こんにちは、LIGの人事のあきとです。
いきなりですが人事のみなさん、従業員のコンディション管理ってどうしてますか?
僕自身、従業員のことはいつも気にかけているつもりなのですが、組織の規模が大きくなり100人以上いる従業員一人一人から話を聞き、常にコンディションを把握したり、課題に対応をするには僕だけの力では限界を感じていました。
人事課題をたった3問で!?従業員コンディション変化発見ツール「Geppo」が凄すぎる
どうしたらいいか悩んでいたところ、3つの質問に回答してもらうだけで従業員のコンディション変化を発見できるツール「Geppo」を知りました。
前回、「Geppo」の担当者にインタビューさせていただいた、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
今回は「Geppo」をLIGで導入し、実際に使ってみました。そこから、わかったことや見つかった課題についてお話しします。
- 「Geppo」とは
- 従業員に「仕事満足度」「人間関係」「健康」の3問に絞った簡単なアンケートを行い、変化の兆しを素早く察知することができる従業員のコンディション変化発見ツールです。また「フリーコメント」や「追加質問機能」を活用することにより、エンゲージメント測定や隠れた人材の発掘に活かすことも可能です。
「Geppo」を導入して得た気づき
LIGでは「Geppo」を導入し、1ヶ月おきの2回にわたりアンケートに答えてもらいました。アンケートは、以下の3問と、任意でフリーコメントを記入できるようになっています。
- 仕事に対する満足度はいかがですか?
- あなたの職場の人間関係は良好ですか?
- 最近、よく眠れていますか?
それぞれ「大変良い」「良い」「普通」「悪い」「大変悪い」の中から回答を1つ選択します。
※こちらはサンプル画面です
※こちらはサンプル画面です
コンディション把握はもちろん、具体的な意見も
初めてのアンケートでしたが業務の合間に手軽に答えられる内容なので、多くの回答が集まりました。3つの質問からは、繁忙期ということもあるのですが、「仕事満足度」と「人間関係」は晴れマークが付いていても、「健康」に曇りマークや雨が付いてしまう人がちらほら見受けられました。また今回のアンケートでフリーコメントとしてもらった意見をいくつかピックアップしてご紹介します。
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- どうしても目の前の業務をこなすのに時間がかかってしまっています。 自身の作業効率は見つめ直しますが、適切な業務量なのかは社員全体で監視、管理できるようになりたいと思います。
- 過去に在籍された方々のナレッジ化がされておらず、属人化されている。教育制度含めて、メンバー全員のボトムアップはマストかなと思ってます。
- 最近マネージャーの心労具合が心配です。肉でも食べて元気になってもらいたいな。
- なんで上司は部下を評価するのに、部下には上司を評価させてもらえないんでしょうか?
対面ではなかなか話してくれないことを「Geppo」を通すことで話してもらうことができます。
3つの質問でのコンディション把握はもちろん、フリーコメントで意見をもらえることによってかなり具体的な意見を聞くことができました。特に、「部下には上司を評価させてもらえないのか?」という意見には、評価制度について改めて考えるきっかけになりました。
アンケートの結果は各部署のマネージャーにも共有したほか、人事ができることとして社内のいろいろなところで社員の方々に声をかけコミュニケーションをとったり、一部の社員には面談も行いました。
「第4の質問」で自社のロイヤルティを可視化
「Geppo」では3つの固定質問と自由に書き込めるフリーコメントに加えて、オリジナルの質問を追加することができます。1回目の結果を踏まえ、より正確に職場環境を把握するため、2回目は新たに「第4の質問」として以下の質問を導入しました。
「あなたは現在の職場で働くことをどの程度親しい友人や家族に勧めたいと思いますか?」
これは従業員のロイヤルティを可視化する指標「eNPS(Employee Net Promoter Score)」の調査で使われている質問です。社員には10段階で評価を出してもらいます。1〜6点は「批判者」、7〜8点は「中立者」、9〜10点は「推薦者」とし、以下の数式でeNPSの数値を算出します。
eNPSは、ビジョンへの共感度や自社への愛着度、やりがいなどを測定することで改善策を導き出す方法で、多くの有名企業も取り入れているそうです。このeNPSの数値が良い企業では、社員一人一人の仕事の満足度及び生産性が高く、かつ離職率が低いベストな状態を維持できているという傾向が出ています。
自分自身の満足度を聞かれるよりも、より高得点を付ける基準が厳しくなる「親しい友人や家族に勧めることができるか」という質問を採用することで、「仕事」「人間関係」「健康度」とは別に、組織のエンゲージメントを測定することが可能です。
2回目のアンケートからわかったこと
1回目のアンケートからちょうど1ヶ月が経過したタイミングで、2回目のアンケート調査を実施。今回も多くの回答をもらうことができました。3つの質問による回答では、前回と比べ大きなコンディションの変化は見られませんでした。各々の課題はあるものの、「大きな変化がない」のは悪いことではなく、むしろ良いことなのかなと思っています。
フリーコメントでは、以下のような声が聞かれました。
