こんにちは、先日LIGの社長を退任してライターとして活動を開始したゴウです。
さて今回は、ライターとしての仕事の第一弾で、北海道利尻島(利尻町)へLIGメンバーとワーケーションをしに来ました。
利尻島は北海道北部の沖合に浮かぶ離島です。利尻島は1島2町(利尻町・利尻富士町)から成る島で、今回は利尻町にやってきました。
上空から見るとこんな感じの島で、島の中心には日本百名山の1番目「利尻山」が聳えています。
利尻島へのアクセスは飛行機とフェリーがあります。飛行機の場合、新千歳空港→利尻空港(6月〜9月のみ運航)か札幌にある丘珠空港→利尻空港(通年運航)で、フェリーの場合は稚内港から鴛泊港まで季節によって2〜3便運航しています。今回は飛行機の旅でサクッと半日ほどでたどり着くことができました。
今回お世話になる、利尻町定住移住支援センターツギノバへやってきました。
コワーキングスペースも併設されているようなので、3泊4日の日程でこちらで仕事をしながら利尻島を楽しみたいと思います!
こちらの男性はLIGのディレクターのたまさん。2年ほど前に初めて利尻島を訪れたのをきっかけに、季節ごとに長期滞在をしながら働いていて、今回も1ヶ月ほど滞在しながらWebディレクションの仕事やシャケ釣り、登山などを楽しんでいるそう。
今回のお仕事も彼がきっかけとなって、依頼が来ました。ありがとう!
こちらの男性はツギノバを運営しているの大久保さん。2020年7月に利尻町で一般社団法人を設立し、利尻町の定住移住支援などの取り組みを行っている方です。
利尻町にはどういう可能性があるのか、色々と聞いてみたいと思います!
この地域にあった沓形中学校が2017年に廃校となり、その再活用としてツギノバが作られました。もともと、技術室だった場所に定住移住支援センターが設けられ、テレワークやワーケーションの拠点となるコワーキングスペースとして活用されています。この形の木の椅子、懐かしい!
施設内にはカフェも併設されていました。地域の人たちが利用するきっかけとなってもらいたいという気持ちから作られたそうです。カウンターは手作りで、利尻島で産出する火山岩を積み上げてデザインされていました。カッコいい!
趣味でコーヒーの焙煎をしているたまさんが、こちらのカフェにコーヒー豆を卸しているそうです。自分の会社の社員ですが、働き方が自由すぎてびっくりしますね(普段何してるのか全く知らなかったので)。
旧沓形中学校の閉校後、町民向けの定住支援や町外からの移住希望者への相談対応などを目的とした利尻町定住移住支援センターツギノバが出来上がり、現在は一般社団法人ツギノバが町から委託をされて運営しているとのこと。
一旦、Twitterでも見てゆっくりしてから……
建物全体を案内してもらいましょう!
カフェラウンジを併設した定住移住支援センターの隣にあるのが音楽室をそのまま利用した、オトノバという多目的スタジオ。
利尻島では楽器を演奏できるスペースが少ないそうで、ここで島内外のさまざまな人たちがピアノやバンドの練習、動画視聴などをしているそうです。
有志の方たちが寄付してくれた楽器がたくさん並んでいました。
軽くジャムってみたんですが、大久保さんが8オクターブの声域を駆使してラップで利尻島の説明をしてくれました。ありがとうございました。
続いて体育館を案内してもらいましたが、ぱっと見でワクワクするようなギアが大量に置かれていました。
ランプも置いてあるとか……めちゃいい体育館の利活用だなこれ……
SUPにサーフボードに……
アップライトピアノもある〜(ピアノが趣味です)
ここの体育館を拠点にして、利尻島でアクティビティツアーを行っているユウヒ君。もともと、環境省のアクティブレンジャーとして活動していたが、利尻島でガイドをやるために起業。SUP、スケボー、サーフィン、マウンテンバイク、スノーボードなどを駆使して、利尻島のフィールドを開拓しているそうです。
この体育館もまだまだ改装途中らしく、来年は人工芝を敷いたり、壁一面にボルダリングのウォールを作ったりしたいそうです。
仕事の合間に体を動かして遊べるって、最高じゃないか……!
