どうも! ガイドの遊です!
LAMP敷地内に作った、フィンランド式の本格サウナ小屋「The Sauna」ですが、オープンから一ヶ月ほど経ち、ご利用いただいたたくさんのサウナー(サウナ愛好家)さんたちからも、大変ご好評をいただいております。
- っていうかガイドの遊ってだれ?
- LIGが運営するゲストハウスLAMP野尻湖に併設されているサンデープラニング・アウトドアスクールの専任アウトドアガイド。
春は山菜採り、夏はカヤック・SUP・ラフティング、秋はきのこ狩り、冬はスノーシュー・歩くスキーと、一年を通して自然の楽しみ方をガイドする生まれも育ちも長野県の地元っこ。
ガイドのかたわら、カヤック艇庫を作ったりウッドデッキを作ったりお風呂場のスノコを作ったりと、LAMPに関するDIY作業はだいたい担当しています。
さて、そのサウナ小屋なんですが、野田クラクションべべー(以下べべ)の発案のもと、ログハウスをメインで作られている工務店ログラフさんに依頼をし、ハンドカットのログハウスを作りました。
作っていただくのは外装だけだけにとどめ、内装は自分たちで作ろうぜ!!
ということになったので、試行錯誤しながらDIYをしました。
今回は、そのこだわりの内装をどうやって作っていったかを書いていこうと思います。
まずはじめに
いざDIY! カッコいいサウナを作るぞ〜!
……という前に、作業にあたるスタッフはべべと僕の2人だけ。
発起人であるべべにはサウナに関する知識や構想などはあるが、DIY技術は皆無。
そして僕はDIY技術はそれなりにあるが、サウナにはそもそもぜんぜん入ったことがないので、サウナ知識は皆無。
こだわりポイントは後述するとして、べべの作りたいものリストがこちら。
- ベベの作りたいものリスト
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- 大人が10人程度座れる2段のサウナベンチ
- 薪ストーブの上にサウナストーンを積むための何か
- 床に敷くスノコ
- LAMP館内から裏口を使って出る際の通路
ふむふむ、なるほど……こりゃあ……大変だ……。
まぁ面白そうだし、頑張ってやってみるか精神で、とりあえず手を動かそう!
そんな感じでサウナ作りは始まりました。
最高の熱波を浴びよう! サウナベンチ制作
サウナを楽しむ際に重要なのが、このサウナベンチ。
ここが快適でないとせっかく作ったサウナ小屋でゆっくり過ごしてもらえないので、気合いを入れて作りたいと思います!
べべからの要望は以下。
- サウナベンチのこだわりたいポイント
- ①快適なロウリュを得るために、上段は座った時に頭が天井ぎりぎりになるように
②収容人数10人程度で2段構造のベンチが欲しい
③カッコいい古材で作って欲しい
④座面部分は洗ってメンテナンスできるように取り外し可能な構造に
⑤上段がメインになるので、寝転がれる広さが欲しい
⑥下から間接照明の光が漏れるように適度に隙間を開ける
⑦ベンチ下に薪やその他道具などを収容できる
つまりはべべの「理想」や「こだわり」が多いということですね。
これらの条件を満たすベンチの構造を考えていきます。
まずは採寸と設計図作り
「物を作るときは、まず最初に紙に描く!」
長年DIYをやっていて感じるのは、「採寸と設計図ってすごく大事」だということ。
製図の勉強をしていたわけではないので、縮尺なんかは適当ですが、この「採寸をして設計図を書く」と、頭の中にバシッと完成イメージが入ってきます。また、幅や長さなどをしっかり測ることで必要な材料や道具の量なんかも見えてきます。
この辺がおろそかだと、材料が足りない! と何回もホームセンターを往復する羽目になり結果時間と手間が多くかかります。
べべの条件①「快適なロウリュを得るために、上段は座ったときに頭が天井ぎりぎりになるように」をクリアするために、まず天井から2段目までの高さを計算します。
このときに参考にしたのが弊社社長、ゴウの身長です。183cm(くらいだったかな?)の社長が頭をぶつけない程度の高さにし、同時に快適な椅子の高さである40cm~45cmの段差を確保。なおかつ下段の高さが薪ストーブの高さとおおよそ一致するようにします。
そしてはじき出した数字と構造がこれ。
これなら上段に5人程度は乗れるはずなので、小屋内の両サイドに作れば
条件①「快適なロウリュを得るために、上段は座った時に頭が天井ぎりぎりになるように」
条件②「収容人数10人程度で2段構造のベンチが欲しい」
をクリアできます。
べべの要望を着々とかたちにしていきます。
次は材料(木材)調達
いつもDIYするときは材料の入手のしやすさ、扱いやすさなどから2×4材(ツーバイフォー材)を使って作ることが多いのですが、買ってきた木材そのままだと、アンティーク? なログハウスの外装と合いません。
なのでいい感じの“古材”を入手しに東京へ。
やってきたのは東京上野にある旧LIG本社の旧いいオフィス上野。
2019年からは本社もいいオフィスも御徒町の方へ引っ越したのですが、その移転作業の解体現場へ行くことに。
床に使われていた足場板や棚に使われていた平板など、使えそうなものは片っ端からひっぺがしてもらってきました。
ちゃっかりオフィスの椅子もGET!!!
