記事広告で解決できることって?
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2019.05.18

Webディレクションの力で吉田寮を救えないか考えた

てらみ

はじめに

はじめまして、京都大学文学部出身のWebディレクターのてらみです。高学歴ですがお茶目で少しおバカで愛嬌のあるキャラクターで愛し、愛されてきました。こんな私だけど笑って許してね。

ところで、みなさん、2年半ほど前に公開された弊社社員・野田クラクションべべーの京都大学の「吉田寮」訪問記事を覚えているでしょうか?

この築100年を超えるの日本最古の学生寮「吉田寮」なんですが、

今めちゃくちゃピンチです。

吉田寮の老朽化問題のために、「現棟を補修・維持したい吉田寮」と「建て替えを行いたい京都大学」は10年以上かけて話し合いを行ってきました。しかし、2017年12月に突如として京都大学より退去通告が出され、つい先日、吉田寮現棟の明け渡しのための訴訟に踏み切ったことが公表されました。吉田寮生のLife is Goodの危機です。

私自身、吉田寮の50歳年下の兄弟とも呼ぶべき「熊野寮」の出身者です。同じ自治寮のピンチ、決して他人事ではありません。

なんとかして、吉田寮を助けたい……!

この2年間……!

多くのメディアやクリエイター……!

市民が助けてくれた……!

だけど、署名の数は約5,600筆(2019年5月現在)……!

吉田寮の情報発信といえば……!

吉田寮公式サイト……!

特設サイト「吉田寮を守りたい」……!

まだだ……!

まだまだできる……!

 

Webディレクションだ……!!

社会運動に必要なのはWebディレクションの力なのかもしれません。

吉田寮、そしてすべての自治寮を救うためにできることを、Webディレクターなりに向き合って考えてみました。

目標を定めて達成を目指す

「吉田寮を未来に残すために、みんなで声をあげよう!」というだけでは、どのように行動を起こしていくべきなのか明確ではなく、力を結集させていくことが困難です。運動の力を最大化するための目標設定と、それを目指すための仕組みづくりに向き合います。

KGI・KPIを設定する

大学生のなかでも、ビジネス方面に積極的に疎い京大生には馴染みが薄い用語かもしれませんが、KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、重要目標達成指標、つまり最終的に達成すべき戦略目標です。KPIは「Key Performance Indicator」といい、KGIを達成するために定める重要中間指標のことです。たとえば、吉田寮の抗議活動に当てはめてみるとこんな感じでしょうか。

<KGI(重要目標達成指標)>
1年後までに署名数を5,000筆から10,000筆まで増やす
<KPI(重要中間指標)>
  • 署名率〇〇%に上げる
  • 声明文ごとの平均シェア数を〇〇〇達成する
  • 味方(SNSフォロワー)を〇〇人獲得する

KGI、KPIとも公平に判断できる、具体的かつ現実的な、測定可能な数値を設定することが大切です。それぞれの目標を達成するためにできるアクションを細分化し、できたこと、できなかったこと、達成するためにはどうすべきかを、定期的に振り返りましょう。

署名率(コンバージョン率)を高める

まずはKGI達成のもっとも直接的な要素となるコンバージョンの獲得に向き合います。

コンバージョンを適切に設定する

KPIの設計と前後してしまいましたが、サイトを訪れたユーザーに行ってほしいアクション(=コンバージョン)を明確にしましょう。

特設サイトの「ご支援、ご協力のお願い」のページに、ユーザーに行ってほしいリアクションが示されています。しかし……残念ながら数が多く、ユーザーの行動を迷わせているように思います。

たとえば、震災後に道端に立って「被災者のみなさんを助けるために募金かボランティア活動か取材かなにかあなたにできることをお願いします!!」と叫ぶよりも、「被災者のみなさんを助けるために1円でもいいので募金をお願いします!」と、募金箱というクソわかりやすいコンバージョンを設定する方が、ユーザーはリアクションがしやすく効果を得ることができるわけです。

今回はサイトを訪れた人全員にできればやってほしいかつ、運動としてもっとも効果的である「署名する」ことを第一優先のコンバージョンとして設定します。

コンバージョンエリアを改善する

Webデザインで、私たちがなによりも気を使うエリアです。ここのつくり次第で、コンバージョンに雲泥の差がでます。とにかく目立ち、わかりやすく、押しやすい場所にあることが大切です。

