薪ストーブを自作してみた〜手作りサウナ小屋のDIY解説・第二話〜

薪ストーブを自作してみた〜手作りサウナ小屋のDIY解説・第二話〜

遊

どうも! ガイドの遊です!

先日公開したサウナベンチのDIY記事に続いて、今回は薪ストーブ周りのDIYについてご紹介していこうと思います。

っていうかガイドの遊ってだれ?
LIGが運営するゲストハウスLAMP野尻湖に併設されているサンデープラニング・アウトドアスクールの専任アウトドアガイド。
春は山菜採り、夏はカヤック・SUP・ラフティング、秋はきのこ狩り、冬はスノーシュー・歩くスキーと、一年を通して自然の楽しみ方をガイドする生まれも育ちも長野県の地元っこ。
ガイドのかたわら、カヤック艇庫を作ったりウッドデッキを作ったりお風呂場のスノコを作ったりと、LAMPに関するDIY作業はだいたい担当しています。

さて、僕らが作ろうとしている「フィンランド式の本格サウナ」というのは、ただ小屋を作ってベンチ作ってストーブを入れれば完成!

 

……というわけにはいきません!

それじゃあよくあるスーパー銭湯のサウナと大差ないです。じゃあ普通のサウナとは何が違うのか。

それは電気ストーブではなく薪ストーブを利用し……

 

 

炎のゆらぎを見ながらロウリュができることです。

 

ゆらめく炎……(ボゥボゥ)

薪の爆ぜる音……(パチパチ)

立ち込める木の香り……(モクモク)

体を優しく温める輻射熱……(ジワジワ)

見た目のかっこよさ以外にも、これらを楽しめるのが薪ストーブである利点ですね。

 

フィンランド式サウナで外すことができないのがロウリュ。

ロウリュとは
薪ストーブで熱々に熱したサウナストーン(サウナ用の石)に水をかけ、蒸気を発生させる行為のこと。

フィンランド式のサウナは日本のサウナと違い、基本的な温度が10度から20度ほど低いんです。そこで、ロウリュをすることで室温は上がらないのですが、体感温度がグッと上がり、発汗作用やリフレッシュ効果などあるわけです! まぁ、ようは気持ちいいってことです。

ということで、ロウリュができる構造に作ろう!

ロウリュができるようにするには、サウナストーンと呼ばれる専用の石を、薪ストーブの上に積んでいかなければいけません。

「レンガで囲ったり、直接載せたり、金属メッシュで積み上げたり」と、いくつか方法はあるのですが、我々のサウナでは「レンガで囲っちゃう式」と「メッシュで積み上げ式」のハイブリッド方式でいきたいと思います。

 

まずは設計図(というかイメージ図)を作ります。これがないと今後の作業効率がぐんと落ちるので、雑でも良いのでちゃんと書きます。

金属メッシュだけで石を支えようとすると、とんでもない重量がかかるので、土台をレンガで組むことに。いくつか設計図を描いたのですが、左の案がしっくりきたため、これでいきます!

いざDIY!

まずは材料の切り出しです。

ホームセンターや金物屋さんをはしごして見つけたワイヤーメッシュ。もともとはコンクリで基礎を打つ時に使う補強材。これをディスクグラインダーを使ってチュイーンっと切っていきます。機械の力やばい。

 

はい。切れました。

 

でもこのままだと、隙間が大きすぎて石が落っこちてしまうので、□型と+型の2枚を切り出して合わせます。これでいい感じのマス目サイズになりました。

 

この二つは番線(針金)で留めていきます。

理想をいえば、ここは溶接でくっつけられればよかったのですが、残念ながらそんな技術は持っていません。アナログ手法でいきます!

 

サイズを測りつつ、側面のメッシュも作ります。

 

メッシュがあらかた完成したらレンガを積みながら仮組み。

 

こんな感じかな〜。

メッシュだけだと安定しないので、土台部分は耐熱レンガを積んで挟み込むようにして固定します。

 

薪ストーブの上の面(赤い部分)はめちゃくちゃ熱くなるのですが、側面やストーブの下側はあまり熱くなりません。レンガを積んでこの部分の底上げをして上げることで、積んでいく石の量が減らせるし、床面への断熱効果が期待できるというわけです!

またストーブと石がグラつかずに安定して、かつカッコいい! という一石四鳥の構造。役満です。

 

さて、ここからは左官屋さんのようなお仕事。

ホームセンターで買ってきたインスタントセメントを、接合部に塗りつけながら積んでいくんですが、この作業重いし狭いし時間かかるし地味〜に辛い。そしてけっこう難しい。左官屋さんってすごい。

 

高さを稼ぐために縦積みにしてしまったので、接着面積が小さくて作業がとてもやりにくかったですね。

今後レンガを積む仕事があったらちゃんとセオリー通り平積みにしようと思います。

 

お次は、レンガとレンガの間に金属メッシュを挟み込み、そこにセメントを流し込む作業。

縦積みでもセメントがしっかり乾けばガチッと固定されます。あとはメッシュのつなぎ目部分を番線で固定すれば大枠は完成ですね。

 

最後は煙突部分を囲っていきます。

煙突部分が一番熱くなる場所なので、高く積みあげることにより、石に無駄なく蓄熱させるのがサウナストーブを作るコツですよ。

 

完成したストーブがこちら!

ビフォー。

 

アフター。

いかがでしょうか。前回のサウナベンチに引き続き、こちらもいい感じにできたのではないかと思います。

 

狙い通り、炎のゆらぎや薪の爆ぜる音を感じられるサウナ小屋内に仕上がり、熱々のサウナストーンに水をかければ、たちまち大量の蒸気が発生し、薪ストーブからの輻射熱と共に体を芯まで温めてくれます。

サウナ作りを通して、また実際に体験してみて「サウナは息苦しくて熱くて我慢して入る場所だ」という僕の思い込みは「サウナはじっくり温まってリラックスできる場所だ」という風に変わりました。フィンランド式サウナってすごい。

ま、専門メーカーさんのサウナストーブを利用するのが一番手っ取り早くて、いい熱を感じられるので、もし「自分もサウナ小屋を作りたい!」っていう方がいたら、そちらをまず検討していただくことをオススメします。

でも、頑張ればDIYでもできるんだぞ! ってところをこの記事を通してたくさんの方に伝われば嬉しいな〜と思います。

次回はサウナ小屋内外の小物DIYについて書いていこうかなと思います。

どうぞお楽しみに!

 

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どうも!ガイドの遊です!長野にあるサンデープラニング・ゲストハウスLAMPに2011年から務めています。春は山菜採り、夏はカヤック・SUP・ラフティング、秋はきのこ狩り、冬は歩くスキー・スノーシュー。と、一年の大半を野外でインストラクター&ガイドとして過ごしています。 2016年よりLIGへと転属になりましたが、Webの知識は皆無です。HPは作れないけれど、かまくらなら作れます。プログラミングはできないけれど、きのこ、山菜の鑑定はできます。デザイン制作はできないけれど、チェーンソー、除雪機を扱えます。 長野に来たら声かけてくださいね!

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