こんにちは。10月からLIGの代表をしております大山(@oyama_tomohiro)です。
今回はLIGの新規事業として育てているハイパーカジュアルゲーム事業を通じてリスクのとり方について書いてみます。
誰もが理想と考えるであろう、「ローリスク・ハイリターン」。ハイパーカジュアルゲーム事業はまさに「ローリスク・ハイリターン」だと思っており、その理由を解説していきます。
新規事業を行うことをリスクとして捉え、なかなか新規事業を始めることができない経営者や新規事業担当の方々に、少しでも参考になればという想いで書いてみました。気軽に読んでもらえると嬉しいです。
目次
リスクは会社によって異なる
経営者だけでなく、誰もがリスクについて考え、行動していると思っています。例えば、家を購入するとき、このように考えるのではないでしょうか。
「現状の年収は●●●万なので、●●●●万の物件を購入するとして●●年ローンであれば購入しても問題ないかな? 現状の年収よりはおそらく今後上がると思うので、購入して問題ない。だけど、この金額より高い金額だと少し怖いな・・・」
上記と異なった想定をする方はいるとは思いますが、このような考え方をする方は少なくないと思います。このようにリスクとは、「人それぞれで感じ方が違う」と言えます。人それぞれ貯金している金額も違いますし、もらっている給与も違う。もしかしたら代々築き上げてきた財産も違うかもしれませんので当り前ですよね。
会社経営も基本的には同じかと。現状の財務状況がどのような状況にあるのか? どんなビジネスモデルで事業を行っており、毎月の収支状況がどのような状況にあり、今後どのようになると予測できるか次第で
リスクという化け物
の考え方が変わってきます。ある会社によっては「1億円の新規事業への投資」は全くリスクと感じない場合もあると思いますし、かなりのリスクと感じる会社もあるということです。
そのため、リスクとは会社においては会社全体を見渡して想定するものということができます。皆さんにとって、会社はこんなことを行ってリスクが高いのでは? と思うことも、もしかしたら全体を見渡すと、リスクがかなり低いものなのかもしれません。
ハイリスク・ハイリターンvsローリスク・ローリターン
金融商品でもハイリスクハイリターンとローリスクローリターンを選択できるケースがあると思います。リスクにおいての話をするときこの2つのケースが取り上げられがちですが、「本当にこのどちらかしかないのか? ローリスクハイリターンはないのか?」を模索するのを常に意識することが大切だと思ってます。
現状のLIGの経営においては、少しでもリスクをなくしていきたいし、むしろリスクを限りなく0にしていかなければいけない状況でして、、、
ただ、一方で売上・利益を拡充していかないといけない。そこでピッタリだったのがハイパーカジュアルゲーム事業だったわけです。つまり、私の中ではハイパーカジュアルゲーム事業は「ローリスクハイリターン」を狙える事業だと考えてます。
なぜハイパーカジュアルゲーム事業はローリスク・ハイリターンなのか?
そもそもハイパーカジュアルゲームとは何なのかという説明からしますが、定義が非常に曖昧ですので、いくつかの表現で私なりにわかりやすい表現に置き換えて説明します。
- 国籍を問わず誰でも気軽に遊べるゲーム=言語(Ex.日本語/英語)に関係なく遊べるゲーム
- 広告によるマネタイズが主軸である=課金モデルが主軸ではない
- ものすごいカジュアルなゲーム(笑)
です。定義の説明はこの記事の主題からはズレるので、定義はこのあたりにさせていただき、ハイパーカジュアルゲームにおいてのリスクのもととなる重要指標をまずはご説明します。最上位指標は
LTV>CPI
になります。LTV(Life Time Value)、CPI(Cost Per Install)の略で、直訳するとLTV=1ユーザーあたりがアプリをインストールした後に発生した収益累計、CPI=1インストールにかかった費用、という感じでしょうか。
この大前提をクリアするために検証をしているのが、以下の4つです。
- CPI<0.4$
- LTV>0.4$
- day1リテンション>35%
- プレイタイム>500秒
※day1リテンション>35%とは、今日ゲームで遊んだユーザー全員のうち、明日も遊んでくれた割合が35%以上いるという意味です。
会社によっては若干、数値が異なるケースがあると思いますが、LIGとしてはこの値を指標としています。
そもそものゲーム制作の流れとしては「プロトタイプ→広告テスト→一部開発→継続率テスト→ローンチ→本格的に広告運用」になるのですが、この広告テストのフェーズでFacebook広告を使ってCPI<0.4$を検証していきます。
ここで一旦リスクの話に戻ります。
先に広告費使っているし、リスク大きいでしょと思われた方もいるかもしれませんが、ここに使う広告費は当社にとっては軽微なものとして捉えており、ハイリスクという位置付けにはなりません。
この検証をクリアしたあと、そのほかの指標を検証するために完璧を目指すのではなく、一部を開発します。イメージとしてはステージ1~10まであるべきゲームをステージ3まで作って検証するといった具合です。
そして、すべての指標をクリアできる状況が見込めたらローンチし、本格的に広告費を積み上げます。このときには「広告出稿費<広告収入」が成り立っていますので、ほぼ間違いなく、利益が生み出せるわけです。
開発に当てた人材投資はハイリスクじゃないの?
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます! 長い文章ですが、もう少しお付き合いください。さて、ここまででリスクに関してもう1つ違和感を感じる部分があると思います!
それは、「デザイナーや開発人材が先出になっているので、結局大きなリスクじゃないか!?」という点だと思います。結論、ここも当社にとって大きなリスクではないと考えてます。なぜか? をご説明します。
当社はBiTT開発という新しいオフショア開発の形をご提案しているのですが、もし仮にパブリッシャー(ゲームの発行主体)としてうまくいかなかった場合は「BiTT開発×ゲーム」という切り口で何度も検証の経験をした人材をクライアントへご提供できると考えるためです。
つまり、ゲームディベロッパー(ゲーム開発のみをする役割)となることでゲーム開発会社として収益を上げるビジネスに変化するということが容易ということです。
「パブリッシャーとしてチャレンジ=ゲーム開発人材の強化」とも言えるので、数年後にたとえパブリシャーとしてうまくいかなくても、十分に今いる人材と一緒にディベロッパーとして事業を成り立たせる可能性があると考えているため、リスクではないということです。
以上のロジックにより、ローリスクハイリターンを実現できると考えます。
LIGのハイパーカジュアルゲーム試作品のご紹介
このようなリスクの取り方をしながら、11月以降いくつかのハイパーカジュアルゲームをローンチできるのでは? と想定してます。
いかがでしたでしょうか? リスクを恐れることなく、日本から世界をかえるようなサービスがどんどん出てくることを願います!
最後に企画段階でボツになったゲームをご紹介しますw
ローリスク!!!www
では、皆さんもローリスクハイリターンで人生を豊かにしていきましょう!