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2018.10.31

おおいた半端ないって!日本一の大きさを誇るあの磨崖仏も?豊後大野ミステリースポット「磨崖仏編」

マイケル聡士

はじめまして。LIGが大分で運営するゲストハウス「LAMP豊後大野」スタッフのマイケルです。

2018年6月に開催された「FIFAワールドカップ」。日本代表の大迫勇也選手の活躍により、「大迫半端ないって!」という言葉が流行したのは記憶に新しいでのはないでしょうか。今回はそんな半端ない大迫選手に乗じて、大分県にある「半端ない磨崖仏(まがいぶつ)」をご紹介します。

こちらは、大迫勇也選手と名前が一緒の「大迫磨崖仏」(大分県豊後大野市千歳町)です。

実は、おんせん県大分は、仏の里として有名なのです……! まずはこちらの映像をご覧ください。

出展:六郷満山開山1300年国東半島宇佐地域

この映像にある国東半島の「六郷満山」は神仏習合発祥の地。それらと肩を並べる仏教文化圏が、大分県を流れる大野川流域の豊後大野市とお隣の竹田市にあります。なかでもその多くが奥豊後大野川流域に集中しています。今回は豊後大野市におけるとびっきりオススメの磨崖仏5選をご紹介していきます。

※なお、磨崖仏を訪ねる際は、ハチに刺される・マムシに噛まれる・足をくじく・車を擦る・道が悪い・車のすれ違いができない、トイレがない、たどり着かないなどのさまざまな障害が立ちはだかることが予想されます。ぜひ最大限の準備をして臨んでくださいね。

石仏と磨崖仏って?

みなさん、「石仏」と「磨崖仏」が、それぞれどんなものかご存じでしょうか?

こちらが「石仏」です。

 

こちらが「磨崖仏」です。

僕もよく知らなかったので、「石仏」と「磨崖仏」について知るために、豊後大野市にある歴史民俗資料館へ行ってみることにしました。ここへ行くと学芸員の方々がわかりやすく地域の歴史や疑問を熱く語ってくれます。

学芸員さんに「石仏」と「磨崖仏」に聞いてみると、「石仏」はその文字通り、石でできた仏像のことを指し、一般的に仏像として独立しているものが多いとのことでした。そして、「磨崖仏」は「石仏」の一種であり、崖にくっついたまま掘られているのが特徴なのだそうです。

「石仏」の場合は、彫ったものを祀る場所へ鎮座することはありますが、「磨崖仏」の場合は、とんでもない断崖や石、さらには洞窟のなかに彫ってあることがあります。

本当にAmazingとしか言いようがありません……。

その場所に彫らなければならない理由とは? そこにわざわざ石仏や磨崖仏を彫った人々の思いとはなんだったのでしょうか?

そういった「磨崖仏」の成り立ちを知ることを通じて、地域の歴史をより深く理解できるのではないかと思います。

豊後大野市歴史民俗資料館
住所:〒879-6643 豊後大野市緒方町下自在172番地
TEL:0974-42-4141(豊後大野市役所社会教育課 文化財係)
Mail:bo260060@bungo-ohno.jp
HP:http://www.bungo-ohno.jp/categories/shisetsu/shiryoukan/

なぜ崖や石に磨崖仏を彫ったのか

崖や石に仏様を彫った理由は、地質学的な観点、民俗学的な観点の2点から考察できます。

1.地質学的観点

はるか昔に阿蘇山の大噴火が 4 度起こりました。そのうちの 2 回が豊後大野市のところまでたどり着き、噴火時に堆積した古い地層がもろくなり、崖や石が削りやすい状態だったのではないかと考えられています。

昔の人々が削りやすい崖や石を選別できたことは、本当に驚くべきことです。しかしながら、なぜ選別できたかまでは正確にはわかっていません。

2.民俗学的観点

その昔、豊後大野市がある地域は、農業に必要な資源である水をめぐって争いが絶えなかったと言われています。大切な農業用水を平等に分配するために作り出された、この地域特有の利水施設「円形分水」は、まさに昔の人々の知恵と言えるでしょう。水を神聖なものとして大切に扱ってきたことがわかります。

そして、この「水は神聖なものである」という考え方は、仏様を掘る場所の選定にも関わっていたと考えられます。石と石の間から湧き出ている「湧き水」、つまり「水が関係する場所」に磨崖仏が集中している傾向があり、これはまさしく「人々が水を神格化していること」の表れとも言えるのではないでしょうか。

豊後大野で発見! なぜこんなところに石仏・磨崖仏ベスト5

ここからは、わたくしマイケルが独断と偏見で選ぶ、「豊後大野で発見! なぜこんなところに石仏・磨崖仏ベスト5」と称して、マジで行きづらい石仏・磨崖仏を5つ紹介します。

行きづらいという定義は、「車で近くまでは行けるものの、目的地まで歩くとけっこうな距離がある」です。それではいきましょう!

