こんにちは、メディアディレクターのころもです。
私は普段LIGブログのPR記事制作を担当していますが、PRの対象となる商材は有形無形、BtoB、BtoC問わず、多岐にわたるジャンルの記事を制作しています。
地方創生もその一つで、コロナ禍で働き方が多様になった今、特にワーケーション誘致や移住促進の目的のもと、地方や離島のPRをご依頼いただく機会が増えました。
東京から約1時間で行ける「式根島」でワーケーションを体験してきた 北海道、利尻島(利尻町)で本気でワーケーションをしてきた
旅系ロケは、新しい地で新しい人と触れ合うことで、仕事ながらも刺激や学びがとても多いです。その反面、取材に行く前には予想できなかった展開やイレギュラーもつきもの。
取材にあたって、現場での立ち回りや事前の準備などやることは他の記事でも基本的に一緒ですが、旅ロケは実際の現場でどんな体験ができるかは具体的には読めず、現地で判断しなければいけないシーンが少なくありません。というわけで、旅系ロケそして記事を成功に導くために気をつけておきたい10のポイントを自分なりにまとめました。
自分と同じようなコンテンツ制作担当者さんの参考になれば幸いです!
目次
出発前
1.取材する土地についてのリサーチをしておく
まずはごく当たり前のことですが事前リサーチです。インタビュー記事で取材する前に、著書を読んだりnoteやTwitterを読んで相手のことについて調べるのと同じですね。
通常、クライアントや現地担当者から事前情報をいただいたり、滞在期間中の行程表をいただく場合が多いので、ある程度その地について知ることはできます。
しかしそれのみに頼るのではなく、自分なりに調べておくことでその土地について知らない人、つまりターゲット目線で気になる点や魅力的なポイントに着眼できるかもしれません。
また事前情報があることで、現地に行った際に深掘りした質問ができたり、体験を通して感じ取れることも変わってくると思います(歴史を学んで旅行に行くと、より味わえる感覚と近いですね)。
2.記事の明確な目的をクライアントと擦り合わせておく
一言に「地方創生」と言っても、その地によって観光客を増やしたいのか、ワーケーションを誘致したいのか、移住者・定住者を増やしたいのかなど目的は異なります。
例えば、「ワーケーションをきっかけにこの島を好きになってもらって、ゆくゆくは移住して島の将来を担ってくれるような人を呼び込みたい」という目的の場合も、ゴールをひとかたまりにせず、まずはこの記事の一番の目的を”ワーケーション誘致”なのか”移住促進”なのかを明確にすべきだと考えます。
もちろんこの場合どちらも目的ではありますが、何を記事のゴールにするかによって記事での紹介内容が変わってきます。
ワーケーション誘致が一番の目的ならば、仕事ができる環境があるかどうかや、そこでワーケーションすることの楽しさをメインに伝えるような内容になり、移住促進が一番の目的ならば、内容は居住環境や補助内容・コミュニティなど、移住を考えたときに気になることにも触れるべきです。
なので、まずはこの記事でクライアントが目指したいと思っている第一ステップを事前に擦り合わせるようにしておくといいでしょう。
3.確実に紹介したいポイントは事前に擦り合わせしておく
▲東京都・式根島で宿のおかみさんにおすすめスポットを紹介してもらっている時の様子
2つ目の「記事のゴール」と近いですが、旅系ロケは最短でも1泊2日や、長いと一週間など取材させていただくため、通常よりも取材内容が盛り盛りになります。体験したことをすべて記事に盛り込むとすごいボリュームになり、何を伝えたいのかわかりにくくなります。
また、旅系記事は事前に構成案を作っていても、実際に行ってみないとわからないことや構成案通りにならないことのほうが多いので、事前にマストで抑えたい事柄や優先順位をクライアントと擦り合わせておくと、記事執筆のときに迷走せず調整しやすいですね。
4.余裕を持たせたプログラムにしてもらうよう事前に握っておく
クライアントや現地担当者に滞在期間中のプログラムを組んでいただく際、ありがたいことに我々取材陣に色々と体験してもらいたいということで、体験内容を盛り沢山にしていただく場合があります。
こちらとしても限られた時間の中でめいいっぱいその地の魅力を吸収したいのですが、天気次第でできることが左右されたり、現地に行ってから「これ撮影しときたい!」という事柄に出会う可能性もあります。
その可能性を見越して、プログラムは詰め詰めにせずイレギュラーに対応できるような余裕を持った行程にしておくよう話しておくといいです。
5.ノイズ除去精度の高いレコーダーを持っていく
これも旅系にかかわらずインタビューのときはレコーダーもしくは携帯の録音アプリを使用することは一般的かと思いますが、こないだ遠方に3泊4日のロケに行った際に重要性を改めて感じたのでピックアップしておきます。
通常のインタビューですと机に向かってパソコンでしっかりメモを取れますが、旅系ロケの場合は施設を見学したり外で歩きながらお話を伺うことも多いので、メモは携帯に打ち込むことになります。
人によりますが、パソコンよりは打ちにくくて十分にメモをとれないので、レコーダーで確実に録音できているといいでしょう。また、前述の通り施設内や屋外で取材するシーンも多く、雑音が混じるため、できるだけノイズ除去精度の高いレコーダーを用意しておくとよりいいですね!
