読者に届けるために、普段から広報活動、SNSはもちろん社交的なネットワークをしっかり構築していきましょう、と。

おおき:最近の傾向として、マーケティングや広報活動をいろいろがんばって広げていった結果、SEOも強くなった成功例をよく見ます。事業が拡大していて、広報スキルがあり、積極的に外に向けて情報を発信している会社は、特別なSEO対策をしなくても結果的にSEOも強くなっています。

逆に、Web上にあるんだけど、他とつながりをもとうとしない、広めていこうとしない「陸の孤島」みたいなサイトは弱いですね

きょうこ:おおきさんがよく「SEOを強めたいなら、SNSもがんばりましょう!」とおっしゃるのはそういうことなんですね。SEOとSNSは表裏一体!

おおき:SNSで潜在顧客とどんどんつながってコミュニケーションをとることが大事で、それによってサービス名、ブランド名、会社名で検索されるようになる。そういった広報、コミュニケーションを総合的にやっていくことが大事ですね。

といっても特別なスキルは必要ないので、デジタルネイティブの若い子にまかせてしまうと結構うまいことやってくれたりします(笑)。SNSに苦手意識があったり、ネットに顔と名前を晒すのはキケン! みたいな意識が強かったりするのは、ぼくみたいな30代以上だったりするので(笑)。なので、そこに関しては抵抗感のない20代にまかせるのがいいでしょう。

きょうこ:たしかに若者たちはSNSをナチュラルに駆使してますね(うらやましい……)。

おおき:「Instagramのストーリーズってどうするの?」って30代以上の人に聞かれたりするんですけど、10代や20代前半の子たちは日常でやってることなんで、さくっとやったりします。ですから、そのくらいカジュアルに発信頻度を高めることが重要になっています。
 

ポイント!
  • ユーザー(ターゲット、ファン)とのコミュニケーションを増やそう!
  • SNSが苦手なら、SNSが得意な若者に作業をまかせよう!

③検索エンジン進化=求められるコンテンツも変化?

おおき:次はGoogleの検索エンジンについて。GoogleではAI、機械学習、深層学習を駆使して検索アルゴリズムに生かそうという取り組みが多層的に広がっています。たとえば2021年に発表されたMUM(マム、Multitask United Model)やLaMDA(ラムダ、Language Model for Dialogue Applications)は、検索ユーザーの感情、文脈、深い意図を理解できるAI言語モデルなんです。

これまでは、ユーザーが検索窓に打ち込んだキーワードをもとに、そのキーワードを含んだサイトの中から優秀と思われるものを検索結果に返してたんですが、それだけじゃなくて、ユーザーが本当に知らなければいけないことをAIが考えて提案するところまで進んできてるんですね。

ユーザーの裏の意図まで読み取ったり、本人が意識していないけれども知っておくと有用なことまで先読みしたり。キーワードが含まれていなくても、その人に必要な解答を検索結果に表示してくれるようになる。まだ実験段階ですが、徐々に実用化されていくでしょう。

ですから、コンテンツをつくる側も、単にキーワードごとに対策した記事ではなく、検索されてもされなくても、ユーザーにとって必要な情報をサイト内に蓄積しておくことが大事になっていくだろうという予測を立てています。

きょうこ:ユーザーに本当に必要なこと、将来的に役に立つ情報を用意しておけ、と。

おおき:いままでSEO記事というと、SEOツールを使って、狙いたいキーワードに対して、その関連語や共起語を記事内に入れていく、といったことやっていたんですが……これってわかりますか?

きょうこ:わかりますわかります……現状のSEO記事のお作法は、だいたいそういう作業ですね(汗)。

おおき:ですね(笑)。これまでは関連性が薄かったり、あまり検索されないようなキーワードは無視されてたんですが、これからはユーザーの役に立ちそうな情報はあらかじめ何でも入れておかないと、言語モデルの精度が上がってきたときに、他のサイトに負けてしまう

きょうこ:すごく納得です。よくSEO記事のメソッドで「関連キーワードや共起語を入れて作文する」みたいなことを言われたときに、「そんな表面的なことでいいのかな? 読者はもっと深い内容を求めているのでは?」と、もどかしく思うことがよくありました。なので、検索エンジンの進化として、すごく腑に落ちます。