第5位 足の裏を見せたがるビリケン仏「犬飼石仏」(2分)

豊後大野市を南北に走る国道326号線(三国街道)の脇道に「犬飼石仏」の看板があります。比較的アクセスしやすい磨崖仏です。

 

近辺の大野川では鮎釣りをしている風景が見られます。とてものどかですね。

 

車一台がやっと通れるぐらいの幅がギリギリな踏切を渡り、民家の脇を通り過ぎます。そしたら、この案内掲示板が見えてきます。犬飼石仏休憩所があるので、そこに車を停めましょう。

 

駐車するのはこの休憩所の前です。近くにある公民館にも駐車可能です。

 

歩いて階段を登りましょう。

 

その途中で弁天様にも会えます。まるで隠しステージみたいですね!  階段は苔が生えているので滑らないように注意しましょう。

 

階段の右側の崖には四角に彫られたなにかがあります。

うわぁ〜。この四角のなかの棒みたいな石はなんなのでしょうか……。なんの目的、意味があるのか見当がつきません。聞くところによると、これは「一石五輪塔」というらしく、もともとはお墓として作られたそうです。一石五輪塔でこのサイズで点在するのは非常に珍しいようです。

 

そうこうしていると、到着です。落石注意! しっかりお祈りしない人には石が落ちてくるかもしれません……。

 

磨崖仏はお堂のなかに祀られていました。見事な不動さまです。

 

さて、タイトルは「ビリケン」としましたが、その理由はこの座り方にあります。

 

これは、仏教の結跏趺坐(けっかふざ)という座り方で、坐禅のときなどに組む足の組み方です。結跏趺坐をする理由としては、長時間座っても疲れない! 痛くない! というものらしいです。

この仏さまを見たとき、まるで大阪の通天閣にあるビリケンさんのようだと思いました。こんなに堂々と足の裏を見せてくれるのですから……。しかし、この仏さまの足の裏には決して触れてはいけません! なぜならこの仏さまは国指定重要文化財なので、触れることはできないのです。

そんなビリケンさんに、ぜひ会いに行きませんか? きっと触れられなくても、あなたの熱い思いを足の裏で受け止めてくれることでしょう。

犬飼石仏
住所:大分県豊後大野市犬飼町田原

第4位 日本一の大きさを誇る磨崖仏「普光寺 磨崖仏」(3分)

豊後大野市「普光寺」にある、日本一大きな磨崖仏。彫られた時期は鎌倉時代で、大きさはなんと11.4メートル。3階建てのビルと同じくらいの高さです。こんな断崖絶壁なら、足場すらも作るのが大変だったのではないでしょうか?

 

とりあえず行ってみましょう。こちらは駐車場完備です! このときお昼の15時だったのですが、なぜか付近の民家からカラオケの音が大音量で聞こえてきました。とてもカオスですね。そんなカオスな民家の脇道を歩いていくとお寺「普光寺」があります。

 

こんな優しい顔の磨崖仏が……! このお寺は紫陽花(あじさい)も有名で、6月中旬あたりには2000本以上の紫陽花が咲き誇ります。そして、自然のなかに君臨する日本一ビッグな磨崖仏。この光景にはただただ圧倒されます。ぜひ一度、日本一の磨崖仏のもとへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

普光寺 磨崖仏
住所:大分県豊後大野市朝地町上尾塚1225

第3位 半端ないって!「大迫磨崖仏」

第3位は、マジ半端ないって! 「大迫磨崖仏」です。

※正式名称は「大迫磨崖大日如来坐像」です。そして大切なことなので前もってサッカーファンに申しておきますと、この神様は牛や馬の神様です。サッカーとは何の関係もございません。

