こんにちは。観音クリエイション(@kannnonn)です。
先日、長野県の信濃町にあるゲストハウスLAMPに遊びに来たところ、
- 自然豊か
- 空気が綺麗
- ご飯がおいしい
- 会う人はみんないい人ばかり
- インターネット環境もバッチリ
と、住みやすさのロイヤルストレートフラッシュみたいな場所で、「こんなに素敵な場所が国内にあったのか……!」と、ものすごく衝撃を受けました。
で、僕は思考が非常に短絡的な人間なので「ここに移住したいな」と思いました。思いましたが移住するにあたって何をすればいいのかわかりません。わかりませんのでまずは先輩の成功事例から学ぶことにします。
というわけで今回は東京から長野県の信濃町に移住してゲストハウスLAMPで料理人として働くマメさんにインタビューさせていただきました。移住にまつわるあれこれや仕事に関する苦悩について赤裸々に語っていただきます。
目次
東京から長野への移住を決めたきっかけ
ー もともとは東京で飲食関係のお仕事をされていたとのことですが、長野に引っ越すことになったきっかけは何だったのでしょうか?
東京に住んでいたときは個人でケータリングの仕事をしていて、その写真をちょくちょくFacebookやTwitterなどのSNSにUPしていたんです。それが以前から交流のあったLIGの経営陣の目に止まって、いいオフィスのイベントで料理を提供するようになりました。
その後、社長のゴウくんから「ゲストハウスLAMPのレストランで厨房スタッフやってよー!」と声がかかって、断る理由もなかったし、なんか楽しそうだったのでその場でOKして移住を決めました。
ー 移住先を長野県の信濃町に決めた理由はなんですか?
特にないです。LAMPがあるのが信濃町だったのでここしかなかったという感じで。なので感覚的には「移住」というより「転勤」に近いかもしれないですね。
ー なるほど。ではLAMPを選んだ理由は何でしょうか?
人ですね。ゴウくん以外にも役員の龍﨑さん、あとはLAMP支配人の堀田くんと出会って、「この人たちともっと長い時間を過ごしたいな。一緒に仕事をすることでもっと深く関わっていきたいな」と思ったのがLAMPで働くことを決めた理由です。
否歓迎ムードから成功までの試行錯誤
ー LAMPの料理人として働きはじめて、思っていたより大変だったことや、移住前とのギャップなどがあれば教えてください。
働きはじめた頃が一番大変だったかもしれません。僕個人としては「変化・改革」を目的にこちらへやって来たのですが、ゴウくんが先日の「万年赤字の宿を3年で見事に立て直したある男の話。ゲストハウスLAMP3周年に寄せて」という記事で明かした通り、当時のLAMPはそもそも採算が取れていない、劣悪な経営状態でした。そんなタイミングで入社したので
「こんな先行き不安な経営状態なのに、さらに人を雇って大丈夫なのか?」
「東京から初めて田舎に引っ越して来た人間が長く暮らしていけるのか?」
「そもそもこいつはちゃんと仕事ができる人間なのか?」
という先輩スタッフの不安が目に見えるように伝わってきました。まったく歓迎されていないムードでしたね。
ー 大変なスタートだったのですね。それから2年経ち、今ではマメさんが一人で厨房を回されていますが、どのようにして現在の状況を作り上げてきたのでしょうか?
こっちで働きはじめてから、「保守的な意見を聞いているだけでは話が進まないし何も変わらないな」と気づいたんです。そこから自分で考えて、実際に手を動かして、仕事をどんどん吸い取るようにしてから良い方向に向かいはじめた気がします。
ー 主体的に仕事をやりはじめて、具体的にどんな変化を起こしてきましたか?
扱う食材やメニューの刷新、仕入れやオペレーションの最適化を行いました。できるだけ地産地消と手作りを心がけつつも効率的な運用になるように、現在も良い変化を起こし続けているつもりです。
ー 変化には痛みがつきものだと思います。苦労したことや大変だったことも多かったのではないでしょうか?
そうですね。たとえば、今では好評の「LAMPバーガー」というランチメニューがあります。
LAMPバーガーを導入する前は、ご飯物やパスタなどの多様なメニューを置いていたのですが、僕の提案でそれをすべてやめ、数種類のハンバーガーとサイドメニューとドリンクだけを提供する方向に大きく舵を切ったんです。
一部の常連さんからは反対されましたし、来てくれたお客さんから「米が食えないなら他のところに行くわ」と目の前で去られたこともありました。「あ、これはやっちまったかもしれないな……」と不安になったのを今でも覚えています。
(今では看板メニューとなっているLAMPバーガー。肉汁あふれるパテと地元の野菜をふんだんに使ってオリジナルソースで仕上げる逸品)
ー 飲食関係は結果が出るまで時間がかかるので、その不安も大きかったと思います。その不安はどのようにして乗り越えたのでしょうか?
そもそも長期的な計画でしたし、「近くに競合となるお店がない」「アレンジや新メニューの開発を積極的にできる」「オペレーションを最適化しやすい」「新たな商圏を作れる」という根拠と勝算がちゃんとありました。なので自分を信じて愚直に続けただけですね。
LAMPで料理人として働くことで得られるもの
ー 「LAMPで働いていてよかったな」と思うことはありますか?