おおき:まさにそういうことなんですね。自分も機械的に記事を書くのがすごく嫌いで(笑)。コンテンツのつくり手側も、機械的に書きたくない、でもSEOのことを考えると、そこまで書く必要はないみたいなジレンマがあったと思います。なので、そこのギャップを埋めていこうっていうことをGoogleは試みているわけですね。

きょうこ:検索エンジンがエージェントや秘書のような存在になっていくんですね。たとえば「ひとりでごはんを食べられるレストラン」と打ち込んだときに、検索エンジンが「この人に本当に必要なのはレストラン情報ではなく、一緒にごはんを食べる恋人だ」と察して、相性のよさそうなパートナー候補とマッチングしてくれるとか。もはや検索エンジンというより世話を焼いてくれる親戚のおばさん(笑)。

おおき:それは可能性としてありえますね。位置情報から「これからその地域では雨が降りますので、傘をお持ちになられたほうがいいと思います」とか「予約するなら、テラス席より屋内席がいいですよ」とか、そういう気の利かせ方は十分考えられますし、いろいろな可能性が考えられます。つまり、従来のSEO対策からは無視されていたような情報が求められるようになりますね。

きょうこ:コンテンツをつくるだけではなくて、いろいろなニーズを見越して幅広いサービスを用意することが必要な気がしてきました……。
 

ポイント!
  • ユーザーがこれから必要になる情報を先回りしてコンテンツとして用意しておく。
  • 優秀な秘書のように、かゆいところに手が届く気配りが必要。

④動画のSEOがさらに重要になる

おおき:これからのトレンドとしては、さらに重要になるのが動画のSEOですね。動画コンテンツは絶対にあったほうがいいです。YouTube、Vimeoとかいろいろありますが、その動画がいかにGoogle検索にヒットするかを考えるとよいですね。

きょうこ:YouTubeを記事内に埋め込むとDiscoverにピックアップされやすい、という話を聞いてから、YouTubeをなるべく埋め込むようにしてるんですが、その傾向がさらに加速していくということでしょうか?

おおき:動画を記事内に埋め込むのもいいんですが、動画そのものが検索結果に表示されるようにしていく。とくにTikTokの流行もあって、これから数年間はショート動画の時代がくるので、検索結果にショート動画が増える可能性がある。なので、長尺でも短尺でも、とにかく動画がいかに検索結果に表示されるかを極めたほうがいいです。

検索結果がリッチになってきていて、YouTubeもキーモーメントが表示されるようになっています。見た目も映えるので、ユーザーにとってもうれしい検索結果になり、クリックされやすくなります。

YouTube「ミエルカチャンネル」の検索結果

▲たとえば、SEOの最新&有益情報を絶賛発信中のミエルカチャンネルの動画【動画の最適化2つの方法】インデックスに登録!キーモーメントの設定を有効に! は、Googleの検索結果でこのように表示される。ちなみに、YouTubeの概要欄にタイムスタンプを記載することで、Googleの検索結果にキーモーメントとして表示されやすくなる。
 
おおき:ですから、コンテンツはテキスト(+写真、イラスト)で記事にするのと合わせて、同じ内容を動画にしてYouTubeにも上げるほうがいいですね。

きょうこ:コンテンツのコンバーター(変換する装置→コンテンツをプラットフォームの特徴に合わせて変換できる人のこと)が大事だとおっしゃってましたね。テキストから動画へとか、テキストからイラスト図解へとか。

おおき:同じ内容を別のプラットフォームに変換できる人のニーズが高まってますね。

とにかく、今後のトレンドは動画なので、動画のSEOに注力することが求められています。「SEO=テキストコンテンツをどうにかすること」という発想から前に進めたほうがいいですね。

きょうこ:なるほど……。そして動画のなかでも、ショート動画がもっと流行ると。

おおき:InstagramにしてもFacebookにしても、いろいろなSNSがショート動画を優先しています。それは、ユーザーにとってショート動画のほうが見やすいからですが、ショート動画をどんどんスクロールさせて滞在時間を長くすることを各SNSは競っています。

SNSも結果的には広告媒体なので、滞在時間が長いほうが広告主に対しても大きなインプレッションを提供できる。なので広告媒体として有利になるため、長く滞在させられるショート動画を推している、ということですね。

SNSでそういう流れなので、Google検索でもショート動画を推してくるのは十分ありえます。今後、検索結果の上位にショート動画の枠が表示されることも増えていくかもしれません。
 

ポイント!
  • コンテンツはテキストだけでなく、動画でもつくること。
  • そして動画のSEOをしっかり対策しよう!