ここには駐車するスペースがきちんとあります。この階段があるところが目印。ここに車を停めて階段を登ります。 右側にある首だけの石仏を横目に正面の境内を見てみましょう。すると……。

 

どどーん! 暗い岩窟の中から「大迫磨崖仏」が現れます。正直言って、顔が怖い。

 

石仏のくだりで石にこだわって紹介しましたが、なんと麻などの繊維が入った粘土で出来ています。大きさはなんと3メートル超え! 大迫半端ないって! 60万年前に由布岳が噴火した際の地層が彫りやすかったみたいですね。

半端ない顔の迫力、お堂のなかの雰囲気は行ってみないとわからないものです。ぜひこの機会に、半端ない「大迫磨崖仏」へ行ってみてはいかがでしょうか。

大迫磨崖仏
住所:大分県豊後大野市千歳町長峰1526

第2位 平安時代から地域を見守る「宮迫東磨崖仏」「宮迫西磨崖仏」

この「宮迫磨崖仏」は東西に分かれおり、駐車する場所があります。このときは幸運なことに虹が出ていました。

実はこの磨崖仏、「緒方三郎惟栄」と密接な関係があると言われています。「緒方三郎惟栄」とは、この仏像がある地域を治めていた豪族の名前であり、この方が作らせたという説もあります。

 

まずは東側、「宮迫東磨崖仏」から見てみましょう。如来型坐像(にょらいがたざぞう)を中心に、向かって右に不動明王、左に毘沙門天(びしゃもんてん)があります。如来型坐像の大らかな表情には、温かいものを感じますね。

 

続いて、西側の「宮迫西磨崖仏」を見てみましょう。向かって左から薬師如来、釈迦如来、阿弥陀如来と配置されています。それぞれ現世・過去・未来にご利益があるとされています。同じ地区に東と西に分かれて、大らかで温かな表情をしたご利益のある像をつくるなんて、とても地域愛に溢れていますよね。当時の豪族が作ったのであれば、とても心優しく、人々の幸せを願う、思いやりに溢れた人物だったのではないかと思います。

宮迫東磨崖仏
住所:大分県豊後大野市緒方町鮒川 緒方町久土知71−番地

宮迫西磨崖仏
住所:大分県豊後大野市緒方町久土知

第1位 本当は5体。1体足りない石仏「菅尾石仏」(5分)

第1位は、豊後大野市三重町にある「菅尾石仏」です。駐車場は広くていいですね! ありがたいことにトイレもあります。

 

ここには、本来であれば5体の石仏があったのです。しかし、4体しか見当たらない……。5体目はどこへ行ったのか……。なぜ、5体あるはずの石仏が、4体しかないのか……。

 

それは……。というのは冗談で、これには昔の言い伝えがあります。

3行で説明すると以下のようになります。

  1. 昔、このあたりの集落に悪さをする鬼がいて、集落の人は困っていた。
  2. 僧侶が鬼に「朝までに石仏を5体彫ったら鬼の言うことを聞こう」と宣言。
  3. 鬼が石仏を4体完成させたことに慌てた僧侶は、ニワトリの鳴き真似をし、朝がきたと鬼に勘違いさせ、撃退した。めでたしめでたし!

こんな言い伝えがあったなんて、本当に面白い歴史を持った石仏です。ちなみに、この言い伝えを生んだ「菅尾石仏火祭り」というお祭りが今も残っており、絶賛「ニワトリの泣き真似コンテスト」を募集しています(今年は終了)。

このような逸話を知った上で訪れると、当時の人々に思いを馳せながら石仏を見ることができます。

菅尾石仏
住所:大分県豊後大野市三重町浅瀬401

まとめ

豊後大野市にはまだまだ面白いストーリーがある石仏・磨崖仏がたくさんあります。

ここで紹介したもの以外にも、石仏・磨崖仏は今もなお地元の方々からの厚い信仰を集め、大切に守られている存在です。観光目的での来場を一切お断りしているので、十分注意しましょう。

今回紹介した石仏や磨崖仏は、それぞれ特徴的な姿で迎えてくれるので、つい我々は歴史に思いを馳せてしまいます。いまだに石仏や磨崖仏の歴史には謎が多いのです。

ぜひみなさんの目で推理し、その謎を解明していただきたいです。そして、さまざまな石仏を見に豊後大野市へいらしてください。

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