さて、現在校舎で使っているのはここまでで、他の教室などはまだ手付かずのまま残されていました。大久保さんは、毎年ちょっとずつスペースを拡張しながら、人を呼び込み、校舎全体を活用していけたらと考えているとおっしゃっていました。
2017年に閉校となった中学校の校舎を利活用しているので、ツギノバの利用者には旧沓形中学校の卒業生の方々が多くいて、中学生だった頃の思い出をスタッフに話してくれる方もいるんだとか。とても素敵ですね、そういうの。
時が止まったかのような校舎が、徐々にまた人々が集まり出して、活気を取り戻していく。そのプロセスに関わってくれる仲間をもっと増やしたい。建物が巨大なだけに、エネルギーや人数が必要ですが、確実にそうなる方向に向かっているなと感じました。
至る所に、子どもたちの思い出や気配を感じました。
2021年度中には、いくつかの教室はシェアオフィスとしてリノベーションをして貸し出していくそうです。教室を1つ丸々使えるタイプから、1〜2名程度が入れる個室ブースまで、さまざまなタイプを整備予定とのこと。このように企業を受け入れる場があるのは地域にとっても非常に有益ですよね。どういう形で生まれ変わるのか、楽しみです!
校舎の2階からは海がよく見えました。良い。
校舎って無条件でノスタルジックな気持ちになりますね。
「この雄大な利尻島にもっと人々が訪れて、好きになってもらって、ワーケーションもやってもらって、そんなきっかけになる場としてツギノバが機能すればいいなと思っているんですよ」
そう、大久保さんが8オクターブの声域を駆使してつぶやいていたのがとても印象的でした。
シャケを釣って、いくらをGETしよう!
さて、ここからは個人的にめちゃくちゃやりたかった利尻島の自然を満喫したいと思います! 具体的に言うと「シャケ漁」です。大好きないくらがまさに旬……利尻島ではシャケ釣りができるとのことなので、朝4時に起きて釣りに出かけました!
たまさんは、利尻島でワーケーションをしながら頻繁にシャケ釣りに出かけて、連日釣り上げているそうです。俺も! 釣りたい! いくらを! 食べたい!
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はい! 釣れましたーーーー!!!
2時間くらい粘ってなんとか釣れました! 水中でうじゃうじゃと泳いでいるのが見えるのに、なかなか食いついてくれないから焦りましたが……よかったー(記事的に)!!!
海で血抜きをして……
腹を捌いていくらを取り出して……(これがやりたかった!いつも食べているいくらが、どのようにして手に入っているのか……その大元の経験をしたかった)!
ツギノバに戻ってキッチンをお借りして、捌いて……
いくらは、下処理をして……
お醤油ベースのタレに漬け込んで……
寄生虫対策で一回凍らせた切り身にいくらを乗せて……
うっまwww
勝ちました。ありがとうございます。人生でやりたいことリストに入っていた「シャケを釣っていくらを取り出して食べる」が叶った瞬間です。おめでとうございます。
ウニ漁して、ぱっかーんして、食べよう
利尻島はウニ漁が盛んです。そしてそのウニ漁を支えるのがこちら、利尻町ウニ種苗生産センター。ウニの人工授精、孵化、育成、放流までを行う施設です。
ずらーっと並ぶ、ウニを育成するための水槽。
1年育てたエゾバフンウニ。だいたい年1cmくらいの成長スピードらしく、このサイズになったら、海に放流しているそうです。その数、年間で400万匹! ここでの育成、放流によって利尻島のウニ漁は支えられているんですね。
施設スタッフの石川さんが、生まれたてのウニの観察調査をしていたので、見せていただきました。
顕微鏡を使って
ウニが今どれくらい育っているかをチェックしていました(ウニの赤ちゃんってこんななんだ……)。
施設内にあった「ウニの餌」ガチャポン。
100円でウニの餌(昆布)を買うことができます。
これ水槽の中にいるウニにあげることができます。
が、ご想像の通り、ウニは餌付けをしたからといってそんな勢いよく食いつくわけでもなく……ただ、水槽にゆっくりと昆布が沈んでいきました。施設の人が「そのうち食べると思います」と言っていたのが印象的でした。非常にシュールだな、と思いました。
さて、次は神居海岸パークへとやってきました。ここでウニ採り体験をしたいと思います!
船に乗って、水中を覗くための筒? みたいなのを貸してもらいました。
これで覗き込みながら……
タモでウニを捕獲します。
採れたキタムラサキウニ。左側の大きいやつは8年くらいの大きさだそうです。右はおそらく4年くらい。全然大きさが違う!
専用のウニを剥く道具で……
ぱっかーん
丁寧に、身を崩さないようにウニを取り出していきます。利尻島では、少しでも身が崩れると出荷できない決まりがあり、島全体でウニのブランド、クオリティを守っているそうです。ウニの身はとても繊細で柔らかく、力加減を間違えるとすぐに身が崩れてしまいました。これを大量に剥くのは大変だ……
こうやって、育成から漁、殻向きを経て我々消費者の元へと運ばれていくウニ。今回、同じキタムラサキウニを食べ比べしてみましたが、大きさによって意外と味が違くて面白かったです。
そして、人生でやりたいことリストの一つ「ウニを直接採って食べる」という目標もクリアしました! これで、この先お寿司屋さんでウニを食べた時に、この海のことを思い出すことができる!