デザイン面では使う色に気をつけましょう。吉田寮の公式サイトでは、オレンジ、赤、黄色が使用され色の強さが渋滞しているので、コンバージョンを第一優先に使用する色の整理をしてみてください。原則としては、コンバージョンに一番強い色を使用し、ほかの場所には使用しない方がベターです。

「署名したい!」と思ったその瞬間を逃さないためにも、配置にも気をつけましょう。コンテンツ要所要所にコンバージョンエリアを挿し込んだり、画面の脇や下部に追従させても良いでしょう。常に視界に入るように主張してください。

声明文の拡散力(シェア力)を高める

自治寮では大学が何かを言ったら、声明文か公開質問状を発表するのがワンセット。声明文を拡散してもらい、ユーザーの元に届けやすくするために、Webサイトの方でもいくつか気を使うべき項目があります。

公式ハッシュタグを決めておく

SNS上でユーザーに拡散してもらうときに使ってほしいハッシュタグを決めておきましょう。ネット上の盛り上がりをできるだけ一箇所に集中させ、数の暴力を作ることが大切です。「#MeToo」などのようにキャッチーな言葉でムーブメントを作ることができれば、運動をより認知&加速させることができます。またハッシュタグの設定をあらかじめ行っておくことで、効果測定が容易になります。

各ページにシェアボタンを設置する

URLをコピペしたり、スマホであれば、ブラウザの機能でシェア自体はできます。その上で、Webマーケティングでは徹底したユーザーへのさらなるホスピタリティ、お膳立ては大切です。ユーザーを確実にシェアに誘導するために、ピッて押したらパッとシェアできる、シェアボタンを設置しておきましょう。

OGPを設定する

TwitterやFacebookでURLをシェアしたときにいい感じにサイトの情報を表示させるために必要なのがOGP設定です。少し古い記事になりますが、Webディレクターのエリカさんがその方法をまとめてくれています。

OGPを設定しておくとタイムラインで目立ち、クリックされやすくなります。個人的には、OGPの画像の設定がイケてないと、タイムラインがいまいちな感じになるので、シェアのモチベーションが下がります。ぜひ、キチンと設定しておいてほしいところです。

味方(SNSフォロワー)を増やす

「SNSでシェア&フォローしてもらう」と一口にいっても、SNSごとでその特性はそれぞれ違います。ユーザーとの継続的なタッチポイントにもなる重要なSNS。すでにしっかり活用してもらっていますが、各SNSの特性と使い所を改めて考えてみます。

Twitter:全人民にバズらせられる

フォロワー同士のつながりもランダムなので、無秩序で巨大な拡散を狙えます。マスなメディアに注目されれば、より巨大な発信力を得ることができます。噂が独り歩きしやすい点もありますが、運動を世論に乗せるために活用するのがおすすめです。

Facebook:特定のコミュニティへの発信力高

京都大学生まれ自治寮育ち、正義感が強そうな奴は大体友達というように、ユーザー同士が特定の属性で深く結びついているので、同じエリアや職業、出身校などのコミュニティへの発信力が期待できます。大学関係者へ特に発信したい場合や、エリアが限定されるイベントの告知にとくに活用することができそうです。

Instagram:アルバム・ギャラリーとしての使用価値高

吉田寮の歴史的な風格がありすぎる佇まいは、唯一無二の魅力のひとつなので、アルバム・ギャラリーとして使用するとファンを醸成することができそうです。将来の吉田寮生を育てるために、高校生をターゲットに発信するのも良さそうです。

LINE@:ユーザーにダイレクトな情報発信

今回、私から新たにご提案したいのがLINE@アカウントの運用です。タイムラインに流れてしまう他のSNSと異なり、ユーザーにダイレクトに通知が行く形で発信が可能なので、大学当局が、新しい動きを公表した際に、緊急速報的に呼びかけを行いやすいという利点があります。せひ検討してほしいです。

吉田寮が100年続くための、広報活動

今回の危機を乗り越えたあとも、次の100年を生き抜く力をつけなければなりません。100年後も吉田寮を残すための広報を考えます。

自治寮の広報にともなうリスク

今回の一連の吉田寮取り壊し問題では、インターネットを通して結集された市民の声が大きな力になりました。

吉田寮の内実は存じ上げず、あくまでも私は熊野寮の出身者です。その経験から申し上げると、自治寮では、メディア取材を受けることや広報活動をあまり積極的に行えない状況にあります。