⑤被リンク獲得はもっと戦略的に!

おおき:5つめは「被リンク」について。被リンクが大事だということは、みなさんもよくご存じだと思いますが、今後は日本でも被リンクの獲得の仕方が変わっていくんじゃないかと。

英語圏の事業会社だと、SEO担当者は被リンク獲得施策をゴリゴリやっていますし、社内に被リンク獲得の専門チームがあったりして、そのくらいSEO施策の中でも被リンクの獲得にはウエイトを置いています。

日本の会社で、被リンク獲得専門の担当者がいるところって、まだほとんどないんじゃないでしょうか。被リンク獲得に対する意識で、日本と英語圏ではギャップがあるので、日本でもそのうち追随していくと思います。

きょうこ:被リンク獲得は、SEOにとって重要なのはもちろんのこと、会社の広報やブランディングにとって不可欠になってるということですね。

おおき:先日Twitter上で「被リンク獲得に特化したサポートサービスをやります」って募集したら、すごい数の依頼をいただいたんですが、潜在的なニーズが高いのは感じています。ただ、これはいわゆる「SEO会社」さんだと、やり方がわからないと思います。

きょうこ:どういうことをするんですか?

おおき:被リンク獲得施策というと、昔は、いろいろな会社の問い合わせ窓口にお願いメールを送りつける、みたいなことをやっていたと思うんですが、いまの時代にそんな一方的でデリカシーのないことをやったらSNSに晒されたりするリスクがありますよね。

なので、相手方にとってもリンクを張るメリットがあるコンテンツをつくったり、メリットのある提案をしたりなど、依頼の仕方を考えないといけない。ということはやっぱり、本質的には広報活動なんですよね。

さっきの「広報が大事」という話と重なるんですが、被リンク獲得はSEOの文脈ではなくて、広報とセールスにまたがった活動なんです。

きょうこ:なるほど、広報活動の一環として被リンクもお願いする、友好的に相互リンクし合うみたいな作戦ですね。

ちなみに、おおきさんが、どこかの会社の被リンク獲得を支援する場合、具体的にはどんな作業をするんでしょうか?

おおき:会社によって課題がさまざまなので、まずは分析から入ります。競合他社と自社の被リンクを一つひとつぜんぶ見ていき、他社にあって自社にないもの、逆に自社の強みは何なのかを分析します。たとえば、競合にはこんなコンテンツがあるから被リンクが多いんだな、とかがわかってくるので、その差分を埋めていったり。なので、逆算してコンテンツの企画もしますね。

きょうこ:逆算したり先回りしたりして、被リンクを獲得しやすいコンテンツをつくることが必要なんですね!
 

ポイント!
  • 広報活動の一環として、被リンク獲得をがんばる。
  • 被リンクを獲得しやすいコンテンツをつくろう。

きょうこ:今日はめちゃめちゃ勉強になりました! ありがとうございました!

まとめ

広報活動の大切さをひしひしと感じた、今回のおおきさんのお話でした。

陸の孤島にならないように……! おおきさん、どうもありがとうございました!

そして後日談

上記の動画SEOのところで紹介したミエルカチャンネルの検索結果について、「スクショを掲載させてください!」と、いつもお世話になっているミエルカ片山翔仁さんにご連絡したところ……。

すぐにOKのお返事をいただくとともに、すかさず(!)「ミエルカミエルカコネクトへのリンクも張っていただけたら嬉しいのですが……!」とキュートなお願いをいただきました(笑)。

これぞまさに! 今回の記事の重要ポイント「被リンク獲得は広報活動の一環として、礼儀正しく、かつアグレッシブに」をナチュラルに体現している好例ではありませんか!

というわけで、私も愛用しているSEOツールミエルカと、優秀なWebマーケター専門の業務委託マッチングサービスミエルカコネクトに謹んでリンクを張らせていただきます。

今回はSEOの話というより、なんだかずっと昔に勉強した人類学のこと、マルセル・モースの贈与論クロポトキンの相互扶助論を思い出したりしました。被リンク獲得って、つまり、アメリカ先住民のポトラッチやパプア・ニューギニアのクラ交易みたいに、人類が太古の昔から続けてきた贈与と返礼の儀式のデジタルバージョンなのかも、なんて思ったり😊

要するに、お互いに助け合って共存共栄していきたいですね!