「わたし、有給で休みます。」有給休暇の取得が義務化されたってご存知ですか?

「わたし、有給で休みます。」有給休暇の取得が義務化されたってご存知ですか?

Reiko Shibuya

Reiko Shibuya

※ アイキャッチはいなみさんに協力してもらいました。

 
こんにちは。人事のれいこです。

みなさん、有給休暇取得していますか?

社会人になって、有給休暇という制度を知ったときは衝撃を受けました。お金をもらいながら休めるってすごすぎますよね。ワーカホリックな世のサラリーマンたちは「有給って何? 都市伝説?」という方もいらっしゃるかもしれません。

そんなみなさんに朗報です。

 

2019年4月から、有給休暇の取得が義務化されました!!!!!!!

 

義務化です。休む義務があるんです。休むことが義務化されたって、あらためて考えるとすごいですね。忙しいときに「有給で休みます」なんて言えないなーなんて思っている方も、今後は堂々と休みましょう。だって義務化されたんですから。

ただ私のような人事や、労務担当、管理職、経営者にとっては、新たな悩みが増えました。一体これはどんな制度で、どうやって管理したらいいのでしょうか。汗

 

ということで、一生懸命調べたことをまとめましたので、参考になれば幸いです。

有給休暇とは

【有給休暇】休んでも出勤と同様に賃金の支払われる休暇。

労働基準法は、6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、使用者は1年間に10~20日間の有給休暇を与えるように定めている。年次有給休暇とも言う。(引用元:コトバンク

そうなんです。有給休暇は、労働基準法によって定められています。

労働基準法はその名の通り法律なので、会社の就業規則もこの労働基準法に沿って作られています。弊社も入社6ヶ月後に10日有給休暇を付与しています。あくまで労働基準法は最低限守らなければいけないルールなので、労働基準法よりも優遇した、社員が得するようなルールにすることも可能です。

たとえば、入社から6ヶ月後に有給休暇を付与するのではなく、入社3ヶ月後から利用できるようにするというルールにしている会社もあると思います。採用が難しい昨今では、このような有給休暇などの制度を充実しているケースもあると思います。

有給休暇の付与ルールについて

使用者(会社)は、労働者が雇入れの日から6か月間継続勤務し、その6か月間の全労働日の8割以上を出勤した場合には、原則として10日の年次有給休暇を与えなければなりません。雇用形態関係なく、条件を満たしていればアルバイトでも年次有給休暇を取得することができます。

年間に付与しなければならない日数は下記の通りです。

 
所定の労働日数が週5日未満の場合は、年次有給休暇の日数は所定労働日数に応じて比例付与されます。下記の表をご参照ください(表内の6ヶ月、1年6ヶ月……などの記載は勤続年数を示しています)。

※ 所定労働時間が週30時間未満かつ、週所定労働日数が4日以下または年間の所定労働日数が216日以下の場合。それ以上になる場合は最初の表が適用される。

 
今回の義務化は、1年間に10日以上有給休暇が付与される方が対象となります。つまり、上記2つの表のなかで10日以上付与される方がすべて対象となります。

有給休暇義務化の内容について

働き方改革により労働基準法が改正され、2019年4月からすべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

参考資料:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説(厚生労働省)

対象者

  • 法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の労働者
  • 管理監督者や有期雇用労働者も含まれる

管理職など管理監督者にあたる人や、契約社員など契約期間がある人も、年に10日以上の有給休暇が付与される場合は対象となります。

年5日の時季指定義務(これが今回一番のポイント!)

使用者(会社)は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に、5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。

つまり、有給休暇が発生してから1年以内に5日以上有給休暇を使って社員を休ませてください、ということが会社側に義務化されたということです。

時季指定の方法

  1. 使用者が労働者に取得時季の意見を聴取(面談や年次有給休暇取得計画表、メール、システムを利用した意見聴取など、任意の方法による)
  2. 労働者の意見を尊重し、使用者が取得時季を指定

「いつ有給で休みますか?」と社員の意見を聞きつつ、いっぺんに全社員が有給で休んでしまうと会社として営業できなくなってしまうので、休みの日をずらしつつ、「あなたはこの日に休んでください」と指定するという感じですね。

時季指定しない場合

既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。

つまり、自分が希望する日に有給休暇を取得していれば、会社側も時季を指定する必要はないし、できませんよということです。私も社員の有給休暇を勝手に決めたくはないので、自主的に有給休暇を取得してもらうのが一番ありがたいです。