6.他の仕事は前倒しで消化しておき、滞在中はロケに集中する
個人的に旅系ロケで毎度実感することの第一位です。至極当たり前のことではありますが、思った以上に滞在中は他の仕事をする時間がありません。
当然、取材・体験している日中は無理で、朝や夜やればいいやと思っていても、遠方取材の夜は遅く、朝は早いのです。夜は交流会でなど盛り上がりますし、朝は釣りやアクティビティで早朝出発が基本(それが楽しいのですが)。
ワーケーション体験として行ってる場合は、プログラムの中にしっかり仕事時間を設けていただいている場合もありますが、やはり取材がメイン。
他の仕事は出発前までにクリアにしておいて、滞在期間中は現地での体験に集中できるようにしておくことをオススメします(移動の車の中で仕事しようとすると酔うよ)!
滞在中
ここまでは出発前の事前準備の話をしましたが、ここからは滞在中に気をつけておきたいことをまとめます。
7.カメラマンの動きを常にチェックしておく
▲東京都・新島の公共露天風呂にて、自らも入浴するカメラマン
こちらも旅記事にかかわらずですが、通常の取材と比べて場面転換が多い上に、事前に想定カットを細かく決めにくいという特徴があるので、その場で抑えるべきカットを判断する必要があります。
ディレクター自身も取材の進行をしたり、インタビュー内容を聞いたりとやることは多いですが、写真も通常より変数が多いのでカメラマン任せにせず、しっかりカットを抑えられてるか確認するべきですね。
いちいちその場ですべてのカットのプレビューを確認する時間はないので、カメラマンの動きやカメラを向けてる方向などを見ながら「あれ、もしかして引きの全体像撮れてないのでは?」など気にして指示できるといいと思います。
8.撮影データは1日終わるごとにアップして、しっかり内容を確認する
これは至極当たり前のことですが、滞在期間が多いほどデータも大量になるので、最後にすべてをまとめて確認するのではなく、1日終わるごとに忘れずにカメラマンとチェックしておきたいですね。
シーンごとにチェックできるのが一番いいですが、それが難しい場合は最低でも1日終わるごとにチェックしましょう。漏れがあった場合は滞在期間中に補うことができます。
9.現地の人と打ち解けることが得意なメンバーを連れていくとなお良し
▲北海道・利尻島にて、居合わせたみんなで乾杯。デイキャンプのひととき
現地の人との交流から、ふとその地の本当の課題感を知れたり、取材ではわからなかったその地の魅力に気付いたりすることがあります。
しかしそのような話を引き出せるのは誰にでもできることではないと私は思っていて、やはりとけ込むことが得意だったり、いろんな経験や知見があってクリティカルな質問ができるからこそ引き出せるものだと思います(例えば移住がテーマなら、移住を考えたことのある人やしたことのある人だからこそ生まれる質問がある)。
もちろん自分がその役割を担えるならそれに越したことはないですが、得意不得意があります。なので私は複数メンバーで行ける場合は、人と打ち解けることが得意なメンバーをアサインするようにしています。
10.とにかく楽しむ!
ここまで真面目な話をしてきましたが、とにかく自分がその土地やそこに住む人に触れて魅力をめいいっぱい感じとることが最も大切です! そのためにはターゲット目線となって、楽しむことも大事! 取材者自身が本気で楽しんでないと、記事からもその地の魅力は伝わりません。
そして、住民と打ち解けることのできるメンバーを連れてくべきと前述しましたが、自分もできる限り積極的に現地の人と関わることをオススメします! なぜなら自分の目で見て耳で聞くからこそ、発見できることがあるからです。
まとめ
以上、地方創生の旅系記事を成功に導くためのポイントをまとめてみました!
あとはとにかく、一緒に課題解決したいという気持ちを常に持って進行すれば、きっと素敵な記事になることと思います。
遠方取材を控える方の参考に少しでもなっていれば幸いです!