予想外に超透明な利尻の海!
SUPもやらせて貰いましたが、北海道の離島の海って……なんか南国の海より下手したら綺麗なんじゃないか、ってくらい透明度高いんですね……知らなかった……
こんな感じで、透き通る海!
岩場からの飛び込みにもチャレンジしました!
一緒に遊び、考え、行動していく人にきて欲しい
ゴウ
今回、初めて利尻島に来てみて思ったのは、昆布やウニなどの海産資源で経済が成り立っていて、しかもどちらも高級ブランドなので、それに対してのこだわりや仕組みがすごくできている島なんだな、と感じました。
大久保
その通りですね。多くの島民が漁業に関わっていて、役場の職員やツギノバのスタッフも昆布漁の時期になると手伝いにいく漁師さんの家があるんですよ。これが利尻島だと普通で、島民総出で昆布やウニの生産に携わっているんです。
ゴウ
昆布の収穫は人手がいるから、みんなで手伝おう、みたいな感じになっているんですね。
大久保
そうなんですよ。そしてそういった環境があるから、移住者も地域の人たちとの接点が作りやすいんです。一時的なワーケーションで訪れても、そういう形で地域の担い手になれるのは、とても良いことだと思っています。
大久保
利尻島は漁業が非常に重要な島なので、そういった意味でもツギノバではITを中心とした漁業とは違った産業に携わる方の移住・定住をもっと促進したいなと考えています。ただ、いきなりそこまでいくのは難しいので、まずは興味を持って島を訪れてもらいたいなと。そのときに、ワーケーションや交流を支援する場として、ツギノバを機能させていきたいんです。
ゴウ
今後どういう人にツギノバを利用してもらいたいとか、イメージってありますか?
大久保
まさに、今回ずっと滞在してくれているLIGのたまさんのような人が理想的で、自ら積極的に地域住民と関わりを持ち仲良くなってくれて、利尻島での生活を楽しんでくれるような人がいいですね。そして、そういうキーマンになるような人がいるから、その人に会いにまた違う人が島を訪れてくれる。そういう連鎖反応が起こると非常にありがたいです。
ゴウ
確かに、今回も彼はどこに行っても「たまさん、たまさん」って声をかけられてましたねw
大久保
とはいえ、まずはどんな方でも来てくれたら僕らが全力で島の魅力を案内しますよ。そうやって一緒に並走しながら、仲良くなって、遊んで、仕事をして、一緒に地域の課題を考えていきたいんですよね。よく言うワーケーションって「ワーク × バケーション」だと思うんですけど、僕らとしては「ワーク × エデュケーション」もしくは「ワーク × イノベーション」にしていきたいんです。つまり、一緒に地域課題について学んだり、解決するような活動を行っていきたいんです。
ゴウ
バケーションではなくて、地域の課題解決に対して一緒に向き合えるような人に来てほしいんですね。
大久保
ですです。でも、最初はバケーション、遊んで楽しむところからでいいんですけどね。そのために色々な遊びの場も作っているので。
ゴウ
いやー、とても充実した3泊4日、ありがとうございました! 名前や場所は知っていましたが、なかなか訪れる機会がなかったので、呼んでいただけて嬉しかったです。
大久保
まさに、利尻島って利尻昆布のイメージもあって名前や場所はなんとなく知られているんですよ。でもなかなか来ることもないから、ぜひ今回の記事を読んで少しでも興味が湧いたら一度遊びに来てもらいたいです。ツギノバではそういった人たちが少しでも快適に滞在できるように支援していますので、いつでもお気軽にお問い合わせくださいね。
ゴウ
俺も次は雪の時期に、スノーボードをしに来たいなと思いました! 利尻山でバックカントリー、めっちゃやってみたいです。
大久保
いつでもお待ちしてますね。
ずっと行きたかった利尻島に行けて大満足でした!
さーて、次はどこに行こうかな〜。
以上、ゴウでした! またお会いしましょう!
おまけ
音楽室を再利用したオトノバにて。たまたま居合わせたメンバーがみんな楽器が出来たので一曲演奏しましたw 楽しかった〜!
利尻島にあるコワーキングスペース、ツギノバに音楽室を改装したスタジオが完備されててたので、取材メンバーで一曲演奏しましたw
遊びと仕事の一体化。
利尻島でのワーケーション楽しかった!それでは聞いてください。
「利尻島サディスティック」 pic.twitter.com/4s5mVwwI3Z
— 吉原ゴウ/LIG (@gosan) September 13, 2021