年次有給休暇管理簿の作成

使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。

時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、当該年休 を与えた期間中及び当該期間の満了後3年間保存しなければなりません。 (年次有給休暇管理簿は労働者名簿または賃金台帳とあわせて調製することができます。また、必要 なときにいつでも出力できる仕組みとした上で、システム上で管理することも差し支えありませ ん。)

ちゃんと社員が有給休暇を取得したかどうかを、会社側は記録しておく必要があります。

勤怠システムも、このような有給休暇の管理ができる機能が今後追加されていきそうですね。

就業規則への規定

休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)であるため、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません。

休暇は労働者にとって重要な取り決めですので、就業規則への追記が必須となります。社労士や法務担当と相談して決めていきましょう。

罰則

年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合や、時季指定の方法について就業規則への記載を怠った場合は、30万円以下の罰金などの罰則が科されることがあります! お気をつけください!

LIGの対応方法について

今回の義務化に伴い、弊社では下記のような対応を行っています。

有給休暇義務化がされたことを社内にアナウンスし、対応方法を説明

有給休暇義務化の内容を、2019年3月の全体朝礼で発表しました。そして、祝日の少ない月の第二金曜日をリフレッシュ推奨日(有給休暇取得推奨日)として、会社のカレンダーに登録しました。この日に有給休暇を取得するか、自分の休みたい日に有給休暇を取得するか、選んでもらうようにしました。

四半期ごとに取得状況を確認し、取得日数が少ない社員とその上長に連絡

有給休暇の付与月が社員ごとに異なるため、定期的に確認することにしました。四半期ごとに有給休暇の取得状況をチェックし、社員本人と上長にも連絡することで、業務を調整して休みやすくなるようにしています。

一定期間が過ぎても取得していない場合は、「時季指定」を行う

有給休暇の取得期限があと3ヶ月に迫った社員は、時季指定により休んでもらおうと考えています。まだ義務化がされてから1年未満なので実際には行っていませんが、時季指定ではなく自主的に休んでもらえたらいいなと思っています。

運用してみて気づいた注意点・懸念点

時間単位の有給休暇はカウントされない

会社によっては0.25(2時間)有給など、時間単位の有給休暇を取得できる場合があります。しかし、今回の義務化は、1日もしくは半日の有給休暇が対象となります。そのため、0.25有給などを取得してもカウントされないので、注意が必要です。

管理が大変

時間単位の有給休暇が対象外となると、「有給休暇の残日数」と「義務化で取得しないといけない有給休暇の残日数」にズレが生じてしまいます。これをシステム上で管理するのはまだ難しそうなので、管理が複雑になります。

有給休暇を取得して心身のリフレッシュをするのはいいことですが、人事の立場からすると管理の大変さが悩みのタネです。有給休暇の付与月が社員ごとに異なると、誰がいつまでに有給休暇を5日使用しないといけないのかを管理しなければいけません。勤怠システムが自動でアラート飛ばしてくれるなど、自動化しないと管理が大変だと感じました。

無理やり休まないといけない人もいる

有給休暇を取りやすい雰囲気になってありがたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、長期休暇や体調不良など、ここぞというときのために有給休暇を取っておきたい人も、強制的に休まないといけなくなるという面もあります。

まとめ

有給休暇の義務化について調べたことをまとめて、弊社の対応方法をご紹介させていただきました。「義務化」と言われるとなんだか堅苦しいですが、しっかり働いて、休みもちゃんと取れるいい機会になればと思います。

今回ご紹介した管理方法も、もっとブラッシュアップしていきたいと思っているので、「うちの会社はこうやって対応しています」など具体的な施策があれば、ぜひ教えていただきたいです。

有給休暇を取得して、仕事もプライベートもLife is Goodにしていきましょう!

弊社でLife is Goodに働きましょう!

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大学卒業後、メーカー系SIerに入社し法人営業に3年間従事。その後、キャリアコンサルタントとしてIT・ゲーム業界専門の人材紹介会社に転職。優秀な社員が長く活躍し続けられる会社をつくりたいと思い、未経験で人事職へ。その後、ゲストハウスLAMPに行ったことがきっかけで、2018年にLIGへ入社。現在は、中途採用をはじめ、入社後のオンボーディングや評価制度運営、エンゲージメント向上に向けた取り組みを行なっている。

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