みなさんこんにちは、マーケター兼編集長代理のまこりーぬ(@makosaito214)です。
編集長代理の立場となり約3ヶ月経ちました。いままでは自分が書いたコンテンツにばかり向き合ってきましたが、この3ヶ月は自分ではない誰かが書いてくれたコンテンツに向き合う時間が随分と増えました。
当LIGブログは全社員で記事を書いています。みんな決してプロのライターではなく、文章を書いてきた経験も人それぞれ。しかしあらゆる職種で活躍しているメンバーだからこそ、プロのライターにも決して書けないような一次情報満載のすばらしい記事がたくさん生まれます。
我々編集部は、その原石のような記事を1人でも多くの方に届けられるよう “伝え方” を磨くサポートしています。その一環として今回は特別に3名に協力いただき、通常の5倍くらいしっかりめにフィードバックさせてもらいました。この過程で改めて見えてきた「ライターではない人が陥りがちな文章例」「伝わる文章のキホン」をお届けします!
これから情報発信していきたいなぁ、とお考えのみなさんの参考となれば幸いです。
目次
1人目:トピックス盛りだくさんの天ちゃん
1人目はWebクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」の運営スタッフ天ちゃん。「いろんなタスク管理ツールを試した結果、ようやくNotionに落ち着きました!」という内容の記事を書いてくれました。
天ちゃんは疲れている仲間にそっとお菓子を差し出してくれるようなステキな女性なんですが、そのサービス精神旺盛さが文章にも出てしまっており、いわば幕の内弁当のようなトピックス盛りだくさんな記事になっていました。
たとえば、タスク管理術のなかに「思考整理術」が混ざっていたり。
冒頭の自己紹介が手厚かったり。
周辺のトピックスがボリューミーな結果、「タスク管理術について知りたかったんだけど、なんだかアレコレ書いてあったので肝心な部分が薄かったなぁ」という読了感を与えてしまっていたんです。
ということで、タスク管理術以外のトピックスは思い切って削り、核となるタスク管理術については加筆してもらうようフィードバックしました。
完成した記事が、こちらです!!!
ケアレスミスが多い私が試してよかった2つのタスク管理方法
また、思い切ってタイトルを変更することで多くの同じ悩みを持つ方に届けることができたのではないかと感じています。
本当にめちゃまとまりました。ご協力ありがとうございました!
2人目:さらっと読み終わってしまうイチロー
2人目はアカウントプランナーのイチローです。初稿のタイトルは「20代はどんな働き方をすれば伸びるのか?輝かしいキャリアを歩む会社の先輩に聞いてみた」。なんと自主的に先輩社員にインタビューして、5,000文字超の原稿にまとめてきてくれました! ナイスチャレンジ!!! なんですが……
太字やハイライトなどの装飾がなく淡々と会話が進むために、さらさら〜っと読み終わってしまいました。「あれ、山場はどこだったんだろう……」という読了感に。
ラストに感想をまとめるパートもなかったので「このインタビューでなにが一番伝えたかったんだろう?」という気持ちになりました。
今回の記事にもっとも興味をもってくれるのはイチローに近い若手社会人で、「うわ、この悩みマジわかるわ〜」「先輩社員のてっぺーさんいいこと言うな……」と共感をしてくれる人たちです。しかしイチロー自身の感情の起伏が伝わってこないために、共感したくてもしきれない……という状態でした。
ということで、「自分の心が動いた部分を強調してみよう」とフィードバックしました。
完成した記事が、こちらです!!!
20代前半ではどんな働き方をすれば成長できるのか?元アクセンチュアの先輩に聞いてみた
また、記事のネタやインタビュー内容はとても良いものだったと思う一方で、僕のインタビューを通して感動したことが、読者も同じように感じられるか不安もありました。そこを太字やハイライトなどの装飾を施すことで、より伝わりやすい記事になったと思います。
結果的に今まで僕が執筆した記事のなかで1番高いPVを獲得する結果となり、ブログ執筆に対する自信を持つことができました!
そうそう、読者視点は超大事なんですけど、書き手の思いも実は超大事なんですよね。ご協力ありがとうございました!
3人目:ハイコンテクストな社長大山さん
3人目はなんと、社長の大山さんです。大山さんにはもっともっと情報発信していってもらいたい……という願いを込めてご協力をお願いしました。
ありがとうございます。社長にフィードバックさせていただき大変光栄です。
大山さんの初稿のタイトルは「LIG新規事業のハイパーカジュアルゲーム事業からリスクのとり方を学ぼう!」。ローリスク・ハイリターンな新規事業も目指せるという、経営者である大山さんにしか書けない魅力的な記事でした。
……しかしながら、タイトルの「ハイパーカジュアルゲーム事業」で一瞬「?」となりますよね。馴染みのない言葉って読み進める上で弊害になりがちです。
また、大山さんは語弊のないようきめ細やかに補足されるタイプなので、文章でも突然の補足が入ることがありました。
読み進める上で立ち止まってしまうポイントが多いと、「なんだかこの記事は理解するのに時間がかかって難しいな……」という印象を与えてしまい、離脱の原因になります。
ということで、「読者にとって “?” がつきそうな言葉は言い換えたり、必要なければ削除しましょう!」という方向性でフィードバックしました。
完成した記事が、こちらです!!!