これで、サウナベンチの座面や側面に使う材料は揃いました。
条件③「カッコいい古材で作って欲しい」をクリアです。
あとは骨組み用の2×4材(ツーバイフォー材)を必要分計算して買ってくるだけですね。
いざ組み立て
小屋の中は狭いので、屋外に作業台を用意して、設計図通りに採寸してカットしていきます。僕は2×4材(ツーバイフォー材)を使って骨組み作り。
べべは座面に使う足場板のカット。
切り口や角のささくれなども電動ヤスリ(サンダ)を使って滑らかに加工していきます。
インパクトドライバーとビスを使って組んでいきます。
骨組みは四角を組み合わせた構造が一番強いので、小さい四角と大きい四角を合わせたような構造にします。ただ、ベンチ下に収納スペースを大きく取りたかったので、「d」型の骨組みに橋を渡したような形にアレンジ。
このとき木材の組み合わせ方を間違えると、人が乗ったときの荷重がビス一点にかかってしまい最悪壊れます。なので荷重が柱の木材にかかるように組み合わせるのが頑丈に作るコツです。
組み上がった骨組みにいいオフィスからひっぺがしてきた足場板を取り付けます。
座面は取り外しができるように置くだけにしてあるので、座ったときにズレないよう、側面の板を座面の厚さ分、せり出した形で取り付けます。
これで条件④「座面部分は洗ってメンテナンスできるように取り外し可能な構造に」をクリアです。
ベンチ裏側に設置した間接照明から、光が漏れてくるように適度に隙間を空けます。
べべの条件以外にも絶対に守らなければならない安全に関わる条件もいくつかあります。そのひとつが「離隔距離(りかくきょり)」です。
要はストーブにベンチが近すぎると燃えちゃうかもしれないので、安全な距離を確保しましょうということ。この距離が十分でないと火が直接当たらずとも、長い年月で次第に乾燥、炭化していき、最悪発火してしまう可能性があります。低温炭化火災といいますが、これは安全管理上絶対に避けたいところです。
十分な離隔距離を取った結果、1段目は小屋の中央付近までの長さとなり、2段目は端までの長さが取れるが、条件⑤の「上段がメインになるので、寝転がれる広さが欲しい」と離隔距離のバランスを取った幅を計算しました。
理想的にはシングルベッドの幅が、寝転がるには一番快適なサイズであるはずなので、90cm幅を目安にしていましたが、最終75cm幅に落ち着きました。十分な広さだと思います。
入り口側のベンチ2段は完成したので、奥側の2段目を作っていきます。こちら側は1段目がいらないので、骨組みは「d」型ではなく長方形型で作ります。
骨組みに足場板を取り付け、余った足場材を使って転落防止用の手すりを取り付けます。
手すりの柱が外側につくとカッコ悪いので、座面や側面の板にノミで切り欠き加工をしてはめました。長年DIYをしているとこういった小技ができるようなるもんですね〜。
試しにLAMPホールスタッフのもっちー(左)と宿スタッフの井手ちゃん(右)に座ってもらいました。サイズ感バッチリで強度も十分です。よしよし。
ちなみにベンチの内側はこんな感じです。しゃがんで人が通れる程度の大きな空間があり、大量の薪をストックしておけます。
これで、条件⑥「下から間接照明の光が漏れるように適度に隙間を開ける」
条件⑦「ベンチ下に薪やその他道具などを収容できる」を満たしオールクリアです。役満です。
ベンチの完成
入り口から見て正面に薪ストーブ。そして両サイドに木製のベンチ。
左側のベンチと……
左右対称の右側のベンチ。
座面の隙間から間接照明の光が漏れ、使い込んだ足場材を柔らかく照らしています。
僕とべべのこだわりが詰まったこのサウナベンチ。
我ながら、カッコよくできたと思いますし、べべも気に入ってくれたので何よりです。
LAMPでこの本格フィンランド式サウナを楽しまれる際には、こういった手作りの部分にも注目していただけたら幸いです。さて、ベンチも作り終えたことだし、次回は薪ストーブ周りのDIYについて書いていこうかな〜と思います。
お楽しみに!!!
- 遊とベベ・こだわりのサウナに遊びに来ませんか?
長野県のゲストハウスLAMP野尻湖にある「The Sauna」は、本場フィンランド式のサウナです。ヒノキの香りのする丸太小屋では、ロウリュやウィスキングの体験ができます! サウナーの方も、ぶっちゃけサウナにピンと来ない方も、ぜひ一度遊びに来てください! 後悔はさせませんよ!
The Saunaの詳細はこちらから