Web事業部_クリエイティブ
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2018.11.28

実際の業務にも役立つ?大手企業の入社試験に導入されている「フェルミ推定」とは

せいと

こんにちは、LIGセブ島支社のせいとです。

最近では、事業拡大のためにさまざまなポジションの人材を積極的に採用・育成に注力しています。組織として着実に成長しているなと感じていますが、そのなかで、いかにマネジメント力やリーダーシップのある人を採用するか、またそのスキルを訓練するか、を最近は考えています。

……ところで、突然ですが問題です。

アメリカのシカゴには何人のピアノ調律師がいるでしょうか?

あなたはパッと答えることができますか?

これは「フェルミ推定」と呼ばれる問題の一例です。いっときSNS上でバズっていたので、知ってる! という方もいるかもしれません。

今回はこの「フェルミ推定」についてお話ししたいと思います。

無理難題に立ち向かう。「フェルミ推定」とは

「フェルミ推定」とは、一見答えの出しようがない問題に対して、論理的に仮説をたてて概算を導き出す方法論のことを言います。
※ちなみにこの「フェルミ」は、イタリアの物理学者であるエンリコ・フェルミさんに由来しているそう

この「フェルミ推定」という方法論を使いこなすためには、論理的な思考力や改題解決力、最低限の一般教養が必要になります。そういった力を測るために、大手IT企業や外資系コンサルの採用試験にも用いられています。

こんな謎の問題をやって何になるの? と思われるかもしれませんが、少なくとも僕らのようなWebサイトやアプリを作る会社では、どんなポジションにいても「どう解決したらいいのこれ?」という課題に直面することが多いです。

特に、リーダーポジションや期待されている人ほど、上司やクライアントさんから、よく抽象的な難問が降りてきたりします。

  • 売り上げを2倍にしたい
  • お問い合わせ数を増やしたい
  • Webサイトの改善点を洗い出して改善してほしい
  • 会社のブランドをもっと格好良くしたい

などなど……。こんなとき、フェルミ推定ができるような解決力があればきっと役に立つはずです。

問題①アメリカのシカゴには何人のピアノ調律師がいるでしょうか?

ここで最初の問題に戻ります。

アメリカのシカゴには何人のピアノ調律師がいるでしょうか?

こう聞かれて、あなたならどう答えますか?



Wikipediaによる解答例があるので紹介したいと思います(有名な問題なので取り上げましたが、だいぶ古い時代のアメリカが舞台の問題なので、現代の日本人には不向きかもしれませんね)。

解答例:

まず以下のデータを仮定する。

・シカゴの人口は300万人とする
・シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする
・10世帯に1台の割合でピアノを保有している世帯があるとする
・ピアノ1台の調律は平均して1年に1回行うとする
・調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする
・週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする
 
そして、これらの仮定を元に次のように推論する。

・シカゴの世帯数は、(300万/3)=100万世帯程度
・シカゴでのピアノの総数は、(100万/10)=10万台程度
・ピアノの調律は、年間に10万件程度行われる
・それに対し、(1人の)ピアノの調律師は1年間に250×3=750台程度を調律する
 
よって調律師の人数は10万/750=130人程度と推定される。
(引用元:Wikipedia)

フェルミ推定で大事なのは、大きく分けると3点でしょうか。

  • 仮定、推論、計算を順序立てて結果までの流れを簡潔にブレイクダウンしていくこと
  • 必ず具体的な結果を算出すること
  • 自分が持っているデータで使えるものは使い、ないものは仮定すること

ポイントは、細かい結果でなくともよく、概算でいいので結果を導くことです。

またフェルミ推定はあくまで仮説の上に成り立つ計算であるため、実際の数字とは違っていても問題ありません。

ただし、仮説を立てていく中で矛盾が生じたり、説明できなかったりしてはいけません。論理的でなくなり、推論に「説得力」が生まれないからです。つまり、相手を納得させるような論理を組み立てることが大切なんです。

問題②日本国内には何台のパソコンがあるでしょうか?

先ほどの問題は少々アメリカンだったので、馴染みやすいテーマの問題に取り組んでみましょう(日本が舞台の問題でいいのがないか、ググった結果出てきた問題がこちらでした)。

日本国内には何台のパソコンがあるでしょうか?