3つあります。まず1つは「食材が良いこと」。空気も水も綺麗な土地なので食材の質そのものが良いのはもちろん、生産者の方との距離が近いので、ここでしか得られない情報を得ることができます。また、山菜狩りやキノコ狩りを通して、東京では見ることもできないような食材を使えるのも魅力ですね。食材が変わったことで僕の料理法もガラッと変わりました。
今まではレシピベースでレシピに合わせて作っていたのですが、食材に合わせてレシピを考える機会がとても増えたんです。これはとてもクリエイティブな方向転換だと思っていて、自分の中では非常に大きな、良い変化でした。
2つ目は「人とのご縁が多いこと」。信濃町には地元を盛り上げようとする人が多くて、その人たちと料理を通して繋がって面白いことを企画したり、そこからさらに新しい出会いにつながったりします。また、LAMPはそもそもゲストハウスとアウトドアスクールを主軸として営業しているので、県外から来られるお客さんが多いんです。普通にレストランで働いていると遠方のお客さんと触れ合うことってそこまで多くないので、貴重な経験だなと感じます。
(ご縁がきっかけで仕入れるようになったラム肉のたたき。鮮度が高い肉なのでまったく臭みがなく、とてもおいしい)
3つ目は、本社が料理の会社ではなくWebの会社なので、レストランとしては突飛なことをしても「そういうものか」と受け入れてもらえる環境があること。料理人としてここまで自由に挑戦できて、自分の好き放題に変化を起こせる職場はどこを探してもないと思います。
料理人マメの1日のスケジュール
ー お仕事がある日の1日のスケジュールを教えてください。
- 09:00:家を出る。出勤途中で道の駅や農家さんで野菜を仕入れる
- 10:00:LAMP到着。仕込み&開店準備
- 11:30:ランチ営業開始。ハンバーガーを作りまくる
- 13:30:ランチ営業終了。片付け、休憩、事務作業、昼寝したりして夜に備える
- 16:00:ディナーの仕込み再開
- 18:00:ディナーの営業開始
- 21:30:閉店
- 23:00:片付け、帰宅
基本的にはこのような流れです。
拘束時間は長いのですが、その中でちゃんと自分好みのリズムを作れているのでストレスは特にないですね。
LAMPのレストランの課題
ー 現在のLAMPのレストランの課題は何でしょうか?
信濃町というフィールドをまだまだ使いこなせていないな、という実感があります。もっとこの町のことや食材を調べたりして知見を深めて、それを料理に反映させていきたいですね。
あとはこのLAMPの事業を継続しようと思ったときに「自分ひとりじゃできない規模になるだろうし、近いうちに限界が訪れるだろうな」というのがわかっているので、早めに体制を整えたいなと考えています。
どちらも良いスタッフが入ってくれれば解決できる問題なので、人材の採用を始めたところです。
調理経験なしでもOK。良い人材に入ってきてほしい
ー なるほど、どんな人と一緒に働きたいですか?
柔軟性があって、ノリがいい人がいいですね。調理経験はあってもなくてもOKです。
ー え、調理経験はなくても問題ないんですか?
はい。調理経験のない素人の方でも本当に大丈夫です。僕はメニュー開発時にオペレーションまで考えるタイプの料理人なので、完全に未経験の人でも1週間つきっきりで教えれば、僕が今LAMPで働いているのとほぼ同じように動けるようになります。実際そんなに小難しいことはしていないので、やる気さえあれば本当に誰でもできます。
とはいえ調理経験がある人が入ってくれるとレシピのクオリティもさらに高められるはずなので、経験者の方ももちろんウェルカムです。
一緒に働いてくれる人には僕がLAMPで培ってきた技術やノウハウは全て伝えるので、いま僕がやっている仕事を全て奪ってくれるような、やる気のある人が来てくれると嬉しいですね。
興味がある方は、まずはお気軽にご連絡ください!
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ー ではLAMPで調理師として働こうと考えている方へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
僕自身もそうなのですが、料理人って「本当に料理が好きな人がやっている職業」だと思うんです。好きでやってるからこそ楽しんでやりたいし、好きだからこそ歳をとってもやり続けたい。
だからそのためにストレスになるような物事やめんどくさい手間なんかはできるだけ排除して、気分良く一緒に働けたらいいなと思います。結果さえ出せれば本当に何やってもOKな職場なので、そんな環境を求めている料理人の方にはとてもおすすめな環境です。めっちゃ楽しいですよ。
料理人マメの今後の目標
ー LAMPの料理人としての目標を聞かせていただけますか?
LAMP事業は長野だけで終わるものではないと思っています。2店舗目が豊後大野にもできましたが、今後もLAMPという面白い場所を全国各地に増やしていく予定なので、新店舗での教育や商品開発にも力を入れていきたいですね。
ー 最後にマメさん個人としての今後の目標について聞かせてください。
実はすでにほとんど達成できていることなのですが、社長のゴウくん含めて周りの人に「マメこれ作ってー」って言われて「わかった任せろ」と、美味しいものを作り続けていければいいなと思います。期待を超えて喜んでもらえるものを今後もどんどん作っていきます。
ー ありがとうございました。
ありがとうございました。