さくらのレンタルサーバ15周年!ロゴデザインコンテスト
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2019.06.26
#61
デザイナーズコラム

デザインを通した商品の“定番”について考えてみた〜「meiji THE Chocolate」の場合〜

もーりー

こんにちは。もーりーです。

自分は甘いものが大好きで一度食べ出すと手が止まりません。とくに「きのこの山」は毎日のように食べています。

余談ですが、「きのこの山」と「たけのこの里」を比べるとチョコレートの分量が多いぶん、「きのこの山」に軍配が上がると考えているのですが、皆さんはいかがでしょうか(ビスケットの部分だけだと、どちらもそんなに美味しくないですよね??)。

 
さて、皆さんはチョコレートというと、どの商品を思い浮かべますか?

「明治ミルクチョコレート」? ロッテの「ガーナミルク」?

さまざまあると思いますが、最近コンビニなどの小売店などでよく見かける「meiji THE Chocolate」を挙げる方も多いと思います。

「meiji THE Chocolate」は、これまで世に出ていたチョコレート商品のデザインとはひと味違う、クラフト紙調の茶色い紙箱にエスニック調のモチーフが描かれたシンプルなものになっております。

ほかの商品と見比べてみても、印象に残ります。いまでは定番チョコレートのひとつといっても良いくらいではないでしょうか?

では、どうして「meiji THE Chocolate」が世の中のユーザーに受け入れられることになったのか、今回は同商品をもとに、定番商品の作り方についてすこしだけ考えてみました。

“機能デザイン”と“装飾デザイン”

機能デザインと装飾デザイン

「meiji THE Chocolate」を“機能デザイン”“装飾デザイン”の観点からみてみます。

水野学さんの著書『デザインの誤解 今求められている「定番」をつくる仕組み』では、デザインには“機能デザイン”と“装飾デザイン”の2種類があるとしています。

機能デザイン

デザインそのものの機能を指しています。服だったら腕や脚を動かしやすいかどうかとか。暑かったらすぐ脱げるかどうかとかなどの機能性です。

水野学さんは著書で、なにかをデザインするときは、基本性能として、機能デザインを満たすことが必須条件だと考えています。

「meiji THE Chocolate」で考えると、まずは美味しいかどうか。これは当然です。美味しさの工夫として、板状態のチョコを形を変えた4つのエリアに分けていて、形状の効果でそれぞれの風味を変えているようです。また、内包パッケージが3つに分けられていて食べやすさなども考慮されています。

機能デザインにおいて、「meiji THE Chocolate」はとても考えられているといってよいでしょう。

装飾デザイン

「機能デザイン」がコモディティ化(一般化)され一般消費材として定着していくと、次の段階として、差別化・差異性を求めるようになります。そのために商品には装飾が施されます

「meiji THE Chocolate」の装飾はいままでのチョコレート商品とは違い、クラフト紙調のシンプルで高級感のあるパッケージで差別化を図っています。

長い流行をつくるための3つの課題

イノベーション、ありそうでないもの、許容値が高いもの

水野学さんの著書『デザインの誤解 今求められている「定番」をつくる仕組み』に長い流行(定番)を作るための3つの課題が挙げられています。

イノベーション

イノベーションとは、革新的なもの・新しいものという意味で使われています。誤解のないよういうと、「まったく0から1を生み出す」という意味ではないそうです。

「meiji THE Chocolate」はチョコレートといういままであった既存の商品を見直し、“機能デザイン”と“装飾デザイン”で付加価値を与えたことで、人気商品となり定番化したように思えます。

ありそうでないもの

長い流行(定番)を作るためには、これまであったものを見直して、未来から見て当たり前のものをつくることが必要と述べられています。この課題をクリアすることは、とても難しいと思います。新しくはあるものの、一度現れれば、いままでありそうだったよねと思わせなくてはいけません。

「meiji THE Chocolate」も「味」「形状」「パッケージ」を一から見直し、こんな商品あっていいよねといまでこそ思われても、そのように思われるにはさまざまな試行錯誤があったのではないかと思います。

許容値が高いもの

許容値が高いものとは、「時代に合わせるための変化を受け入れても、本質が変わらないような強さをもっていること」だとしています。言い換えると「柔軟だけど、ぶれない」。

明治製菓株式会社は100年近く前からある老舗お菓子メーカーです。そのような会社が、時代に合わせても色あせないチョコレートのブランドを育て上げてたことが、「meiji THE Chocolate」ブレイクのバックグラウンドにあるのではないでしょうか。

カウンターカルチャー

カウンターカルチャー

引き続き、水野学さんの著書『デザインの誤解 今求められている「定番」をつくる仕組み』ではこんな事例が紹介されています。

「日本では長い間、磁器をつくることができませんでした。(中略)多くの人が憧れ、土で白っぽいものをつくろうとしていた時期もあります。そんな中、豊臣秀吉が朝鮮半島から磁器をつくる職人を日本に連れてきました。そして、その職人が有田で泉山陶石という場所を見つけて、その石を使ってつくったものが初めての磁器、有田焼です。(中略) 磁器に注目が集まると、みんなが白い器をつくるようになります。有田焼の磁器は素晴らしい、かっこいい、という風潮になるのですが、すると今度はどこかで「古びた景色がある陶器だってやっぱりかっこいい」と言い始める人も出てきます。器に限らずですが、文化とはこうしたカウンターカルチャーの繰り返しで醸成されてきているので、何が定番になるのかを考えるのは、とても難しいことです」
(出典:デザインの誤解 今求められるいる「定番」をつくる仕組み 著者:水野学)

このように、「meiji THE Chocolate」はマーケティングにより生まれた数々のチョコレート商品に対してのカウンターカルチャーとして誕生したのではないかと思います。

今後、「meiji THE Chocolate」のような商品がどんどん出てくる可能性は多いにあります。それらの商品がコモディティ化すれば、今度はまた別の視点から生み出される商品もあるのではないでしょうか。

新しい定番は顧客との共創

「meiji THE Chocolate」は発売してから間もなく、SNSでも大きな反響がありました。Instagramではパッケージを使ってノートやキーホルダーにしたり、イラストなどを描いたユーザーがこぞって投稿したり、情報は爆発的に広がりました。現在はユーザーを巻き込んだ、企業とユーザーとの共創がブランド構築の鍵となります。「meiji THE Chocolate」はそのムーブメントを作り、チョコレート商品の定番になったといえます。

いわゆる、モノだけではなく体験することが何かを消費する場合にも重視されるという流れ、「コト消費」と呼ばれるものだと思います。

まとめ

デザインを通して商品を定番化することは、ブランディングやマーケティングの観点も関わってくるので、とても大変です。僕もまだまだ勉強中なのですが、世の中の事例をとおして、すこしでもみなさんのお役に立てればいいなと思っています。

以上、もーりーでした。