お時間ある方は是非考えてみてください。

ちなみに、僕の回答はこうです。

1.定義
・まず、国内のパソコン=一般的な家電量販店で購入可能なデスクトップPC、ノートPCと定義する(業務用PCやタブレット、スマホ、その他コンピュータは含まない)。

・国内のパソコンを「個人用PC」「仕事用PC」「その他PC」の3つに分類し、それぞれの台数を算出する。
 
2.個人用PC
・まず国民全体の人口が約1億2000万人とする。

・PCを所有していない人、複数所有している人などを平均して国民1人につき1台持っていると仮定すると、個人用PCは120,000,000台。
 
3.仕事用PC
・国内の民間企業が100万社程度とする。

・国内の民間企業の99%は中小企業で、中小企業の定義から考えると最大従業員数はおよそ300人。中央値を150人とすると、1社あたり平均150人が勤めていることになる。

・1人1台PCを支給されているとすると、1,000,000社 * 150人 = 150,000,000台。

・公務員は60万人とする。

・1人1台PCを支給されているとすると、600,000台。

・民間企業所属の従業員のPCと公務員のPCを合わせると、仕事用PCは150,000,000 + 600,000 = 150,600,000台。
 
4.その他PC
・家電量販店で売られているPC、および漫画喫茶などで不特定多数が使用するPCを算出する。

・2km²(約1畳)に1台PCがあると仮定する

・日本の国土を約400,000km²とすると、400,000km²/2km² = その他PCは200,000台。
 
5.結果
・2 ~ 4を合計すると、 120,000,000 + 150,600,000 + 200,000 = 270,800,000台。

・=国内には270,800,000台のパソコンがあると推論する。

どうでしょうか? これはあくまでも私自身が知っている情報を用いた推論であるため、実際の数字とは異なるでしょう(特に、その他PCが20万台というのは、なんか、少ないような気がしますよね……)。

しかし、ここで大切なことは、正確な数字よりもどのように考えたかというプロセスにあります。相手が納得する導き方をしたか、その推理に気がかりになる余計な説明がないか、です。

問題③Facebookで年末までに5000いいね!をもらうにはどうしたらいいでしょうか?

最後に、もう少し実践的な例を出してみたいと思います。これは最近インターンシップのスタッフに業務で依頼したマジのやつなのですが……。

Facebookで年末までに5000いいね!をもらうにはどうしたらいいでしょうか?

これも途方もない課題に思えますが、フェルミ推定の要領でブレイクダウンして考えれば、とりあえずの施策が打てるんじゃないかな、と思います。

1.定義
・オフィスには約60人のスタッフがいる。

・1人のスタッフにつき平均して500人のfacebookフォロワーがいる。

・フィリピンセブでのリスティングには1いいね!につき4円かかる。
 
2.推論
・スタッフ全員が各々のフォロワーにいいね!リクエストをする = 60 * 500 = 30,000人にリーチ

・フォロワーの10%が反してくれると仮定すると、60 * 500 * 0.1 = 3,000いいね!が獲得できる。

・足りない分のいいね!をリスティングでカバーすると、 (5000-3060) * 4 = 7,760円
 
3.結果
・スタッフ全員へのリクエスト依頼を徹底し、7,760円を使って広告を打つ、までができれば5,000いいね!が獲得できる

この推論だと、短期間に約8000円で5000いいね!を獲得することができることになります(余談ですが、フィリピンでのFacebook広告は安いです)。

予算の算出やSNSマーケティングの方法など、おのずと経費の概算や今後の取るべき行動も見えてきますね。ここまで考えた上でチームに提案ができれば、スムーズな仕事ができること間違いなしです!

まとめ

いかがでしたか?

幸い、入社試験と違って実際の業務ではGoogle先生に頼ることができるので、何かしらのデータが必要になっても、仮定をすること自体はさほど難しくありません。しかし、実際の業務で無理難題に直面したとき、この「フェルミ推定」の要領で思考する癖を持っておくと解決のヒントとなり得るでしょう!

ちなみに、LIGのセブ支社では、インターン、ディレクター、人事などなど、さまざまな職種のメンバーを募集しています! 面談時に「私、フェルミれます」と言っていただければ(多分)優遇されるので、興味のある方はぜひご応募ください。