ローリスク・ハイリターンは実現できる!新規事業におけるリスクとの向き合い方
ちなみに、大山さんには3回くらい「改行を減らしてください」とフィードバックしましたが、なかなか減らないので「すみませんお手本を見せます」と最終的には私が手を下してしまいました。申し訳ありません。
お忙しいなか、ご協力いただきありがとうございました!
より伝わる記事にするための5つのSTEP
ここからは3名に対するフィードバックを通じて改めて気づいた、より伝わる記事にするための5つのSTEPをまとめます!
①まずは伝えたいことを1文にまとめる
伝えたいことを絞る。ものすごく当たり前のことではありますが、やっぱりこれが一番大事です。伝えたいことがあいまいな記事で読者になにかを伝えるのは100%不可能だと思います。
よくあるNGパターンは、「Googleアナリティクスの使い方」など、伝えたいことが漠然としているケース。「メディア運営者が日々チェックすべきGoogleアナリティクスのレポートの作り方」くらい具体的だとギュッと密度の濃い記事になりますよね。単語ではなく “文章” レベルで伝えたいことを具体的にまとめるのがオススメです。
また、インタビュー記事の場合は取材で聞けた内容によって伝えたいことが変わるケースもあります。録音データを聞き返しながら、「この記事ではこれをサビにしよう!」と改めて情報を整理するようにしましょう。
②一番興味をもってくれそうな人の顔を思い浮かべる
SEO記事や記事広告の場合は “ターゲットになに伝えるかありき” だと思いますが、当LIGブログのように「仕事を通じて得たナレッジをシェアしよう!」というコンセプトで社員に記事を書いてもらっている場合、書き始める時点でターゲットが明確ではないことがしばしばあります。
どちらかというと “伝えたいことありき” なので、そんなときは「この記事を世に出したときに一番喜んで読んでくれる人は誰だろう?」と考えてみると、ターゲットが明確になります。
この工程が抜け落ちると、続く③のタイトル設定や冒頭文でコケてしまいます。タイトルや冒頭文は「この記事はこんな人におすすめです!」「こんなお悩みを解決できます!」と端的に伝えることで読み進めてもらえるよう工夫しましょう。
③「読みたい!」と思わせる動機をタイトルにいれる
記事の入り口となるタイトルでは、クリックしてもらう、つまり「読みたい!」と思わせる動機を作る必要があります。読む動機は「役立ちそう!」「おもしろそう!」「あるある!(共感)」の3つが多いため、どれかに当てはめるつもりで考えてみるとよいでしょう。
- ミスが多い私がたどり着いた超おすすめタスク管理方法3選(役立ちそう)
- タスク管理ツール「Trello」vs「Notion」、あなたはどっち派?(おもしろそう)
- どのタスク管理ツールも定着しない!困った私がたどり着いたツールとは(あるある)
タイトルのよくあるNGパターンは、本文で書いていることを包括するような、抽象度の高い言葉でまとめてしまうことです。「私のタスク管理方法について」だと、読む動機がないですよね。
④すっと理解できる言葉へ言い換える
続いて地味に大事なポイントは、言葉の言い換えです。いくら自分がふだん使っている言葉だとしても、それが相手にすんなり伝わるかどうかは別問題。馴染みのない単語が目の前にくると一瞬読み進める手が止まってしまうので要注意です。
大山さんの記事の「ハイパーカジュアルゲーム事業」のように、必然性がないのなら、あまり知られていない単語や固有名詞をタイトルに入れるのは避けましょう。
逆にイチローの記事の「輝かしいキャリアを歩む会社の先輩」は「元アクセンチュアの先輩」と言い換えたほうが、より短文で具体的なイメージを湧かせることができます。認知度の高い固有名詞は取り入れてみるのも一つの手ですね。
⑤他人からフィードバックをもらう
さいごはもはや書き方ではありませんが…… ①〜④を執筆者自身の視点だけで完璧にするのは結構、ものすごく、大変です。一生懸命書けば書くほど客観視が難しくなっていく罠です。
元も子もない話ですが、伝わる文章を作りたいのなら、自分一人でなんとかしようとするのではなく、積極的にフィードバックをもらい客観的な視点を取り入れることが間違いなく一番の近道でしょう……!!!
さいごに
今回の取り組みを通じて、1回フィードバックするだけでも見違えるように文章が変わることを実感しました。伝え方を磨くことで、もっともっと多くの方に記事を届けられることを確信しています。
しかしもちろん伝え方以前に、「伝えたいことがメディアの方針とズレているケースはどうするのか」「伝え方のフィードバックを気持ちよく受け入れてもらうためにはどうするのか」など、全社の取り組みとして動かしていくにはまだまだたくさんの壁があります。一つひとつ、着実に実行してまいります!
以上、まこりーぬでした!