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- 新人さん交えて全社で飲み会したいです。新しい人誰か分かんないですし、何が出来るかを共有しながら飲めたら良いなって。
- 事業部や職種間で、考え方の違いが大きくなっている気がする。 相互理解が足りないのでは。
- 先日の面談ありがとうございました。フォローしていただいたおかげで、以前よりスムーズに進行できるようになり気持ちが楽になりました。
- 仕事内容には大変満足していますが、繁忙期はやっぱり忙しいですね。
- 座ってて疲れない椅子に変えて欲しい。
先月、面談を実施した社員が前向きなコメントを書いてくれていました。もちろん一度の面談でその社員の課題がすべて解決したわけではありませんが、ちょっとした声かけやフォローを意識するだけでも状態が改善するということを実感できました。
意外なところでは「社内の椅子」についての意見も聞くことができました。一見ちょっとした要望に思えますが、確かにエンジニアやデザイナーなど1日中座って作業する人にとっては、重要な課題といえます。3つの質問と合わせてみることで体調の悪化や長時間労働へ繋がっていないか、などを想定することができるので、具体的なヒアリングや環境整備などの対応を進めて行く予定です。
eNPSの活用
第4の質問として回答してもらったeNPSですが、-57%という数値が割り出されました。会社の規模別eNPSでは、LIGと同じ従業員数100人から500人規模の会社では-70%前後、非上場企業では-60%前後が平均値ということで、相対的に現在のLIGの立ち位置を把握することができたと同時に平均以上という結果が出て一安心でした。
社員の方々が感じているロイヤルティを可視化できたことにより、今よりももっと自社への共感度や愛着度、仕事へのやりがいなどを感じてもらえるように改善策を検討しています。また、この第4の質問は今回のロイヤルティ測定以外にも、各個人の特技や強みを聞いてタレント情報の蓄積に活用したり、隠れた人材の発掘に活かすことができるそうです。その時々で質問内容を変えるなど、工夫次第で色々な課題解決に活用していくことができそうだと感じました。
現在はeNPS調査を実施しようとすると調査会社などに依頼するなど別途費用がかかってしまいます。「Geppo」では第4の質問をうまく活用することで、世界的に使われている指標をお手軽に使用できるところもかなり魅力的です。
「Geppo」を使ってみて
LIGでは多様性を受け入れるというカルチャーがあり、それを実現する方法の一つとして、人それぞれに異なる強みや特性を生かすことにより各個人も組織も良くなっていくという「ピープルマネジメント」の考え方を取り入れています。
社員の方々に仕事に意欲をもってもらい、強みを発揮してもらうためには、各個人の価値観を理解することが必要です。また、価値観を理解することは短期的に能力を発揮していくことだけではなく、「将来、どうなりたいか」「どのように活躍していきたいか」という中長期的なキャリアの開発にも関わってきます。
「Geppo」を導入し、各個人のマネジメントという観点でデータを見てみると、普段のタスク管理だけでは見えてこない個人の声に耳を傾けることができます。
事前に各個人のコンディションを把握することや意見をもらうことができ、限られたリソースの中でもより深くコミュニケーションをはかり、考え方や強みなど社員の方々に対する理解を深めていくことができると感じました。
おわりに
今回、「Geppo」を導入することにより、社員の方々からたくさんの意見を聞くことができました。ポジティブな報告や意見もありましたが、なかには人事として重く受け止めなければならない意見や現場での改善要望など、新しい課題を沢山見つけることができました。こういった課題をしっかりと一つ一つ解決していくことが、気持ちよく働ける環境を整え、今よりももっと会社を好きになってもらうための秘訣なのかもしれません。
コンディションの変化から、会社の長所はもちろん、個人のネガティブサインすらわかる「Geppo」。何となくは感じていたものの、そもそも「Geppo」を使わなければ、こんなにみんなが意見を持っていることに気づけませんでした。また人事が経営に密接に結びつくのだという点も、改めて感じることができました。
変化の早い現代社会で企業がより良く成長していくためには、課題を見つけ出し、スピード感を持って改善していくことがとても重要だと感じています。それを助けてくれる従業員のコンディション変化発見ツール「Geppo」。人事担当者や経営者の方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか?
従業員コンディション変化発見ツール「Geppo」
「Geppo」は、サイバーエージェント社が社内で運営する適材適所を目的とした独自アンケートシステムの考え方をベースに開発した、 ”従業員のコンディション変化発見ツール” です。
従業員に「仕事満足度」「人間関係」「健康」の3問に絞った簡単なアンケートを行い、問題となりそうな兆しを素早く一目で把握、面倒な運用業務は全て代行してくれます。また「フリーコメント」や「追加質問機能」によりより網羅的な計測・蓄積ができ、エンゲージメント測定や隠れた人材の発掘に活用することも可能です。
「システム」と「オペレーション」をセットで、社員数に応じた導入しやすい価格となってます。
「こんなツールを探していた!」という人事担当の方は、是非検討してみてはいかがでしょうか。