こんにちは、ライターの佐々木バージニアです。
先日いいオフィス上野で、私の上司のケイさんが講師を務める「ライティング講座」が開催されました。20時〜と遅めの開始時間だったにも関わらず、合計31名の方に参加していただきました。お越しいただいたみなさま、どうもありがとうございました!
今回はその「ライティング講座」の様子をお伝えしようと思います。
イベントレポート
「バズる記事のつくりかた」「SEOの取り方」などのテクニック論は、もちろんとても重要ですが、今回ケイさんが「ライティング講座」でお話しされたのは、文章を書く上で必要な気持ちや考え方についてです。
1.LIGブログとはなにか?
コーポレートサイトとオウンドメディアの役割を併せ持つ「LIGブログ」は、「インプットした知識をアウトプットしていく場」です。
自分たちが持つ技術や情報を社内で独占せず、みんなに共有しようという「Pay Forward」の精神で運営しています。また、書くことは自分の気持ちや考えの整理にもつながるため、LIGでは「社員は月1本記事を書く」というルールがあります。
2.情報発信で大切にしたい3つのこと
「ライティング講座」でお話しした、情報発信で大切にしたい3つのことがこちらです。
- 情報発信で大切にしたい3つのこと
- (1)継続する
(2)楽しく書く(義務感で書かない)
(3)サービス精神をつねに持つ
「継続する」って簡単そうに見えて、けっこう難しいですよね。
私は、SNSに投稿して反応をもらったり、面白いと思うブロガーさんやライターさんの文章を読んだりすると創作意欲が湧きます。継続するために、自分がどういうときに書くモチベーションがあがるのか、把握することも大切なのかもしれません。
「楽しく書くことが大事だよ」というのは、普段からケイさんに言われていることです。LIGでは月1本記事を書くことが業務に組み込まれているので、「義務」になってしまう部分も正直あるとは思います。しかし書き続けることでしだいに「書く筋肉」がつき、楽しみながら執筆できるようになるのではないでしょうか。
「サービス精神」に関しては、読者のことを考えることももちろん重要ですが、まずは自分で「自分のこの作品、面白い」と思えることが大事だと思いました。自分が本当に「面白いものを作れた」と思ったときこそ、周囲の人に「面白い」と思ってもらえる作品になるのではないでしょうか。
また、ケイさんがおすすめする書籍がこちら。最初の2つは、ライティングのテクニックについて書かれた定番書だそうです
そしてこちらは、必ずしもライティングの具体的なテクニックが書かれているわけではないものの、「書くこと」に向き合うために必要な心構えが書かれているそうです。
3.情報発信に慣れるには
とても基本的なことですが、そもそも情報発信に慣れるためにはどうしたらよいでしょう。他の人の目に触れやすいブログサービスとしては「はてなブログ」「note」「medium」などさまざまなものがあります。しかしケイさん曰く、「ネットでのマナーなどに慣れる上でも、匿名サービスの雰囲気に慣れることも、あまり言われていないことだけれども、重要なことではないか」とのことでした。「2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」や「はてな匿名ダイアリー」などのサービスは昔からよく見ていて、書き込んだりもしてきたそうです(「今でもたまにやっている」とも言っていましたが)。
匿名サービスには一長一短あるものの、何か書いたあとに読んで反応をくれたりする人もいて、ときには批判されることもあり、そういったことに慣れる意味はあったとのこと。
身分を明らかにしてブログサービスで書く場合も、PV数を見たりSNSで検索して感想を拾ったり、「定量」「定性」の2つの指標を柱に、自分で考えて改善していくのが大事だとのことでした。「定量」というのはPVやSNSシェアの数の多い少ないを数値で測ること。「定性」というのはSNSで具体的にどのような感想が書かれていたのかであったり、また「読んだよ」という身近な人の生の声を聞いたりといった、数値では表せないフィードバックのことです。