寮生のプライバシーを考慮する必要がありますし、決裁者がいない全員平等の組織形態をとっているため、寮の公式の発言となると意思決定にものすごく時間がかかります。メディアの情報が独り歩きして、誤ったイメージが拡散してしまうことを恐れてもいました。

ときには、Yahooトップニュースとか大手メディアに顔が出ちゃったりすることもあるわけです。実際に在学中にそういうことがありました。就職を控えた学生でもありますから、寮生として露出することって本当に怖いんですよね。

広報活動が共鳴を生み出す

それでも今回の危機に、吉田寮生たちは勇気を持って露出を増やし、自分たちでホームページを立ち上げ発信を行うだけでなく、多くのメディアから取材を受けたり、時には寮生自身が記者会見も行ったり、広報活動領域を広げていったわけです。

そして、それが共鳴を生み、ドラマや写真展、ドキュメンタリー映画製作などのクリエイティブ活動にまで広がり、「吉田寮を残したい」市民たちによる、多くのムーブメントが起こりました。

メディア記事だと、ヨッピーさんの吉田寮お掃除企画とか、GIGAZINEの寮生インタビュー記事とか、これ以外にも連日多く取材・報道されていました。

映像関係だと、NHKで放映されたドラマ『ワンダーウォール』はとても話題になりましたし、関西テレビでは『ザ・ドキュメント ひみつきち吉田寮~京大”不法占有”が始まった日)』が夕方ニュースで1時間も割かれ、放送されました。私はこれを見てめちゃくちゃ泣きました。どちらもすばらしいので、なんとかして見てほしいです。映像監督の方が主体となって、ドキュメンタリー映画のクラウドファウンディングも行われました。

もともとは総建て替えすることが京都大学の方針でしたが、2019年02月12日に京都大学が発表した吉田寮の今後のあり方では、下記のように言及されています。

(3)上記の措置を講じるにあたっては、吉田南構内の教育環境向上や緊急車両入構路の確保等を前提とするとともに、現棟の建築物としての歴史的経緯に配慮することとする。

引用元:吉田寮の今後のあり方:京都大学(2019年2月12日)

市民の注目も集まり、さすがに壊すことはできないという空気を感じ取ったのでしょう。

味方を作り続ける広報力の強化

テコでも動かすことができない巨大な組織を動かすのは世間の声です。市民たちを味方につければ、限界を超えられます。これから先100年の吉田寮をつくっていくためには、このムーブメントを常時起こせるように、ユーザーと強力に接点を持ちつづけることが大事です。味方(=ファン)を作り続ける広報力の強化が必須と考えます。

自治寮はおおむね4年周期で人が入れ替わる新陳代謝が高い組織ですので、現状のような学生有志に頼った属人化した組織モデルは好ましくありません。必要な広報業務を洗い出し、体系化し、業務フローを確立し、持続力のある広報組織をつくっていくことが課題となります。

マンパワーと予算

そのためには透明性の高い情報発信を常に行い続け、その効果を測定し、次なる戦略を考え、実行に移していくマンパワーと予算が必要です。

とくに課題となるのが予算の確保です。自治寮では、全体会などで決議を取り、予算の使い方を学生達自身が決めています。

たとえば、Webサイト運用には、サーバー・ドメインの費用だけでなく、理想的には3〜5年スパンでのWebサイトリニューアルの費用を見込む必要があります。フルフルのリニューアルでなくとも、デバイス対応など、何らかの必要性や要求が発生します。

私自身、多額の費用をかけてまで行うべきではないと考えますが、一度盤石な広報基盤をつくるためにも、Webマーケティングのプロである、Web制作会社へのWebサイトリニューアル業務の委託を検討してみてはいかがでしょうか?

ぜひ署名を……!

私のLife is Goodの原点とも呼ぶべき自治寮の仲間が困っているので、Webディレクターとして、その存続に真剣に向き合ってみました。なにより全人類のLife is Goodを目指すLIG社員としても、見過ごすことはできません。この記事を読んで私のパッションが響いてくれた方、下記のCharge.orgからぜひとも署名をお願いいたします!
吉田寮のために署名する

 
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