私は日頃「はてなブログ」を使って個人ブログを書いているのですが、TwitterやFacebookに投稿してリアクションをみています(いつもエゴサーチもしてます)。
身近な人からの反応をちゃんと集めることも、書くモチベーションにつながるだけでなく、情報発信に慣れることにもつながりそうですね。
4.企画の立て方
「思考の抽象度を上げましょう」、これもケイさんが日頃から言っていることなのですが、私も初めて聞いたときは「思考の抽象度を上げる……? どういうこと?」と思いました。少し難しいですよね。
たとえば、ある人が「母と仲が良くない」という問題を抱えているとします。その理由としてすぐに思い当たるのは、「母と考えが合わないから」などになるでしょう。
しかし、この理由はとても具体的すぎて、もしこのトピックについて何かを書こうと思っても、人に伝えられるような文章やエッセイに仕上げづらくなってしまいます。
その迷路に迷い込む前に、「母」が社会的にどういう立場におかれているのか、「母」はどういう時代を生きてきたのかなど、その背景にある事象を、さまざまな知識を入れながら客観的に捉えられるようにします。自分の身近で起こったことであっても、その物事をいったん一般化し、俯瞰して考えられるようになるというのが、「思考の抽象度を上げる」ことだそうです。
「思考の抽象度を上げる」ことで、個別具体的な事象を一般化することができ、より多くの人に伝えられる文章になります。下記のこともコンテンツをつくっていく上で大切なことなので、考えてみてはいかがでしょうか。
- 思考の抽象度を上げて考えてみよう
-
- コンテンツを通して、社会にどういうインパクトを与えたいのか?
- 自分はいかなる人間なのか?
- 自分が一番関心があることはなんなのか?
思考の抽象度を上げるためには、社会科学(経済学、経営学、政治学、法学、社会学etc)の知識をつけるのが手っ取り早いとのこと。アメリカの広告マンのバイブルで日本でもロングセラーの『アイデアの作り方』で、著者のジェームス W.ヤングさんも提唱されているそうです。
入門書としては下記の2冊がおすすめだとのこと。
5.記事の構成とタイトルワーク
ここでは「自分の人生のなかのひとつの出来事をストーリーにして簡単に表現する」というワークショップをおこないました。この課題を通して、自分の人生を再解釈してみましょう。
- 「自分の人生のなかのひとつの出来事をストーリーにして簡単に表現しましょう」
-
- それを通して「自分がどんな人間か」「どんなことを表現したいのか」
- 数百字程度/概略
- タイトル案も考えてみる
(1)名前
(2)タイトル案
(3)本文
文才があるように書く必要はなく、しゃべるように、友達に話しかけるように書くと良いですね。ドラマチックな出来事をドラマチックに書かないといけないと思いがちかもしれませんが、まずは日常の何気ない出来事からどれだけ思考を深め、そこから読み手のポジティブな感情を引き出せるか、を考えることが大切です。
そして「継続する」ためには、「自分がどんなテーマだったらたくさん書けそうなのか」をはっきりさせておくことも重要です。
また、ユーモアのセンス、自分が実感したことを言語化して書くというのも「サービス精神」という観点から必要なことですよね。私も読者の方にクスッとしてもらえるような文章を書いていきたいなあ……! と改めて思いました。
まとめ
「ライティング講座」のイベントレポートを書いてみましたが、いかがでしたか。雰囲気が少しでも伝われば嬉しいです。
今回「ライティング講座」の講師を担当したケイさんが書かれた、ライティングに関する記事はこちらです。記事を執筆する上で押さえておきたいポイントがまとめられているので、ぜひチェックしてみてくださいね。 音声入力時代の原稿作成、あるいはテキストの危機について 取材・インタビューってどうやるの? 企画書作成から当日の段取りまで解説します 「無い」という表記だけはやめてクレメンス……ブログ執筆で間違えやすい日本語を指摘させていただきます。
それでは、また!